“ハイパーインフレ”で地獄と化した南米の楽園!石油に呪われた国「ベネズエラ」(3)

ベネズエラは2018年以降、ニコラス・マドゥロ政権による独裁的な支配と深刻な経済危機に直面しており、政府に対する国民の不満は爆発し、政治的な抗議デモが頻発して多くの命が失われる悲劇に至りました。

国内の不安定さに加え、アメリカとの関係悪化やマドゥロ大統領に対する麻薬密輸罪の起訴など、国際的な問題もベネズエラの危機を深めていきました。

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世界最大の石油埋蔵量を誇る産油国ベネズエラ。だが、戦争や自然災害とは無関係に経済が縮小を続けている。その間、治安は悪化、食料供給や医療制度も崩壊の危機にある。四〇〇万人以上が陸路国外に脱出し、シリアに次ぐ難民発生国となった。かつて二大政党制を長期間維持し「民主主義の模範」とされた同国に何が起こったのか――。本書は、チャベス大統領就任以降、権威主義体制に変容し、経済が破綻に向かう二〇年間の軌跡を描く。(「Books」出版書誌データベースより)

Nicolás Maduro’s Dictatorship

マドゥロ独裁政権

NowThis World/YouTube

ベネズエラは2018年に、ニコラス・マドゥロ政権による独裁的な支配と深刻な経済危機に直面しました。

この状況は、国民の政権に対する不満を増幅させ、一時的には大規模な反政府デモや、一部の警察官が大統領の退陣を求める出来事が発生しました。

しかし、政府はこれらの反抗運動を弾圧し、多くの野党政治家が亡命や国外への逃亡を余儀なくされました。

それでもなお、国内に残り政権批判を続ける勇敢な人々も存在しています。報道によれば、ベネズエラの刑務所には200人以上の政治犯が収容されているとされています。

2017年の新憲法制定への動きと抗議デモの激化

2017年のベネズエラでは、政治と経済の混乱により、反政権デモが激化しました。

ニコラス・マドゥロ大統領は「国を再建する」として、新憲法制定の手続きを開始しました。新憲法制定を通じて、政権の延命を図る狙いがあるとみられています。

野党勢力は、新憲法制定を「民主主義を破壊するクーデターだ」と非難し、強く反発していました。抗議デモは本格化し、2017年の死者数は100人以上に達しました。

米国のニッキー・ヘイリー国連大使は、制憲議会選挙を「偽選挙」と呼び、それが「独裁政治への一歩」と非難しました。

このような国内外からの批判にもかかわらず、マドゥロ大統領は新憲法制定に向けた動きを進めました。

Al Jazeera English/YouTube
身内の議員だけで“憲法改正”に着手

南米ベネズエラの制憲議会が野党連合が多数派を占める国会から立法権を剥奪し、反米左派のマドゥロ大統領を支持する議員のみで構成される制憲議会が国会の機能を引き継ぐことになりました。

これにより、司法、行政、立法権を手中に収めたマドゥロ大統領の独裁体制が名実ともに確立されました。

抗議デモが続く中、新憲法制定のための制憲議会選が実施され、反米左派のマドゥロ大統領率いる統一社会党が全545議席を獲得しました。

これにより、与党は憲法改正や国会の解散、不満分子の罷免などが可能になりました。

アメリカのトランプ大統領は、ベネズエラの大統領と政府が民主主義を損なっているとし、マドゥロ大統領個人に対する制裁を発動しました。

不公平すぎる選挙結果!?“マドゥロ大統領の再選”

経済危機が深刻化する南米ベネズエラで、2018年大統領選が実施。選管当局は反米左派「統一社会党」のマドゥロ大統領が再選したと発表しました。

Rumoaohepta7/YouTube
対立候補を排除

選挙にはマドゥロのほか、野党から3人が立候補しました。

しかし、有力な野党指導者が「不正を働いた」などとして立候補資格を奪われた。逮捕されたり、亡命したりしている指導者もおり、野党候補の多くは事実上、選挙から排除されました。

国際的な独立選挙監視人の不在

国際的な独立選挙監視人は不在で、政権批判に対する厳しい取締りで彼らは選挙に参加できませんでした。

野党のリーダーらは選挙のボイコットを求めていましたがが、多くの長年にわたる政府支持者らの失望と相まって投票率は異常に低く、同国の有権者全体の半分未満しか投票に行かなかったのです。

不公平な選挙?

野党候補は「違法行為があった」として再選挙を求めましたが、マドゥロ大統領は応じることはないとみられています。

欧州連合(EU)や主要中南米諸国は大統領選の前から、選挙が公平に行われていないと警告していました。米政府は、独裁傾向を強めるマドゥロ大統領による不正選挙と主張し、引き続き制裁を強化する方針を示しています。

再選後、カラカス市内で演説したマドゥロ氏は「人々の永遠の勝利だ」と述べ、多くの国民に選ばれたとして正当性を主張しました。

しかし、その主張にもかかわらず、国内外からは選挙結果への批判が絶えません。

「大統領選は認めない」大混乱!!2人の大統領

グアイド国会議長は首都カラカスで大勢の支持者を前に、自分たちの反政府デモが「ヴェネズエラが解放されるまで」続くと宣言しました。

彼は右手を挙げながら、「暫定大統領として国家の行政権を正式に担うと誓う」と宣誓しました。

ベネズエラの国会では、多数を占める野党はマドゥロの就任を認めず、「憲法の規定で国会議長が大統領職を代行する」との名目でグアイドを暫定大統領に担ぎ上げました。

グアイドは学生時代に、当時のチャヴェス大統領への抗議デモを組織していました。彼の暫定大統領としての宣誓は、国内外で多くの支持を受けました。

しかし、マドゥロ政権はグアイドの暫定大統領就任を認めていないため、政治的な対立が始まりました。

Financial Times/YouTube
もう一人の大統領をアメリカが承認

2018年の不正が広範にわたるとされる大統領選挙でマドゥロ大統領が再選された後、米国政府は制裁と外交圧力を強化しました。

2019年1月、米国はベネズエラの政治家フアン・グアイドを同国の正当な指導者として認め、ベネズエラ暫定大統領への就任を承認しました。

トランプ大統領は声明で、「ベネズエラの人々は勇気を持ってマドゥロと彼の政権に反対の声を上げ、自由と法の支配を要求した」と称賛しました。

ジョン・ボルトン大統領補佐官、マイク・ポンペオ国務長官、マルコ・ルビオ上院議員などの米政界の大物たちも声明やソーシャルメディアでマドゥロを非難し、グアイドが率いる国会こそ正当な政府機関だと訴えました。

グアイド暫定政権が国際的支持を得る

トランプ政権の反応を受けて、マドゥロは即座にアメリカとの国交断絶を宣言し、ベネズエラ国内にいるアメリカ人大使館員に72時間以内の国外退去を求めました。

アメリカのポンペオ国務長官は、国連安全保障理事会に対し、ベネズエラについて「どちらの側に付くか選び」、公正な選挙が行われるまで、グアイド暫定政権を支持するよう迫りました。

カナダや、ブラジル、コロンビア、アルゼンチン、ペルーなどの中南米諸国もグアイドの承認を表明しました。

欧州連合(EU)のトゥスク大統領も「欧州全体が団結して支持することを望む」とツイッターで表明しました

米露中の対立激化?ベネズエラ情勢で各国の立場分かれる

ロシアや中国、友好国であるボリビア、メキシコ、キューバなどの国々は、マドゥロ大統領の正当性を支持しました。これらの国々は、ベネズエラに対する米国の介入を批判し、内政不干渉の原則を主張しています。

また、経済的な利害関係や地政学的な理由からマドゥロ政権との関係を維持したいと考えている可能性があります。

例えば、ロシアはベネズエラと軍事協力関係を持ち、またベネズエラの石油産業への投資を行っています。

一方、中国はベネズエラに対して膨大な債権を持っており、石油輸出による返済が期待されています。

マドゥロ大統領を狙ったと見られる複数の事件やクーデター

マドゥロ大統領は、自身の政権を脅かす複数の暗殺未遂事件やクーデターに直面しています。これらの事件は、国内外の政治的な緊張の高まりから生じているとされています。

オスカー・ペレスとの銃撃戦

CBS Miami/YouTube

オスカー・ペレスは、かつてベネズエラの刑事警察特別行動部隊(CICPC)に所属していた元警察官であり、反マドゥロ政権活動家として知られていました。

彼は、2017年に政府に対する抗議活動が盛んだった時期に、ヘリコプターを盗んでベネズエラ最高裁判所と内務省に対して手榴弾を投げるという事件を起こし、世界中の注目を集めました。

2018年1月15日、ベネズエラ政府はオスカー・ペレスと彼の仲間たちがカラカス郊外のエル・フニキト(El Junquito)に潜伏しているとの情報を受け、治安部隊を派遣して包囲網を敷きました。

その後、ペレスたちと治安部隊の間で激しい銃撃戦が繰り広げられました。銃撃戦の最中、ペレスはSNSで自分たちが平和的に投降しようとしていることを伝えましたが、政府側は投降に応じず、銃撃戦が続けられました。

最終的に、オスカー・ペレスと彼の仲間たちが死亡しました。

彼らの死は、マドゥロ政権に対する国内外からの批判をさらに激化させました。一部の人々は、ペレスらが虐殺されたと主張し、政府による人権侵害の例として挙げています。

この事件は、ベネズエラの政治情勢の緊張をさらに高め、国内外からのマドゥロ政権に対する批判が増加しました。

2018年8月のドローン爆弾事件

BBC News/YouTube

2018年8月4日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の演説中に爆発音が響き、大統領を守ろうと防弾盾を持った警護官がマドゥロ氏の前で飛び跳ねる姿がテレビ映像に映りました。

ドローン自体は映像に映っていませんでしたが、その後、テレビ中継は突然中断。ベネズエラ政府によれば、マドゥロ大統領や政権幹部にけがはなかったものの、7人の兵士が負傷しました。

マドゥロ大統領は、後の国民向け演説で「飛行物体が私の近くで爆発した。大きな爆発だった。数秒後に第2の爆発が起きた」と語りました。

この事件は、ベネズエラ国内で政治的緊張が高まる中で起こり、マドゥロ大統領がターゲットとなったとみられる暗殺未遂事件とされています。

謎の反体制組織の存在

同日、謎の反体制派グループが犯行声明をソーシャルメディアで発表しました。

このグループは「シャツを着た兵士たちの国民運動」と名乗り、「憲法を忘れたばかりか、胸のむかつくようなやり方で公職にある者を富ませている政府をそのままにしておくのは軍人の名誉に反する」と主張しました。

米国在住の反体制派ジャーナリスト、パトリシア・ポレオ(Patricia Poleo)がユーチューブ(YouTube)のチャンネルで声明を読み上げましたが、その証拠は示されず、同団体はメディアの取材にも答えませんでした。

「ばかげている」「一切の根拠がない」

マドゥロ大統領は、初期段階の捜査によって、コロンビアや米フロリダ州(ベネズエラ亡命者が多く住む地域)との関係が疑われる右派による暗殺計画であることが「あらゆる点で」示されたと述べました。

また、複数の容疑者がすでに拘束されていると報告しました。

さらに、マドゥロ大統領は、「私を暗殺しようと試みた」と主張し、米国在住者がテロを資金面で支援しているとして「トランプ氏がテロリストと戦うことを望んでいる」と訴えました。

さらに「背後に極右とコロンビアのサントス大統領がいるのは間違いない」と述べています。

マドゥロ大統領の主張に対して、コロンビア外務省は「ばかげている」「一切の根拠がない」として、マドゥロ大統領の発言内容を否定しました。

さらに、サントス大統領自身も首都ボゴタで開かれたフォーラムでのあいさつの中で、孫娘の洗礼式に出席していたと述べ、冗談めかして関与を否定しました。

マデュロ政権クーデター未遂事件

2019年5月30日、アメリカが支持するベネズエラの野党リーダー、グアイド国会議長は、「軍の後ろ盾を得ている」と強調し、マドゥロ政権に対するクーデターを呼びかけました。

これに応じた反政府側と政権側の治安部隊が衝突し、約70人がけがをしました。その後、マドゥロ大統領は「反政府の動きは鎮圧された」と強調しました。

Guardian News/YouTube

マドゥロ政権転覆政権転覆計画……アメリカの関与疑惑

2020年5月4日、アメリカ人男性2人を含む13人を逮捕しました。

ベネズエラ政府は、逮捕された武装集団を、「雇われテロリストたち」として説明し、政権転覆を企てて隣国コロンビアから侵入したと主張しました。

逮捕された中には、亡命したベネズエラ軍兵士らが含まれていました。

Al Jazeera English/YouTub
大統領を拘束してアメリカに移送する計画だった

南米ベネズエラからの報道によれば、マドゥロ反米左派政権を転覆するため同国上陸を試みたとされる米国人男性2人を含む武装集団が拘束された事件で、米国人の1人が2020年5月6日に国営テレビで流されたビデオ映像で犯行を「自供」しました。

このビデオ映像によれば、米国人の1人は、「首都カラカス近郊の国際空港を制圧してマドゥロ氏を拘束し、空路で米国に連行する計画だった」と証言しました。

「計画の首謀者はトランプ大統領だ」

マドゥロ大統領は、米国人2人が逮捕された事件について、「計画の直接の首謀者はトランプ大統領だ」と主張し、2人をベネズエラ国内で裁判にかける方針を明らかにしました。

これに対して、当時のマイク・ポンぺオ米国務長官は、「あらゆる手段を使って2人を連れ戻す」と表明しました。

ドナルド・トランプ米大統領(当時)は、ベネズエラの政権転覆未遂事件への米国の関与を一切否定しました。米政府は、マドゥロ大統領が「偽情報キャンペーン」を開始したと非難しています。

民間軍事会社「シルバーコープ」

ベネズエラ国営テレビが放映した取り調べで、元軍人の米国人は、もう1人の米国人とともに米フロリダ州の警備会社シルバーコープUSAと契約していて「ベネズエラ人が自国を取り戻す支援をしていた」と証言しました。

彼はまた、今回の作戦のために、1月からコロンビアでベネズエラ人の訓練をしていたと語りました。

さらに、シルバーコープがベネズエラの野党指導者フアン・グアイド氏とマドゥロ大統領失脚を目指す契約をしていたとも述べました。

シルバーコープは、米陸軍特殊部隊グリーンベレー元隊員のジョーダン・グドローが経営しています。

グアイド陣営が襲撃計画への関与か?

フアン・グアイド陣営は、シルバーコープを含む「いかなる警備・防衛関連会社とも関係はない」との声明を発表していました。

しかし、グアイドの顧問は、2020年5月6日に米CNNに対し、自身が仮契約にサインしたことを明らかにしました。ただし、顧問は契約が確定しておらず、野党陣営は襲撃計画を支持していないと語りました。

この発言は、グアイド陣営が襲撃計画への関与を否定しようとする一方で、一部の事実関係を認める形となりました。

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CIAの関与!?石油施設爆破計画

2020年9月11日、ベネズエラのマドゥロ大統領は、同国の石油施設で爆発を起こす計画を未然に防いだことを発表しました。

さらに、彼は2つの別の製油所の近くで「米国のスパイ」を逮捕したと明らかにしました。

逮捕された人物は、「米中央情報局(CIA)のイラク国内の拠点で働いていた海兵隊員」とされており、逮捕時に「重火器」と「大量の現金」を持っていたという情報があります。

この「スパイ」は、破壊計画のために現地の石油精製施設を偵察していたとされています。

マドゥロ大統領は、テレビ演説で「証拠はすべてそろっている。スパイはイラクの米中央情報局(CIA)基地で勤務していた海兵隊員だ」と断定。束時に武器や多額の現金を所持していたと述べました。

テロ罪と武器違法売買で起訴

2020年9月14日、南米ベネズエラのサーブ検事総長は、ファルコン州で9月10日に拘束した「米国人スパイ」をテロ罪などで起訴することを明らかにしました。

サーブはテレビ演説で、事件に関連してベネズエラ人7人を逮捕したことを発表しました。

さらに、彼は「ベネズエラ人を反逆罪やテロ罪、武器違法売買など、米国人をテロ罪と武器違法売買などの罪で起訴する」と述べました。

これにより、ベネズエラ政府は、米国人スパイと彼と共謀したとされるベネズエラ人容疑者に対して法的措置を講じることを示しました。

米司法省、ベネズエラのマドゥロ大統領を麻薬密輸罪で起訴

2020年3月26日、米司法省はベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領と彼の側近たちを麻薬密輸罪で起訴しました。

これは新型コロナウイルスの感染が世界中で拡大し、原油価格が急落していた時期であり、米司法長官ウィリアム・バーは「(起訴するには)いいタイミングだ」と強調しました。

米当局は、経済危機が深刻化するベネズエラが、アメリカをはじめとした国際社会の制裁を受けており、麻薬を対米攻撃の「武器」にしていると指摘していますす

バー司法長官は「マドゥロらは麻薬で米コミュニティーを破壊しようと試みてきた」と述べました。

一方、ベネズエラのホルヘ・アレアサ外相は、政権転覆が狙いだと米当局を非難し、「米トランプ政権はまたもベネズエラ国民と民主的政府を攻撃するつもりのようだ」と話しました。

この起訴により、ベネズエラとアメリカの緊張関係が一層悪化し、両国間の対立が深まることになりました。

Al Jazeera English/YouTube
テロ組織「太陽のカルテル」

米司法省は、ニコラス・マドゥロ大統領のほか、ベネズエラ政権の高官14人を起訴しました。

バー司法長官は、「20年以上にわたり、マドゥロと政権高官はコロンビア革命軍(FARC)と共謀し、コカインを米国社会に持ち込んだ」と主張し、「本日の発表はベネズエラ政府内に広がる汚職を根絶することに焦点を当てた」と述べました。

司法省はマドゥロ大統領を「太陽のカルテル(Cartel of the Suns)」という米国がテロ組織に指定した麻薬密売組織の首領と主張しています。

同組織は、元左翼ゲリラ組織のコロンビア革命軍(FARC)と協力し、数百トンに上る麻薬を密輸していたと指摘されています。

トランプ大統領は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う混乱に乗じてベネズエラのマドゥーロ政権がアメリカへの麻薬密輸を増やす兆候があることを懸念し、アメリカ軍部隊をベネズエラ周辺に増強する方針を明らかにしました。

情報の提供者に懸賞金!

米司法省は、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の起訴とともに、彼の拘束につながる情報の提供に対する1500万ドル(約16億円)の懸賞金を発表しました。

さらに、制憲議会議長のディオスダド・カベーリョに対しては1000万ドル(約10億8000万円)の懸賞金が設定されています。

また、同国政府が1999年から組織する麻薬組織カルテル・デ・ロス・ソレス(Cartel de Los Soles)の幹部らを対象に、総額で5000万ドル(約54億円)の懸賞金が用意されています。

DW News/YouTube

「世界最高クラスの危険な国」

ベネズエラは、反米左派のニコラス・マドゥロ大統領が率いる強権体制下で、政治経済の危機が深刻化しています。

国内では政府批判のデモが続発し、食糧や薬品など生活必需品の供給不足が深刻な問題となっています。

また、麻薬密売の激増や犯罪率の上昇が社会問題となっており、特に殺人発生率は世界で最高水準の1つに上っています。

2018年には、世論調査を手がける米企業ギャラップが「世界で最も危険な国」のアンケート調査を実施し、ベネズエラが2年連続で首位に選ばれました。

これらの結果から、ベネズエラは国内外において安全性が極めて低い国として認識されています。

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