【ウクライナ危機(66)】サイバー大国ロシアとの戦いを率いたのはゼレンスキーの側近!その年齢は驚愕の31歳!『IT軍・サイバー義勇兵』

【ウクライナ危機(66)】サイバー大国ロシアとの戦いを率いたのはゼレンスキーの側近!その年齢は驚愕の31歳!『IT軍・サイバー義勇兵』

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【ウクライナ危機(65)】侵攻の約1ヶ月前・・・サイバー空間ではすでに戦争は始まっていた。『サイバー戦争』
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知らないうちに多大な被害を受け、攻撃国に大きな利益をもたらす「サイバー戦」の根本思想と実践法とは? 大国ロシアをベースに「サイバー戦」の全貌を元在ロシア防衛駐在官がひもとく! 2014年のウクライナ危機で、ロシアはわずかな抵抗を受けたのみで、簡単にクリミア半島を併合してしまったことを覚えているだろうか? 「サイバー戦」の例のひとつである。(「Books」出版書誌データベースより)

Volunteer hackers form ‘IT Army’

ウクライナIT軍

Forbes Digital Assets/YouTube

ロシアがウクライナに侵攻し、ミサイル攻撃や砲撃、地上戦で攻防が続くなか、サイバー空間でも両国間の戦いが激しさを増してきた。官民のハッカーや国際ハッカー集団が入り乱れ、両国の政府機関などを標的にサイバー攻撃を仕掛けている。

ロシアのウクライナ侵攻、サイバー戦も激化/日本経済新聞.2022

ウクライナへのサイバー攻撃

NATO/YouTube

 ウクライナは過去に何度も、ロシアが関与したとされる大規模サイバー攻撃を経験してきた。2015年には電力会社が攻撃されて大規模な停電が発生し、2017年6月に猛威を振るったマルウェア「NotPetya」では銀行や電力、鉄道などのインフラに大きな被害が出て、他国にも影響が広がった。

ウクライナ巡るサイバー空間の攻防、ロシアの「控えめな攻撃」に驚く声も そのワケは?/ITmedia NEWS.2022

ウクライナでは情勢が緊迫した2022年1月以降、政府機関のウェブサイトが改ざんされたり、マルウエア(悪意のあるプログラム)に感染しコンピューターが起動しなくなったりする被害が頻繁に発生。露軍の侵攻前日の2月23日にも大規模なサイバー攻撃があり、いずれも露軍が関与しているとみられている。

ウクライナがIT部隊創設、サイバー戦で反撃へ ハッカー集団も加勢/毎日新聞.2022

強力なサイバー攻撃部隊を持つロシア軍に対抗するため、ウクライナは前代未聞の手を打った。

ロシアとウクライナ、サイバー空間でも激しい応酬 ウクライナは「IT軍」創設、ハッカーに協力呼び掛け/iza.2022

「IT軍」設立!そして参加してくれる「サイバー義勇兵」を募った!!

ウクライナでは侵攻から数日後となる2月27日に、ゼレンスキー大統領の側近のミハイロ・フェドロフ副首相が、ウクライナIT軍を立ち上げると宣言。

サイバー攻撃で「ロシア圧勝」のはずが…人類初のハイブリッド戦争はなぜ大失敗した?/Newsweek.2022

世界から集合!?「サイバー義勇兵」

(前略)「われわれにはデジタルの才能が必要だ」とサイバー上の義勇兵を募った。

世界大戦化する〝サイバー戦争〟 国際ハッカー集団「アノニマス」や義勇兵がロシア攻撃 中国「ファーウェイ」は支援の動きも/zakzak.2022

 ウクライナ国防省は、同国で数々のサイバーセキュリティ企業を創設してきたイェゴール・アウシェフ氏の助けを借り、地下のハッカーたちやセキュリティ専門家たちに支援を呼びかけた。

ウクライナ「サイバー義勇兵」「IT軍」のサイバー戦/新潮社 Foresight.2022
スキルがあり書類審査などで選ばれた人たちが参加

志願する人たちは、コンピュータウイルス作成やDDoS攻撃など12分野の中から得意分野を選んでGoogle Docの申請書類に記入しなければならない。身元証明書の提出と信頼されている既存メンバーからの推薦が求められる。

ウクライナ侵攻の裏で「サイバー攻撃」応酬の行方/東洋経済ONLINE.2022

 3月24日付のドイツ国際放送「ドイチェ・ヴェレ」の取材にアウシェフ氏は、サイバー義勇兵の数が1000人近くに達していると語った。参加者の約4割が外国人だという。米国人や英国人、ウクライナ軍事侵攻に反対するロシア人も数名参加していると主張しているが、欧米メディアによる確認は取れていない。

ウクライナ「サイバー義勇兵」「IT軍」のサイバー戦/デイリー新潮.2022
防御チーム・攻撃チーム

選ばれた人たちは、防御チームと攻撃チームに分けられる。

ウクライナ侵攻の裏で「サイバー攻撃」応酬の行方/東洋経済ONLINE.2022
ロシアのインフラ攻撃から守護

前者は電力供給網や水道システムなど、ライフラインのサイバーセキュリティーを担当。2014年にロシアがウクライナ南部のクリミア半島を併合した翌年、ロシアの政府系ハッカー集団によるサイバー攻撃によりウクライナでは22万5000件の停電が発生した。

ウクライナ 露に反撃へ“ハッカー集団”募集「わが国のサイバー防衛に関わるべき時が来た」/東スポWEB.2022

(前略)侵攻後の4月22日にはウクライナの全国郵便局に対するDDoSが観測されている。他にも、2月から4月にかけて、同国内の水力発電所、通信会社、高圧変電所およびドイツの風力タービンメーカーへのサイバー攻撃がみられた。これらはウクライナの重要インフラの安定運用の阻害が目的と考えられる。

変わり始めるWeb攻撃 背景に潜むウクライナ侵攻と”ハイブリッド戦”の影/ITmedia NEWS.2022

ウクライナ国家特殊通信・情報保護局 ビクトル・ゾラ副局長

「ロシアが主な攻撃対象にしているのは、国家機関、通信事業者、インフラ、金融機関などです。インフラが攻撃され送電が途切れれば、人の命や健康にも大きなリスクとなります。そのため、このようなサイバー攻撃を未然に防ぐために我々は最善を尽くしています」

「サイバー攻撃の重要性増している」ウクライナ政府組織幹部を独自取材 なぜ日本も標的に? 背景に法整備の遅れも/TBS NEWS DIG | TBS/JNNのニュースサイト.2022
ロシアにサイバー攻撃

一方、数々のサイバーセキュリティ企業の創設者であるイェゴール・アウシェフ氏がリーダーを務める攻撃チームは、軍事侵攻してくるロシア軍に対してウクライナ軍が行うサイバースパイ作戦を支援する。何を守る必要があるか、何を狙うかは、国防省からの指示に従わなければならない。

ウクライナ侵攻の裏で「サイバー攻撃」応酬の行方/東洋経済ONLINE.2022

 参加者の中には驚くべきことに、ウクライナ西部に住む17歳のコンピュータ科学専攻の学生も混じっているとのことだ。志願したのは、「ロシアとの戦いに自分のスキルを活かしたかったから」であり、状況を打開できるかどうかは「僕たち一人一人にかかっている」。だからこそ「僕たちはできる限りの支援をしなければならない」と言う。

ウクライナ「サイバー義勇兵」「IT軍」のサイバー戦/デイリー新潮.2022

 アウシェフ氏は、フォーブス誌の取材に対し、キエフがたとえ陥落したとしても、チームを解散せず、ウクライナの防御とクレムリンへの攻撃を続行すると語っている。

ウクライナ「サイバー義勇兵」「IT軍」のサイバー戦/デイリー新潮.2022

IT軍 (IT Army of Ukraine)

Міністерство цифрової трансформації України/YouTube

「IT軍」=「IT Army of Ukraine」。

あなたはなぜ「参戦」するのか?ウクライナ侵攻でサイバー攻撃に手を染める市民たち/NHK NEWS WEB.2022

この軍にはわかっている範囲で最大時で約約30万人以上が世界各国から参加している。

ウクライナ対ロシア 市民も参加するサイバー戦の今後はどうなる/Newsweek.2022

ウクライナ副首相がTwitterで「IT軍」の創設を呼びかける

WION/YouTube

 ウクライナのMykhailo Fedorov副首相は現地時間2月26日に、「私たちはIT軍を組織している」とツイートした。Fedorov氏は、「全員に作業がある。私たちはサイバー面でも戦い続ける。最初の作業は、サイバー専門家向けのチャネルに投稿されている」と述べ、「ウクライナIT軍」に参加するための「Telegram」(メッセージングサービス)のリンクを添えている。

ウクライナ政府が創設、有志が集う「IT軍」–かつてない局面に新たな問題も/ZDNet Japan.2022

 ウクライナ政府がIT軍に依頼したい仕事をテレグラムの専用チャンネルに投稿すると、参加者たちがそれを実行してくれる仕組みだ。より機微な標的についてウクライナ政府と調整している人々は、別の暗号化手段を使ってやりとりしているとのことである。

ウクライナ「サイバー義勇兵」「IT軍」のサイバー戦/新潮社 Foresight.2022

「露軍への対抗には新戦略が必要だと思った。現代の戦争には、現代の対応策がいる」と理由を説明した。メンバーについては、「志願制のボランティアで、通信アプリを通じて登録すればよい。素性は追跡はせず、個人的には接触しない」としている。

「IT軍」でサイバー戦 ウクライナ副首相に聞く/産経ニュース.2022

31歳のウクライナ副首相「ミハイル・フェドロフ」

 ウクライナ政府の大臣としては最年少の31歳。ウクライナのザポリージャ国立大学で社会学を専攻し、卒業後にFacebookとInstagramに特化した広告サービス企業SMMSTUDIOをキエフで創業した。

ウクライナから世界のIT大手にロシア対策を要請するフェドロフ副首相はどんな人?/ITmedia NEWS.2022

(前略)フェドロフとはどんな人物か。1991年1月にウクライナで生まれ、今回の侵攻でロシア軍が攻撃した原子力発電所があるザポリージャの大学で社会学、管理学、高等政治学を学んだ。ザポリージャでは「学生市長」も務めており、社会運動に積極的に参加していた。ジョン・F・ケネディが設立した非軍事の海外援助を行う政府組織USAID(米国国際開発庁)が主宰する「ザポリージャITキャパシティビルディングイニシアチブ」にも参加している。

デジタルで祖国を守るウクライナ副首相の意外な経歴 ミハイロ・フェドロフ 世界経済の革命児|大西康之/文藝春秋digital.2022
オンライン広告会社「SMMSTUDIO」を創業

政治に入る前に、彼はオンライン広告キャンペーンを設計したSMMSTUDIOと呼ばれるデジタルマーケティング会社を始めました。

ウクライナの大臣はデジタルツールを現代の戦争兵器に変えました/Apple.2022
2018年大統領選ではゼレンスキー陣営でSNSを駆使した選挙戦を展開

その仕事は彼を2018年にゼレンスキー氏との仕事に導きました、そしてそれはウクライナの大統領職のために予想外の走りをしていた俳優でした。 フェドロフ氏はキャンペーンのデジタルディレクターになり、ソーシャルメディアを使用してゼレンスキー氏を若々しい変化の象徴として描写しました。

ウクライナの大臣はデジタルツールを現代の戦争兵器に変えました/Apple.2022
29歳で副首相兼デジタル担当大臣に!

(前略)ゼレンスキー氏が大統領に就任するとウクライナ政府の副首相兼DX担当大臣に就任。

ウクライナから世界のIT大手にロシア対策を要請するフェドロフ副首相はどんな人?/ITmedia NEWS.2022
国内のデジタル化を進めた

(前略)ウクライナの社会福祉サービスのデジタル化を担当しました。 政府のアプリを通じて、人々はスピード違反の切符を支払うか、税金管理することができます。

ウクライナの大臣はデジタルツールを現代の戦争兵器に変えました/Apple.2022

コロナウイルスワクチンパスポート用のオンラインツール設置などで活躍した。

ウクライナから世界のIT大手にロシア対策を要請するフェドロフ副首相はどんな人?/ITmedia NEWS.2022

 2021年9月にはゼレンスキー大統領と共に米国の大手IT企業を歴訪し、ウクライナへの誘致などを行った。同氏のFacebookページには、Appleのティム・クックCEOと同社キャンパスで撮影した写真などが投稿されている。この投稿には、ウクライナでのApple Store開設などを要請したと書かれている。

ウクライナから世界のIT大手にロシア対策を要請するフェドロフ副首相はどんな人?/ITmedia NEWS.2022
ロシアとのサイバー戦争を戦う

この戦争が始まる前、フェドロフ氏の主な目標は「スマートフォン内の国家」を作り、政府サービスを100%オンラインで提供することだった。今となっては、このプロジェクトは保留状態だ。今では、デジタル戦争の遂行に心血を注いでいる。

「ツイッターも戦争努力の一つ」 ウクライナ防衛を支える31歳のデジタル相/BBCニュース.2022

31歳の若さで国を背負う姿に「ウクライナのオードリー・タン」と呼ぶ声も。

情報戦でロシアを圧倒する31歳の閣僚 「ウクライナのオードリー・タン」の呼び声も/AERAdot. – 朝日新聞デジタル.2022

今回、フェドロフ氏の側近、イオナン副大臣(31)に話を聞くことができました。

世界を動かし戦況左右する“SNS戦略”とは…ウクライナ・デジタル改革省副大臣に聞く/テレ朝news.2022

デジタル改革省、イオナン副大臣:「(Q.戦略を考えたのはどなたですか?)結果を出すにはもちろんチーム全員の努力が必要ですが、構想・戦略・計画を立てるのは常にリーダーです。フェドロフ副首相は洞察力に優れた戦略家で、指導者としても優秀です。(Q.IT利用が情報戦での成功のカギだと?)もちろんです。情報戦でSNSを利用すれば、ウクライナの現状を正確に伝えられます。この戦争で3100人以上からなるIT部隊を創設しました」

世界を動かし戦況左右する“SNS戦略”とは…ウクライナ・デジタル改革省副大臣に聞く/テレ朝news.2022
企業に戦争の悲惨さを訴えかける

ウクライナのフョードロフ副首相兼デジタル転換相は、SNS(会員制交流サイト)を武器にロシアに対抗してきた。「IT軍」を率いてサイバー攻撃を仕掛けるほか、多国籍企業にロシアをボイコットするよう圧力をかけている。

ウクライナ副首相のデジタル戦 暗号資産で資金募る/iza.2022

企業に対しては、経営者あてにロシアでのサービス、事業停止を求める書簡をSNSで公開してきた。米アップルやグーグルなど主要IT関連企業が中心。楽天や日立製作所などの日本企業も呼び掛けの対象となった。いずれも「あなたの会社は、民主主義の価値に立脚していると信じる」などと企業倫理を問いかける手法だ。

ウクライナ副首相のデジタル戦 暗号資産で資金募る/iza.2022
企業続々とがロシアから撤退

ネット上で欧米の巨大IT企業にロシア撤退を呼びかけ、アップルやグーグル、メタ(旧フェイスブック)はそれを受けて撤退を決めた。

ウクライナのデジタル復興計画 スイス・ルガーノでお披露目/SWI swissinfo.ch.2022

応じない企業には容赦なく批判を浴びせる。戦場の遺体、逃げ惑う子供の動画を添えて、「こんな事態をまだ支えるのか? この企業はロシアで取引し、その金でウクライナの子供を殺している。恥ずべきこと」と訴える。フョードロフ氏のツイッターは、26万人以上がフォローしている。

ウクライナ副首相のデジタル戦 暗号資産で資金募る/iza.2022
イーロンマスクに呼びかけ『スターリンク』が実装

イーロン・マスクに衛星ネットワークのスターリンクをウクライナに提供するようツイッター上で働きかけ、マスク氏がこれに応じたことで、ウクライナのインターネット接続は侵攻前よりも高速になった。

ウクライナのデジタル復興計画 スイス・ルガーノでお披露目/SWI swissinfo.ch.2022

サイバー義勇兵と協力し連携攻撃

サイバー義勇兵はIT軍と協力し、互いの攻撃が相殺し合わないようにしているという。

ウクライナ「サイバー義勇兵」「IT軍」のサイバー戦/新潮社 Foresight.2022
「DDos攻撃」

標的は、通信アプリを通じて指示。ロシアやベラルーシの政府機関、銀行などに、大量のデータを送りつけてシステムをダウンさせる「DDoS(ディードス)攻撃」を行ってきたと述べた。手法に賛否はあるが、「戦争を始めたのはロシアだ。IT軍は自衛が目的」と正当化した。2月の侵攻前には、ロシアによるものとみられる大規模サイバー攻撃があり、少なくとも100万ドル(約1億2千万円)の被害を受けたと明かした。

「IT軍」でサイバー戦 ウクライナ副首相に聞く/産経ニュース.2022

ウクライナIT軍はDDoS攻撃などについては、Telegramで情報を共有している

ウクライナ対ロシア 市民も参加するサイバー戦の今後はどうなる/Newsweek.2022
ロシアのプロパガンダに抵抗!ロシア国民に真実を伝える

そのウクライナIT軍は、DDoS攻撃のみならず、サイバー空間を通じた活動を他にも展開している。その1つとして、ウクライナIT軍が動画「ロシア人への声明」を不定期に公開し、ロシアが展開するプロパガンダに対抗していることを確認できた。

ウクライナIT軍「ロシア人への声明」の衝撃/第一生命経済研究所.2022

ウクライナIT軍が不定期に公開する動画「ロシア人への声明」は、ロシアのウクライナ侵攻によりウクライナで起こっている出来事をロシア国民に伝えるという内容となっている。

ウクライナIT軍「ロシア人への声明」の衝撃/第一生命経済研究所.2022
ロシアのGoogle mapのレビューにメッセージを投稿

(前略)ロシア国民に正しい情報を伝えようとするウクライナのIT軍やハッカー集団の「アノニマス」らは、従来は考えられなかった手段に打って出た。彼らは、ロシアのレストランや観光地のグーグルマップにレビューを書き込み、現地の人々に真実を伝えようとしている。

ウクライナのIT軍とアノニマスが進める「情報のゲリラ戦」/Forbes JAPAN.2022

IT軍は先日、公式ツイッターアカウントの「IT Army of Ukraine」を通じ、「グーグルマップにアクセスして、ロシアのレストランやショップのレビューの書き込みで、ウクライナで何が起こっているかを伝えてほしい」と呼びかけた。

ウクライナのIT軍とアノニマスが進める「情報のゲリラ戦」/Forbes JAPAN.2022
世界のハッカー集団も参戦

 今回の衝突が始まってからネットワーク上で起こった動きは、IT軍の設立だけではない。ハクティビスト集団であるAnonymousは、ウクライナを支援してロシアに対して行動を起こすと述べており、ロシア国内のサイバー犯罪グループも、Vladimir Putin大統領の侵攻を支援するために、攻撃的な活動を行うと表明している。

ウクライナ政府が創設、有志が集う「IT軍」–かつてない局面に新たな問題も/ZDNet Japan.2022

アノニマスは、次のようなロシア語の例文を用意して、人々に投稿を呼びかけた。「いい店だったけど、プーチンがウクライナに侵攻したことで、気分を台無しにされたよ。独裁者が罪のない人々を殺すのを止めよう! あなたの政府は嘘をついている。立ち上がれ!」

ウクライナのIT軍とアノニマスが進める「情報のゲリラ戦」/Forbes JAPAN.2022
ハッキング

「IT Army」は、Sberbank、Gazprombank、国防省、Yandexなど、ハッキングやダウンさせるターゲットサイトを多数掲載しました。

サイバー攻撃でロシア政府サイトが再びダウン/データセンターカフェ.2022

ウクライナIT軍が実践するサイバーハッキングの状況は、公式SNSで確認することができる。具体例の1つとして、ロシアを代表する動画共有サービスRutubeへの攻撃が挙げられる。2022年5月15日に公開された、このサイバーハッキングの詳細を説明した動画は、ウクライナIT軍の公式SNSに加入した人が閲覧できる。

ウクライナIT軍「サイバーハッキング」の衝撃/第一生命経済研究所.2022

サイバーセキュリティーの知識がない一般市民も「IT軍に」参加可能!?

IT軍はメッセージングサービスのTelegramで専用のチャンネルを開設して一般人の参加を募っており、「タスク」と称した攻撃先のリストを作成し、ロシア政府や企業へのサイバー攻撃を行っています。

ウクライナのボランティアハッカー集団による攻撃は「報復の対象を曖昧にしている」という問題/Gigazine.2022
逆にいえばサイバー義勇兵はサイバー玄人

 サイバー義勇兵がサイバーセキュリティ関連の経験を長年積んでいるベテランで構成されているのに対し、必ずしもITやサイバーセキュリティの知見を持っていない人々が集まっているのが、ミハイロ・フョードロフ副首相兼デジタル転換相の始めたIT軍である。

ウクライナ「サイバー義勇兵」「IT軍」のサイバー戦/新潮社 Foresight.2022

IT軍のメインページでは身元を隠すために必要なソフトウェアや攻撃に参加する方法などが14ページにわたって解説されており、専門的な知識を持たない人でも支援が可能だとのこと。

ウクライナのボランティアハッカー集団による攻撃は「報復の対象を曖昧にしている」という問題/Gigazine.2022

参加した一般市民の声

 男性は、一般市民も入れる「領土防衛隊」への入隊を望んだが、希望者が多く、招集まで待機中の身。IT軍の募集を見て、志願した。

サイバー攻撃「IT軍」、ウクライナ市民も参加…「武器なくても戦う」/読売新聞オンライン.2022

「ロシア軍の攻撃で、子どもに犠牲者が出ている。家でただじっとしているなんてできなかった」。首都キエフで語学学校を経営する男性(24)は10日、SNSを通じた本紙の取材に語った。

サイバー攻撃「IT軍」、ウクライナ市民も参加…「武器なくても戦う」/読売新聞オンライン.2022

 キエフに住むデジタル広告業の女性(22)もIT軍に加わっている。侵攻後、アパートの自室と、シェルターを兼ねる地下駐車場との間を行き来する毎日に気持ちが追い込まれていた。そんな日々の中、IT軍に参加したことで、自身もロシアと戦っているとの意識を持つことができたという。女性はSNSで本紙に「キエフは私の『家』だから、今後も逃げるつもりはない。武器はないけれど、私なりに戦う」と心境を明かした。

サイバー攻撃「IT軍」、ウクライナ市民も参加…「武器なくても戦う」/読売新聞オンライン.2022

 スイス人の10代の少年カリは、フョードロフ副首相のIT軍創設に関する2月26日付ツイートを見て、「僕の攻撃能力を使って、ウクライナを助けたいと思った」と英ガーディアン紙に語った。

ウクライナ「サイバー義勇兵」「IT軍」のサイバー戦/新潮社 Foresight.2022

デンマーク在住の40代半ばのITエンジニアのイェンスは、出勤前の1時間をIT軍のために費やし、テレグラムのロシアの組織や企業のリストをチェックしてから、DDoS攻撃を仕掛ける。「ロシアの戦争犯罪についてロシア人たちを罰するため」にサイバー攻撃をしているのだという。しかし、妻や友人、同僚たちには、自分が何をしているのか話していない。

ウクライナ「サイバー義勇兵」「IT軍」のサイバー戦/新潮社 Foresight.2022

日本のIT軍!?「5ちゃんねるのIT軍」

 「ここを攻撃します。サーバーダウンさせるためには人手が必要です。ぜひとも加勢をお願いします」

サイバー攻撃、日本から加勢 ウクライナ呼びかけ、匿名掲示板で呼応/朝日新聞デジタル.2022

 4月下旬。ツイッターに、こんな内容が投稿された。ロシア政府のウェブサイトのURLも掲載されていた。発信者は「IT ARMY of 5ch」(5ちゃんねるのIT軍)を名乗っている。

サイバー攻撃、日本から加勢 ウクライナ呼びかけ、匿名掲示板で呼応/朝日新聞デジタル.2022

 ツイッターの投稿にはもう一つ、ウェブサイトが掲載されていた。「兵器保管庫」と書かれたサイトには、「初心者でも使えるシリーズ」として、「開くだけでロシアの機関に攻撃を行います」というリンクが示されていた。スマホやパソコンから、誰でもサイバー攻撃に参加できる、というのだ。一方で、「自己責任でお使いください」という注意書きもある。

スマホでロシアにサイバー攻撃、日本でも 「祭り感覚」に潜むリスク/朝日新聞デジタル.2022
発起人はアノニマスのメンバー!?

 ウクライナのサイバー戦のボランティア「IT軍」に参加し、ロシアへの攻撃を実行した日本人男性が共同通信のインタビューに応じ、「ネット上とはいえ、ウクライナを支えているという手応えがあった。

日本人ハッカー、ロシアをサイバー攻撃 「手応えと後ろめたさあった」/中日新聞.2022

男性は9月上旬に交流サイト(SNS)を通じ、匿名を条件に取材に応じた。20代ハッカーで、国際的なハッカー集団アノニマスのメンバーだと自己紹介した。ネット掲示板の有志が集まった「IT ARMY of 5ちゃんねる」(IA5)の元リーダーを名乗り、3月上旬からウクライナIT軍への協力を始めたと説明した。

ロシアへのサイバー攻撃に参加、IT軍の日本人ハッカー「ウクライナを支えているという手応えがあった」 「極めて危険な行為」と識者指摘/zakzak.2022

男性によると、IA5には約90人が参加しており、大学生が多かった。IT軍やアノニマスと協力し、ロシア政府のサイトなどを攻撃した。IT軍から提供されたプログラムを使い、パソコンやスマートフォンから攻撃に参加できた。「ウクライナへの軍事攻撃をニュースで目の当たりにし、何かできないかと考えた」と当時の心境を話した。

ロシアへのサイバー攻撃に参加、IT軍の日本人ハッカー「ウクライナを支えているという手応えがあった」 「極めて危険な行為」と識者指摘/zakzak.2022

逆に参加者のSNSのアカウントが何者かに乗っ取られたり、参加者同士でやりとりしていたチャットにロシア語で「私はプーチン大統領をあがめている」と書き込まれたりするなど、身の危険を感じることもあったという。

ロシアへのサイバー攻撃に参加、IT軍の日本人ハッカー「ウクライナを支えているという手応えがあった」 「極めて危険な行為」と識者指摘/zakzak.2022

IA5は8月に解散したが、男性はIT軍に参加して攻撃を続けているという。「違法行為だということは分かっている。怖いと思うこともあるが使命感で抑え込んでいる」といい、「もしまた別の戦争が起きたら、同じように参戦し、侵略される側を助けたい」と主張した。

ロシアへのサイバー攻撃に参加、IT軍の日本人ハッカー「ウクライナを支えているという手応えがあった」 「極めて危険な行為」と識者指摘/zakzak.2022

「東欧のシリコンバレー」IT軍の背景に優秀なIT人材の育成

ウクライナは「東欧のシリコンバレー」と呼ばれ、IT技術者も多い。

サイバー攻撃「IT軍」、ウクライナ市民も参加…「武器なくても戦う」/読売新聞オンライン.2022

そんなウクライナのIT技術者たちはロシアによる侵攻中も仕事をし続けており、中には「IT軍」に参加してベラルーシの鉄道網やロシアの測位システムへの攻撃に参加する人もいるとのことです。

ウクライナのIT技術者はロシアの侵攻中も仕事を続けている、「IT軍」に参加して敵の鉄道網や測位システムを攻撃する人も/Gigazine.2022
独立後のウクライナは国家戦略として「IT大国」を目指した

ソ連が崩壊した1991年以降、核兵器やロケット製造技術などはソ連の後継国としてロシアへ移管されました。そこで優秀な理系エンジニア達は国として以下に外貨を稼ぐかを模索しました。そこで行きついた結論は「IT大国になる」でした。1990年代に雨後の筍のようにウクライナではITアウトソーシング企業が誕生し、主に西欧や北米のシステム開発の請負をすることで同国のIT産業は急成長しました。今現在でも数千人規模のウクライナのITアウトソーシング企業は殆ど1990年代に誕生しています。かつてはウクライナなどの東欧とアメリカのシリコンバレーの賃金差は10倍以上あったとされ、安いプログラマの人件費を追い風にウクライナIT業界は成長を続けます。ウクライナは2004年のオレンジ革命、2014年のユーロマイダン革命などで自国通貨と産業が弱くなりますがそんな中でもIT産業はスローダウンすることなしに発展を続けてきました。

東欧のシリコンバレー:ウクライナが何故今世界のIT産業の注目を集めるのか? 柴田裕史/World Voice|ニューズウィーク日本版.2022
都市部にIT産業が集中

特に首都キーウ(キエフ)を含むキーウ州や東部のハリコフ州、西部のリビウ州などに「ITクラスター」があり、IT企業やITの専門家、ITプログラムを展開する高等教育機関が集中している。例えば、キーウ州にはITプログラムを持つ高等教育機関が167あるという(ITウクライナ協会の「Ukraine IT Report 2021」)。

「東欧のシリコンバレー」に影 日立など日本企業も影響/日経クロステック(xTECH).2022
優秀な人材を育てるために教育に投資

ソフトウェア企業Daxxのまとめによると、この5年間でウクライナの年間教育予算は、1140億フリヴニャ(約4770億円)から2280億フリヴニャ(約9540億円)と倍増。2021年にはGDPに占める教育予算の割合は6.6%に達した。この比率は、ドイツ、オランダ、スウェーデン、ポーランド、ハンガリーなどを上回り、世界的にもかなり高い割合であるという。

ウクライナの民間サイバー軍やアノニマスが仕掛ける対ロシアサイバー戦争/AMP[アンプ] .2022
大学に進学する約半数が理系

ウクライナ政府による教育投資は、理系高等教育の拡大につながっている。高校卒業者における大学進学率は75%(約26万2500人)。このうち、STEM(科学・テクノロジー・工学・数学)分野を専攻するのは約13万人と、半数近い学生が理系分野に進学しているのだ。

ウクライナの民間サイバー軍やアノニマスが仕掛ける対ロシアサイバー戦争/AMP[アンプ] .2022
ウクライナ国内でITは高収入!理系の技術者がIT業界に次々と就職

 ウクライナでIT人材が豊富な理由として、他産業と比較した給与水準の高さもある。ウクライナ国家統計局によると、同国の産業別月額平均給与(2022年1月)において、情報通信分野は全産業平均の約1.8倍という水準だ。

「東欧のシリコンバレー」に影 日立など日本企業も影響/日経クロステック(xTECH).2022

理系技術者は高い給与を求めIT業界に次々に雪崩れ込んでいます。

東欧のシリコンバレー:ウクライナが何故今世界のIT産業の注目を集めるのか? 柴田裕史/World Voice|ニューズウィーク日本版.2022
ゼレンスキー大統領もIT路線を発展させ続けている

 ゼレンスキー大統領もそうした路線を発展させている。30代でIT起業家のフェドロフ氏を副首相・デジタル担当に抜てきしており、氏はイーロン・マスク氏をはじめ各国のIT大手や経営者に協力を求めたり、IT軍をまとめたりと活躍。若手でITに詳しい閣僚といえば、台湾のオードリー・タン氏が有名だが、それをほうふつとさせる手腕を発揮している。

「東欧のシリコンバレー」、ウクライナをIT業界が支援できれば/電波新聞デジタル.2022
豊富なIT人材!欧米から見ると安い人件費!ウクライナとのビジネスを加速していた

 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、ウクライナの人口約4400万人に対し、18年時点でIT技術者は18万人、25年には25万人にまで拡大する見通しだ。周辺国に比べIT人材が飛び抜けて多いうえ、人件費が米国の4分の1程度と安いことから、米欧を中心にウクライナとのビジネスが加速していた。こうした中で始まったのがロシアによる侵攻だ。

「東欧のシリコンバレー」揺れるIT強国ウクライナ 侵攻の影響は/毎日新聞.2022
ロシア軍の攻撃によってIT産業も危機に

ウクライナの工業地帯の中心に位置するハリコフ市(Kharvic)は近年、テクノロジー企業のアウトソーシングや現地での採用拠点となった。しかし、ロシアとの国境からわずか30マイル(約48キロ)の距離にあるこの街の人々は、今やロシアとの軍事衝突の脅威に直面している。

知られざる「IT拠点ウクライナ」の企業が直面する危機的状況/Forbes JAPAN.2022

世界中のハッカーと共闘してロシアへ攻撃

 ウクライナでは、政府が協力を求めたITボランティア部隊が単独で行動しているわけではない。ウクライナ企業のサイバー・ユニット・テクノロジーズの共同設立者であるイェゴール・アウシェフ氏はここ数日、 フェイスブック とリンクトインを使って、ウクライナやベラルーシなどの国々から、数十のサイバープロジェクトのためにボランティアのハッカーを募っている。

ウクライナ「IT軍」結集、サイバー戦線新局面/THE WALL STREET JOURNAL.2022

 ウクライナのデジタル変革担当相ミハイロ・ヒョードロフ氏は2月25日、標的の候補をリストアップする専用テレグラムチャンネルをフォローするようボランティアハッカーに呼びかけ、ツイッターで「誰にでも任務がある。われわれはサイバー戦線で戦い続ける」と言明した。

ウクライナ「IT軍」結集、サイバー戦線新局面/THE WALL STREET JOURNAL.2022

 ウクライナ IT 軍は、ロシアの証券取引所や社会インフラ企業へ DDoS 攻撃を仕掛ける一方で、ウクライナ IT 軍を支援しているベラルーシの反体制派のハッカーグループは、ベラルーシ鉄道のシステムへ攻撃作戦を実施することでロシア軍の侵攻を遅らせようと試みるなど、サイバー空間を介してのゲリラ戦を展開しています。

ウクライナ政府、ボランティアのサイバー攻撃軍創設/「米国はサイバー活動において中国に対抗できるリーダーシップを持っていない」 ほか [Scan PREMIUM Monthly Executive Summary]/ScanNetSecurity.2022

 今回の衝突が始まってからネットワーク上で起こった動きは、IT軍の設立だけではない。ハクティビスト集団であるAnonymousは、ウクライナを支援してロシアに対して行動を起こすと述べており、ロシア国内のサイバー犯罪グループも、Vladimir Putin大統領の侵攻を支援するために、攻撃的な活動を行うと表明している。

ウクライナ政府が創設、有志が集う「IT軍」–かつてない局面に新たな問題も/ZDNet Japan.2022
実際に連携してハッカーとサイバー攻撃

 ロシアの外務省や同国最大の証券取引所、さらに大手国有銀行のウェブサイトが、2月28日にオフラインになった。ボランティアのハッカー集団が、ロシアのウクライナ侵攻に対する報復を誓って立ち上がったためだ。

ウクライナ「IT軍」結集、サイバー戦線新局面/ウォール・ストリート・ジャーナル.2022

 ウクライナ政府が創設した「IT軍」は28日、チャットアプリ「テレグラム」のチャンネルで20万人以上のフォロワーに対し、モスクワ取引所のウェブサイトをダウンさせるよう呼び掛けた。その31分後、同チャンネルの管理者は、取引所のウェブサイトがオフラインになったことを示唆するスクリーンショットを共有。「ミッション完了!」と英語で記した。

ウクライナ「IT軍」結集、サイバー戦線新局面/ウォール・ストリート・ジャーナル.2022

外国の一般市民を巻き込んだこのサイバー攻撃は正義?それとも

 ウクライナはサイバー義勇兵とIT軍を立ち上げ、ロシアの軍事侵攻に対抗しているが、外国の市民をも巻き込んでサイバー攻撃を仕掛けることについては、欧米の専門家やメディアから是非を問う声も上がっている。

ロシア・ウクライナ「サイバー戦争」で急がれる戦時の国際規範確立/デイリー新潮.2022

 ウクライナ国家特殊通信・情報保護局のゾラ副局長は、IT軍がロシア軍のシステムを攻撃することでウクライナを支援してくれている、と3月4日の記者会見で認めた。複数のリーダーを持つ志願者たちの運動であると前置きはしているが、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が指摘するように、政府関係者が、緩やかとはいえ、サイバー攻撃の実行を公言している組織との連携を認めるのは非常に珍しい。

ロシア・ウクライナ「サイバー戦争」で急がれる戦時の国際規範確立/デイリー新潮.2022
「IT軍は自衛が目的」「志願者が独自にサイバー攻撃」

 ゾラ副局長は、「サイバー空間におけるいかなる違法行為も歓迎しない。誰もが行動に責任を持つべきだと思う」としつつも、「しかし世界の秩序は(軍事侵攻の始まった)2月24日に変わってしまった」と指摘。「ウクライナでは戒厳令が敷かれている状況だ。我々の敵には原則はなく、道義的原則に訴えてもうまくいかないと思う」とし、平時のルールは当てはまらないと弁明した。

ウクライナ「サイバー戦争」民間ハッカー集団の参戦は正しいか?/JBpress.2022

 IT軍の創設者であるミハイロ・フョードロフ副首相も、産経新聞のメール取材に対し、「戦争を始めたのはロシアだ。IT軍は自衛が目的」と活動を正当化している。

ウクライナ「サイバー戦争」民間ハッカー集団の参戦は正しいか?/JBpress.2022

 ただ、3月中旬の記者会見では、ゾラ副局長は、IT軍のサイバー攻撃を誉めつつも、「それは志願者たちの独自のイニシアチブであり、彼らの活動は政府が調整しているものではない。我々はあくまでもウクライナのインフラの防御に今後も注力する」と発言。IT軍のサイバー攻撃と政府との関係に距離を置いている。

ウクライナ「サイバー戦争」民間ハッカー集団の参戦は正しいか?/JBpress.2022
「攻撃的なサイバー工作」に変化していった!?

もっとも、ゾーラの話はあくまで政府の「公式」なコメントにすぎない。実際には、目に見えないところで、ウクライナは攻撃的なサイバー作戦を行っている──。そう指摘するのは、ウクライナやロシアの軍や情報機関のサイバー戦略の内情に精通する米サイバーセキュリティー専門家のジェフリー・カーだ。

サイバー攻撃で「ロシア圧勝」のはずが…人類初のハイブリッド戦争はなぜ大失敗した?/Newsweek.2022

カーは「残念ながら、ウクライナには機関を横断するようなまとまったサイバー政策はないと考えている」と言う。ただ、情報機関のウクライナ国防省情報総局(GURMO)のサイバー部隊は、侵攻後からロシアのターゲットにかなりのサイバー攻撃を仕掛け、成功しているという。

サイバー攻撃で「ロシア圧勝」のはずが…人類初のハイブリッド戦争はなぜ大失敗した?/Newsweek.2022

今年3月には国際宇宙ステーション(ISS)を運用するロシア国営宇宙企業ロスコスモスにハッキングで入り込んで宇宙計画の情報を盗み出し、ロシア中部のベロヤルスク原子力発電所を襲って所内システムのデータを奪うことにも成功している。またボストチヌイ宇宙基地にもハッキングで入り込み、組織の内部文書を公開した。ロシア政府に対し、こうしたターゲットをいつでも破壊できると証明することで、心理的に追い詰める目的もあるという。

サイバー攻撃で「ロシア圧勝」のはずが…人類初のハイブリッド戦争はなぜ大失敗した?/Newsweek.2022

カーによれば、GURMOは、ロシア国営ガス大手のガスプロムから1.5テラバイトの内部情報を盗んだ上で、6月16日、ヤマロ・ネネツ自治管区内でガスプロムの天然ガスのパイプラインを「中央制御装置(SCADA)を不正操作する攻撃的サイバー工作で炎上させた」と言う。事実、現地メディアもこの火災のニュースを伝えており、同社は「原因を調査中」としている。

サイバー攻撃で「ロシア圧勝」のはずが…人類初のハイブリッド戦争はなぜ大失敗した?/Newsweek.2022

そうした内部文書をGURMOから入手して公開しているカーは、「GURMOは、米CIAや英MI6など西側の情報機関とつながっている。ロシアが放射性物質をまき散らすようなダーティー爆弾や生物化学兵器などを使用する『レッドライン』を越えたら、現在既にハッキングで攻略した施設などを、サイバー攻撃で破壊すると主張している」と言う。

サイバー攻撃で「ロシア圧勝」のはずが…人類初のハイブリッド戦争はなぜ大失敗した?/Newsweek.2022

つまりウクライナはロシアからのサイバー攻撃を防ぐとともに、こうした施設を「人質」に取ることでロシアの攻撃激化に歯止めをかけようとしているのだ。

サイバー攻撃で「ロシア圧勝」のはずが…人類初のハイブリッド戦争はなぜ大失敗した?/Newsweek.2022

サイバー大国ロシアと渡り合っている

もともとロシアは、サイバーセキュリティの世界ではレベルが高いことで知られていた。IT人材が豊富で、サイバー空間での存在感も大きい。特に他国への攻撃では、非常に先端的な技術を駆使している様子が散見されてきた。

「世界トップ級の技術」と言われるが…ロシアのサイバー攻撃がウクライナにまるで通用しない意外な理由/PRESIDENT Online.2022

ところが今回の侵攻に関しては、その実力を全くと言っていいほど発揮できていない。実際の戦闘でも苦戦が伝えられるロシア軍だが、サイバー空間でも目立った成果を挙げていないのだ。

「世界トップ級の技術」と言われるが…ロシアのサイバー攻撃がウクライナにまるで通用しない意外な理由/PRESIDENT Online.2022

ロシア側が以前からウクライナのネットワーク上にマルウェアのような破壊プログラムを送り込み、潜ませていたことは間違いない。開戦と前後してそれを稼働させ、ウクライナ国内を混乱させるとの観測もあったが、結局そのようなことは起こらなかった。

「世界トップ級の技術」と言われるが…ロシアのサイバー攻撃がウクライナにまるで通用しない意外な理由/PRESIDENT Online.2022

 西側の情報当局者や安全保障アナリストは、開戦以来さまざまな要因により、ロシアのハッカーの影響力が制限されていると指摘する。多くの関係者は米国主導の取り組みを挙げる。それは機密情報の共有、ウクライナのサイバーセキュリティー要員の訓練、ウクライナのネットワーク防衛の強化、重要インフラのサイバー攻撃対処能力の増強だ。こうした取り組みも、より幅広い国際協力への関心を高めている。

サイバー防衛の国際協力進む ウクライナ戦争で/ウォール・ストリート・ジャーナル.2022
背景にアメリカによる極秘サイバーセキュリティー協力

(前略)ウクライナを標的としたサイバー攻撃の対策にはMicrosoftやAmazonといった大企業が支援に乗り出しており、アメリカ政府もウクライナを支援するための極秘ミッションを進めていたことが明らかになっています。

ロシアによるウクライナを標的としたサイバー攻撃が目立たないのはなぜか?/Gigazine.2022

ロシアがウクライナへの本格的な侵攻を始めたのは現地時間の2022年2月24日ですが、それよりもはるか前のタイミングでアメリカの極秘チームがウクライナへ派遣されています。この極秘チームのメンバーはアメリカ陸軍のサイバーコマンド兵だけでなく、アメリカの一般企業の従業員も含まれていました。チームの目的はウクライナ政府がロシア政府から数年間にわたり受けてきたサイバー攻撃から、同国のインフラストラクチャーを守ることです。

ロシアの侵略前からウクライナのサイバー防衛のための極秘ミッションをアメリカが進めていたことが明らかに、すでに100万人の命を救ったとも/Gigazine.2022

極秘チームはロシア政府が支援する脅威アクターがウクライナ鉄道に仕掛けた「ワイパーウェア」と呼ばれるマルウェアを発見し削除することに成功しています。ワイパーウェアは攻撃者がコマンドを入力するだけで、感染したネットワーク全体を無効化してしまうというもの。ロシアによる侵攻がスタートしてから最初の10日間で、約100万人ものウクライナ国民がウクライナ鉄道を使って紛争地帯から避難しています。もしも極秘チームがワイパーウェアの削除に失敗していた場合、この避難が失敗に終わり「壊滅的な影響が出ていた可能性がある」と関係者がArs Technicaに明かしています。

ロシアの侵略前からウクライナのサイバー防衛のための極秘ミッションをアメリカが進めていたことが明らかに、すでに100万人の命を救ったとも/Gigazine.2022

さらに様々な世界中からウクライナへの支援が集まっていく!

   ロシアのウクライナ軍事侵攻に対し、形を変えたウクライナ支援が続いている。米国の電気自動車企業テスラのマスク氏は、インターネット接続サービスをウクライナに提供することを明らかにした。グーグルとメタは、ロシアメディアの広告を規制した。匿名のハッカー集団「Anonymous」は、ロシア政府関連のウェブサイトをアクセス不能にしたという。

「ウクライナ侵攻」GAFAはロシアを許さない アノニマスは「サイバー戦争」/J-CAST ニュース.2022

   ウクライナ国内では従来型の戦争が続いているが、国境を超えたネット空間ではウクライナを支援する新たな戦いが勃発している。

「ウクライナ侵攻」GAFAはロシアを許さない アノニマスは「サイバー戦争」/J-CAST ニュース.2022
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知らないうちに多大な被害を受け、攻撃国に大きな利益をもたらす「サイバー戦」の根本思想と実践法とは? 大国ロシアをベースに「サイバー戦」の全貌を元在ロシア防衛駐在官がひもとく! 2014年のウクライナ危機で、ロシアはわずかな抵抗を受けたのみで、簡単にクリミア半島を併合してしまったことを覚えているだろうか? 「サイバー戦」の例のひとつである。(「Books」出版書誌データベースより)

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【ウクライナ危機(67)】世界1の富豪イーロン・マスクがウクライナ支援!!さらにプーチンに決闘を挑んだ!?『スターリンク』
“https://diggity.info/society/ukraine-67/”
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