【ウクライナ危機(57)】96時間以内に首都陥落!?戦争序盤の重大局面​「キーウの戦い」

緊迫したウクライナ情勢の中で、世界の目はウクライナの心臓、首都キーウに向けられていました。強力なロシア軍が進軍してくるい中、首都は96時間以内に陥落するとの予測がされていました。しかし、ウクライナの魂とも言えるこの都市は、未曽有の危機に瀕しながらも、国際的な懸念とは裏腹に、決死の覚悟で抗戦しました。今回は、サイレンの轟音と共に起きた「キーウの戦い」の最初の5日間に迫ります。

【ウクライナ危機(56)】「ブチャの虐殺調査」ウクライナ危機と関与兵士・部隊の特定動向
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現地での撮影写真、多数収録! 数々のスクープ写真で知られる報道カメラマンの不肖・宮嶋こと宮嶋茂樹さん。 2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、日本メディアのほとんどが現地入りを躊躇していた3月5日、ポーランドから陸路でウクライナ入り。 3月12日にはロシア軍が13キロまで迫っていたキーウへ。以降4月17日に出国するまで、ブチャ、イルピンなど各地で取材を続ける。 5月中旬には再びウクライナへ。東部ハルキウを取材。 激戦地の取材から見えてきた「戦争の真実」とは?(「Books」出版書誌データベースより)

The Battle of Kyiv

「キーウの戦い」

Sky News/YouTube

2022年2月24日、ロシアのウクライナ侵攻が始まった際、多くの人々はウクライナの首都キーウが短期間でロシア軍に占拠されると予想していました。ロシア軍の規模と力を考慮すれば、このような見方は理解できます。しかし、ウクライナの抵抗は予想以上に強力であり、キーウの防衛は頑強に行われました。

プーチンの演説

2022年2月24日の朝、世界はロシアのウラジミール・プーチン大統領からの驚くべき声明が発表されました。国営テレビで放送されたビデオ声明の中で、プーチン大統領はウクライナへの軍事介入の意向を明らかにしたのです。

プーチンは、ウクライナ東部のロシア系住民がロシアに助けを求めており、ウクライナの現政権による「ジェノサイド」から保護するため、当該地域の非軍事化を目指すとの立場を表明しました。この声明は、ロシアが人道的な理由に基づいて行動するとの姿勢を打ち出すものとして、国際的な関心を集めました。

プーチン「ロシアのこの行動は、あくまで人道的な目的に基づくものであり、ウクライナの占領を意図するものではない」と強調。さらに、ウクライナ側に対して降伏を要求しました。

この声明は、ロシアのウクライナ侵攻の前触れとなり、両国だけでなく、国際社会全体に緊迫感をもたらすこととなりました。多くの国々が即座に反応し、この事態の進展を注視する中、ウクライナとロシアの間の緊張が最高潮に達した瞬間でした。

全面侵攻の日

2月24日、夜が明ける前の暗闇の中、ウクライナの平穏は突如として破られた。国全土が空襲警報の音で包まれ、それと同時に遠くの地平線から聞こえてくる砲撃とミサイルの轟音が響きわたりました。

当初、ウクライナ東部のロシア系住民の保護を掲げての軍事介入だったので、ロシア軍は東部から侵攻するだろうと思われていました。しかし、テレビやラジオ、SNSを通じてウクライナの人々に伝わったのは、ロシアがウクライナのの北、東、南の3方面からの全面侵攻を開始したとの驚愕のニュースでした。

ウクライナ国内の主要都市や軍事施設は、ロシア軍の一斉攻撃の標的となった。空からのミサイル攻撃、地上からの砲撃、そして陸・海・空からの進攻部隊がウクライナの防衛線を圧迫し、多くの市民や兵士が混乱と恐怖に包まれた。

ロシア軍の圧倒的な軍事力が明らかに

ロシア軍の全面的なウクライナ侵攻が開始され、開戦初日から数時間の間に、ウクライナの防衛力とロシアの軍事的優越の差が露わになりました。

ロシアは開戦初日にミサイル160発以上を発射。ウクライナの政府および軍の関連施設を一方的に攻撃しました。さらに、キーウ近郊のボルィースピリ国際空港などの民間施設も攻撃対象にしました。この初日の戦闘で137人のウクライナ側は市民が死亡し、316人が負傷しました。

ロシアの地上部隊はチェルノブイリ原発をはじめとする戦略的な拠点を瞬く間に占拠。アナリストの間で、これらの動きは「初期段階」に過ぎず、今後もロシア軍の包括的な地上作戦が続くとの予測が出されました。

ゼレンスキー大統領が世界に助けを呼びかける!

ウクライナのゼレンスキー大統領は、2月24日夜、国際的な緊張が高まる中で、各国首脳に向けた演説を行いました。

その中で「今、ウクライナを助けなければ、明日はあなた方に戦争が降り掛かる」と警告し、国際コミュニティに対して積極的な支援を求めました。

NATOはウクライナに派遣をしないことを明言した

一方、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は、同日に行われた会見で、ウクライナへの部隊派遣は行わないと明言しました。

ウクライナ首都キエフ、96時間以内の陥落が危ぶまれる

米ニューズウィークはロシア軍の進撃により、ウクライナの首都キーウが「96時間以内に制圧」されると報告しました。この報告は、匿名の政府消息筋の証言に基づいたものでした。

3人の当局者(匿名)によれば、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が言及した「特別軍事作戦」の目的は、ウクライナを「非武装化」することであり、ウクライナ軍の部隊を囲み、降伏させるか、あるいは破壊することが計画されているといいます。

米情報機関の元高官は、「空からの攻撃や砲撃が終われば、キエフはわずか数日で陥落するだろう」との見解を示し、さらに、「ジョー・バイデン米大統領の動向が鍵となる」とウクライナの今後の展開に関して提言を行いました。

NATOのある外交当局者(匿名)もアメリカの見方を支持。「最初の24時間が最も重要」との見解を示しました。

一方、ゼレンスキー大統領に近い情報筋は、「ウクライナは予想以上に持ちこたえている」との見解を示し、キーウの陥落は確かに予想されているものの、ゼレンスキー政権の崩壊は考えにくいとの立場を取りました。

「2日以内に陥落する」ウクライナ侵攻前の予測ではそのように報じられていた

侵攻前の、2022年2月5日、ロシアはウクライナとの国境地帯に10~13万人もの兵士を展開させる動きを見せる中、米国の関係当局から注目すべき予測がワシントンポストから報じられていました。

それは、もしロシアがウクライナへの軍事行動を開始した場合、キーウが「2日以内に陥落」、ゼレンスキー大統領が失脚するだろうというものでした。

この予測は、ロシアが軍事攻撃実施体制の構築を急ピッチで進めている背景を踏まえ、米国の関係当局が導き出した結論でした。この頃のロシアは、キーウに対する速やかな制圧を目指す戦略の一環として、軍事関係者を大量にウクライナの国境近くに配備しており、60だった大隊数が83へと増加。兵士も10万~13万人へと増加しているとされています。

このような状況から、緊張緩和のための外交的解決の機会が狭まってきているとの指摘されたのでした。

さらに、もし全面侵攻が行われれば、死傷者は甚大となると警告。民間人で2万5000~5万人、ウクライナ軍で5000~2万5000人、そしてロシア軍で3000~1万人が犠牲となる可能性があるといいます。さらに、100万~500万人の難民がポーランドなど隣国へ流入するリスクも警告されていました。

日テレNEWS/YouTube

【1日目】サイレンが鳴り響く首都。残り32キロ地点までロシア軍が迫る

2022年2月24日、ウクライナへのロシアの軍事侵攻が始まる中、首都キーウでは明け方から緊迫した状況となりまし。多くの目撃情報や報道によれば、市内ではサイレンの音が響き渡り、住民は戦争の足音を感じ取っていたといいます。

The Independent/YouTube
早朝に首都に爆撃音が響いた

ロイター通信の現地記者によると、早朝に遠くから迫撃砲のような爆発音が数回、断続的に響き渡るのを確認。また、朝日新聞の記者もキエフの中心部とは反対側、ドニエプル川の左岸方向から爆発音を聞き取っており、「ズーン」「ズーン」という低い音が暗闇の中で続いていた証言しています。

CNN-News18/YouTube
軍事司令部や飛行場にロシア軍が砲撃

ウクライナのレズニコフ国防相は、国内の複数の地点でロシアからの砲撃を受けていることを明らかにしました。特に、東部の部隊や軍の司令部、そして飛行場が対象となっているとのこと。さらに、キエフ郊外の国際空港近くでは空爆を受けたとみられる攻撃があり、地元の市長はSNSで「無人機による攻撃を受けているが、軍が迎撃システムで対抗している」との情報を伝えました。

The Sun/YouTube
首都まで32キロ付近まで侵入。目標は「政府転覆」

米国のロイド・オースティン国防長官は、米下院でのブリーフィングにてロシアの軍事行動に関する最新の情報を公表。「ロシアの機械化部隊がベラルーシ経由でウクライナに侵入し、キーウまでわずか20マイル(約32キロ)の位置まで進出している」と明らかにしました。また、別の部隊もキーウに接近中であり、オースティン国防長官は「これらの部隊がキエフの政府を転覆させることを目的としている」との見解を示しました。

この発言により、キーウへの進行中のロシア軍の機甲部隊が、ウクライナの中枢の命を狙う「斬首部隊」として行動しているとの米軍が判断したことになりました。

ゼレンスキー大統領は国家総動員令と懲戒令を発令!ロシア軍との徹底抗戦

ウクライナ政府は、ロシアに対する対応として、外交関係を断絶する決定を下しました。これに続き、18歳から60歳までの男性に対して総動員令が出され、戒厳令が全国で発布されました。

ゼレンスキー大統領は、国民に向けてネット上で自撮り動画を公開。動画の中で「私はここに残り、最後まで国を守る」という決意を明らかにしました。

ウクライナ国民も政府の呼びかけに応え、国を守るための活動を開始しました。女性たちは自動小銃を持って国土防衛隊に参加し、子どもたちは手製の火炎瓶を作成。これらの行動は、ウクライナの国民が一丸となってロシアの侵攻に対抗する決意を世界に示すものになりました。

¥FRANCE 24/YouTube
大統領府警告「ロシア軍がキーウ市内官庁街への侵入を試みる可能性」

ウクライナ大統領府は、ロシア軍がキーウ市内の官庁街への侵入を試みる可能性があるとの警告を発表しました。この情報は、ミハイロ・ポドリャク大統領府長官補佐官が記者会見で明らかにしたものであり、ウクルインフォルムの記者が伝えました。

ポドリャクは、キーウに隣接するホストメリ町での激しい戦闘を背景に、記者団に対して編集室からの取材を推奨するとの勧告を行いました。

そん理由についてロシア軍が「局所的な空中投下が考えられる」と述べ、その目的の一つが「国家の首脳陣を排除すること」である可能性を指摘しました。

ロシア軍が迫る中、首都を脱出したり地下鉄に避難する市民の姿

「戦争が始まった。逃げないと…」

キーウでは、24日早朝からの爆発音と黒煙に市民が驚き、不安な1日を過ごすことになりました。

市民たちは地下鉄駅に避難する姿や、銀行から現金を下ろすための長い行列が目撃されています。キーウの日本語教師であるイリーナは友人からの連絡でロシア軍が侵攻してきたのをを知り、衝撃を受けたといいます。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に推計によれば、ウクライナで住宅を追われた避難民は24日時点で10万人に上り、数千人が隣国へと逃れたとされています。

Inside Edition/YouTube

【2日目】重大局面!ロシア軍が首都の近くの空港を制圧……さらに首都に侵入

ウクライナは、ロシアの侵攻から2日目の2月25日に、この戦争での重体な局面を迎えることになりました。

BBC News/YouTube
ゼレンスキー大統領、首都にとどまる意向を表明

2月25日午前0時30分、ウクライナのゼレンスキー大統領は、公式SNS上の演説でロシアの転覆団体が首都キーウに進入し、自身と家族がその主要な標的であることを明らかにしました。

ゼレンスキーは「ロシアのサボタージュ(転覆)団体が首都キーウに進入したという情報が入った。彼らは私を第一の目標とし、私の家族が2番目」と語り、「国家元首を破壊することで政治的にウクライナを破壊しようとしている」と指摘しました。

さらに、「ウクライナ人と共に戦う人が見えない。単独で残されて戦っている」とウクライナ国民が孤独さを国際社会に訴えました。

その上で、「中央政府の業務に必要なすべての人と共に残っている。キエフ市民は注意を払って通行禁止令に従ってほしい」と語り、「私は首都に留まる。家族もウクライナにいる」と強い決意を持って宣言しました。

The Independent/YouTube
キーウ市街で大爆発、市長は「戦時状態」を宣言

英国の新聞、ガーディアン電子版は2月25日、ウクライナの首都キエフの市街地で同日早朝に複数の爆発音が確認されたと報じた。ウクライナの政府関係者によれば、午前4時25分頃に2回の大きな爆発が発生したといいます。

さらに、ウクライナのローカルメディアは、キーウのクリチコ市長が、市が現在「戦時状態」にあると宣言、「破壊工作部隊が既に市内に侵入している」との重大な情報を公表したと伝えています。

Guardian News/YouTube
ロシア軍機を撃墜、集合住宅の近くに落下

ウクライナ軍は、キーウでロシアの軍用機または無人攻撃機を撃墜したと発表しました。ゲラシチェンコ内務相顧問は、敵機がウクライナ軍のミサイル防衛システムによって撃墜されたと確認し、市内で聞こえた爆発音が、この撃墜の音であったと明かしました。

撃墜された機体は、集合住宅に墜落し、その結果ビルが炎上。クリチコ・キーウ市長によると、この事故により少なくとも3名の住民が負傷し、さらに建物の崩落の危険が生じているといいます。ヘラシチェンコ内務相補佐官は、撃墜されたロシア航空機の墜落後の状況をテレグラム・チャンネルで共有しました。

ロシアはウクライナの航空機と主張

このウクライナ側の発表を受け、ロシア国防省の関係者はキエフ上空で撃墜された航空機について、ウクライナ側のものであるとの立場を示し反論しました。

「最も厳しい1日になる」ロシア軍の戦車が今日にも首都を攻撃する見通し

「ロシアの軍事行動を受けて、今日がこの危機の中で最も厳しい日になると予想している」

ウクライナのヘラシチェンコ内相顧問が、記者会見を通じて、ロシア軍の戦車が今日にも首都キーウに向けて攻撃を開始する可能性があると強く警告、市民や関係者に対して最大限の警戒を求めました。

ロシア軍が首都入り、市内で戦闘が勃発

その後、キーウの中心部から北へ約10キロの場所にあるオボロン(Obolon)地区に、ロシア軍の戦車が初めて進入、同時に銃声が響き渡りました。

The Telegraph/YouTube
火炎瓶で攻撃することを呼びかける

これを受けて、ウクライナ国防省はTwitterを通じて、ロシア軍の軍用車両が首都キーウの北部に位置するオボロン地区に進入したと正式に発表しました。

ウクライナ国防省は直ちに地元住民への警戒を呼びかけ、モロトフカクテル(火炎瓶)を用意して応戦するよう要請しました。

ロシアの工作員との銃撃戦

オボロン地区で、ロシア軍の先遣隊と推定される部隊とウクライナ軍との間で衝突が発生。これがこの戦争で、キーウ市内で始めての市街戦になりました。

地域内では銃声や爆発音が連続して響いた。住民らはこの突如として始まった戦闘に驚き、安全を求めて避難を始めたとの情報もある。

ウクライナ国防省はこの銭湯について公式にコメントし、「敵の工作・偵察部隊」による行動が衝突の原因となったと発表しました。現地の情勢は依然として不透明であり、住民らはロシア軍の更なる侵攻や市内での包囲戦の発生を懸念していました。

政府はSNSにウクライナ軍の情報を投稿しないように要請

オボロン地区での戦闘の中で、ウクライナ軍は市民に対して、軍の活動や配置に関する情報のSNSへの投稿や撮影を控えるよう強く要請しました。

同様に、ウクライナ政府もキエフの状況をリアルタイムでネット上に配信している者たちへの警告を発しました。政府は、「ウクライナ軍の状況を敵に知らせることになり、軍の戦略や動きを危険にさらす可能性がある」として、これらの活動の中止を緊急に呼びかけたのです。

また政府はオボロン地区の住民に対して、活発な軍事行動を避けるために自宅にとどまるよう指示しました。

ロシア軍がキーウ近郊の空港を制圧、首都陥落のカウトダウンが始まる

ここで、この日最大の危機が訪れました。

それは、ロシア国防省が、ウクライナの首都キエフから北西約30キロに位置するホストメリ空港を空挺部隊を用いて制圧したという発表でした。

国防省はこの作戦において、ウクライナ側の防空システムを無効化した上で、200機以上のヘリコプターで部隊を投入したと述べました。さらに、ウクライナ軍の戦闘機5機、ヘリコプター1機、無人攻撃機5機を撃墜し、118カ所の軍事施設を使用不能にしたと主張しました

さらに、この戦闘でウクライナ軍の200人以上が死亡し、キーウの西側を封鎖する形で部隊を展開しているといいます。

続々とロシアの増援部隊が入ってきてしまう事態に陥る

実は、ロシアのエリート空挺部隊がこの空港にヘリコプターで降下したのは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の初日でした。

ホストメリ空港の制圧は、大量の兵士の迅速な展開や物資の補給を容易にする戦略上の鍵とされていました。

制圧が成功すれば、大型輸送機を用いて大量の部隊や装備を迅速に投入することが可能となるからです。この動きは、ロシアのプーチン大統領が短期決戦を目指し、ウクライナに迅速な降伏を迫るという戦略の一環と見られています。

現地の情勢からみて、ロシア軍の地上部隊も続々と到着しており、首都陥落は時間の問題と考えられていました。

CityNews/YouTube
ゼレンスキー大統領が首都から逃亡したとの噂を完全否定

「われわれは皆ここにいて、わが国の独立性と国を守っている」

ゼレンスキー大統領は、日没後のキエフ中心部で、自身と大統領首席補佐官、首相、議会多数派トップと共に撮影した動画を公開し、自分たちがキエフに留まっていることを示ました。

この動画は、ロシアのメディアがゼレンスキー大統領が首都キーウから逃亡したという噂を拡散していたことによる反証として公開されたものとみられています。また、ゼレンスキーのこの行動は、国民や国際社会に対して、自分とウクライナ政府が首都の防衛の最前線で立ち向かっていることを示すものにもなりました。

The Telegraph/YouTube
地下鉄駅に避難する住民の姿

ロシアによるウクライナ侵攻が進行する中、キーウの住民たちは自身の将来に対する不安と絶望に襲われていました。キーウ当局は市民に自宅に留まり、必要に応じてすぐ避難するよう呼び掛けていますが、多くの人々が安全を求めて地下鉄駅へと殺到していたのです。

24日から、寝袋や食料を持った家族や子連れの住民が地下鉄の駅に避難。彼らは駅の階段やホームで夜を過ごすこととなりました。特に子供を持つ家族の間で、「誰に助けを求めればよいのか」という絶望的な気持ちが広がっていました。

ウクライナ・ロシア、停戦のための協議を検討

ロシアが圧倒的な軍事力でウクライナに侵攻する中、ゼレンスキー大統領は「これ以上の犠牲者を出すことを防ぐため」として、ロシアのプーチン大統領に交渉の席に着くことを呼び掛けました。

この呼び掛けに応え、ロシアのペスコフ大統領報道官は、プーチン大統領がベラルーシの首都ミンスクに代表団を派遣する意向であることを明らかにしました。この代表団は、ロシアの国防省、外務省、大統領府の代表から成るとされています。また、ロシアのプーチン大統領は「ウクライナとのハイレベル交渉を望む」との立場を示しました。

Espreso.TV/YouTube
ロシアとウクライナ、初の首脳協議の見通し

この呼び掛けに対し、ロシアのペスコフ大統領報道官がモスクワで応答。プーチン大統領がベラルーシの首都ミンスクに代表団を派遣する意向を示したと発表しました。この代表団はロシアの国防省、外務省、大統領府の代表から構成される予定で、プーチン大統領もウクライナとの高レベル交渉を望む意向を示していました。

実現すればロシアのウクライナ侵攻後、両国の首脳協議はこれが初めてとなる予定です。しかし、ベラルーシはロシアとの共闘関係にあり、ウクライナはその中立性について疑問視していました。

一方で、ロシアと友好関係にある中国の習近平国家主席はロシアの立場に一定の理解を示す一方で、ウクライナの主権を尊重するよう求めていました。

「今夜、ロシア軍は攻撃してくる……首都を失ってはならない」ゼレンスキー大統領

この日の深夜、ゼレンスキー大統領は、深夜の国民向けビデオ演説で、「ロシア軍が攻撃をしかけてくるだろう」と述べ、「首都を失ってはならない」と国民に団結を呼びかけました。

また、ウクライナの大統領報道官はフェイスブックで、ウクライナがロシアの停戦提案に応じる用意があることを発表しました。具体的な協議場所や日時については、現在交渉中であることが明かされました。ウクライナ側は、自国の安全を保証するようロシアに要求する方針であり、停戦交渉の場として親ロのベラルーシではなく、NATO加盟国であるポーランドの首都ワルシャワを主張しています。

ANNnewsCH/YouTube
ウクライナ軍の抵抗によりロシア軍の侵攻目標未達成

英国の国防省は、ロシア軍のウクライナ侵攻について、ウクライナ軍が激しい抵抗を示し、ロシアの初日の軍事目標が達成されなかった可能性があるとの見解をツイッターで発表。

ロシア軍は首都キエフの包囲を試みていますが、キエフ北部約150キロメートルに位置するチェルニヒウで、ウクライナ軍が侵攻を阻止していると指摘しました。

この日、ウクライナ軍はロシアの進軍を阻止するために橋を爆破していました。

この戦況にプーチンが苛立ち?ウクライナ軍にクーデターの呼びかけ

一方、侵攻を継続するロシアのプーチン大統領は、安全保障会議の冒頭で、ゼレンスキー政権を「薬物中毒者やネオナチ」として非難しました。さらに、ウクライナ軍に向けてクーデターを呼びかける発言を行いました。

これは、ウクライナ軍の激しい抵抗により、侵攻が進まないことへの焦りからの発言と見られました。

【3日目】ミサイル・砲撃でロシア軍が首都を攻撃、高層住宅にミサイル

2月26日、ロシア軍のウクライナへの侵攻は3日目に突入しました。ロシアはキーウの近郊にある飛行場を掌握しており、キーウの西方を封鎖していました。

ウクライナ軍は、キーウの南方バシリキーウで「激しい戦闘」が行われていると、フェイスブックで発表。

キーウの中心部では、多くの政府機関が所在する地域で銃声や砲撃音が鳴り響いていました。ロシア軍のキーウ制圧作戦に対して、ウクライナは市民兵も動員し、激しく応戦していました。

高層アパートにロシア軍のミサイルが着弾

26日朝、市内の高層アパートが攻撃されたことがインターネットに投稿された動画から確認されました。この攻撃により負傷者が発生したとの情報があり、非常事態当局は「負傷者数は確認中で、避難が進行中」と述べています。公開された映像には、アパートの周辺に散乱したがれきの中で、女性が他の人々に助けられている様子が映し出されています。

調査報道団体「コンフリクト・インテリジェンス・チーム」は、この攻撃はキーウ近郊の空港を狙ったものである可能性があると指摘。ウクライナのクレバ外相は、ロシアの地上部隊からのミサイル攻撃を受けたと主張し、国際社会に対し、ロシアを孤立させるよう強く訴えました。

ロイターの記者も、キーウの南西部にミサイルが2発撃ち込まれたことを確認し、そのうちの1発はジュリャーヌィ空港の近くで爆発したと報じました。

「住宅や社会インフラは標的にしていない」ロシアの主張

一方、ロシア国防省の報道官は、高層アパートへの攻撃後に「住宅や社会インフラは標的にしておらず、攻撃の対象は軍事施設のみ」との声明を発表しました。

SankeiNews/YouTube
「武器を捨てない」「領土・祖国・子供たちを守る」ゼレンスキー大統領がビデオ演説

「私たちは武器を捨てない。領土を、祖国を、私たちの子どもたちを守る」

ゼレンスキー大統領は、キーウに自身が留まっている姿を見せながらビデオで声明を発表、ウクライナが自国の領土と市民を守るために戦い続けることを強調しました。

INQUIRER.net/YouTube
首都と周辺の攻防戦はウクライナ側が優勢

ウクライナ大統領府の顧問、ポドリャクは、キエフおよびその近郊はウクライナ側の手中にあり、市内の一部でのロシア軍の活動にも対処しているとの立場を明らかにしました。

ウクライナ側はロシア軍の損害として1000人以上の死者が出ていると主張しているが、ロシア側からは具体的な死傷者数に関する公式な情報は発表されていません。一方、ゼレンスキー大統領は、24日時点でウクライナ側の損害として、兵士および市民合わせて137人が死亡し、数百人が負傷していると公表しています。

夜間外出禁止令を発令

キーウで、26日午後5時から28日午前8時までの期間、外出禁止令が発令されました。この措置は、ロシア軍の侵攻とそれに伴う市街戦の激化を背景に、市民の安全確保のために取られたものでした。この期間中、市民は外出を控えるよう求められました。

ГОВОРИТЬ ВЕЛИКИЙ ЛЬВІВ/YouTube
夜、ロシア軍がミサイル攻撃を実施

この日の夜、ロシア軍はウクライナの複数の都市にミサイル攻撃を実施。特に、首都キーウでは断続的に爆発音や銃撃音が市民の耳に入ってきました。

この攻撃に対し、ウクライナのゼレンスキー大統領はキーウの街中で動画を撮影し、ソーシャルメディアにアップロードした。その中でゼレンスキーは、「われわれは敵の攻撃に立ち向かい、これまでのところその攻撃を撃退することに成功している。戦いはまだ続いている」と述べ、ウクライナの抵抗の構えを強調しました。

この日の深夜には、ウクライナ軍がロシア軍のヘリコプターやスホイ25戦闘機を撃墜し、イリューシン76輸送機を破壊したと公式発表しました。

停戦交渉におけるロシアとウクライナの対立

停戦交渉について、ロシア側はベラルーシのゴメリに代表団が到着したと発表したが、ウクライナのゼレンスキー大統領は、侵攻拠点となっているベラルーシでの交渉を拒否し、他国での協議に応じる意向を示しました。

ロシアのペスコフ大統領報道官によると、25日午後にプーチン大統領がウクライナ政府との交渉が進む中で一時的に部隊の動きを停止する命令を出したが、ウクライナ側が交渉を拒否したため、26日午後には部隊が作戦計画に基づいた活動を再開したと述べました。

ロシア大統領府もプーチン大統領が攻撃を一時中止するよう指示した後、全方面での進軍が再開されたと発表しました。

これについて、ウクライナ政府はロシア軍の攻撃が実際には中止されていなかったと主張しました。

「25日午後にプーチン大統領が部隊の動きを一時停止する命令を出した」ロシアのペスコフ大統領報道官は、「25日午後にプーチン大統領が部隊の動きを一時停止する命令を出した」ことを。

この背景には、停戦に向けたウクライナ政府との交渉の動きがあったという。しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領はベラルーシでの交渉を拒否し、他国での協議にのみ応じる考えを示している。ペスコフ氏は、「ウクライナが交渉を拒否したため、26日午後に部隊は作戦計画に沿った活動を再開した」と述べた。

一方で、ロシア大統領府は、プーチン大統領が25日に攻撃中止を指示した後、ロシア軍は「全方面での」進軍を再開していると発表した。これに対し、ウクライナ政府は攻撃が中止されなかったと主張している。

【4日目】ロシア軍によるインフラ攻撃。首都に暗殺部隊が侵入

ロシアがウクライナに侵攻を始めてから4日目となった2月27日、ロシア軍はウクライナの主要都市を1つも制圧できていませんでした。ウクライナ第2の都市であるハリコフや首都キーウは、ロシア軍の猛攻撃にも関わらず抵抗を続けていました。

この日の未明、キーウ南方に位置する飛行場では燃料タンクが爆発し、大規模な火災が発生。この飛行場はキーウへの要衝であり、前日の26日にも近隣での戦闘が報告されていました。

同じく南方のバシリキーウ市の市長は、ロシア軍の夜間ミサイル攻撃により、市内の石油ターミナルで火災が発生したと公表しました。

さらに、ロシア軍との激しい戦闘が続くハリコフの東部では、27日未明にガスパイプライン施設が攻撃され、大きな爆発があったと報じられている。

ロシア軍が主要インフラを攻撃目標としていると、ウクライナ政府は警戒感を示しました。この攻撃は電力や暖房の供給を中断して住民をパニック状態に陥れる狙いがあると考えられています。

Guardian News/YouTube
「いくつかの大きな工作員グループを殲滅」クリチコ市長が報告

「キーウは引き続き防衛を続けており、ロシア軍は市内にいない」

キーウ市長のクリチコは、首都キーウがロシア軍の侵攻を阻止し続けていることを発表。ウクライナの治安機関職員や領土防衛部隊が工作員を摘発し、無力化したと述べました。この中で、前日の夜間に市内での銃撃戦があったが、これによりいくつかの大規模な工作員グループが排除されたと発表しました。

さらに、住民の安全を確保するために、月曜日の朝まで外出禁止令が敷かれていることを強調。市民に対し、「通りに出ることは避け、空襲警報がなる場合にのみシェルターに避難するように」と呼びかけました。

また、ロシア軍がキーウの住宅地を狙い砲撃を続けている現状とともに、「ロシアはウクライナ国民を殺害している!」と国際社会に強く訴えました。

前提条件なしで停戦協議

ゼレンスキー大統領は、ベラルーシとの国境地帯でロシアと「前提条件なしの」停戦協議を行う意向を明らかにしました。

ゼレンスキーは、ベラルーシの大統領アレクサンドル・ルカシェンコとの電話で、ベラルーシとウクライナの国境、プリピヤチ川付近で、ウクライナ代表団とロシア代表団が無条件で会うことに合意したと発表。さらに、「ルカシェンコ大統領がウクライナ代表団の安全を保証し、ベラルーシ領内での飛行機、ヘリコプター、ミサイルの活動を制限するとの確約を受けた」と述べました。

ロシア側は、代表団がベラルーシに到着したと発表。国営ロシア通信は、停戦協議が28日午前に始まる見込みだと伝えました。

この停戦協議に際して、ロシア側はあくまでウクライナに全面降伏を要求しており、交渉は難航すると予想されていました。

Espreso.TV/YouTube
ロシアの暗殺部隊400人がキーウに侵入

一方で、ロシアがキーウに暗殺部隊を派遣していることを、英紙タイムズが明らかにしました。

英紙タイムズによると、ロシアは首都キエフへ暗殺部隊400人を送り込んでおり、ウクライナのゼレンスキー大統領をはじめとする政府要人23人が標的になっていると伝えています。この“暗殺リスト”には、ウクライナ政府の閣僚全員の名前のほか、キーウ市長である元ボクシング世界王者のビタリ・クリチコの名も含まれています。

ロシアとウクライナは停戦交渉を行うことに合意していますが、タイムズ紙の報道によれば、ロシア側の傭兵部隊からはプーチン大統領が真剣に交渉する意図がないとの声も上がっています。また、ベラルーシ国境での交渉が実際は「巧妙なうそ」であるとの見方が示され、ゼレンスキー大統領自身も交渉には大きな期待を寄せていないことを表明しています。

ゼレンスキー大統領、キエフに留まり続ける決意を表明

ゼレンスキー大統領は、ロシアの特殊部隊から自身が暗殺目標ににされていることを認めるも、米国からの避難勧告を退け、首都キエフに留まることを宣言しました。ゼレンスキーは「私に必要なのは弾薬で、飛行機ではない」と述べ、国の防衛と市民の安全を守るために前線に立つ覚悟を示しました。

ゼレンスキー大統領のこの決断は、国内外からの強い支持を受けており、ウクライナ国民の士気を高めるとともに、国際社会に対する彼の決意の強さを印象づけるものとなりました。

【5日目】「首都占領作戦は失敗した」ウクライナが声明を発表

2月28日、ロシアのウクライナ侵攻が開始されてから5日目に入り、ロシア軍は首都キエフの郊外や南部の黒海沿岸の都市への攻撃を強めました。キーウでは夜に再び防空サイレンの音で鳴り響きました。ロシア軍の攻撃がキーウからわずか30キロの地点に迫っているとの報道もあり、多くの市民は地下鉄駅をはじめとする避難場所に駆け込みました。

ゼレンスキー大統領によると、侵攻開始からの5日間で、ロシアはウクライナに56発のロケット弾と113発の弾道ミサイルを撃ち込んだと発表しました。

ウクライナの通信社ウクルインフォルムの報道によれば、ゼレンスキー大統領は、ウクライナの上空をロシアのミサイル、航空機、ヘリコプターの飛行禁止区域にする必要があると述べる一方、具体的な実施方法については明らかにしていません。

ANNnewsCH/YouTube
停戦協議が始まるも……実現は不透明

ベラルーシ南東部で行われたロシアとウクライナの代表団による停戦協議は、協議の継続に合意しました。双方が一定の妥協を示唆し、協議が決裂することはありませんでした。しかし、ウクライナが求めるロシア軍の撤収と、ロシアが求めるウクライナの降伏や非武装化に関する双方の立場の隔たりは依然として大きく、停戦がいつ実現するのかは不透明でした。

「ロシア軍の占領工作はすべて失敗した」ウクライナが声明を発表

「キーウは依然としてウクライナの支配下にあり、ロシア軍の占領試みは全て失敗している」

ウクライナ軍は首都キーウの現状について高らかに宣言しました。これに対し、ロシアのタス通信はロシア国防省の声明として、「ウクライナ全土の制空権がロシアの手中にある」と報じました。

外出禁止令が解除

キーウでは、ロシアの継続的な攻撃を背景に36時間にわたる外出禁止令が設けられていましたが、今日でその禁止令が終了しました。この終了を受け、市民たちは生活必需品を求めてスーパーマーケットに殺到。特に、市内の3つのスーパーマーケットでは非常に長い待ち行列ができており、商品の棚は急速に空になったといいます。この状況を目の当たりにしたCNNの現地プロデューサーは、市民の生活に対する緊迫感を伝えました。

ウクライナの抵抗にプーチンに焦りの色が!?

当初、ロシアのウクライナ侵攻はあっという間に決着がつくものと見られていました。しかし、侵攻が5日経っても、ロシアはウクライナの主要都市を一つも落とすことが出来ていませんでした。

21世紀軍事研究所のリュ・ソンヨプ研究委員によれば、ウクライナ国防省の情報を基に、ロシアの戦車146台と装甲車706台が破壊されたと指摘。これえは、動員されたロシア軍の大隊戦術団の約30%に相当する大きな損失であるとの見方を示しました。

大隊戦術団は、ロシア軍の臨時部隊編成で、戦車、装甲車、砲兵、防空、工兵、通信、医務などを含む大隊規模の部隊です。ロシアはこの戦争で160の大隊戦術団を動員し、その中から100を戦闘に投入したが、わずか3日間で約30%の損失を受けることになりました。

この状況は、ウクライナが強大なロシアの軍事力に対して、当初の予想以上に善戦していることの証明になりました。

プーチン大統領、ウクライナ侵攻で大誤算

この状況に苦戦を強いられているのが、ロシアのプーチン大統領でした。プーチン大統領は2日間でキーウを占領し、ゼレンスキー政権を打倒、ロシアがコントロールするウクライナの建設を夢見ていましたが、これらの試みは全く成功しなかったのです。

ロシアは約19万人という大規模な兵力を動員して侵攻を行いながら、ウクライナ軍の徹底抗戦により、首都キーウには決定的な打撃を与えることができていません。

軍事専門家もこの展開に驚きを隠せませんでした。これはすでに侵攻の初日の2月24日から始まっており、ロシア軍はキーウ近郊の空港を急襲したが、戦術ミスにより、ウクライナ軍によって輸送機を1機撃墜され、精鋭とされる空挺部隊は退けられました。

ロシア軍はその後、民間人の居住区域に対して攻撃を行い、都市を破壊しましたが、制圧に成功した都市は一つもありませんでした。

情報戦での敗北と想定外の展開

国際ジャーナリストの春名幹男は、2014年のクリミア併合の際のように、特殊部隊での攻略が可能と過度に楽観的に考えていたのかもしれないと指摘。加えて、ウクライナがロシアの情報網(スパイネットワーク)を寸断していた可能性もあると述べています。

侵攻直後には、キーウ北部で活動していたロシアの工作員が殺害された事件も発生。ツイッターには、捕虜となったロシア兵が「訓練と聞かされていた」「本当の目的を知った時は行きたくなかった」と語る映像が拡散されました。

また、春名幹男は、ロシアのウクライナ侵攻がソ連時代のアフガニスタン侵攻のように泥沼化するリスクがあると指摘。もし侵攻が長期化すれば、ロシア国内の反戦ムードが高まり、欧米諸国はウクライナ軍への支援を続けることになり、プーチン大統領の意図した結果とは真逆の展開になる可能性があると述べました。

戦術的誤算と混乱

また、ロシア陸軍の兵站に関する問題も発生していました。数十キロメートルにわたる車列の停滞や、ドローンや砲撃にさらされる兵站車両の映像がSNSを通じて世界中に広まり、ロシア軍の戦術的な誤算や状況の混乱が明らかになってきた。

2022年4月2日、ロシア軍がキーウから撤退

結局、7週間にわたる攻撃の中で、ロシア軍は首都キーウを占領することができず、大きな損害を受けることになりました。戦略の変更を余儀なくされたロシアは、当初の大義名分である「東部の解放に集中する」と発表。4月2日にキーウからのロシア軍が撤退していきました。

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現地での撮影写真、多数収録! 数々のスクープ写真で知られる報道カメラマンの不肖・宮嶋こと宮嶋茂樹さん。 2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、日本メディアのほとんどが現地入りを躊躇していた3月5日、ポーランドから陸路でウクライナ入り。 3月12日にはロシア軍が13キロまで迫っていたキーウへ。以降4月17日に出国するまで、ブチャ、イルピンなど各地で取材を続ける。 5月中旬には再びウクライナへ。東部ハルキウを取材。 激戦地の取材から見えてきた「戦争の真実」とは?(「Books」出版書誌データベースより)
【ウクライナ危機(58)】プーチンの計画失敗!?ウクライナ、キーウ州の完全解放を宣言!

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