45歳と言えば、多くのプロアスリートは第一線を退いている年齢。しかし、常識を覆し続けてきたイチローの挑戦心や情熱は、歳を重ねても変わることはありませんでした。
2019年、多くの野球ファンや専門家は、伝説の選手イチローが遂にその輝かしいキャリアを終えるのではないかと噂していました。
《イチロー引退の日(2)》事実上の戦力外通告!?会長補佐としての役割と選手復帰の夢
ICHIRO’S LAST GAME
イチロー復活へ…マイナー契約からの挑戦
2019年1月22日、シアトル・マリナーズがイチローと2019年の選手契約について合意、この一報はMLB公式サイトでも大きく取り上げられました。
「イチローがマリナーズ招待選手に」との見出しで報じられ、「木曜日、イチローは正式にマリナーズへ迎え入れられた。
この45歳は招待選手となることが明らかにされた」との文言がファンの期待を一層高めました。
この契約は“マイナー契約”ではありますが、事実上の「現役復帰の契約」とも評されており、イチローとマリナーズの絆を感じられるものでした。
この契約によりイチローの2019年のシーズンは、招待選手としてスプリングトレーニングに参加しながらメジャー昇格を目指すことが可能になりました。
しかも、2ヶ月後の3月20日、21日に開催される東京ドームでのアスレチックスとの開幕2連戦では、ベンチ入りメンバーが例外的に25人から28人に増員されることから、この二連戦では、イチローの契約がマイナーからメジャーに切り替わり、選手として出場する見通しであると伝えられました。
ディポトGMはイチローの日本での開幕戦出場について、健康状態を確認する必要があるとの考えを示しました。
その後、アメリカに戻り25人枠に減少した際のイチローの立場については、何も明らかにしませんでした。
また、今後のマリナーズの方針については、45歳のイチロー残留の可能性を示す一方で、若手中心のチーム作りを目指していくと語りました。
MLB公式サイト、マリナーズとアスレチックスの東京開幕戦を注目シリーズに選出
MLB公式サイトが、2019年の「各チームが楽しみにすべき1シリーズ」という特集記事を掲載し、その中で日本の東京ドームで行われるマリナーズとアスレチックスの開幕二連戦が取り上げました。
記事では「イチロー・スズキをフィールドで目の当たりにするのは、この2回が最後のチャンスかもしれない」と、ファンへの魅力を伝えるコメントが綴られていました。
また、日本との時差によりアメリカの野球ファンは「東部標準時間午前5:35に早起きが必要」となるが、イチローのラストプレーが見れるなら、早起きして試合を視聴する価値が十分にあると紹介されていました。
イチロー、米アリゾナ州でキャンプイン前の自主トレ実施
2月15日、メジャーリーガーイチローが、米国アリゾナ州のチーム施設で、翌日のキャンプインに先駆けて自主トレーニングを行いました
午後1時から始めた身体検査を終えると、午後2時40分過ぎに球団のロゴ入りTシャツと短パン姿でクラブハウスを出て、ジョギングやストレッチで約5分間体をほぐしました。
その後、室内練習場での打撃練習へと移行。
打撃ケージでは正面からのトスに対して55回のスイングと、オーバーハンド投球に対して45回のスイングを実施。その際の力強い息遣いと気迫ある声が室内に満ちていました。
打撃練習の後には、フィールド上でのジョギングとストレッチ。イチローの短パンから見える筋肉の隆起が、オフにかけてのトレーニングの成果を示していました。
続くキャッチボールでは、距離を徐々に延ばしていき、約70メートルの遠投も行われました。そして最後は、素振りで約50分にわたる自主トレを締めくくりました。
イチローのメジャー19年目、日米を合わせて28年目のシーズンに向けた準備はこうして始まりました。その姿は、新たなシーズンへの熱意と、選手としての高いプロ意識を再確認させるものでした。
イチロー、米アリゾナ州でキャンプインし新フォームを披露
イチローが2月16日に米アリゾナ州ピオリアでキャンプインを迎え、新しい打撃フォームを公開しました。
2時間半の練習中、イチローは新たな打撃フォームを披露。
これはオフシーズン中に自身が改良したもので、昨年のフォームとは異なり、バットのヘッドが投手の方向に傾き、膝が更に沈んでいます。
フリー打撃では7割ほどの力で25球を打ち、そのうち5級は軽々と柵を超えていきました。
練習後に新しいフォームの背景や狙いについての質問を受けた際、「そんなこと言わなくてもいいんじゃないの」と独特のさっぱりとした態度で答えました。
一方で、現在の体調や調整については「軽めです。ずっと寒いところ(神戸)で練習していたので、急にフルパワーでやるのはリスクがある。時差ボケを克服するまで、徐々にペースを上げていくつもりです」と淡々と述べました。
キャンプ自体は充実した様子で、「イチロー選手として呼ばれるのは、本当に気持ちがいい」と喜びのコメント。
さらに、これがキャリアで19回目のメジャーリーグのキャンプインとなることについて、「自分にとって、非常に特別な日」と明るい笑顔が語りました。
その後、その日のイチローの姿をとらえた写真がマリナーズの公式ツイッターに掲載され、コメントには「ヘイ、イチ」と書かれていました。
写真には、アリゾナの美しい青空の下、グラウンドで笑顔を浮かべるイチローの姿が映っていました。
写真には、野球道具を詰めたカバンを持ち、チームメイトのディー・ゴードンとともに練習場を移動する姿が捉えられていました。
45歳とは思えないその活気ある姿から、イチローの心身の充実ぶりが伝わってきました。
Oh hey, Ichi. 👋😎#MarinersST pic.twitter.com/GBwbq3E9Mb
— Seattle Mariners (@Mariners) February 17, 2019
キャンプ2日目、291日ぶりにメジャー投手相手に打席立つ
2月17日、キャンプ2日目となるアリゾナ州ピオリアのキャンプでは、イチローが午前11時から始まる練習でグループの先頭に立ち、誰よりもシャープな動きを見せたことが注目されました。
昨年5月2日以来、291日ぶりの長いブランクを経てのメジャーリーグの投手との対戦となりましたが、イチローのメンタルの強さや、長年の経験が如何なく発揮されていました。
対戦相手は昨シーズン、ジャイアンツでの活躍が記憶に新しいハンター・ストリックランド。
一般的に「ライブBP」は投手にとって実戦練習となるため、打者はバットを振ることなく、球の動きや速度を確認するだけの場合が多い中、イチローは全7球中、1度のスイングを見せました。
それもファウルに終わったものの、「別にどうってことない」と、その冷静さを垣間見せました。
また、イチローは「ライブBP」について「もともと嫌い」と公言。
しかし、その後のフリー打撃では新しい打撃フォームを披露し、25スイング中2本のホームランを記録。外野に対しても左右に打球を分散させる技術を見せつけ、その打撃技術の高さを改めて示しました。
菊池投手との交流
練習後、今季からマリナーズ入りした菊池雄星投手との交流も話題となりました。
クラブハウスでの質疑応答中に菊池がイチローの視界に入るや否や、イチローが興味深げに「いつライブBPで投げるの?」と即座に質問。
菊池から2月19日に投げるという返答を受けたイチローは、「打席に立つのかな?でも、見てみたいよね。ブルペンでも見てみたい。だって日本で一番いい左ピッチャーだからね」とコメントし、菊池との対戦に興味津々であることをうかがわせました。
菊池はその言葉に照れ笑いしながら、ボールの悩みをイチローに相談。イチローはアリゾナの気候が原因だろうと指摘しアドバイスをしました。
サービス監督からはイチローのプロ意識を賞賛するコメントがあり、「イチは常に準備ができている」と強調。
また、今季のマリナーズの若手選手が多い中、ベテランのイチローが若手選手からの質問に答えることで、新旧の選手間の良い関係が築かれていることを明かしました。
菊池投手の存在
2月19日、菊池投手がメジャー初の実戦となるライブBP(実戦形式のバッティングプラクティス)に挑戦。
開幕スタメン候補の遊撃手ティム・ベッカムや正左翼手候補のドミンゴ・サンタナ外野手との対戦など、合計4人の打者を相手に30球を投げ、その中で安打性の当たりを2本許すに留まる好結果を残しました。
その前には、ブルペンでの34球の投球練習に励んでいた菊池投手。その姿をバットを手に持ったイチローがケージからのぞきながら見守っていました。
その様子に日米の報道陣が動揺し、カメラのシャッター音が鳴り響く中、イチローは菊池の投球をじっくりと観察。最後の1球が終わると、イチローはフィールドへ静かに移動しました。
菊池は練習後、報道陣から「イチローさんが投球を見ていた」という話を聞き、その事実に驚きの表情を浮かべました。「マジっすか?教えてくださいよ。本当ですか」とコメントしました。
イチロー、トレーニングマッチでデッドボールに見舞われる
2月20日、シアトル・マリナーズの春季トレーニングキャンプに緊張が走りました。
この日、現役復帰がささやかれているイチローが、通算168勝を誇る投手、フェリックス・ヘルナンデスとのライブBPで対峙。
二人のレジェンドを見るため、キャンプ地の簡易スタンドは多くのファンで溢れかえっていました。
2人はかつて、マリナーズが困難な時期を乗り越えるために力を尽くしてきたスター選手。
特にヘルナンデスは援護が少ない中でも試合を引っ張ってきた投手で、イチローは常に打線の中心としてチームを牽引してきた。そんな2人の対決は、ファンにとっても非常に特別なものだったのです。
しかし、試合中に予想外の事態が。
ヘルナンデスの投じた高速スライダーにイチローは空振り、その直後にショートバウンドしたボールがイチローの右足に飛んできました。
すぐにジャンプして避けようとしたイチローでしたが、右足スパイクの最下部に直撃しボールはフェンスまで飛んでいきました。
「あー!!」との声が響き渡ると、キャンプ地の空気は一瞬で凍りつきました。バランスを崩して地面に倒れ込むイチロー。
それでも、持っていたバットは最後まで手放さず、バットを支えに左足だけで立ち上がりました。
ヘルナンデスは即座にイチローのもとへ駆け寄りましたが、イチローは痛みをこらえながらも、軽く手を挙げて「大丈夫」とのサインを送り練習を再開。
しかしその打席はわずか4球で終了。
「地味に痛いわ。ライブBP、嫌いやわあ」と語り、練習メニューを途中で切り上げ、クラブハウスへと引き上げました。幸い怪我は軽度であり、レントゲンを撮る必要はなく触診とアイシングのみが行われました。
その後のシーンがファンの心を温めました。イチローが再びフィールドに姿を現すと、ヘルナンデスが中南米出身の若手選手たちと談笑していた。
イチローはスペイン語でジョークを飛ばし、その場は爆笑となった。ヘルナンデスも、この緊張感を和らげるため「My Bad!(俺が悪い!)」とユーモラスに返答。
これにより、二人の間の深い絆や、チーム内の和やかな雰囲気が伝わってきました。
キャンプ中のアクシデントが続くも今回は比較的軽傷
翌日から始まるオープン戦初戦には、最初から出場予定はないとのことだが、イチローの健康状態にはファンもチームも心配してました。
実は、イチローのキャンプ中のアクシデントは3年連続で4度目になります。
イチローがマーリンズに所属していた2017年は、2月21日の守備練習中に同僚選手との接触事故が発生。この時は右膝上部と腰に負傷を負いました。
2018年にマリナーズに復帰した際も、アクシデントが続出。3月14日のオープン戦では右ふくらはぎに張りを感じ、さらに3月23日の試合では頭部に死球を受けるというアクシデントに見舞われていました。
今回の足へのデッドボールはその中でも比較的軽傷でしたが、今後の練習参加については、体調を確認しながら慎重に進める方針とみられています。
<2月22日>アスレチックス戦でオープン戦初出場
2019年2月22日、マリナーズとマイナー契約で招待参加中のイチローが、オープン戦本拠地開幕となったアスレチックスと戦で「7番・左翼」に先発。
冷え切った5度の中で行われたこの試合では、キャンプ初日から試している、軸足にタメを作りながら振り出す新打撃フォームが注目される中、5000人以上の観客がイチローの活躍に歓喜の声を上げました。
296日ぶりのベンチ入りを果たしたイチローは、3回の第2打席で306日ぶりのヒットとなる2点タイムリーを放ち1安打2打点の結果を残しました。
地元ファンはイチローの健在ぶりに大興奮。しかし、イチロー自身はこの日のヒットについて、「ちょっと恥ずかしい。きれいな方がいいんだけどね」とコメント。
結果に対する捉え方について問われた際には、「そりゃやっぱり変わった立場がありますから。当然だと思います」と答えました。
イチローの復帰は、米国のメディアですぐに話題となりました。
大リーグの公式インスタグラムには、イチローの独特で昔からの打撃前のルーティンの写真が「HE’S BACK」という見出しとともにアップされました。
イチローが新しい打撃フォームに変えている中でも、バットを立てる姿勢などのルーティンは変わっていないことが注目され、「象徴的」という言葉で称賛されています。
さらに、イチローの長いキャリアとその年齢にもかかわらずの高いプレイ能力を称える「Living Legend(生きる伝説)」や「イチロー歳を取らない」といったコメントがファンや関係者から寄せられました。
<2月23日>イチロー、軽快な動きで調整。オープン戦はしばらく1日おきの出場か
2月23日、シアトル・マリナーズのイチローは、前日の復帰初戦で2点適時打を放ったものの、この日のオープン戦には出場せず、通常メニューでの調整を行いました。
そのフリー打撃では32スイングから3本のホームラン級の打球を放つなど、シャープなバッティングを見せた。
さらに守備面でも、外野練習においてキャンプで初めてとなる背面キャッチを披露。その軽快な動きからは、昨日の試合での負傷の影響を感じさせない元気な姿が垣間見えました。
一方、オープン戦の選手起用に関して、サービス監督は「多くの若手選手たちにもプレイのチャンスを与えたい」との考えを明らかにしました。
これを受けて、イチローのオープン戦での出場は、今後しばらくは1日おきとなる可能性が高まっている。
<2月24日>オープン戦で697日ぶりの盗塁に成功
2月24日のコロラド・ロッキーズとのオープン戦に「6番・左翼」で先発出場したイチローは、1打数無安打1得点と、約2年ぶりとなる盗塁を記録した。
試合の2回、四球で出塁したイチローは、次打者の2球目に二盗を決めました。
これはオープン戦での盗塁としては、2017年3月29日のヒューストン・アストロズ戦以来、実に697日ぶりの記録となります。イチローの次の打席では空振り三振に終わり、5回の守備で交代しました。
45歳となったイチローが依然としてフィールド上で軽快な動きを見せる姿は、チームにとってもファンにとっても心強いものでした。
盗塁成功についてイチローは「そりゃそうですよ」と、常に自身の実力に自信を持っていることをアピールしました。
<2月26日>結果は出ずも前指揮官からの絶賛を受ける
2月26日のオープン戦で、シアトル・マリナーズのイチローはテキサス・レンジャーズ戦に代打として途中出場。
2打数無安打に終わったものの、その打席は大きな期待を持たせるものでした。特に第1打席では、右翼フェンス直前の大飛球で観客を魅了しました。
この試合を、レンジャーズのベンチから見守っていたのがマリナーズの元監督で現レンジャーズのベンチコーチ、ドン・ワカマツでした。
ワカマツは、2009年から2010年途中までマリナーズの監督としてチームを指導。その間、イチローとは深い信頼関係を築き上げてきた。
ワカマツは、5回の打席でイチローが142キロの低めの速球に力強いスイングを放ち、フェンス直前まで飛ばした打球を「紙一重のミスショット。ホームランを逃した」と高く評価し、そのパワーと鋭さに衰えが見られないことに驚きを隠せない様子でした。
試合後、イチローが右翼ポール後方のクラブハウスに向かう際、ワカマツがイチローを迎えに行き、しばらく二人で歩きながら話をしました。
その中で、ワカマツは昨年プレーしなかったイチローが、今季は19年目のメジャーを目指している強い意志を感じ取ったと明かしました。
また、イチローのオフのトレーニングの取り組みや、3月に日本での試合への熱意からだと感じたと語りました。
そして、最後に「イチは永遠にプレーしたいようだ」と微笑みながらコメントしました。
オリックス時代の旧友・福良淳一(オリックスGM)との再会に笑顔
オープン戦でのイチローのプレイは、特別なゲストが見守る中で展開されました。
キャンプ地には、オリックス・バファローズの福良淳一育成統括GMがメジャー球団視察の一環として訪れていました。
かつてオリックスで1、2番を打つコンビとして共演した両者の再会は、フィールド上での明るく温かいやりとりとなりました。
イチローがフィールドに姿を現すと、福良氏に気づき、大きな声と溢れんばかりの笑顔で「おっ!」「どげえですか(元気ですか)?」と声をかけました。
今年1月に日本で顔を合わせているだけに、二人の親密なやりとりは、周囲の関係者やファンにもほほえましく映ったでしょう。
そのやりとりには、かつて共に戦った仲間としての強い絆や尊敬が感じられました。
福良氏から「今日出る?」との質問に対して、イチローは「途中から出ます」と即答。その言葉通り、試合には途中出場をはたすも、残念ながら2打数無安打に終わりました。
それでも、かつての戦友が見守る中でのプレイは、イチロー自身にとっても特別な時間であったことでしょう。
イチローと福良GM、変わらぬ絆と共に
オリックス時代を共に戦ったイチローと福良氏の再会は、過去の名シーンや共に過ごした時間を思い起こさせる瞬間であった。
福良GMは「1月に会ってきたばっか」という語っており、2人の間の深い絆が感じられるものでした。
キャンプを視察した福良GMは、イチローが20歳以上も若い選手と全く遜色ないどころ、先頭たってプレーしているイチローを見て、「この中にいても見劣りしない。年齢を感じさせない」と驚きました。
イチローは、キャリアを通して多くの打撃記録を持ちながらも、自身のプレイスタイルに終始を見せず、常に進化し続けることで知られています。
今年からイチローが試みている「新型打撃フォーム」も、その一環といえるでしょう。彼のフォームには、スイングの前に両膝を少しだけ曲げて力を蓄える動きが加わりました。
また、イチローの新たな打撃フォームに対しては、「どうかな?」「打ちにいくときに、低くなるだけであって、そこまで変わったようには見えないかなって」と慎重に評価しました。
一方で、「まだ進化しようとしているん違うかなぁって思うね」と語り、45歳でありながらまだまだ変化と挑戦を続けるイチローの姿勢に感銘を受けたようでした。
高橋由伸、MLBキャンプ地を訪問。イチローへの賞賛と新たな仕事に意欲
昨シーズンまで読売巨人軍の監督を務めていた高橋由伸も、この日、マリナーズのキャンプ地、アリゾナ州ピオリアを訪れました。
高橋由伸は、3月18日の「2019年MLB開幕戦プレシーズンゲーム」巨人-マリナーズ戦(東京ドーム)で、解説者としてのデビューを果たす予定。
このため、取材の一環としてキャンプ地へと足を運んだのです。
高橋由伸とイチローは2歳の年齢差がありますが、まだプレイを続けるイチローに対して、高橋由伸は「凄い」との感想を抱いていました。
実際のプレイを目の当たりにし、「全然変わらない。軽やかでしなやかだ」とコメント。
その上で、自身がプレイヤーとして「天才」と称された経歴を持つ高橋由伸に、「天才」としてのイチローへの見解を問われた際、「ちょっとだいぶ1つも2つも3つもね、先にいる天才なんでよく分かりません」と笑いながら答えました。
また、メジャーのキャンプ地の巨大なスケールについて、「日本ではこういった施設でのトレーニングは難しい。でも、こういう雰囲気は良い」と感じ取っていました。
<2月27日>イチロー、オープン戦での苦境。打率は1割2分5厘。
2月27日、イチローはインディアンス戦に「7番・右翼」で先発、このオープン戦で初めて右翼の守備に入りました。
しかし、この日はイチローのバットから快音が響くことはありませんでした。
第1打席では、2球目のチェンジアップを中飛に打ち損じ、その後も2打席連続で空振り三振に倒れるなど、ヒットを打つことはできませんでした。
また、守備では、6回裏から交代するまでの間、一度もボールが飛んできませんでした。
ここまでイチローのオープン戦での成績は、4試合9打席に立ち、8打数1安打2打点1盗塁、打率は1割2分5厘と低迷していました。
守備機会もこれまでなく、ほとんど活躍できていな状況でした。
<2月28日>イチローと高橋由伸氏、練習で慶応ネタで談笑
2月28日、シアトル・マリナーズの名選手、イチロー選手は対ホワイトソックスのゲームを欠場し、通常の練習メニューに専念しました。
一方で、今日も高橋由伸がキャンプ地を訪れ、練習の様子を見学していました。由伸氏は前日、2月27日にもインディアンス戦を観戦しており、今日が取材の最終日となりました。
2人は練習場で会うとすぐに挨拶を交わしました。イチローが高橋由伸の服装について「慶応はさわやかだね!」とイジると、高橋氏は若干恐縮しているようでした。
実は2日前、2月26日にもイチロー選手から「『若き血』歌えるの?」と慶応の応援歌について質問されていました。
このやり取りには、イチロー選手の奥さんが慶応大学出身であることが関係しているかもしれません。
練習後、イチロー選手と高橋由伸はしばらくの間、談笑を楽しんでいました。終始笑顔を見せながら、2人は握手を交わし、練習場を後にしました。
イチローと高橋由伸の年の差はわずか2歳しかありまえん。
しかし、日本代表チームも含めて、2人がチームメートになったことはありませんでした。
それでも、高橋由伸がプロ2年目だった1999年、西武ドームでのオールスターゲームの後、イチローに誘われて東京都内で一緒に寿司を食べたというエピソードがあります。
この日が、2人がゆっくりと話を共有したのはあの夜から実に約20年ぶりだったと言われています。それでも、2人の間では笑顔が絶えることはありませんでした。
<3月1日>ブリュワーズ戦で久々のヒット!マリナーズ勝利に貢献
3月1日、イチロー選はアリゾナ州ピオリアで行われた対ミルウォーキー・ブリュワーズ戦に「7番・右翼」で先発出場しました。
マリナーズが1-0のリードの中、2回にはドミンゴ・サンタナ外野手がソロ本塁打を放ち、さらに1点を追加。
その後の打席でイチローは、対するコービン・バーンズ投手の97マイルの速球をうまく捉えて中前安打を記録した。これは2月22日以来、8打席ぶりのヒットでした。
その後、ティム・ベッカム内野手のヒットで二塁へ進塁し、ホセ・ロバトン捕手のタイムリー二塁打により、イチローはホームイン。
最近のイチローは新しい打撃フォームをさらに改良。両膝を深く曲げ、軸足にタメを作っていましたが、数日前からは膝の曲げ具合を少し浅めにしているようでした。
これが功を奏してか、5回の打席でテイラー・ウィリアムズ投手の94マイルの速球に空振り三振するも、イチローの好調サインである三塁側への強い打球でのファールが見られました。
守備面では、4回に1死一塁の場面での浅いフライを捕球し、守備のリズムも取り戻しているようでした。イチローは試合前の練習で、特に外野守備のイメージトレーニングをしている様子が見えました。
最終的なこの日の生成期は、3打数1安打1得点、打率.182。試合はマリナーズが7-3で勝利し、イチローは勝利に貢献しました。
<3月2日>イチローと菊池雄星の初競演!
3月2日、カンザスシティとのオープン戦で、イチローが7番右翼で先発出場。
そしてこの日、特別な瞬間が待ち受けていました。マリナーズの新星、菊池雄星投手がオープン戦2試合目に先発し、イチローとの初の共演が実現したのです。
この共演は、菊池にとって非常に意義深いものでした。
菊池はマリナーズに加入することを決意した時から、イチローとの共演を夢に描いており、この試合でライト、つまりイチローが守るポジションに平凡な打球が飛んだとしても、それをイチローキャッチするだけで菊池にとっての特別な瞬間だったのです。
菊池は3回2死二塁のピンチ時、ジェネットにレフトへの大飛球を打たれたが、イチローがフェンス際で見事な捕球を見せる。
このシーンを目の当たりにした菊池は、「レフトはイチローさんだから大丈夫」と心の中で安堵の息をつき、カバーリングをしながらも喜びを感じた述べました。
心温まるベンチ前のエピソード
その後、約50メートル離れた位置にいるイチローへと、感謝の意を込めて帽子を軽く下げるジェスチャーをしました。
菊池はベンチに帰ってくるイチローと、左手でイチローとタッチを交わし、「ナイスキャッチ。ありがとうございます」と感謝の言葉を述べましたここで注目されるのは、菊池がグラブをした右手ではなく、左手でタッチを交わしたことです。
この行動について、後の取材で菊池は「はい、皮膚で……」と答え報道陣からは大爆笑が起こりました。
また、この心温まるエピソードには、微笑ましいミスマッチもありました。なんと、イチローは菊池が帽子を軽く下げたことにまったく気付いていなかったのです。
イチローはその後のインタビューで、その事実を知らされた際にユーモアたっぷりに話し、場の空気を和ませました。
次の世代とベテラン
イチローは、新しい世代の菊池の投球について、「かわいい後輩の投球を見ていると、本当に心温まる。」と語り、菊池の実力を高く評価しました。
この日の試合では、イチローは2打数無安打だったのに対して、菊池は3回で2安打、3三振、2失点という成績でした。
しかし、この数字以上に、18歳の年齢差を持つ2人の間に生まれた絆が印象的でした。
試合後の菊池はイチローとの初共演に「これは一生の思い出になる」と興奮気味に明かしました。
そして、試合後の取材が終わった後、イチローが私用車でスタジアムを出る際、菊池は真っ直ぐに立ってイチローに挨拶をし、深く頭を下げて見送ったのは、多くのファンの心に残るシーンとなりました。
<3月8日>イチロー、クワントリル親子との世代を超えた対決
3月5日、アリゾナ州ピオリア。サンディエゴ・パドレス戦のオープン戦で、日本の野球界を代表するイチローが「8番・指名打者(DH)」として先発出場しました。
試合では、1打席目に投じられたスライダーを打ち損じ、左飛に終わりました。
2打席目には二ゴロ、3打席目も左飛と、パドレスの右腕3人に打ち取られ、オープン戦の打率が.125に下がりました。
注目点のひとつは、1打席目に対戦したパドレスの先発、2016年ドラフト1巡目選手であり、メジャー経験はないものの将来を期待されている右腕カル・クワントリルとの対決でした。
カル・クワントリルの父(ポール・クワントリル)は過去の公式戦でのイチローと対戦したことがあり、この日は親子2代に渡るイチローとの対決になりました。
イチローを打ち取った、カル・クワントリルは試合後、通算5打席中、4打数2安打1二塁打という対戦結果を引き合いに出し、「父が二塁打を打たれて、今日の私は左飛に終わった。これを父に自慢するつもりだ」と感情的に語りました。
また、2001年のオールスターゲームにおいて、イチローとポールがともに選出されたことを思い出し、「その時私も現場にいた。
公式戦での再対戦を心から願っている。イチローはまだまだ現役で活躍できるプレイヤーだと思う」とコメントしました。
45歳イチロー、次世代との夢の対決を続ける
偉大なる45歳の打者、イチローと、メジャーの舞台でその才能を証明し始めた24歳の投手との対決は、ただの一戦ではなかった。
その背景には、イチローの長きにわたる夢や情熱がありました。
キャンプインから数日後、地元の「シアトル・タイムズ」においてライアン・デビッシュ記者は、マリナーズとしてのイチローの夢について触れていました。
それによると、プロ入り当初からのイチローの目標の一つは、自らがプレーする姿を見て育った子供たちが、いつかメジャーのフィールドで共にプレーすることだったというのです。
そして、その夢は、菊池雄星投手のマリナーズ加入による現実のものになりました。イチロー自身、その目標達成には大きな満足感を覚えているといいます。
しかし、イチローの夢や情熱はそこで終わりではありません。
「50歳まで現役」と公言するイチロー。ある日、自身がが主催する「イチロー杯」の表彰式で、ある少年が「高校を卒業してプロになったら、イチローと対戦したい」と夢を語りました。
それに対し、イチローは「アメリカで待ってるよ。最短で18歳だから、あと6年。51歳までプレーできたらいいね」と応えたのです。
イチローの現役への想いは、自らの記録や成果だけでなく、次世代の選手たちとの夢の対決にも焦点を当てていることがわかります。
45歳という年齢での挑戦は、単純なエゴではなく、野球への真摯な愛と、次世代へ繋ぐ夢への情熱に溢れています。イチローの夢と情熱は、国を問わず、28年間変わらず続いていたのです。
<3月7日>2001年の伝説が浮かび上がる
3月7日、イチローはレッズとのオープン戦に「6番・左翼」で先発しました。
しかし、試合では2打数無安打、1四球に終わりました。それでもイチローの出場は、ファンにとっては考え深いものでした。
その背景には、2001年の伝説的な一幕があります。
イチローがレーザービームと称される強肩で送った送球を三塁で受けたのは、当時レッズの三塁手で、この試合でレッズの監督を務めるデビッド・ベルでした。
選手と監督の立場で二人が再びフィールドに立つことになったのです
また、この日は菊池雄星投手も3度目のオープン戦に登板しており。4回を投げ、5安打1四球2失点、1本塁打、2奪三振という内容でしたが、試合はマリナーズが圧勝。菊池はこの試合の勝ち投手となりました。
イチロー伝説が再び注目を集める
オープン戦の中継局、FOXスポーツ・オハイオが大々的に取り上げたのは、マリナーズの”レジェンド”、イチローの話題でした。
試合の中継開始から、イチローの伝説的な成果と過去のハイライトが次々と紹介。
まず初めに注目されたのは、前述のメジャー1年目にみせた、レーザービームと、現レッズ監督のデビッド・ベルのエピソードでした。
さらに中継では、イチローのルーキーイヤーのスプリングトレーニングでのエピソードも取り上げられました。
打撃練習で内野にばかり打つイチローに対して、監督ルー・ピネラが「ホームラン打てるんだろ。証明してくれ」と挑戦し、試合の第1打席でイチローそれ応える形でホームランを打ち、監督を黙らせました。
この逸話は、当時のイチローを知らない視聴者を驚かせました。
この試合では、菊池雄星投手がピンチに陥った際、ジェネットに打たれた大飛球をレフトフェンス際でイチローがキャッチし、ピンチを脱出。
45歳の素晴らしい守備も称賛され、中継局の実況は「イチローがいいプレーです」と盛り上がりました。
この日のイチロー特集は、昔からイチローを知るファンにとっては懐かしく、当時を知らないファンには新鮮な驚きを与えました。
また、イチローの伝説を紹介するたびに、「何てプレイヤーなんだ!」と解説者が4回も連呼し、最上級の敬意を表していました。
<3月8日>イチロー、薄暮の空下での見失った打球と打撃不振
マリナーズのイチロー外野手が3月8日、本拠地でのカブス戦に「9番・右翼」で先発出場を果たしたが、その日のプレイは順調とはいえませんでした。
攻撃面では、3回の第1打席では一塁への全力疾走が見られたが、僅差でアウト。
続く5回の第2打席では、絶妙な投球を空振り三振で終えた。そして、6回表の守備からは早々とベンチに下がりました。
しかし、注目されたのは1回の守備でのプレイ。マリナーズは1点を失った後、無死一、二塁の危機的な場面で、ボートの打球がイチローのポジションに向かった。
しかし、薄暮の空の中、イチローはボールを完全に見失い、打球は彼の後ろにポトリと落ちる。これにより無死満塁となり、マリナーズはさらに1点を失い、0-2のスコアとなりました。
10年連続のゴールドグラブ賞を受賞したイチローがボールを見失うという事態は驚きだったが、彼は後に「空の色で、完全にボールが見えなかった」と語りました。
試合開始時間が18時41分で、まさに日没の時間帯。更に、試合前からの強風も影響していたとされる。サービス監督も「この風の中、打球が飛んでくると何が起こるか分からない」と外野手たちに警告していたほどでした。
前日の試合では、イチローはレフト方向への打球をフェンス際で見事に捕球し、見せ場を作っていました。
しかし、この日の失策については「100回来ても100回捕れない」としながら、「前日のは100回来たら100回捕る」と語りました。
バッティングの方も調子を上げる必要があり、ブルワーズ戦でのヒットを最後に、12打席連続でヒットが出ず、オープン戦の打率も.100まで落ち込んでしまいました。
<3月10日>連続無安打続く…オープン戦打率が1割を下回る
3月10日、マリナーズのキャンプ地でのオープン戦では、当初、エンゼルス戦に「7番・DH」としての出場が予定されていたイチローでしたが、計画が変更。
本拠地でのインディアンス戦に「8番・左翼」で先発出場となりました。この日の球場は好天に恵まれ、約9,768人という大勢のファンが詰めかけました。
しかし、待望のイチローの活躍は見られませんでした。
2回の第1打席では、昨季17勝を挙げたインディアンスのエース、カラスコに対して、厳しいコースの速球を2球連続でストライクと見なされ、追い込まれる形となりました。
その後、カラスコの鋭い内角のスライダーに完全に打たれて空振り三振。
続く5回の打席でも、プルコとの対戦で結果を出せませんでした。
前回の対戦で中飛に終わったプルコの投球に対し、再度厳しいカウントで追い込まれる。
この後、高めの135キロのスライダーで再び空振り。この日もイチローのバットからヒットは生まれず、オープン戦では14打席連続無安打となってしまいました。
現時点でのオープン戦の成績は、10試合で22打数2安打2四球、7三振。打率は.091と、残念ながら1割を切ってしまいました。
マリナーズ自体もこの日の試合は2-16と大敗してしまいました。
ケン・グリフィー・ジュニア、開幕戦の来日予定!
イチローが連続無安打を続ける中、心強いニュースが飛び込んできました。
長年の親友であり、マリナーズの永久欠番「24」を背負ったレジェンド、ケン・グリフィー・ジュニアが開幕戦のために来日することが明らかになったのです。
もしこの計画が実現すれば、グリフィーの来日は2012年に東日本大震災で被災した子供たちを招待して行われた野球教室以来、7年ぶり。
ファンにとっても、長い間グリフィーを日本で再び見ることができる貴重な機会となることは確実でした。
何より、現役続行の意思を貫くイチローにとって、グリフィーの来日は、非常に大きな心の支えとなることでしょう。
二人のレジェンドが日本で再会する可能性が高まる中、開幕戦がますます楽しみになりました。
イチロー、オープン戦で続く不振。16打席連続無安打
アリゾナ州ピオリアで3月11日に行われたロイヤルズとのオープン戦にて、イチローが「8番・左翼」で先発出場。しかし、苦しい打撃状況は続いていました。
ゲーム序盤、マリナーズはロイヤルズ打線の猛攻に屈し、早々に2点を献上。
それを2回に1点で返すも、イチローはこのチャンスの場面で四球を選び、結果的にチームの得点には繋がりませんでした。続く4回の打席でも中飛に倒れ、この日はヒットなしに終わってしまいました。
オープン戦での打率は.087、出塁率は.192、この不振は、イチロー自身にとっても、そしてファンにとっても心配のタネでした。
約一週間後の3月20日に東京ドームで行われる開幕戦での出場が予定されている中、16打席連続での無安打は頭の痛い状況と言わざるを得ませんでした。
マリナーズとしても、チームのレジェンドであるイチローには開幕戦で輝いてほしいところでした。
イチローがここからどう調子を上げていくのか、期待と不安が交錯する中、開幕戦に向けてのカウントダウンが始まりました。
<3月12日>イチロー、開幕2連戦でのベンチ入りが確定
シアトル・マリナーズの指揮官、スコット・サービス監督が、3月20日と21日に東京ドームで開催されるオークランド・アスレチックスとの開幕2連戦において、イチローをベンチ入りさえる方針が変わらないことを明かしました。
この発言は、アリゾナ州ピオリアのキャンプ地で行われた記者会見でのもの。
サービス監督は「彼がメジャーでのデビュー時のような、非常に大きな注目を受けることになるだろう。我々のチーム全員がそれを楽しみにしている」と語りました。
さらに、サービス監督はイチローの驚異的なキャリアに敬意を示し、「彼が今でもこれほどの注目を受けていることは驚異的だ。彼のキャリアは信じられないものだ」と付け加えました。
また今回の日本での開幕戦に参加するメンバーについての質問について、サービス監督は「間もなく発表されるが、まだ正式には決まっていない」と答えました
マリナーズはこの日、シカゴ・ホワイトソックスとのオープン戦に菊池投手を先発させる予定でしたが、天気の悪さから試合中止、イチローは室内練習場で打撃練習をこなすなどの調整を行いました。
<3月13日>イチロー、開幕前最終戦での結果とサイン会でファンを感動させる
3月13日、シアトル・マリナーズとサンフランシスコ・ジャイアンツとの間で行われたオープン戦で、イチローは「7番・指名打者」として先発登板しました。
しかし、メジャーでの通算76勝を誇るジャイアンツの左腕、ホランド相手には振るわず、2打数無安打に終わりました。
試合前の練習が終わると、イチローはファンのために異例の15分間の即席サイン会を開催。
会場に響き渡る「イチロー」のコールの中、1人1人のファンに丁寧にサインをしていました。
イチローは通常でも、時間が許す限りファンのサイン要望に応えていますが、この日は特に長い時間をかけてファンとの交流を楽しんでいました。
そして、一部の熱心なファンからは、イチローの背番号「51」を象徴する51本の黄色いバラが贈られるというサプライズも。
これには、いつも冷静なイチローも驚きの表情を見せ、関係者がこれをクラブハウスまで運んでいきました。
サイン会が終了すると、会場の日米のファンからは「サンキュー、イチロー!」や「アリガトー」という感謝の声が上がっていました。
イチローのプロとしてのプレイはもちろん、ファンとの深い絆も彼のキャリアの大きな特徴の一つであり、この日もその姿勢を改めて感じることができました。
オープン戦不振も公式戦への意欲は変わらず
オープン戦の全日程が終わり、イチローは厳しい現実が突き付けられました。
12試合での通算成績は25打数2安打、打率.080、9三振。特に最後の4試合では8打席中5回の三振。
3月1日に記録したヒットを最後に18打席連続のノーヒットという深刻な不振に陥っていたのです。
イチローのようなマイナー契約での招待選手は、オープン戦での結果が出ない場合、キャンプ中に解雇されることが一般的でした。
このような厳しい現状にいながら「(公式戦に)出られる状態にしたい。早く」とイチローは公式戦への強い意欲を示しました。
また、渡米してから19年目。初めてマイナー選手としてのキャンプを過ごしたイチローは、その経験について「終わったなという気持ち」と簡潔に述べました。
日本開幕戦への期待高まる!!
このような成績にあっても、メジャー通算3089安打、日米を合わせた通算4367安打を持つレジェンドに、再びその輝きを放ってもらいたいというのが、多くの人々の切なる願いでした。
サービス監督はイチロー今後の起用法に対し、「プランがある。ふさわしい舞台を用意する」とファンへのヒントを漏らしました。
さらに、「マリナーズのユニフォームを身に着け、日本でプレーすることを楽しみにしていると思う。それを見られるのは、チーム全体にとって素晴らしいことだ」と、チームメンバー含め全ての関係者やファンがイチローのプレーを楽しみにしていることを明らかにしました。
イチローの輝かしいキャリアについて監督は、「彼はキャリアを通じて多くのことを成し遂げてきた。いまだ大きな注目が集まっている。彼のキャリアはアンビリーバブルだ」と絶賛しました。
開幕戦は、イチローにとって特別な意味を持つ東京ドームで開催されます。
過去に背番号51のユニフォームで輝いてきたこのステージは、2012年の開幕戦でも5打数4安打を記録するなど、イチローにとって思い出深い場所です。
ファンはもちろん、チーム関係者や選手たちも、イチローが再びその特別な舞台で輝く姿を待ち望んでいました。
《イチロー引退の日(4)》日本のファンが待ち望んだ瞬間!イチロー、7年ぶりの凱旋で野球界に興奮巻き起こる!!