地獄と化した南米の楽園……石油に呪われた国“ベネズエラ” ①

地獄と化した南米の楽園……石油に呪われた国“ベネズエラ” ①

Venezuela

南米で一番豊かな国!ベネズエラ

Revolucion Web/YouTube

ベネズエラって?

1811年 スペインより独立
1819年 大コロンビア共和国成立
1830年 同国から分離、ベネズエラ共和国として独立
1958年 民主制復帰、以後選挙により大統領を選出
1999年12月 新憲法発効により、国名がベネズエラ・ボリバル共和国となる

世界の国情報 ベネズエラ・ボリバル共和国/ビーコス

同国の正式国名は「ベネズエラ・ボリバル共和国」と独立の英雄、ラテンアメリカの指導者であるシモン・ボリバルの名が冠されている。

石油で潤い、石油に呪われたベネズエラ/日経ビジネス電子版

自然の宝庫

BEACHFLAME/YouTube

ベネズエラは南米大陸のちょうど北部にあり、南米の中でも特に自然の宝庫と言われている国です。

地球最後の秘境!南米ベネズエラのエンジェルフォール紀行/LOVETABI.2015
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名前の由来は小ベネチア

東はガイアナ、南はブラジル、西はコロンビアに接し、1499年にスペインの植民地となった。国名はスペインの征服者たちが、原住民のマラカイボ湖での湖上生活を見て、小ベネチアと命名したのが由来であるという。スペイン語では「ベネスエラ」と発音する。

世界のコーヒー生産国 ベネズエラ/いりたてコーヒー豆通販パオコーヒー

世界有数の産油国!

ベネズエラは世界でも有数の産油国であり、輸出総額の7割以上を石油が占めている。石油のもたらした豊かさが、この国の急速な近代化と都市化を生んだ。

ベネズエラ旅行/ena(イーナ)の海外旅行ガイド
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南米で一番豊かな国!

石油などのエネルギー資源が豊富なベネズエラは、かつては裕福な国として知られ、多くの難民を受け入れてきた国でした。

ベネズエラの難民問題とは?難民が増加するベネズエラの現状や周辺国が抱える問題/gooddo
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今や南米はおろか世界でトップクラの悲惨な状況

 南米のベネズエラで今、多くの人が生きるか死ぬかの瀬戸際にいます。食料も薬もなく、骨と皮だけになって衰弱する人たち。街では電気も水道もストップしました。

「南米一豊かな国」に起きた異変 ベネズエラのいま/朝日新聞デジタル.2019

国の経済が機能不全に陥る中、ベネズエラ国民は現在、地球上で最も弱い立場に置かれた人々に含まれている。かつてはラテンアメリカでも有数の豊かな国であったベネズエラが、今では世界最高のインフレ率のほか、極度の食料不足や暴力犯罪の増大、基本医療を十分に利用できないために死亡率が急上昇するなど、類を見ない人道的危機に苦しんでいる。

デジタル通貨は経済が混迷する国にとって賭けか、またはチャンスか/Our World.2018

 インフレ率は10万%を超し、食糧難で国民の過半が平均11キロ痩せ、治安は世界最悪レベルのベネズエラ。かつて安定した民主体制をもち、いまも世界一の石油埋蔵量を誇るこの国は、なぜこれほど悲惨な状態に陥ってしまったのか。

「ベネズエラ」書評 過度の権力集中が示す苦い教訓/好書好日.2021

かつて「南米一豊かな国」と呼ばれたことは、最近の報道で伝えられる数々のストーリーからはもはや想像できない。

飽食の国、日本は世界21位。エコノミスト「食糧安全保障ランキング」に見る、食のリスク対応/大津陽子.AMP.2019
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経済危機下にあるベネスエラでは、反米・反グローバリズムの独自路線を歩んだチャベス政権を継承するマドゥロ政権と、親米派のグアイドー勢力が激しく対立している。激動するベネズエラをめぐるラテンアメリカの現状を、専門領域の異なる研究者が詳細に分析。(「Books」出版書誌データベースより)

Venezuela’s cursed oil

石油で豊かになり崩壊した国“ベネズエラ

Financial Times/YouTube

産油国!ベネズエラの始まり

1920年、オリノコ油田が発見されたことによって石油資源は外貨を稼ぐうえでの中心産業となったが、その収益の多くはベネズエラ石油公社(PDVSA)を操る寡頭支配勢力とその周囲をとり巻く中間層が独占し、国内で75%を占める貧困層の生活は貧しいままに置かれた。

焦る米国のベネズエラ転覆策動 石油暴落による混乱に乗じて反米政権を攻撃/長周新聞.2019
ジレンマ……石油のおかげで農業が衰退

 もともとベネズエラは農業国だったが、世界最大ともいわれる石油資源が発見されたことで石油に依存した社会になり、農業が衰退して食料を輸入に頼るようになった。

第85回 具材は挟んで載せて ベネズエラのアレパ/ナショナルジオグラフィック
民主化

1958年に、民主制を確立。それ以降は、選挙による大統領選出、二大政党による政権交代が行われ、概ね、米国とも協調的な関係を維持してきた。

石油で潤い、石油に呪われたベネズエラ/日経ビジネス電子版

OPEC創設「石油資源は産油国民のもの」

 1960年のOPEC(石油輸出国機構)創設では、当時のアルフォンソ石油相が、サウジアラビアのヤマニ石油相とともに指導的役割を果たし、サウジ、クウェート、イラン、イラクとともに創設メンバーになった。その後、1970年代に二度の石油危機を経て、南米の大国として経済的にも発展した。

石油に呪われた国、ベネズエラ/NPO法人 国際環境経済研究所.2019

70年代の「OPECの時代」においては、OPECが価格支配力を確立したが、観点を変えると、1960年から70年代は「資源ナショナリズム」の時代でもあった。産油国の国民には、「地下資源は石油会社のものでもなければ消費国のものでもない。われわれ産油国民のものだ」との意識が芽生え、地下資源を自分たちの国家建設、あるいは経済運営のために用いるために、自ら一次産品の価格を決めようという資源ナショナリズムが、各国・各地で台頭してきた。

21世紀における石油観の構築に向けて(p.3)/須藤繁.技術革新と社会変革,第3巷,第1号,pp.1-8,2010 報文
「石油資源国有化の流れ」外資の投資減少と生産量の急減

ベネズエラでは、1960年代末に資源ナショナリズムの高揚から政府が新規コンセッションおよび既存コンセッションの更新を禁止した。それを受けて将来的な国有化が視野に入ってきたため、外資石油メジャーが投資を控え、生産が急減した。

ベネズエラ ・ チャベス政権の石油 政策:1990 年代との比較から/坂口 安紀.アジア経済研究所 地域研究センター. JOGMEC石油・天然ガス資源情報ウェブサイト

カラカス暴動

 1978年、ベネズエラは石油資源を国有化、アメリカの石油メジャーは締め出しを食らう。ところが1960~70年代の石油ブームは、石油価格の下落とともに失速。そして、政府が緊縮策を実行に移そうとした1989年、低所得者層によるカラカス暴動が発生する。

石油が招いたベネズエラの危機/ナショナルジオグラフィック.2014

「街は分断され、住宅は堅く門を閉ざした。軍隊が非武装の民衆に発砲。多くの犠牲者を出した政治運動は、地理的な分断を鮮明にした」。

石油が招いたベネズエラの危機/ナショナルジオグラフィック.2014

「増産のためにはやっぱり外資の力が必要!!」

(前略)ベネズエラのおよそ 240 もの油田のうちその大半は1940~1950 年代に開発された老朽油田であり、また開発の重要な役割を担っていた外資が撤退し開発が遅れたこともあ り、その多くの油田が1990年代初めには年率 22~23%の生産量減少に見舞われていた。

非中東 OPEC 主要国の石油情勢と国際石油市場への影響に関する調査(p.16)/山縣 英紀.総合エネルギー動向分析室 主任研究員.一般財団法人 日本エネルギー経済研究所2004

この状況に危機感を覚えた当時のペレス政権は新自由主義的な経済改革を打ち出し、再び外資導入による原油増産に成功した。

チャベス大統領死去で、世界最大の石油埋蔵国が動き出す?/小菅努.Yahoo!JAPANニュース.2013

チャベス中佐によるクーデター未遂事件

archivodichiara/YouTube

チャベスは1992年、当時新自由主義経済改革を進めていた政権に反発してクーデターを起こしました。これによりそれまで無名の若手将校であったチャベスが初めて政治の舞台に登場し、国民の注目を集めました。

南米・ベネズエラでいま何が起きているのか? /坂口安紀×荻上チキ/SYNODOS.2017

クーデター自体は失敗したが、その後も政治活動を重ねて既存政党への不満を抱える国民の受け皿となった。

ベネズエラのチャベス大統領死去 資源国有化進める 米国批判繰り返す/日本経済新聞.2013

「貧困層の代弁者」チャベス大統領 誕生

Radio Nacional de Venezuela/YouTube

(前略)1999年、貧困層の支持を受けてチャベス前大統領が誕生してからは、カリスマ的な国民的人気と豊かな石油収入を背景に反米色を鮮明にし、社会主義的政策に転換した。

石油に呪われた国、ベネズエラ/NPO法人 国際環境経済研究所.2019
「1部の裕福な人達が富を独占している!!」

チャベス大統領は,従来の体制では民主主義の名のもとに伝統的二大政党およびその支持基盤である中間層や富裕層が政治を支配し,国民の大半を占める大衆層は政治から疎外されてきたと批判する。また世界有数の産油国であるベネズエラの石油収入も彼らが独占し,大衆層はその恩恵を受けることができなかったと批判する。

21世紀ラテンアメリカの左派政権 : 虚像と実像(p.37)/坂口 安紀.35-63.日本貿易振興機構アジア経済研究所.2008

チャベス登場以前のベネズエラでは、富裕層と中所得層、言い換えれば資本家と労働組合間の階級間闘争が政治の中心で、各政党は両者のうちのいずれかを主な支持基盤にしていました。しかし、基本的には企業の正職員でなければ労働組合に加入できないため、都市のインフォーマル・セクターで働く人(つまり法律で保障される正規雇用ではない労働者)や、地主のもとで働く小作農(中南米では大地主制が残っているため、他の地域より貧富の格差が全般的に大きい)は、人口で多数派を占めながらも、既存の政党にその声が届くことはなく、政治的な発言の機会はほとんどありませんでした。「サイレント・マジョリティ」だった貧困層の代弁者として登場したのが、チャベスだったのです。

チャベス四選から「貧困と民主主義」を考える/六辻彰二.Yahoo!ニュース.2012

原油価格が高騰↑↑「“石油”など主要産業を国営化」

(前略)2007年、100ドルを越えて高騰する原油価格が追い風となった好景気のなか、チャベス政権は石油をはじめとした国内の主要産業の国有化に踏み切った。

日本では報道されない南米ベネズエラの惨状、100万%超えのインフレで国民150万人が脱出へ=高島康司/MONEY VOICE.2019

 2006年から2007年にかけて、原油の採掘・生産は完全国有化され、アメリカのエクソンモービル、フランスのトタル、イタリアのエニなどの資産は強制的に接収された。

原油埋蔵量世界1位、ベネズエラの今後/ナショナルジオグラフィック.2013
「貧困層を助けるため!」

さらに、巨額の予算により貧困層の生活の手厚い支援を行う制度を充実させた。

日本では報道されない南米ベネズエラの惨状、100万%超えのインフレで国民150万人が脱出へ=高島康司/MONEY VOICE.2019

 カラカスの新興住宅街では、新築物件の引き渡しが行われていた。集まった人々に話を聞くと、みなチャベスに感謝していると言う。なんと、家を無料で配布していた。家だけでない、電化製品まで配布しているチャベスの『21世紀の社会主義』とは、貧困層の救済だったのだ。“バリオ”と呼ばれる貧民街には、無料の病院を8000カ所も作った。

美女と石油…独裁者チャベスの知られざるベネズエラ/日経スペシャル 未来世紀ジパング : テレビ東京.2012
その資金は石油を売ったお金

 しかし、どこからそんなお金が出てくるのか?実は大河オリノコ川周辺で世界有数の埋蔵量を誇る石油が沸騰、なんとサウジアラビアを超えて今や世界一の埋蔵量を誇る石油大国になっていたのだ。チャベスはそのオイルマネーを貧しい人たちに配っていた。

美女と石油…独裁者チャベスの知られざるベネズエラ/日経スペシャル 未来世紀ジパング : テレビ東京.2012
国有化によって収益率がダウン↓

国営化された企業の収益力は徐々に低下していった。

給油に6日!ガソリン足りない国の深刻な実態ベネズエラ、石油埋蔵量世界一なのになぜ/東洋経済 ONLINE.2020
「儲けるな?」民間企業は次々と廃業

(前略)1999年に1万2000社余りあった民間企業は2017年には3800社まで減少。チャベス氏は利潤を追求していく経営者の存在を否定し、一定以上の利益を上げることを禁止させた。

給油に6日!ガソリン足りない国の深刻な実態ベネズエラ、石油埋蔵量世界一なのになぜ/東洋経済 ONLINE.2020
国有化で投資が停止!開発力やビジネスチャンスを失った

まず、石油をはじめとした主要産業の国有化で、内外の投資は完全に停止した。残された民間企業に投資をしても、いつ国有化され投資を失うか分からないからだ。そのため、ベネズエラへの投資は引潮のように引き上げられた。

日本では報道されない南米ベネズエラの惨状、100万%超えのインフレで国民150万人が脱出へ=高島康司/MONEY VOICE.2019

国際的な石油価格の下落と相まって、石油収入は激減。石油からの収入はベネズエラの国家収入のおよそ8割を支えていただけに、インパクトは半端ありません

途上国を専門とするNPOメディア「ganas」、ベネズエラ人を救う『命のスペイン語レッスン』の2~4月の受講者募集! レッスン料は100%支援/JIJI.COM.2021

 外国石油企業の締め出しは、チャベス氏にとって社会主義的な政治目標を実現する上で大きな意味を持つ。しかしベネズエラ経済にとっては、原油埋蔵地の開発ノウハウ獲得や、原油収入増大の機会喪失につながった。

原油埋蔵量世界1位、ベネズエラの今後/ナショナルジオグラフィック.2013
原油価格が高いから大丈夫

それでも原油が高値で輸出できていた頃は外貨を豊富に獲得できたため、国営企業のこうした問題はあまり重要視されなかった。何しろベネズエラのGDPの95%は原油の輸出に依存していたからである。

給油に6日!ガソリン足りない国の深刻な実態ベネズエラ、石油埋蔵量世界一なのになぜ/東洋経済 ONLINE.2020

「儲からない……」原油価格の下落によって深刻な外貨不足

ところが、原油価格が下落し始めると、外貨の不足が目立つようになった。外貨の歳入が豊な時代は国内で不足している物資も外国から容易に輸入できた。ところが、外貨が不足し始めると輸入も思うようにはできなくなった。

給油に6日!ガソリン足りない国の深刻な実態ベネズエラ、石油埋蔵量世界一なのになぜ/東洋経済 ONLINE.2020
紙幣を刷りまくった

物質を輸入する資金も不足するようになり、市場は物不足に陥るようになった。それを誤魔化すべく政府は紙幣を乱発。それがハイパーインフレを導く要因となっていった。

ベネズエラ人の国外脱出者400万人、更に増える見込み/白石 和幸.アゴラ.2018
外国の航空機を拒否「世界で孤立」

また、外貨の不足が顕著になると、外国の航空会社がベネズエラ国内で上げた売上をドルに両替することも禁止されるようになり、外国の航空会社はベネズエラへの乗り入れも中止するようになった。ベネズエラの孤立化である。

ベネズエラ人の国外脱出者400万人、更に増える見込み/白石 和幸.アゴラ.2018

「食べ物が無い!」生活必需品が店頭から消えた……。

Imagen Noticias/YouTube

一方、物不足は原油価格下落以前から始まっていた。チャベス政権が食料や日用品の価格統制を始めたためだ。

ベネズエラを事実上のデフォルトに追い込んだ「ポピュリズム」の恐怖/小出 フィッシャー 美奈.現代ビジネス | 講談社.2019

モノの価格を統制したら、どうなったのか。生産側からすると、モノを作っても儲からなくなりました。国内の産業はつぶれていきます。輸入への依存度は高まるばかり。結果として、ベネズエラ経済は「死に体」となってしまったのです。

途上国を専門とするNPOメディア「ganas」、ベネズエラ人を救う『命のスペイン語レッスン』の2~4月の受講者募集! レッスン料は100%支援/JIJI.COM.2021

これも元々は貧困層の救済策であったはずというところが悲しいのだが、結果としては採算割れの事業を強いられた業者が次々に製造や販売から撤退し、食料や商品が商品棚から消えてしまったのだ。

ベネズエラを事実上のデフォルトに追い込んだ「ポピュリズム」の恐怖/小出 フィッシャー 美奈.現代ビジネス | 講談社.2019

ガンや糖尿病等全ての薬、風邪薬さえ見つからず、病人や怪我人で溢れる公共病院はレントゲンや各検査器具は壊れ殆ど使用不可能でシーツやガーゼさえない。

38年住んだベネズエラから帰国して/ベネズエラで起きていること.2016

ごく普通の人が野良犬と共にゴミ箱を漁っているのをあちこちで見かけるし、空腹のあまり石鹸や毒のある芋類を食べて死亡した人も出た。

38年住んだベネズエラから帰国して/ベネズエラで起きていること.2016

マドュロ政権下でさらに悪化する経済

2013年、がんで死去したチャベス大統領が後継人として指名した元バス運転手のマドゥロ大統領代行(チャベス大統領死去時の副大統領)が同年、大統領選で野党候補に僅差で勝利し大統領に就任した。

混乱を極めるベネズエラと2人の大統領の行方これまでの経緯と予想されるシナリオを解説/東洋経済ONLINE.2019
「チャベス大統領」の政策を継承

マドゥロ政権下、チャベス政権のバラマキ政策や政府による経済介入を継続した(後略)

混乱を極めるベネズエラと2人の大統領の行方これまでの経緯と予想されるシナリオを解説/東洋経済ONLINE.2019
『ハイパーインフレーション』の世界

バラマキの源泉は世界最大の埋蔵量を誇る石油資源である。しかし、1バレル=120ドル以上でなければ成り立たないような国家予算を組んで無駄遣いし続けた結果はどうなったか。1バレル=40ドルからせいぜい50ドル程度まで石油価格が暴落したために石油産業は壊滅、ハイパーインフレに襲われてベネズエラ経済は破綻状態に追い込まれてしまった。

世界を席巻するポピュリスト旋風は、どこまで広がるか?/PRESIDENT Online.2016
アメリカからの経済制裁で追い討ち

 さらに、チャベスも、そして彼から引き継いだニコラス・マドゥロ現大統領も反米主義を掲げているため、アメリカが厳しい経済制裁を科して物資は不足。原油価格の急落も相まって、国の経済が破綻してしまった。

第85回 具材は挟んで載せて ベネズエラのアレパ/ナショナルジオグラフィック
気づいた時には時すでに遅し……

ない袖は振れないとばかりに政府は緊縮路線に切り替えたが、公務員を増やしすぎて、いくら削減しても追いつかない。とうとう週休2日ではなく週休5日制にして、公務員の給料を60%カットしたほどだ。手がつけられないハイパーインフレで国民生活は困窮し、人々は今頃になって政府を強く非難している。しかし、チャベスやマドゥーロを大統領に選んだのはほかならぬ国民自身なのだ。

世界を席巻するポピュリスト旋風は、どこまで広がるか?/PRESIDENT Online.2016

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地獄と化した南米の楽園……石油に呪われた国“ベネズエラ” ②
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南米随一の産油国として繁栄していたベネズエラ。 しかし、長引く政情不安や経済政策の失敗により、国民は貧困に苦しみ、日常的に犯罪が発生する南米最貧最恐の国になってしまった。すでに「破綻国家」とも言われているベネズエラの本当の姿を見るために、著者は身の危険に晒されながら三度にわたってこの国に潜入する。果たして、著者は何を目撃するのか。新進気鋭のノンフィクションライターが挑んだ限界ギリギリの冒険紀行。(「Books」出版書誌データベースより)
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