【ウクライナ危機(59)】人類史上最大の航空機をロシア軍が破壊『An-225 ムーリヤ』

【ウクライナ危機(59)】人類史上最大の航空機をロシア軍が破壊『An-225 ムーリヤ』

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 An-225 Mriya

世界最大の飛行機『An-225 ムーリヤ』

The Sun/YouTube

ウクライナの軍需メーカー連合のウクロボロンプロムは2月27日、世界最大の航空機「An-225“ムリア”」が侵攻したロシア軍によって破壊された、と発表した。

世界最大の飛行機、破壊される…ロシアによるウクライナ侵攻で/Response.jp.2022

米CNNは、航空の世界で親しまれるAn-25が「ほぼカルト的ともいえる存在であった」と述べ、破壊は「航空業界に不安と悲しみをもたらしている」と伝えている。

ウクライナが誇る世界最大の航空機、ロシアの攻撃で破壊される/Newsweek.2022
アントノフ社の公式SNSアカウントでは他の航空機の破壊も報告された

 アントノフ社の公式SNSアカウントによると、同飛行場ではAn-225のほか、管制塔や管理棟、An-26航空機、An-74航空機が破壊。An-12航空機やAn-22航空機、An-225のベースモデルとなったAn-124航空機なども損傷を被ったとのことです。

露が破壊「世界最大の飛行機」眠るウクライナ・ゴストメル飛行場の今 変わり果てたアントノフの拠点/乗りものニュース.2022

ウクライナ語で“夢”!世界最大の航空機「ムリーヤ(ムリア)」

HD1080ide/YouTube

 ムリーヤはウクライナ語で「夢」という意味で、全長84メートル、全幅約88メートル。

世界最大の輸送機がキエフ近郊で焼ける 世界に1機、宇宙船の運搬用/朝日新聞デジタル.2022

(前略)世界一巨大な旅客機「エアバスA380」の全長73メートルを上回る。

ロシア軍が破壊した…超大型輸送機「ムリーヤ」の喪失が世界に与える影響/現代ビジネス | 講談社.2022
ロシア軍はウクライナに精神的ダメージを与えるために攻撃した!?

ロシア軍はムリアをウクライナ航空技術のシンボルとして攻撃した、とウクロボロンプロムは伝える。

世界最大の飛行機、破壊される…ロシアによるウクライナ侵攻で/Response.jp.2022

ドミトロ・クレバ(Dmytro Kuleba)外相は27日、ツイッター(Twitter)に「AN225ムリーヤは世界最大の航空機だった」と投稿した。

世界最大の航空機、ロシア軍が破壊/AFPBB News.2022

 クレバ外相は「ロシア軍は『ムリーヤ』を破壊したが、強く、自由な欧州の民主主義国家になるというわれわれの夢は決して壊せない。ウクライナは打ち勝つ!」とつづった。

世界最大の航空機、ロシア軍が破壊/AFPBB News.2022

最大搭載量 250トン!巨大すぎた!!!

タイヤは主降着装置7脚、合計32本もあり、エンジンは左右の翼に3個ずつ、計6個という他に例を見ない機体だ。

破壊されたのは航空ファンの「夢」だった…ウクライナの空の顔 アントノフAn-225「ムリーヤ」と日本/ベストカーweb.2022

アントノフAn-225「ムリーヤ」は、最大で250トンもの貨物積載能力があり、戦車、鉄道、航空機・スペースシャトル部品などを運搬し世界を飛び回っている

日本を救った史上最大ウクライナ航空機が破壊された可能性/Yahoo!ニュース.2022

6人体制で運行!コクピットも規格外!!

 アントノフ航空の公式Twitterは、An-225のコクピットの様子を動画で掲載しています。その様子は、パイロット2人が狭い室内で大型ディスプレイが並ぶ操縦席の前に座る現代の飛行機のイメージとは全く異なるといえるでしょう。

史上最大の飛行機、再生産か ウクライナが検討開始 そこにある思惑/乗りものニュース.2022

 コクピットは標準的なものより明らかに広大なスペースが取られており、パイロット2人のうしろには、エンジニアが4人着座し、計6人体制で運航されています。操縦席はアナログ計器がならび、6発機というレイアウトから、エンジン出力を調整する「スラストレバー」も6つに分かれている様子が確認できます。

史上最大の飛行機、再生産か ウクライナが検討開始 そこにある思惑/乗りものニュース.2022

侵攻が始まった当初は無事だったが・・・破壊されてしまった

当初、ロシア軍により制圧されたとの情報があったが、2月25日現地時間未明には、ウクライナ軍が奪還しその時点ではAn-225も無事であった。尚、アントノフ社公式Twitter (@AntonovCompany)は、2月27日午前時点、An-225が失われたとアントノフ社が伝えているような投稿に対して、No!と回答している。

日本を救った史上最大ウクライナ航空機が破壊された可能性/Yahoo!ニュース.2022

ところが同日19:10、ホストメル空港の格納庫内にあるAn-225が破壊され炎上する様子を写した衛生画像が投稿された。

日本を救った史上最大ウクライナ航空機が破壊された可能性/Yahoo!ニュース.2022
格納庫で複数の火災が発生

米航空宇宙局(NASA)の火災情報データは、この格納庫を含め空港で複数の火災が発生したのを探知していた。格納庫の火災は27日午前11時13分に探知したという。

世界最大の航空機破壊、ウクライナ首都近郊の空軍基地/CNN.co.jp.2022

NASAは火災情報をNASAや海洋大気局(NOAA)の多数の衛星から取得した。

世界最大の航空機破壊、ウクライナ首都近郊の空軍基地/CNN.co.jp.2022

火災が軍の攻撃からの爆発によるものか否かは不明。

世界最大の航空機破壊、ウクライナ首都近郊の空軍基地/CNN.co.jp.2022
ウクライナの外相がツイート!「ロシアによって破壊された可能性」

ウクライナのクレバ外相は日本時間2月28日、「An-225」がロシアによって破壊された可能性があるとツイートした。

ウクライナ侵攻で世界最大級の飛行機「An-225」が安否不明。巨大すぎて「空間認識がバグる」と話題になった写真とは?/HUFFPOST.2022

これに対して同機を製造したアントノフ社は「AN-225が専門家によって検証されるまで、航空機の状態について報告できません」とツイート。同機が破壊されたかどうかは断言を避けた。

ウクライナ侵攻で世界最大級の飛行機「An-225」が安否不明。巨大すぎて「空間認識がバグる」と話題になった写真とは?/HUFFPOST.2022

ウクライナ国営防衛企業ウクロボロンプロムも一度は「An-225」が破壊されたと発表したが、後に発表を修正。「空港はロシアが占拠しているため、機体を調べることができません。飛行機の状態と復元の可能性とコストを評価することは不可能です」と報告した。

ウクライナ侵攻で世界最大級の飛行機「An-225」が安否不明。巨大すぎて「空間認識がバグる」と話題になった写真とは?/HUFFPOST.2022

破壊後の様子があまりにもボロボロすぎ・・・・。

同機を支える多数のタイヤはまだ目にすることができる。ぼろぼろの状態ながらノーズコーンも原型をとどめていて、ウクライナの色である青と黄色の線や、正式名称の「225」という数字が誇りを込めて表示されている。

破壊された「世界最大の航空機」、写真が捉える現在の姿 ウクライナ/CNN.co.jp.2022

ロシア軍が先週、ウクライナ侵攻当初の戦略目標の一つだったキーウ(キエフ)郊外のホストメル空港から撤退したのを受け、CNN記者は「ムリーヤ」(ウクライナ語で「夢」の意味)と名付けられた同機の破壊の全容を確認した。

破壊された「世界最大の航空機」、写真が捉える現在の姿 ウクライナ/CNN.co.jp.2022

侵攻が始まったとき、ムリーヤは格納庫で整備待ちの状態だった。いま同機は格納庫の破損したアーチの下に、無残に壊れた状態で横たわっている。

破壊された「世界最大の航空機」、写真が捉える現在の姿 ウクライナ/CNN.co.jp.2022

周囲の飛行場にはトラックや戦車、装甲兵員輸送車、使用済み燃料など、破壊されたロシアの装備品が散乱している。

破壊された「世界最大の航空機」、写真が捉える現在の姿 ウクライナ/CNN.co.jp.2022

整備中だったため侵攻当初、飛ぶことができなかった

An-225ムリーヤは2022年2月5日(土)にデンマークのビルン空港からキエフ郊外のホストーメリ空港に飛行。ロシア軍の攻撃が始まった2月24日(木)から、An-225の動向は注目されていました。

世界最大の航空機An-225、ロシア軍が破壊か?アントノフ、検証・発表へ/FlyTeam.2022

24日朝のロシア軍の侵攻時、ムリアはホストーメリの空港で定期整備中であり、飛び立つことができなかったという。アントノフ航空によると、1基のエンジンが修理のために分解されていたという。

世界最大の飛行機、破壊される…ロシアによるウクライナ侵攻で/Response.jp.2022

ムリーヤは2機製造されたが、2機目は完成せず、倉庫に置かれたまま1機目の機体の修理に必要な部品取りが行われていた。

ロシア軍が破壊した…超大型輸送機「ムリーヤ」の喪失が世界に与える影響/現代ビジネス | 講談社.2022

「ウクライナ側が破壊した」ロシアは関与を否定するが

一方、ロシア国営放送は3月4日、大破したムリーヤとみられる機体の映像を流したほか、「ウクライナ側が破壊した」と主張していた。アントノフ空港の占拠を続けていたロシア軍が3月末までに撤退したことで、ムリーヤの破壊がウクライナ側からも確認できるようになった。

【An-225ムリーヤ】世界最大級の飛行機がウクライナ侵攻で無残な姿に。復活に向け資金援助を世界に呼びかける/HUFFPOST.2022
ロシア軍による関与が確認される

CNNは3月31日に撮影された衛星写真を元に、ロシア軍がアントノフ空港から撤退していたことが確認できたと報じた。

【An-225ムリーヤ】世界最大級の飛行機がウクライナ侵攻で無残な姿に。復活に向け資金援助を世界に呼びかける/HUFFPOST.2022

4月2日には地元メディア「キーウ・ポスト」の記者が「これまで働いてくれて有り難う」という追悼メッセージと共に、アントノフ空港で撮影されたムリーヤの写真をTwitterに投稿した。

【An-225ムリーヤ】世界最大級の飛行機がウクライナ侵攻で無残な姿に。復活に向け資金援助を世界に呼びかける/HUFFPOST.2022

ソ連時代にはまさに“夢”をのせた航空機だった!!?

Mentour Now!/YouTube

この巨大飛行機は冷戦時代の遺物で、独立国となったウクライナが、衛星国家としてソ連の支配下にあった時に製造された。

冷戦時代に作られた世界最大の貨物機が、パンデミック対策の物資を載せて空を飛ぶ/Business Insider Japan.2022
スペース・シャトルを搭載して宇宙に打ち上げる!「ブラン計画」

 1970年代のソ連では、アメリカ側の宇宙進出に東側諸国として対抗すべく、「エネルギア」というロケットに、ソ連版スペース・シャトル(再使用型宇宙往還機)「ブラン」を搭載して宇宙へ向け打ち上げる――という通称「ブラン計画」が進行していました。

露軍が破壊 世界最大の飛行機「An-225」とは ナゼ世界に1機? “空飛ぶ世界遺産”無二の歴史/乗りものニュース.2022

 ここで問題となったのが、「ブラン」を製造工場、発射場所、帰還後の着陸地といった各地からどう空輸するか、という点です。飛行機の上に飛行機を載せて飛ぶことになるため、これを担う輸送機のサイズは巨大でなければいけません。なお、アメリカのスペース・シャトル計画では、「ジャンボ・ジェット」ことボーイング747の胴体の上に機体を載せて輸送する方法が採用されています。

露軍が破壊 世界最大の飛行機「An-225」とは ナゼ世界に1機? “空飛ぶ世界遺産”無二の歴史/乗りものニュース.2022

 ブラン計画でも、同様に「ブラン」を空輸できる輸送機が必要だったものの、当時アントノフ設計局の最大の輸送機であったAn-124「ルスラン」では、とてもこれを担えるほどのキャパシティはありませんでした。そこでAn-124を大型化し、エンジンを6基搭載したAn-225「ムリヤ」が開発されたのです。

露軍が破壊 世界最大の飛行機「An-225」とは ナゼ世界に1機? “空飛ぶ世界遺産”無二の歴史/乗りものニュース.2022
ソ連崩壊により、目的に失った期待はしばらく放置されていたが復活

1988年に初飛行したものの、肝心のブランが宇宙を1回無人飛行した後にソ連崩壊によって立ち消えになり、目的を失ったAn-225は長らく放置されていました。

「ウクライナの夢」世界最大の航空機An-225破壊とその影響/Yahoo!ニュース.2022
放置されていた時期に使えるパーツは別の機体に使われた……。

その巨大さゆえ、輸送機として運用できる空港も限られることから、ウクライナの工場に放置され、An-124に使える部品は剥がされて、一時はスクラップ同然の状態でした。

露軍が破壊 世界最大の飛行機「An-225」とは ナゼ世界に1機? “空飛ぶ世界遺産”無二の歴史/乗りものニュース.2022
その機体を使って成り上がった会社が「アントノフ航空」

 そのようななか、アントノフ企業の一形態として、An-124「ルスラン」のチャーターをウリにする航空会社が設立されます。これが冒頭のアントノフ航空です。

露軍が破壊 世界最大の飛行機「An-225」とは ナゼ世界に1機? “空飛ぶ世界遺産”無二の歴史/乗りものニュース.2022
超デカい貨物を輸送する需要が高まり復活!!

 しかし、特大型貨物の航空輸送需要が高まると、2002年にAn-225による商業飛行が開始されました。

「ウクライナの夢」世界最大の航空機An-225破壊とその影響/Yahoo!ニュース.2022
過去には日本にもやってきた!
Hakuto0505/YouTube

 2010(平成22)年には、自衛隊の海外派遣に際し日本政府が同機を借り上げ、航空自衛隊のC-1、C-130H輸送機では手に余る重機や車両など108トンを、カリブ海の島国ハイチへと輸送しています。

史上最大の飛行機、再生産か ウクライナが検討開始 そこにある思惑/乗りものニュース.2022

 また2011(平成23)年3月25日には、東日本大震災の支援を目的にフランス政府が同機をチャーターし、140トンの人道支援物資や発電機、原子力災害用物資をフランスから日本へ運んでいます。

史上最大の飛行機、再生産か ウクライナが検討開始 そこにある思惑/乗りものニュース.2022
2020年のコロナ渦には医療機器を搬送
https://www.youtube.com/watch?v=oLD95tbbJXQ
MT4692/YouTube

 さらに、2020年には新型コロナウィルス関連での医療機器搬送を行っており、5月に2回、6月に1回と3度も中部国際空港、セントレアに飛来した。セントレアとAn-225の縁は深く、日本の周辺国への飛行時に給油などの目的でセントレアを経由する例が何度かあり、セントレアの駐機場などのキャパや過去の飛行実績などを考慮し、セントレアに飛来する機会が多くなったようだ。

破壊されたのは航空ファンの「夢」だった…ウクライナの空の顔 アントノフAn-225「ムリーヤ」と日本/ベストカーweb.2022

天文学的すぎる再建費用!!それでも復活のために奮闘中!

ウクライナ国営防衛企業ウクロボロンプロムは、機体の再建費用は30億ドル(約3680億円)に上るとしている。

首都周辺の全域「侵略者から解放」、ゼレンスキー氏は「ロシアによる東部占領」警告/BBCニュース.2022

 しかし、アントノフ社は直ちに国際基金を設立、この巨鳥「夢・希望」をフェニックス「不死鳥」として蘇らせるべく、国の内外から資金を集め復活を期している。

《写真多数》「ロシア軍がコナゴナに打ち砕き、火まで放った…」日本人カメラマン宮嶋茂樹が見た世界最大の輸送機”破壊の惨劇”/文春オンライン.2022

イギリスの実業家で億万長者として知られるリチャード・ブランソンさんが6月29日、ウクライナを訪問した。ロシア軍の攻撃で破壊された世界最大級の飛行機「An-225ムリーヤ」の残骸を視察したブランソンさんは、ムリーヤを再建するプロジェクトについてウクライナ当局者と協議し、「できる限り助けたいという意欲を表明した」という。国営ウクルインフォルム通信などが伝えた。

世界最大級の飛行機「ムリーヤ」の再建。リチャード・ブランソンさんがウクライナ当局と話し合う/HUFFPOST.2022
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2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は現在も収拾のめどが見えてこない状況だが、ロシアがこうした事態に踏み込んだきっかけとなった事象に、東西冷戦終結後のNATO(北大西洋条約機構)拡大があることは間違いない。ソ連解体により東欧諸国をまとめていたワルシャワ条約機構が消滅、その結果多くの東欧諸国はNATOおよびEUの傘下へとシフトしていった。今月はそうした背景と加盟国数が30にも膨れ上がったNATOの現状を紹介しつつ、近年NATOに仲間入りした国々の状況などを見ていく。さらにカラーページでは、ウクライナの情勢を睨んでNATO軍部隊がどのような動きを見せているのかもリポートする。また関連記事として、航空大国ウクライナで活動を続けているアントノフ(旧アントノフ設計局)と世界最大級の航空機An-225についても解説する。

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【ウクライナ危機(60)】ゼレンスキー大統領暗殺のため派遣されたプーチンの秘密兵器……ロシア最恐の民間軍事会社『ワグナー・グループ a.k.a ワグネル』
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