
《ウイグルクライシス》嘘か本当か……。中国で引き起こされている人類最悪の罪「ジェノサイド」(3)
Xinjiang internment camps
信じられない……。ナチスを彷彿とさせる「強制収容所」
2017年以降、ウイグルでは1000カ所を超える「強制収容所」が設けられ、100万人(一説には300万人とも)のウイグル人を収容。正当な理由もないまま強制収容されたウイグル人は、外部との接触を絶たれ、ウイグル人としての文化や伝統を放棄することを強制され、ウイグル語による日常会話まで禁じられている。さらに中国共産党と習近平への忠誠を強制する洗脳教育が行われている。
「ジェノサイド国家中国の真実」于田ケリム、楊海英著/日刊ゲンダイDIGITAL.2021
現代中国史が専門で、講演会でこの問題を解説した明治大学兼任講師の水谷尚子氏によると、元々はイスラム学を学んだ人、イスラムの宗教指導者などが収容されてきた。しかし、現在は、ウイグルの文化や学術を担う知識人、ウイグル人の中でもトップクラスの人達、例えば著名な学者、作家、音楽家、ジャーナリスト、詩人、ミュージシャン、スポーツ選手、経済を支える著名人が収容されているという。海外で学んだ人達も少なくなく、日本に留学し帰国して新疆の教育に携わった、日本とつながりの深い人もいる。
8カ月鎖で縛られ続けた日々 中国“ウイグル強制収容所” 奇跡の生還者が衝撃の証言/FNNプライムオンライン.2018
市民の海外との通信も厳しく監視され、帰国した留学生が拘束される例も多い。顔認証によるウイグル族監視システムには、アリババやファーウェイなど中国系大手IT企業の協力も囁かれる。
収容所では性暴力や拷問も横行……「中国最大の国際的汚点」ウイグル問題で難民が続出/文春オンライン.2021
《ウイグルクライシス》嘘か本当か……。中国で引き起こされている人類最悪の罪「ジェノサイド」(1)
外国人は近づくことすら出来ない
海外メディアの現地取材も困難で、私自身も2014年、新疆南西部で1日に4回も拘束された。
収容所では性暴力や拷問も横行……「中国最大の国際的汚点」ウイグル問題で難民が続出/文春オンライン.2021
カシュガル市の北にある町に特に巨大で警備が厳重な施設があるとされる。現地に向かおうとしたが、ウイグル族のガイドから「外国人は入れない区域」とくぎを刺され、町に近づくことすらできなかった。
地図アプリに載らない「強制収容所」を訪ねてみた/西日本新聞me.2021
ビッグデータを使い従順度によって人間を振り分ける
中国当局はビッグデータを活用して、ウイグル族の個人情報を収集。信仰や家族関係などを評価し、収容時に3つのグループに分ける。その後も、収容者がどれだけ従順に従うかを監視し、各グループに再び振り分ける仕組みという。
ウイグル人元収容女性、性的暴行や虐待の実態を証言/産経ニュース.2021
収容者は「一般管理」「厳格管理」「強化管理」の3つのグループに分けられていた。グループによって、「制服」の色や管理の厳しさが異なった。
ウイグル人元収容女性、性的暴行や虐待の実態を証言/産経ニュース.2021
「迫害などなかった」成功に終わったベルリン大会……別名“ヒトラーのオリンピック”
中国政府は存在そのもを否定、隠しきれなくなり一転認めたが……。
ウイグルの人たちが目隠しをされ、列車に乗せられた場面と思われるドローン撮影の映像を見せられると、劉氏は映像が示していることは「知らなかった」とし、「どの国でも時々、囚人を移送する」と話した。この映像は、オーストラリア情報機関が本物だと確認した。
英外相、中国がウイグル人に「おぞましい」人権侵害と非難/BBCニュース.2020
「強制収容所ではない、職業技能教育訓練センターだ」
中国政府は新疆ウイグル自治区にイスラム教徒を再教育するための強制収容所が存在することを一貫して事実無根と否定していたが、10月10日付で再教育施設の存在を認めると同時に、再教育施設を、社会復帰を促すための“職業技能教育訓練中心”(以下「職業訓練センター」)として法律に明記したことを明らかにした。
名前とは裏腹…ウイグル族対象「職業訓練センター」の恐るべき実態/現代ビジネス | 講談社.2018
宿泊施設と職業訓練プログラム、中国語と法律の授業が無料で提供され、新疆ウイグル自治区の人々に近代社会に適応する機会を与えていると主張する。また、これは、「テロとの戦い」の一環でもあり、過激派思想を正すことで、新疆ウイグル自治区では2年以上イスラム過激派によるテロが起きていないと自画自賛する。
ウイグル弾圧の「驚くほどひどい」実態 収容所で拷問/NewSphere.2019
中国政府の白書では、国際社会を騙すために、いかにもウイグル人のために「無料の職業訓練」を実施し、終わった後は「修了証」を発行し、彼らの就職まで斡旋していると強調しています。再教育を受けて修了した大勢の人々がその機会を活かし、再就職を実現させ社会に貢献することで「社会秩序と治安が歴史上最良の状態に戻り」「民族及び宗教の間の平等、結束、調和が浸透した」と高らかに宣言しています。
ウイグルの声に耳を思想改造の拠点、強制収容所/北方ジャーナル
しかしこの理屈は、世界で通用するものではない。西側諸国は人権侵害への懸念を強め、「職業訓練」とそれに伴う「強制労働」の問題にいっそう関心を向けるようになった。「職業訓練」を終えた少数民族の人々は、中国各地の工場などに移送され、そこで生産された製品は国際市場に流通する。また、世界の生産量の20%を占める「新疆綿」は、毎年秋に新疆の少数民族を動員して摘み取られている。これらの労働、動員が強制性を伴うことが、米・豪の研究者らによって「発見」された。
新疆ウイグル自治区の職業訓練問題とその影響/SankeiBiz.2021
実は「職業訓練センター」と呼ばれる強制収容所について、中国の法律において合法的な根拠は存在しません。中国政府の反テロ法でさえ最長の拘留日数は15日しか認めておらず、より重大な問題は裁判所で判断されます。しかし、東トルキスタンの収容所に収監されている300万超の人々は誰ひとりとして裁判を受けず、懲役刑も言い渡されていません。
ウイグルの声に耳を思想改造の拠点、強制収容所/北方ジャーナル
警棒、スタンガン、手錠、催涙スプレー……教育とは?
国営の中国中央テレビ(CCTV)は先週、新疆ウイグル自治区の「職業技能協力訓練センター」について、幸せそうな学生たちが標準中国語を学んだり、職業技能を磨いたり、スポーツや民族舞踊などの趣味に打ち込んだりしている近代的な学校であるかのように報じた。
催涙ガスにスタンガン、手錠…中国ウイグル収容施設の実態 180か所超存在/AFPBB News.2018
ところが、自治区南西部ホータン(Hotan)地区のある地方政府でこうした施設を管轄する部署は、今年、数度にわたって次のような物品を調達していた。警棒2768本、電気棒550本、手錠1367個、それに催涙スプレー2792缶。いずれも、教育と関係があるようにはとても思えない品目だ。
中国・ウイグル強制収容所の内側─催涙ガス、テーザー銃、教本【再掲】/AFPBB News.2018
中国政府は正当性を主張、メディアに公開
中国政府は4月17、18の両日、新疆ウイグル自治区内の2カ所の訓練センターを内外メディアに公開した。朝日新聞以外に米ロ韓シンガポールの各1社と中国メディア4社が参加。取材先として、イスラム礼拝所(モスク)やバザールなども組み込まれた。取材は政府・党関係者の監視下で行われ、記者の質問を制限したり、取材相手の応答を遮ったりしたことはなかったが、自由行動は認められなかった。記事の検閲は受けていない。
監視下の取材で見た涙 ウイグル族の女性「私は中国人」/朝日新聞デジタル.2019
国際人権団体や米国などはこれらのセンターを「再教育施設」と呼び、虐待などの深刻な人権侵害が行われているとの疑いを指摘している。取材を厳しく規制する新疆に政府がメディアを招いたのは、そうした批判を打ち消す狙いからだ。
監視下の取材で見た涙 ウイグル族の女性「私は中国人」/朝日新聞デジタル.2019
中国政府は展示会でさらに正当性を主張
中国当局は新疆ウイグル自治区で20日までに、少数民族ウイグル族を収容施設で教育したことでテロを抑え込めたと訴えるパネル展を、海外メディアに公開した。
ウイグル族収容を正当化 中国、新疆でパネル展/YouTube
洗脳によって中身を中国政府の都合の良いように変える「思想改造」
中国西部の新疆ウイグル自治区にある、高度の警備体制が敷かれた収容施設で、中国政府がイスラム教徒のウイグル人を何十万人も組織的に洗脳していることが、流出した文書によって初めて明らかになった。
中国政府、ウイグル人を収容所で「洗脳」 公文書が流出/BBCニュース.2019
身体は元のまま生きていて、考え方が別のものになる。中国政府、中国共産党に都合がよいものになる。これが思想改造の本質なんですね。
「生かしたまま民族を消滅させる」中国共産党がウイグルで進めている恐怖のプロジェクト/PRESIDENT Online.2021
再教育キャンプでの典型的な1日は、朝の5時にたたき起こされて、わずかなパンとスープを与えられることから始まります。その後、Bekali氏ら収容者は、昼まで絶え間なく中国共産党を賛美し、中国の偉大さを強調し、習近平国家主席に感謝する歌を歌わされました。また、午後は中国語を話せない人は中国語の授業を、中国語が堪能な人は中国でどのような裁判や刑罰が行われるかを学ぶ講義を受けさせられました。
中国の強制収容所で激しい拷問や洗脳を経験したウイグル人の証言/GIGAZINE.2020
言語を抜き去る。信仰を抜き去る。今までの考え方を抜き去る。そして、中国語(漢語)を注入する。中国語の考え方をオウム返しさせる。そして、社会組織や就業の構造や地域の在り方を中国風にしてしまう。民族の抹消です。身体は生きているけれども、ウイグル民族そのものを存在しなくさせてしまう。こういうものですね。
「生かしたまま民族を消滅させる」中国共産党がウイグルで進めている恐怖のプロジェクト/PRESIDENT Online.2021
低賃金、無給での強制労働
これまでの報道で、同自治区のイスラム系少数民族のウイグル族やその他の少数民族の人々は、強制収容施設の厳しい環境下でわずかな賃金または無給で働くことを強制させられていることが分かっている。
中国、新疆ウイグル自治区で強制労働、収容施設の少数民族57万人以上に綿花を収穫させたか/Business Insider Japan.2020
恐ろしい話だが、西側諸国の利用する製品の多くは、強制収容されたウイグルの人々が中国で作っているものだ。複数の報道によれば、ウイグルの強制労働は世界経済に大きく寄与している。とりわけ太陽光パネルの製造と綿花栽培の産業で果たす役割は大きい。自由な国際秩序の中に、強制労働の入り込む余地などは認められない。
生まれたのは中国の再教育キャンプ、歴史は繰り返している/CNN.co.jp.2021
実行部隊「生産建設兵団」
米政府は、新疆生産建設兵団が中国共産党の支配下にある準軍事組織だと認定。既に制裁対象に指定されている別の幹部の下で、少数民族に対する監視や拘束、思想教育などを実行したとしている。
米、中国の自治区組織に制裁/ウイグル族抑圧に関与/四国新聞.2020
米国が今回新たに導入する規制により、準軍事組織「新疆生産建設兵団(Xinjiang Production and Construction Corps、通称:兵団、Bingtuan)」が生産した綿を含む貨物を留め置く権限が、米税関・国境警備局(CBP)に与えられる。兵団は、すでに財務省の制裁対象となっている。
米、新疆綿の輸入阻止へ 「奴隷労働で生産」と断定/AFPBB News.2020
衣類などの原料、世界三大コットン「新疆綿」
世界有数の綿の産地である新疆ウイグル自治区をめぐってはウイグル族の人たちの強制労働によって綿製品が生産されているとの疑いが指摘され、国際的な批判が高まっています。
新疆ウイグル自治区の綿製品 アパレル大手が使用中止 決定/NHKオンライン
新疆綿(しんきょうめん)とは、 新疆ウイグル自治区で栽培されている超長繊維綿である。ギザ綿、ピマ綿と並んで世界三大コットンと呼ばれることがある。
新疆綿とは | 繊維用語集/トータス株式会社
高級綿を栽培している地域には天然の水源が不可欠です。ウイグル自治区の新疆綿は天山山脈からの豊富な雪解け水が、カレーズと呼ばれる天然の地下水路を通り、その天然水を使って栽培されています。この特有な環境において美しい白い綿花が育ち、繊維長がひときわ長い超長綿となります。綿花に油分が多いため、シルクのような美しい艶が出ます
上質なコットンとは?/arkhe.2019
また、収穫は全て手摘みしているため、安定したハイクオリティが保てるのも特徴です。
上質なコットンとは?/arkhe.2019
世界中の様々なアパレル企業が関連
オーストラリアのシンクタンクが2020年3月上旬に発表した報告書によると、中国政府は数万人に上るウイグル人を中国全土の工場に移送して、強制労働が示唆される状況下で働かせている。ウイグル人の強制労働が行われているとされる工場は、世界の有名企業83社のサプライチェーンに関与している。
中国のウイグル人強制労働に世界有名企業のサプライチェーンが絡んでいるとシンクタンクが発表/Indo-Pacific Defense Forum.2020
新疆ウイグル自治区におけるウイグル族の強制労働疑惑をめぐって懸念を表明し、「新疆綿を使用しない」方針を示したH&Mやナイキ、アディダスに対し、中国では批判が過熱。一時はユニクロや無印良品にも飛び火し、各社ともに苦しい対応を迫られた。
ユニクロにも飛び火した新疆綿問題、スポーツウェアで中国勢がナイキら猛追も残る課題/ビジネス+IT
新疆綿は綿製品の原料である綿花の一品種を指しているため、特定の綿製品の扱いをやめればいいだけのように思えるが、実際には「中国で生産される綿花のうち、実に90〜95%が新彊綿で、実際には中国で生産される衣服の大半に新疆綿が使われている。現実問題、多くのアパレル企業が新疆綿を使わないということは非常に難しい」(商社関係者)ことが、事態をより複雑にさせている。衣料品の約7割を中国生産に依存する日本は難しい局面に立たされることになる。
「新疆綿」の大き過ぎる存在感 不使用ならアパレル生産は大混乱か/WWDJAPAN.2021
新疆ウイグルトマトの輸入禁止
米国は、中国の新疆ウイグル自治区で生産された綿・トマト製品すべての輸入を禁止する。全面的な禁輸措置に対して中国政府は抗議し、自国企業を守る措置を講ずることを改めて誓った。
米国、強制労働の疑いで新疆産の綿・トマト製品の輸入を全面禁止へ/Business & Human Rights Resource Centre
中国政府は14日、米国が「貿易ルールと市場経済の原則を破り、世界の産業サプライチェーンと企業・消費者の利益を損ねた」と批判。中国外務省の趙立堅報道官は北京での記者会見で、「いわゆる強制労働は米国を含む一部の欧米機関によるでっち上げだ」と主張した。
米国、新疆ウイグル産の綿製品とトマト輸入禁止へ-強制労働指摘/Bloomberg.2021
中国での加工用トマト生産およびトマト加工品製造は、1950年代に広東省、福建省、江蘇省といった沿岸地域を中心に産地開発が進められたことに始まる。1980年代以降は、産地および製造拠点が四川省などの内陸部に移った。新疆では、1980年に最初の製造ラインが建設されたことにより、産地開発が始まった。新疆は砂漠気候で、長日照、乾燥条件により、病害虫の発生が抑えられてトマト栽培に適した地域であったため、1985年以降、国内のさまざまなトマトに関する賞を受賞するなど品質評価が高まり、国内最大の産地および製造拠点に成長した。特に、2000年から2009年にかけては、海外からの需要が伸びたため、著しい成長となった。新疆における加工用トマト生産およびトマト加工品製造は、現在、世界三大綿のひとつである新疆綿生産と並ぶ重要産業となっている。
中国産トマト加工品の製造および輸入動向/農畜産業振興機構
日本企業カゴメも使用停止へ
カゴメが、中国の新疆ウイグル自治区で生産されたトマト加工品の使用を2021年中に終了することが15日、分かった。品質や調達の安定性、コストなどの観点に加え、少数民族への人権侵害をめぐる国際的な批判を考慮し、総合的に判断したという。
カゴメ、新疆産トマト使用停止 人権問題考慮/JIJI.COM.2021
カゴメはこれまで同自治区からトマトペーストを輸入し、ソース類の原料にしていた。近年、調達量を減らしており、現在は全体の1%程度にとどまる。調達をやめる分は他国からの輸入で「十分補える」といい、20年産のトマトペーストを最後に輸入をやめたという。
カゴメ、新疆産トマトを使用中止へ「人権問題など考慮/朝日新聞デジタル.2021
この件が中国で報道されると、ネットユーザーたちは一斉にネガティブキャンペーンを開始した。中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」には、「もうカゴメの商品は買わない」などのコメントがあふれた。なかでも目立っているのは、大手ECサイト「淘宝(タオバオ)」のQ&Aコーナーの荒れようだ。
「ウイグルのトマト不使用」のカゴメが中国ECサイトで大炎上/NEWSポストセブン.2021
……ホロコーストを彷彿とさせる
彼らに行われている非人道的な所業は低賃金による強制労働だけではない。強制収容所では、イスラム教徒が多数を占める彼らに対し、宗教上食べることが禁止されている豚肉を無理やり食べさせる、衰弱死に至るまで拷問を加える、などの虐待行為も行われている。
ウイグルで何が起きているのか? 現地経験のあるジャーナリストとTwitterで話題の漫画家が「ウイグル問題」を解説/PR TIMES.2021
アメリカの税関・国境取締局(CBP)の職員が、何百万人ものウイグル人イスラム教徒やその他の少数民族が拘禁施設に収容されている中国の新疆ウイグル自治区から来たと思われる人毛のヘア・エクステンションの積荷を押収した。
ウイグル人強制収容所で作られた“人毛”エクステを押収。米当局「非人道的な商取引は認めない」/Business Insider Japan.2020
殴打、電気ショック、飢餓……。ありとあらゆる残酷な拷問
拷問の方法としては、「殴打、電気ショック、負荷が強い姿勢を取らせる、違法な身体拘束(「タイガーチェア」と呼ばれる鉄製のいすに座らせ手足をロックして動けなくするなど)、睡眠妨害、身体を壁のフックにかける、極めて低温の環境に置く、独房に入れる」などがあるとした。
中国のウイグル族弾圧は「地獄のような光景」=アムネスティ報告書/BBCニュース
タイガーチェアを使った拷問は、数時間~数日にわたることもあり、その様子を強制的に見せられたと証言した人もいたという。
中国のウイグル族弾圧は「地獄のような光景」=アムネスティ報告書/BBCニュース
アムネスティはまた、新疆地区の収容制度について、「中国の司法制度や国内の法律の管轄外で運営されている」とみられると説明。収容所で拘束されていた人々が刑務所に移されたことを示す証拠があるとした。
中国のウイグル族弾圧は「地獄のような光景」=アムネスティ報告書/BBCニュース
ある尋問の最中、複数の警官から殴る蹴るの暴行を受けて気を失った。また別の時には、2人の女性警官がまだ傷の残るジヤウドゥンさんを別の部屋へ連れていき、テーブルの上へ寝かせた。「彼女らは私の体の中に警棒を入れて、電流を流した。私は失神した」(ジヤウドゥンさん)
「手足に鎖の生徒」と「集団レイプ」、女性たちが証言する中国の収容施設の内側/CNN.co.jp.2021
「警官らの残忍さは度を越していた。相手を痛がらせ、殴って体を傷つけた。頭を壁に打ちつけられもした。(中略)そういうやり方で私たちを罰していた」(ジヤウドゥンさん)
「手足に鎖の生徒」と「集団レイプ」、女性たちが証言する中国の収容施設の内側/CNN.co.jp.2021
トゥルスン氏はある日、部屋に連れて行かれ、高い椅子に座らされた。両方の手足は固定された。
「殺してくれと懇願した」ウイグル族女性が語る、中国の収容所での拷問・虐待/NewSphere.2018
「当局の職員たちはヘルメットのようなものを私の頭の上に乗せました。感電させられるたびに全身が激しく震え、血管に痛みを覚えました」トゥルスン氏の回顧録が通訳によって読み上げられた。
「殺してくれと懇願した」ウイグル族女性が語る、中国の収容所での拷問・虐待/NewSphere.2018
「それ以外のことは覚えていません。口から白い泡が出てきて、意識が薄れていきました。耳に入ってきた最後の言葉は、おまえがウイグル人であることが罪なのだ、というものでした」
「殺してくれと懇願した」ウイグル族女性が語る、中国の収容所での拷問・虐待/NewSphere.2018
「拷問はあった」元警察官の証言
この中国人元刑事は匿名を条件にCNNからの取材に応じており、ジャンという名前を名乗っている。ジャン氏は、ウイグル人の共同体をライフルで武装した数百人の警察官が一軒一軒訪ね歩いては、家から人々を引きずり出し、手錠をかけ、抵抗すれば銃殺すると脅していたと語っている
電気椅子、天井からの吊り下げ 中国警察の元刑事、新疆ウイグルでの拷問を明かす CNN/スプートニク日本ニュース.2021
少数民族を標的とした中国の「暴力的テロ猛撃キャンペーン」の下で刑事をしていたジャン氏は、CNNによると新疆ウイグル自治区の複数の地域に「3~4回」、数年にわたって配置されたという。
中国警察の元刑事が明かした、少数民族ウイグル族の人々を「自白」させるための拷問手法/Business Insider Japan.2021
尋問の過程で拘留者は全員殴られ、14歳の子どもも例外ではなかったとジャン氏は話している。
中国警察の元刑事が明かした、少数民族ウイグル族の人々を「自白」させるための拷問手法/Business Insider Japan.2021
「相手を縛り付けた状態で、この突起物に電線を2本結んで、それを性器に近付けるんです」刑事や看守の中には、拷問を楽しんでいる人間もいたという。ジャン氏はすぐにこの仕事に「幻滅した」とCNNは伝えた。
中国警察の元刑事が明かした、少数民族ウイグル族の人々を「自白」させるための拷問手法/Business Insider Japan.2021
ジャン氏自身も取り調べでは特に残虐な行為を避ける必要から「悪い警官」を演じざるをえない場面があったと認めている。「(拷問を)職務とみなす者もあれば、単なるサイコパスもいる」
電気椅子、天井からの吊り下げ 中国警察の元刑事、新疆ウイグルでの拷問を明かす CNN/スプートニク日本ニュース.2021
ジャン氏は亡命先の欧州で行われたCNNとの3時間に及ぶインタビューで、新疆ウイグル自治区の収容所でウイグル族を拷問する組織的作戦と同氏が位置付けるものについて詳しく説明した。このような詳細が明かされるのはまれ。中国はこうした拷問の存在を何年も否定してきている。
「ただのサイコパスもいた」 中国の元警察官、ウイグル族への拷問を語る/CNN.co.jp.2021
ジャン氏は警察の留置場で自分や同僚が尋問したときを思い出しながら、「あざができて腫れ上がるまで、彼らを蹴り、なぐる」「彼らが床にひざまずき、泣き出すまでだ」と述べた。
「ただのサイコパスもいた」 中国の元警察官、ウイグル族への拷問を語る/CNN.co.jp.2021
「女性は地獄にいる」
新疆ウイグル自治区出身のロンドンで開催された世界ウイグル会議のプロジェクトディレクター、リマ・マフムット氏は、そこに住む女性たちは「地獄」にいると語った。 「他の大量虐殺や他の場所と同じように、女性は常に最大の標的です。大規模に起こっている非常に深刻な犯罪があります」とマフムトは言いました。
「地獄」に住んでいると感じる新疆ウイグル自治区のイスラム教徒の女性の物語/VOI.id.2020
BBCの取材に応じた女性の1人、新疆ウイグル自治区から米国に逃れたトゥルスネイ・ジアウドゥン(Tursunay Ziawudun)さんは、「女性たちは『毎晩』、収容所の居室から連れ出され、1人、あるいは複数の覆面をした中国人の男にレイプされていた」と証言した。ジアウドゥンさん自身も収容所で拷問を受け、3回にわたって集団レイプされたと述べた。
ウイグル族収容施設内の性的虐待、その実態を女性たちが証言/Forbes JAPAN.2021
新疆ウイグル自治区出身のウイグル族の学者アブドワリ・アユップ氏(48)は、複数の看守の指示を受けた12人以上の他の拘留者から集団レイプを受けたとCNNに語っている。CNNによると、アユップ氏は最終的に、「違法な資金集め」を行ったと強制的に自白させられた後、2014年11月に施設から解放されたと話している。
中国警察の元刑事が明かした、少数民族ウイグル族の人々を「自白」させるための拷問手法/Business Insider Japan.2021
こうした体験談はほかにもある。実際、収容所で中国語を教えていた新疆出身のウイグル族女性、ケルビヌール・セディク(Qelbinur Sedik)さんは、あるウイグル族の女性からこんな話を聞いたと証言している。「レイプは文化と化していた。これは集団レイプで、中国警察は女性たちをレイプするだけでは飽き足らず、電気ショックを与えていた。女性たちはおぞましい拷問の犠牲となっている」。別の語学教師、サイラグル・サウイトバイ(Sayragul Sauytbay)さんも、収容所の看守たちが「好みの少女や若い女性を選び、連れ去った」と証言した。
ウイグル族収容施設内の性的虐待、その実態を女性たちが証言/Forbes JAPAN.2021
収容施設から解放された後、アメリカに渡ったトゥルスネイ・ジアウドゥンさんは、収容施設では「毎晩」女性たちが連れ出され、覆面をした中国人の男にレイプされていたと話した。
ウイグル女性、収容所での組織的レイプをBBCに証言 米英は中国を非難/BBCニュース.2021
民族絶滅を図る「強制不妊手術」「強制中絶」
過去に拘束されたことがあるトゥルスネイ・ジヤウドゥン氏は、生理が来なくなるまで注射を打たれ、尋問中には下腹部を何度も蹴られたという。ジヤウドゥン氏は現在、子供を授かることができず、子宮からの出血もあり、痛みで立っていられないことがあると訴えている。同氏によると、その収容所にいた女性たちは婦人科の検査を受けさせられ、IUDを装着させられた。そして「先生」から妊娠が発覚すれば、中絶することになると告げられた。
中国、ウイグル人に不妊手術・避妊具強制 「緩やかな大量虐殺」と批判も/NewSphere.2020
「強制不妊レポート」
6月29日に発表された、中国・新疆ウイグル自治区における「強制不妊レポート」が衝撃的だ。中国共産党がウイグル人の人口を減らそうと、強制収容して不妊手術を受けさせる悲惨な実態が報告されている。
中国がウイグル人に強制する「不妊手術」戦慄の実態が明らかに/Smart FLASH[光文社週刊誌].2020
報告書は、ドイツ人研究者のエイドリアン・ゼンツ氏が新疆ウイグル自治区の状況についてまとめ、ワシントンを本拠とするシンクタンク、ジェームスタウン財団が公表した。
中国がウイグル人に不妊強制との報告書、ポンペオ長官「衝撃的」/REUTERS.2020
報告書によると、当局はウイグル人などの少数民族の女性に対し、既定の人数を超えた妊娠の中絶を拒否した場合、罰則として再教育施設への強制収容を科すと警告。さらに、子どもの数が中国で法的に許可されている2人に達していない女性に対しても子宮内避妊具(IUD)の装着を強制しているとされる。聞き取りに応じた女性の中には、不妊手術を強要された人もいたという。
中国、人口抑制でウイグル人に不妊強制か 報告書/AFPBB News.2020
たくさんの女性の証言
中国当局による新疆ウイグル自治区での人権弾圧をめぐり、少数民族ウイグル族出身の元医師の女性がトルコで産経新聞のインタビューに応じた。女性は「約80人に強制不妊手術を行った日もある」と明かし、同自治区内で大規模な強制不妊手術が行われている実態を証言した。
【自由 強権】 「強制不妊1日80人手術した」 亡命のウイグル人元婦人科医証言/産経ニュース.2021
同自治区での暮らしに耐え切れず、イスタンブールに逃れたギュルギネさんの元には「子供ができない」とウイグル族出身の女性たちが相談に来る。これまでに150人以上を診察したが、多くは不妊手術を施されていたことを知らず、説明すると怒って泣き出す女性もいるという。
【自由 強権】 「強制不妊1日80人手術した」 亡命のウイグル人元婦人科医証言/産経ニュース.2021
シディクさんは、オランダ在住の娘に会うため、ビザ(査証)の発給を受けて中国を出たが、その前に自身も避妊手術を強制されたと明らかにし、「私が目撃し、自分自身で体験したことを一日たりとも忘れることはできない」と述べた。「私自身も女性であり、娘もいる。このような苦しみを受ける人がこれ以上出ないことを望む」
ロンドンで「ウイグル法廷」、中国による虐待の目撃証言を聴取/AFPBB News.2021
場合によっては生まれた赤ちゃんすらも殺害
新疆ウイグル自治区にある病院で15年間働き、現在はトルコで暮らしているウイグル族の医師Hasiyet Abdullaさんは、この制限を超えて子どもが生まれそうになると、妊娠を終了させられるとRFAに語った。
中国の病院は、妊娠後期のウイグル族の女性を中絶させたり新生児を死亡させている —— 医師が証言/Business Insider Japan.2020
「妊娠8、9カ月」の女性も例外ではなかったと、Abdullaさんは話している。医療スタッフが「生まれた後に赤ちゃんを殺す」ことすらあったという。
中国の病院は、妊娠後期のウイグル族の女性を中絶させたり新生児を死亡させている —— 医師が証言/Business Insider Japan.2020
中国政府は否定するが……
中国政府は不妊手術の強要などを否定するが、西日本新聞が入手した新疆ウイグル自治区政府系の研究機関幹部の論文は、ウイグル族が増えればテロに走ったり、漢族を憎んだりして「政治的リスクがより大きくなる可能性がある」と指摘。少数民族に狙いを絞った人口抑制策の実施を強く促していた。
ウイグル族増えれば「政治的リスク」 人口抑制促すシンクタンク論文/西日本新聞me.2021
ウイグル族に対する強制不妊疑惑は今年、米国務省の人権報告書にも記された。民族の出生阻止を禁じた「ジェノサイド条約」(集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約)違反だという指摘もある。中国外務省は「いわゆる強制不妊は全く根拠がない」と反論している。
ウイグル女性「強制不妊手術された」 50代まで定期的措置か/JAPAN Forward.2021
親が強制収用され残された子供たちが消えている……?
再教育施設への強制収容の問題に伴って起きているのは、親が収容されているウイグル人の子どもたちの養育問題です。
「寄宿学校」に“収容”されるウイグル人の子どもたち/WANI BOOKS NewsCrunch.2021
「親戚が収容所送りとなり、小学生の子ども達だけが取り残されている」との証言は、在日ウイグル人の中からも伝わっている。ある在日ウイグル人は「学校の先生だった私の父の姉夫婦が収容所に送られ、小学生の子どもが残され、親戚が面倒を見ていると信じている」という。
中国共産党、ウイグル「絶望収容所」の実態89万人超!収監の正当な理由はないのに…/東洋経済ONLINE.2018
トルコに避難するも……親は中国で拘束され離れ離れに
トルコのイスタンブール郊外に位置するある学校は、中国から逃れたウイグル人の子どもたちが、自分たちの母語と文化を学べる貴重な場所になっている。だがその学校は同時に、一部の子どもにとっては臨時の児童養護施設でもある。
中国に親を奪われたウイグルの子どもたち、トルコで孤児に/AFPBB News.2020
中国北西部で悪化するイスラム教徒であるウイグル人に対する弾圧から逃れてきた親たちは、故郷がまだ安全だと思い、仕事や親族訪問のため時々戻っていた。そして、謎のネットワークに捕らわれ、一切の連絡が許されない再教育施設に消えてしまったのだ。
中国に親を奪われたウイグルの子どもたち、トルコで孤児に/AFPBB News.2020
「2017年以降、家族が引き離される問題が本格的に明らかになり始めた。人々はただトルコとつながりがあるというだけで逮捕されていた。このため家族はバラバラになった。子どもたちはここに残され、今も中国国内にいる家族とは連絡が取れない」「バラバラにされ、引き離されたこれらの家族は、胸を締め付ける痛ましい事例の最新のものだ。もう20年間、こうした弾圧の実態が語られている」(カールク氏)
新疆を脱出した子どもたち、中国に残る親と連絡取れず/CNN.co.jp.2021
子供たちが連れていかれる先に待ち受ける「洗脳プログラム」
新疆ではウイグル人に対する大規模な弾圧が行われており、子どもの面倒を見ていた親族が拘束されると、子どもは孤児院や寄宿舎に連れて行かれ、ほとんどの場合、行方も分からず、連絡も取れなくなってしまいます。帰国しようにも拘束されてしまう危険があるため、戻ることもできません。
離れ離れになったウイグル人親子を再会させて!/AMNESTY
ツェンツ氏は、「夫と妻の両方が職業訓練所にいる」家庭など、「要支援グループ」のためのさまざまな助成を細かく記した政府の書類を見つけた。また、カシュガル市が教育行政の担当者に対し、両親が収容所にいる生徒の窮乏に急いで対応するよう命じた指示書も発見した。
多数の子どもを家族から引き離し、寄宿校に隔離 中国・ウイグル自治区/BBCニュース.2019
その指示書は、「精神的カウンセリング強化」と「生徒の思想教育強化」を学校に求めている。これは、生徒の両親が入っている収容所にも使われている表現だ。
多数の子どもを家族から引き離し、寄宿校に隔離 中国・ウイグル自治区/BBCニュース.2019
強制的に孤児院に入れさせられる
親族は強く抵抗すると自分が再教育施設に入れられる恐れがあるので、抵抗できません。孤児院に連れて行かれた子どもは、その後、親族とほとんど面会の機会もなく、完全にウイグルの家族と切り離されて教育を受けることになります。
「寄宿学校」に“収容”されるウイグル人の子どもたち/WANI BOOKS NewsCrunch.2021
自国の法律を無視する中国政府
中国の養子縁組法第4条は、孤児を「14歳未満の両親を失った子ども、両親が見つからない子ども、特別な困難から子育てができない両親の子ども」と定義している。未成年の保護に関する国内法第43条には、民生部(訳注:総務省)が設置した児童養護施設に孤児をケアする責任が定められているものの、政府当局が親族から子どもを引き離して政府系施設に収容することや、そのための法的手続きについて定めた国内法は存在しない。
中国:新疆ウイグル自治区での弾圧 まきこまれる子どもたち/ヒューマン・ライツ・ウォッチ
しかし、新疆ウイグル自治区の書記・陳全国は、2016年11月に「すべての孤児を2020年までに公営孤児院に収容するように」と各下級地方政府に指示を出しました。
「寄宿学校」に“収容”されるウイグル人の子どもたち/WANI BOOKS NewsCrunch.2021
これを受けて、2017年1月には政策実施ガイドラインが発表され、新疆内の各地域に100人規模の児童が収容できる“孤児院”の建設ラッシュが始まります。
「寄宿学校」に“収容”されるウイグル人の子どもたち/WANI BOOKS NewsCrunch.2021
また、県レベルでは収容孤児数の達成ノルマが課されました。ノルマに達しない公務員は「政治成績」が減点されてしまいます。そのため、祖父母や叔父叔母など保護者がいる子どもを“孤児”にして無理やり引き離し、孤児院に収容するケースもあったそうです。
「寄宿学校」に“収容”されるウイグル人の子どもたち/WANI BOOKS NewsCrunch.2021
寄宿学校で洗脳
ニューヨークタイムズは12月28日、新疆の寄宿学校について詳しく報じた。中国教育部が2017年に発表した企画文書によると、2017年初めまでに約50万のウイグル族の児童が寄宿学校に入れされ、家族との分離を余儀なくされたことがわかった。新疆(ウイグル自治区)の町に来年末までに大規模な寄宿学校の建設が計画されている。同文書は、寄宿学校の趣旨の一つとして、「学校で科学を学び、家で経を聞くという思相観念の衝突を防ぐこと」が盛り込まれている。
中国当局、50万のウイグル族の子どもを寄宿学校へ/看中国 / VisionTimesJP – All Eyes on China.2020
同紙によると、新疆政府は中国当局の運動を進めるのに、中国各地から数万人の教師を募集している。また、ウイグル族の教育者を警告し、抵抗すれば収容となる。一部有名な教師は監禁されている。現在、新疆の学校ではウイグル語の代わりに中国語がすでに主要言語となる。中小学校における中国語の3年前までは38%の学校に過ぎなかったが、今では大半の学校が中国語使用を徹底している。ウイグル人の人権関係者は、中国共産党のこの運働はウイグル族の文化を消滅させようとしていると示した。
中国当局、50万のウイグル族の子どもを寄宿学校へ/看中国 / VisionTimesJP – All Eyes on China.2020
クラスメイトが監視役
この漢族の中学生は、学校がムスリムの生徒の監視役をマンツーマンで漢族の生徒に任命していると説明した。生徒はこの方法を「結対子(中国語)」(一対一のパートナーを連結して、手伝い役をさせ、共に発展させること)と呼んでいるが、学校の管理組織は「お互いから学び、共に進歩する」ための取り組みだと主張している。しかし、実際には、少数民族の生徒の行動と思想を監視することが目的である。
親が強制収容所に勾留され、自力で生きなければいけないウイグル族の子供たち/Bitter Winte.2019
「教室にいるとき、教師と同級生がムスリムの生徒を見張っています。寮では別の誰かが監視しています。四六時中、監視に晒されているのです。特にラマダンの時期は、生徒を監視し、確実に食事を取るように、教師が特別に食事を提供します」と中学生は説明を続けた。また、ムスリムの生徒が悲しい気持ちになり、同じように家族が勾留されている別の級友と話をしたい時は、「ペア」の相手に報告しなければならないと加えた。報告を怠ると「問題のある思想」を持っていると見なされる可能性がある。
親が強制収容所に勾留され、自力で生きなければいけないウイグル族の子供たち/Bitter Winte.2019
Uyghur genocide
「ジェノサイド」
人権重視を掲げるバイデン米政権は、新疆ウイグル自治区での少数民族問題に対する人権侵害を「ジェノサイド(民族集団虐殺)」と認定し、中国政府は「少数民族の人権は守られており、荒唐無稽(むけい)なデマだ」と反論する。
「刑務所」は実在した。新疆で考えたウイグル問題/毎日新聞.2021
もともと「ジェノサイド」を使い始めたのは、トランプ前政権だ。対中強硬派のポンペオ前国務長官が退任直前の今年1月の声明で、新疆ウイグル自治区の人権侵害を「人道に対する罪」「ジェノサイド」と認定。中国政府はウイグル族らに対して強制収容などで100万人以上の自由を奪っていると指摘した。
外交ボイコットに踏みきったバイデン政権 「ジェノサイド」認定踏襲/朝日新聞デジタル.2021
ジェノサイドとは
1948年のジェノサイド条約は「国民的、民族的、人種的または宗教的な集団の全部または一部を、集団それ自体として破壊する意図をもって行われる」行為をジェノサイドと定義したうえで、「集団の構成員を殺すこと」「重大な肉体的または精神的危害を加えること」「身体的破壊をもたらすよう企てられた生活条件を故意に集団に課すこと」「集団内の出生を妨げるための措置を課すこと」「集団の子どもを他の集団に強制的に移すこと」という5種類の行為を挙げた。同条約は中国を含む152カ国が批准している。
専門家らが中国のウイグル族弾圧に関する報告書発表、「ジェノサイド」と断定/CNN.co.jp.2021
イギリスでは、12月9日、独立民衆法廷「ウイグル法廷」が、中国政府がウイグル族に避妊や不妊手術を強制してウイグル族の人口を減らし、ウイグル族の文化を抹消しようとしているという報告を基に、中国政府の行為はジェノサイド(民族大量虐殺)であると認定した。
「鉄の棒やスタンガンでレイプ」米ホロコースト博物館報告書が示す中国の民族大量虐殺 外交ボイコット問題/Yahoo!ニュース – Yahoo! JAPAN.2021
中国が実行しているとされる弾圧がジェノサイドに相当するのかは、国際的にも意見が分かれている。アメリカ政府は、中国がウイグル族にジェノサイドを働いていると非難。イギリスやカナダ、オランダ、リトアニアの各議会も、同様の決議を可決している。
中国のウイグル族弾圧を「ジェノサイド」と認定=英民衆法廷/WEDGE Infinity.2021
中国を脱出、避難先でも拘束される事例が多発
ウイグル人は、トルコ語と同じチュルク諸語のウイグル語を話し、トルコとの文化的結びつきもある。そのため中国北西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)での迫害から逃れようとするウイグル人に人気の避難先となっている。
中国との新条約にウイグル人引き渡しの懸念、トルコが「火消し」/AFPBB News.2020
トルコは民族的にも宗教的にも近いウイグル族を擁護し、中国政府の弾圧を批判してきた。2009年の中国新疆ウイグル自治区で起きたウルムチ暴動の際にはエルドアン大統領(当時は首相)が中国の対応を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と非難し、19年にはトルコ外務省がウイグル族収容所の閉鎖を求める声明を発表した。トルコのウイグル族受け入れは世界最多の約5万人に上ると指摘されている。トルコから自治区に戻ったり、残してきたりした家族と連絡が取れなくなるウイグル族の人々が相次ぎ、首都アンカラの中国大使館や、最大都市イスタンブールの中国総領事館前では抗議デモが繰り返されている。
亡命ウイグル族に迫る中国強制送還の脅威 「第2の祖国」トルコ、対中関係を重視/47NEWS.2021
トルコ最大の都市イスタンブールで暮らすウイグル族の男性は昨年11月、自宅に来た警察官に突然拘束された。「午前1時ごろ、銃を持った警察官がドアをこじ開けて家の中に入り、寝間着姿の男性を床に組み伏せた。一部始終を見ていた幼い娘は怖がって母親から離れられなくなった」。知人の女性が明かした。
亡命ウイグル「避難先」で拘束相次ぐ トルコで中国の影響力拡大/西日本新聞me.2021
亡命ウイグル族でつくる人権団体「東トルキスタン人権監視協会」によると、こうした拘束は昨秋から相次ぎ、中には政治活動に縁のない主婦も含まれるという。19年に拘束された亡命ウイグル族の女性は中央アジアのタジキスタンに送還された後、中国に送られたといい、第三国経由で中国に強制送還される懸念も高まっている。
亡命ウイグル「避難先」で拘束相次ぐ トルコで中国の影響力拡大/西日本新聞me.2021
エジプトでは17年、人権団体がウイグル族数百人の拘束と20人の強制退去を確認した。その多くは高い権威を誇るイスラム教大学、アルアズハル大学の学生だった。
ウイグル族がイスラム教国から強制送還されている 迫りくる中国の手に不安/CNN.co.jp.2021
内部文書が続々リーク
新疆ウイグル自治区は、イスラム教徒の少数民族が人口の4割を占め、独自の言語や文化を持つ。石油など地下資源が豊富で、習近平国家主席が推進する巨大経済圏『一帯一路』の要衝でもある。そのウイグル族らに対し、中国当局が大規模な監視システムを構築していることが“内部文書”で明らかになった。
ウイグル“収容所”の実態とは/報道ステーション|テレビ朝日.2019
「中国電報」
流出した文書は、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手したもの。ICIJにはBBCパノラマや英紙ガーディアンなど17の報道機関が参加。今回流出した中国政府の公文書を「中国電報(The China Cables)」と呼んでいる。
後頭部に電気ショックを……中国のウイグル人収容所で/BBCニュース.2019
ICIJが公式ホームページで公開した複数の文書は、いずれも中国共産党の同自治区委員会の部門名になっている。ICIJは、国外に逃れたウイグル族のネットワークを通じて提供を受け、専門家の検証を経て本物と判断したとしている。
最新システムでウイグル族監視、施設へ 内部文書を公開/朝日新聞デジタル.2019
国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した内部文書は、「職業教育訓練センター」が事実上の強制収容所となり、百万人以上が収容されている現状を示した。ウイグル語ではなく中国語を使わせ、脱走を防ぐために入浴中や食事中も監視を怠らない。収容対象者は、監視カメラ映像や携帯電話のデータなどあらゆる個人情報を集め、人工知能(AI)で解析して選び出していた。
ウイグル弾圧、とまらぬ中国 米欧諸国が批判強める/東京新聞 TOKYO Web.2019
その中には裁判の判決文や警備に関する報告書のほか、新疆の治安を管轄する政府委員会からの「連絡文」も含まれる。文書のほとんどは2017年に作成されている。
ウイグル族収容施設の内部文書が流出、「再教育」の実態に言及か/CNN.co.jp.2019
このうち分量の多い「連絡文」は、すべての訓練施設が「絶対的に安全」でなくてはならないと明言。「脱走は決して許さない。トラブルも絶対に認めない。職員への襲撃も決して許してはならない。不審死を起こすのも厳禁」といった強い表現が並ぶ。
ウイグル族収容施設の内部文書が流出、「再教育」の実態に言及か/CNN.co.jp.2019
衝撃的な実態が明らかになり、香港問題に加えてウイグル族への弾圧が国際社会の関心を一気に集めた。ポンペオ米国務長官は二十六日に「中国が人権を踏みにじっている証拠だ」として、中国に圧力をかけるため各国に協力を求めた。英国やドイツ、フランスなども批判を強め、国連監視団の受け入れを求めている。米国との摩擦を抱える中国は欧州との関係を重視してきたが、この戦略に影響を与える可能性もある。
ウイグル弾圧、とまらぬ中国 米欧諸国が批判強める/東京新聞 TOKYO Web.2019
中国はフェイクだと一蹴
ICIJに加わる英紙ガーディアンに、英国の中国大使館は文書が「全くのでっち上げでフェイクニュース」と答えた。
中国、ウイグル大規模監視 システムが個人情報分析、収容強化/産経フォト.2019
さらなるリーク
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などの報道機関に提供されたのは、新疆ウイグル自治区のカラカシュ(墨玉)県で作成された137ページに及ぶ内部文書のコピーだ。同自治区には数百万人のウイグル族など主にイスラム教徒の少数民族が暮らすが、複数の人権団体によると、ここ数年間に最大100万人の住民が再教育キャンプに収容されている。
中国ウイグル監視の内部文書、収容所送りの理由も/ダイヤモンド・オンライン.2020
この文書は、ウイグル人に対する組織的な洗脳を示す文書を昨年流出させたのと同じ人物が、重大なリスクを冒して外部に出したとみられている。
ベール着用やサイト閲覧で収容 中国のウイグル政策示す文書か/BBCニュース.2020
当局者はこのキャンプを職業訓練学校だと説明する。同自治区の主席は12月、受講生は全員無事に「卒業した」と語った。今回流出したスプレッドシートは、誰を引き続き拘束し、誰を解放するのか(解放後は自宅で「管理下に置く」ことが多い)を当局が決めるための資料とみられる。
中国ウイグル監視の内部文書、収容所送りの理由も/ダイヤモンド・オンライン.2020
ワシントンDCを拠点とする共産主義犠牲者記念財団のエイドリアン・ゼンツ(Adrian Zenz)上級研究員はAP通信に対して、同文書は「中国政府の魔女狩り的な心理状態とすべてを犯罪者として扱う思考態度を強調するものである」と話している
中国共産党が個人的な感想や宗教的な情報に基づきウイグル人を拘束していたことを示す機密文書が漏洩/Indo-Pacific Defense Forum.2020
新たな文章がリーク
中国による少数民族ウイグル族への人権侵害疑惑を巡り、習近平国家主席が先頭に立って弾圧を指示していたことを示す新たな証拠が浮上した。英国を拠点とする非政府組織「ウイグル・トリビューナル」が中国政府の流出文書の写しをウェブサイトに掲載した。
ウイグル問題の文書流出、習氏の強い関与裏付け/WSJ PickUp.2021
この文書は、ウイグル族に対する人権侵害を調べているイギリスの独立民衆法廷「ウイグル法廷」に9月に提出されたもの。これまで一部が明らかになっていたが、今回のリークで今まで確認されていなかった情報が表面化した。
ウイグル弾圧、習主席らの関与示す「新疆文書」が流出/BBCニュース.2021
同紙によると文書は24通で、全体で計403ページ。中国で一定の政治的立場にある関係者が匿名を条件に提供したとしている。
米紙、中国のウイグル弾圧内部文書を報道 習主席「情け容赦は無用」/産経ニュース.2019
こうした政策には強制収容や大規模な不妊手術、強制的な中国への同化、「再教育」、拘束したウイグル族を工場で強制労働させることなどが含まれる。
ウイグル弾圧、習主席らの関与示す「新疆文書」が流出/BBCニュース.2021
内部文書によると、海外や中国の都市部から新疆ウイグル自治区に帰省した人々に対して、当局が家族の身柄を拘束していることについて、どう説明するかを具体的に指示している。「収容されている家族は過激主義の危険性についての『教育』を受けており、法を犯したわけではないがまだ解放できない――と説明しろ」という内容だ。また、「収容された家族は誤った思想を捨て、中国語と仕事の技能を無料で学ぶことができるこのチャンスを大切にするべきだ」と説明するようにも指示されている。
中国、報じられない「ウイグル族」強制収容所・強制労働の闇…100万人に洗脳教育か/Business Journal.2020
同紙によると、文書を提供した関係者は、ウイグル族の大量拘束や強制収容は「間違っている」との感慨から、習氏ら共産党指導部が責任を免れることのないよう公開することにしたと説明した。
米紙、中国のウイグル弾圧内部文書を報道 習主席「情け容赦は無用」/産経ニュース.2019
中国(北京)で平和とスポーツの祭典「オリンピック」が開催
米政府が中国による新疆ウイグル自治区などの人権弾圧に抗議し「外交的ボイコット」を表明した北京冬季五輪について、7日の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は「ジェノサイド(民族大量虐殺)五輪」と命名する社説を掲載した。
「ジェノサイド五輪」と呼べ ワシントン・ポストが社説/産経ニュース.2021
米国はカーター政権当時の1980年、ソ連のアフガニスタン侵攻を理由にモスクワ五輪に選手団を派遣しなかった。日本や西ドイツ、中国などが同調する一方、英仏豪などは選手団を派遣した。ソ連や東欧諸国などは報復措置として84年のロサンゼルス五輪をボイコットした。
北京オリンピック「外交的ボイコット」で振り返る、五輪と政治の切れない関係/朝日新聞GLOBE+.2021
イギリスの与党・保守党の元党首が、2022年に開催される北京冬季五輪に政府代表を派遣しない「外交的ボイコット」を呼びかけた。中国当局のウイグル族に対するジェノサイド(民族大量虐殺)を非難する一方で、中国のオリンピック開催を容認するのは「ヒトラーに対する宥和」にも等しい行為だというのだ。
「北京五輪を容認すれば、ヒトラーに譲歩したときと同じ禍根を招く」英与党重鎮がボイコットを訴え/NewsWeek.2021
1936年にヒトラー率いるナチス・ドイツが主催したベルリン五輪は、ナチス政権の正統性を高め、その後のユダヤ人への差別政策の助長につながったとも指摘される。
広がらぬ北京五輪ボイコット論 自民保守系も慎重/JAPAN Forward.2021
中国側は「人権問題を利用して中国を中傷し、北京冬季五輪の妨害や破壊を企てている」(外務省報道官)と反発する。
広がらぬ北京五輪ボイコット論 自民保守系も慎重/JAPAN Forward.2021