【ウクライナ危機(20)】ロシア軍が国境に集結!バイデンの後ろ盾を持ったゼレンスキーは断固たる意志を示す『クリミア・プラットフォーム』

【ウクライナ危機(20)】ロシア軍が国境に集結!バイデンの後ろ盾を持ったゼレンスキーは断固たる意志を示す『クリミア・プラットフォーム』

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【ウクライナ危機(19)】「新型コロナウイルス」「ドンバス紛争」「経済危機」混沌とした情勢の中でゼレンスキーの支持率が低下『政党 国民のしもべ敗退』
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ロシア帝国やソヴィエト連邦のもとで長く忍従を強いられながらも、独自の文化を失わず、有為の人材を輩出し続けたウクライナ。不撓不屈のアイデンティティは、どのように育まれてきたのか。スキタイの興亡、キエフ・ルーシ公国の隆盛、コサックの活躍から、一九九一年の新生ウクライナ誕生まで、この地をめぐる歴史を俯瞰。人口五〇〇〇万を数え、ロシアに次ぎヨーロッパ第二の広い国土を持つ、知られざる「大国」の素顔に迫る。(「BOOK」データベースより)

Biden’s support to Ukraine

一気に軍事的緊張が高まる・・・。緊迫のウクライナ情勢

Roundtable/YouTube

ウクライナとロシアの間で 2021 年 3 月から 4 月にかけて、軍事的緊張が高まった。2014 年から軍事紛争が 続くウクライナ東部(ドンバス地域)に近いロシア領内ヴォロネジ州などで、ロシア軍が集結し、軍事紛争の 危険が高まっていると広く報じられた。

2021 年春のウクライナにおけるエスカレーション危機(p.1)/山添 博史.防衛研究所.2021

 ウクライナ政府軍は親露派の攻撃が「単なる挑発から(兵士などの)標的を狙った銃撃に変わってきた」と批判している。一方、親露派はウクライナ軍が「前線近くの軍備を増強している」と反論しており、3月3日にはウクライナ軍をけん制するための先制攻撃を部隊に許可した。

ウクライナ、停戦違反増 1月以降7000件 戦闘再燃の恐れ/毎日新聞.2021

加えて、最近、ロシアによるウクライナでの侵略行為を正当化するようなプロパガンダ・キャンペーンが活発化している。

ペスコフ露大統領報道官、ロシア軍のウクライナ国境集結にコメント/ウクルインフォルム通信.2021

ゼレンスキーにとっての後ろ盾?バイデンが合衆国大統領に就任!!

Biden Inaugural Committee/YouTube

2021年、米国にバイデン政権が誕生する。

ロシアは、なぜウクライナに侵攻したのか/一般社団法人 霞関会.2022
「ウクライナのNATO加盟を支持」副大統領時代から何度もウクライナを訪問

バイデン大統領は副大統領時代、ウクライナを6回訪問し、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を支持した後ろ盾だ。

「どんな国も容赦しない」異常なほど欧米に牙を剥くプーチン大統領の”次の標的”/PRESIDENT Online.2021

(前略)ウクライナ問題に全く関心のなかったトランプ大統領に比べウクライナを熟知する大統領の誕生は、ウクライナにおいて歓迎された。

ロシアは、なぜウクライナに侵攻したのか/一般社団法人 霞関会.2022
ゼレンスキーとの電話会談で「揺るぎない支援」を確約
ТСН/YouTube

4月2日にはバイデン米大統領がゼレンスキー氏との電話会談を行い、「揺ぎない支援」を確約。5日には米国務省がロシアに国境地帯でのウクライナへの「挑発」について説明を求めたと発表するなど、米国もロシアを牽制する意図を明確にしている。

緊張高まるウクライナ東部、停戦違反10倍に 米露が牽制合戦/産経ニュース.2021

5月にはブリンケン国務長官がキエフを訪問し、ウクライナの領土保全、主権を擁護した。

「どんな国も容赦しない」異常なほど欧米に牙を剥くプーチン大統領の”次の標的”/PRESIDENT Online.2021
甘かった?トランプ大統領時代のロシア対応

ロシアに甘いとされたトランプ前大統領は、実現こそしなかったが、米国が議長国だった2020年にプーチン大統領をG7サミットに招待したい考えを表明したほどだった。

【地球コラム】ロシア軍演習で一触即発/JIJI.COM.2021

米政権が交代したことで、国際社会も「トランプ前」に戻った。G7は併合7年の節目である3月18日にロシアを非難する声明を発表。「ロシアはウクライナの主権と領土一体性を侵害し続けている」「クリミア半島はウクライナだ」と改めて確認した。

【地球コラム】ロシア軍演習で一触即発/JIJI.COM.2021

 ちなみに、バイデン大統領はその前日、3月17日放映のABCニュースのインタビューで、ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏毒殺未遂事件に絡み、質問に答える形で「(プーチン大統領は人殺しだと)思う」と発言している。ウクライナ情勢と直接関係はないものの、プーチン政権の対米不信に拍車を掛ける結果となった。

【地球コラム】ロシア軍演習で一触即発/JIJI.COM.2021

ゼレンスキー大統領がクリミア奪還を目指す方針を発表

 ウクライナのゼレンスキー大統領は3月中旬、クリミア奪還を目指す姿勢を強く打ち出し、クリミアをめぐる国際首脳会合を提唱した。

露軍、国境地帯から「撤収」 米は「行動を注視」/産経ニュース.2021
方針転換はバイデン大統領や国際社会の支援があったから?

 ゼレンスキー大統領は併合後にウクライナ東部で始まった政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘の停止を優先してきたが、昨年7月の和平協定も実効性は薄い。そんな中、対露強硬姿勢をみせるバイデン米政権の後ろ盾や幅広い国際支援に期待し、正面から奪還を目指す戦略に転換したとみられる。

【主張】クリミア併合7年 奪還へ国際的共闘強めよ/産経ニュース.2021
ロシアはクリミアの実効支配を強めてきた

ロシアはこの7年間余り、クリミア半島の軍備を増強し、実効支配を強化し続けてきた。6月には黒海のクリミア沖を航行した英海軍の駆逐艦がロシア軍の警告射撃を受けた。黒海やアゾフ海の現状がロシアによって力で変更され、航行の自由が奪われている。

【主張】クリミア会議 「領土」で国際連帯を示せ/産経ニュース.2021
クリミアでは人権侵害・タタール人の弾圧……投獄。

人権侵害も深刻だ。併合に異を唱える人は容赦なく投獄されており、14年以降に半島からの移住を余儀なくされた人は約4万8千人にのぼる。半島のイスラム系先住民族、クリミア・タタール人の民族組織「メジュリス」が活動を禁止されるなど、タタール人への弾圧はとりわけ苛烈である。

【主張】クリミア会議 「領土」で国際連帯を示せ/産経ニュース.2021
ゼレンスキーが発表した新国家戦略「クリミア・プラットフォーム」

同大統領は3月16日、ツイッターに「クリミア・プラットフォーム」と名付けた「クリミアの脱占領と再統合に向けた新国家戦略」を提唱し、これに賛同する首脳の会議を「ウクライナ国旗の日」である祝日の8月23日に首都キエフで開く計画を発表した。

【主張】クリミア併合7年 奪還へ国際的共闘強めよ/JAPAN Forward.2021

ゼレンシキー大統領は、「7年前、ロシアは、クリミアにて偽住民投票を行った。ウクライナは、占領開始以降初めて、クリミア半島脱占領・再統合戦略を作成した。私たちは、ウクライナのものをウクライナへ戻すべく、クリミア・プラットフォームにて世界を団結させる。クリミアはウクライナである」と書き込んだ。

ゼレンシキー大統領「クリミア・プラットフォームにて世界を団結させる」/ウクルインフォルム通信.2021

 招請を受けたバイデン米大統領は2月末の声明で、「米国はロシアの侵略的な行動に対し、ウクライナと共に闘う」と誓約した。同時に、米国防総省はウクライナに対し、武器供与や軍事訓練援助などで1億2500万ドルを拠出する方針を明らかにした。先進7カ国(G7)外相も今月18日の共同声明で「(ロシアは)ウクライナの主権と領土の一体性、独立性を侵害し続けている」と非難し、制裁継続を確認した。

【主張】クリミア併合7年 奪還へ国際的共闘強めよ/産経ニュース.2021
逆にロシアはクリミア併合の成果を絶賛

ロシアがウクライナ南部のクリミア半島を編入するきっかけになった住民投票から丸7年になる21年3月16日には、ロシア外務省報道官のコメントを翻訳して紹介する形で、ウクライナ政府の抗議を

在京中国大使館「米国の一部政治屋は科学を無視」 ウイグル問題めぐりツイート/J-CASTニュース.2021

「失った手足の『幻肢痛』についてウクライナ政府が他の国々といかなるプラットフォームで話し合おうとも、2014年の国民投票で採択した決定をクリミア住民が変えることはない」

在京中国大使館「米国の一部政治屋は科学を無視」 ウイグル問題めぐりツイート/J-CASTニュース.2021

などと一蹴。ロシア国旗の絵文字つきで

在京中国大使館「米国の一部政治屋は科学を無視」 ウイグル問題めぐりツイート/J-CASTニュース.2021

「クリミアがロシアに再編入して7年間で、半島では多くの改善が見られました」

在京中国大使館「米国の一部政治屋は科学を無視」 ウイグル問題めぐりツイート/J-CASTニュース.2021

などと編入の正当性を主張した。

在京中国大使館「米国の一部政治屋は科学を無視」 ウイグル問題めぐりツイート/J-CASTニュース.2021

ウクライナ東部の国境とクリミアにロシア軍が集結

WION/YouTube

親ロシア勢力とロシアは雪解けを待って本格的な戦闘を再開させるのではないかと噂されていたが、現地メディアや米メディアはロシアは演習を装い地上軍をウクライナ東部に移動させている報じて注目を集めている。

武力衝突の懸念、ロシアがウクライナとの国境沿いに発表以上の部隊を集結中/航空万能論GF.2021

ウクライナ軍のルスラン・ホムチャク総司令官は3月30日に議会に対して行った報告のなかで、ロシアが国境沿いやクリミアに28個大隊をすでに駐留させ、さらに25個大隊を増強配備する可能性があると説明した。ロシアのタス通信も4月2日、ウクライナ国境地帯を管轄するロシア南部軍管区が、約15,000人の兵力を擁する50個以上の大隊が無人航空機(ドローン)の攻撃などを想定した演習を行うと発表し、部隊集結を認めた。

ロシア・ウクライナ情勢が緊迫化するなかトルコが再びシリア反体制派の傭兵としての派遣を準備か?/Yahoo!ニュース.2021

ロシアの軍事情報の分析グループ「CIT」は4月8日、国境から約250キロ離れた南西部ボロネジ州に新たな軍の拠点が設けられたと指摘した。

ロシア軍8万人、ウクライナ国境に集結 本格的武力衝突に懸念/毎日新聞.2021
親ロシア派・ウクライナ軍の両者が東部でドローンの運用を開始

実際のところロシア軍は年明けから親ロシア勢力が支配するドンバス地方に電子妨害装置や無人航空機を持ち込み運用を行っていることがウクライナ軍によって確認されており、ウクライナ側もトルコから導入した無人航空機「バイラクタルTB2(12機保有中で48機を追加導入する予定)」を東部に移動させるなど両軍とも水面下で戦力増強に努めているので、雪解けととも戦闘が再開されたとしても不思議ではない。

武力衝突の懸念、ロシアがウクライナとの国境沿いに発表以上の部隊を集結中/航空万能論GF.2021
「東部で大虐殺が起きる」ロシアが主張

ロシアのコザク大統領府副長官は首都モスクワで、現在の分離独立派が置かれた状況を、1995年に旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナのスレブレニツァで約8000人のイスラム教徒が犠牲になった虐殺事件になぞらえて語った。

ウクライナ東部で軍と分離独立派の緊張高まる、ロシア高官が介入の可能性を示唆/BBCニュース.2021

「大統領が言うように、スレブレニツァ(の虐殺)と同じことが起きているのなら、我々は彼らを守りに行かなくてはならないだろう」

ウクライナ東部で軍と分離独立派の緊張高まる、ロシア高官が介入の可能性を示唆/BBCニュース.2021

プーチン大統領は2019年、ウクライナが保証なしにドンバスの完全な支配権を取り戻した場合、ロシア語話者の住民がスレブレニツァのような大虐殺に遭うかもしれないと、初めて示唆した。

ウクライナ東部で軍と分離独立派の緊張高まる、ロシア高官が介入の可能性を示唆/BBCニュース.2021

しかし、そのような残虐行為が計画されているとの報告はない。

ウクライナ東部で軍と分離独立派の緊張高まる、ロシア高官が介入の可能性を示唆/BBCニュース.2021
ロシア軍は徐々に増加10万人以上に膨れ上がる

 3月末の米紙ニューヨーク・タイムズの報道によると、ロシア軍は対ウクライナ国境付近で演習を終えた後、その場にとどまり続けた。兵力は推定約4000人。数は次第に膨れ上がり、ウクライナ政府が4月中旬に明らかにしたところでは、ロシアが併合したクリミア半島を含め、集結したロシア軍は8万~11万人と言われた。EUは10万人以上と見積もっている。

【地球コラム】ロシア軍演習で一触即発/時事ドットコム.2021

ロシア軍の規模は7年前のウクライナ危機後で最大に膨れ上がり、いわば「第2次ウクライナ危機」の様相を帯びた。

【地球コラム】ロシア軍演習で一触即発/時事ドットコム.2021
ロシアは一連の動きをあくまで“軍事演習”

 この展開についてロシア側は、部隊は演習をしているのであり、誰に対する脅威でもない、と言ってきた。

ロシアが演習でウクライナを「恫喝」した狙い/WEDGE Infinity.2021

プーチン政権の表向きの説明は「軍事演習」だが、それを隠れみのに2014年にウクライナに軍事介入したことは記憶に新しい。国境付近でロシア軍のプレゼンスを高めて緊張状態に持ち込み、相手の先制攻撃を誘発して「反撃」に踏み切る戦術は、2008年のジョージア(グルジア)紛争で証明済みだ。

【地球コラム】ロシア軍演習で一触即発/時事ドットコム.2021
G7が共同声明でロシアを批判

日本も人ごとではなく、先進7カ国(G7)外相は4月12日、ウクライナ情勢を「深く懸念する」としてロシアを批判する声明を出した。

【地球コラム】ロシア軍演習で一触即発/時事ドットコム.2021

G7は今回も、ウクライナの独立や主権、領土保全を支持する立場を強調した。

ロシアに「深い懸念」、G7外相が声明 ウクライナ情勢/朝日新聞デジタル.2021

声明ではロシアによる「大規模な軍隊(の増強)の動きは、事前の通知がなく脅迫的だ」と指摘した。ロシアに対して軍事活動の透明化について欧州安保協力機構(OSCE)の原則を守るように求め、「国際的な義務に沿って直ちに緊張を緩和する」よう要求した。

G7、対ウクライナのロシア部隊増強に懸念/日本経済新聞.2021

 ロシア側は、挑発しているのはウクライナ側との立場で、演習を名目に軍を国境付近などに集結させてきた。今回のG7声明にも強い反発が予想される。

ロシアに「深い懸念」、G7外相が声明 ウクライナ情勢/朝日新聞デジタル.2021
さらに増え続けるロシア軍……12万以上が国境に集結
DW News/YouTube

4月20日、ウクライナのクレバ外相は、ロシアがウクライナとの国境付近に集結させている軍部隊は近く12万人を超えるとの見方を示し、事態悪化を防ぐため、西側諸国に対し一段の対ロシア制裁の発動を呼び掛けた。

ロシア、国境の軍部隊近く12万人超 欧米は制裁を=ウクライナ外相/REUTERS.2021
“軍事演習”が終了したロシア軍が撤収

DW News
/YouTube

4月23日、ロシアのショイグ国防相は、演習は終わったとして部隊に撤収を命じた。

ロシアが演習でウクライナを「恫喝」した狙い/WEDGE Infinity.2021

 「(演習の)目的を完全に達成し、国防能力を実証した」。ロシアのショイグ国防相は22日、クリミア半島であった軍の会合でそう述べ、同半島と国境周辺の増強部隊に5月1日までの引き揚げを命じた。

米と会談したいから? ロシア、軍をクリミアから撤収へ/朝日新聞デジタル.2021

ただ、演習に使った装備品は、年内に計画されている次回の大規模演習に備え、ウクライナ国境から遠くないボロネジ市の演習場にとどめる。

ロシア、ウクライナ国境の増強部隊撤収 「査察は終了」/REUTERS.2021

 ロシア通信各社が伝えた国防省の声明によると、「軍部隊や編隊は現在、鉄道駅や飛行場に向かって行進しており、揚陸艦や輸送機に乗り込み、駅のプラットホームに集まっている」という。

ロシア軍、ウクライナ国境地帯から撤収を開始 国防省発表/AFPBB News.2021
ロシアはNATO軍とウクライナの軍事演習を警戒

ショイグ国防相は22日の会合で「この地域では北大西洋条約機構(NATO)軍の行動がきわめて活発になっている」と批判し、「好ましくない状況に発展した場合には直ちに対応できる準備態勢を維持する」と強調した。

ロシア国防相、ウクライナ国境からの軍撤収を命令/日本経済新聞.2021

ショイグ国防相が警戒するのは、米主導のNATO軍が欧州各地で大規模に実施している軍事演習「ディフェンダー・ヨーロッパ2021」だ。この軍事演習にはウクライナも参加している。南西部に集結したロシア軍はNATO軍の動きをけん制しつつ、14年から続くウクライナ東部紛争に再び介入する可能性を探っていたとみられている。

ロシア国防相、ウクライナ国境からの軍撤収を命令/日本経済新聞.2021
NATOは状況について「引き続き緊密に注視していく」

北大西洋条約機構(NATO)当局者は、ロシア軍部隊の撤収は重要とし、「NATOは引き続き緊密に注視していく」と述べた。

ロシア、ウクライナ国境の増強部隊撤収 「査察は終了」/REUTERS.2021
プーチンはゼレンスキーに対して「彼にとって都合の良い時にいつでも迎え入れる用意がある」

部隊の撤収命令が出された後、プーチン氏は記者団に対し、「ウクライナ大統領を、彼にとって都合の良い時にいつでも迎え入れる用意がある」と述べた。

ロシア国防相、ウクライナ国境付近の部隊撤収を指示/BBCニュース.2021
アメリカは事態を見守る姿勢

米国務省のプライス報道官は、ロシア側の発表を承知しており、国境の状況を注視していると表明。「言葉は聞いたが、われわれが求めているのは行動だ」として、事態を見守る姿勢を示した。

ロシア、ウクライナ国境の増強部隊撤収 「査察は終了」/REUTERS.2021
ゼレンスキーは撤収を歓迎、一方で警戒を続ける

先に紛争地帯での会談をロシアのウラジーミル・プーチン大統領に持ちかけた、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、国境での緊張状態を「引き下げる」ロシア側の決定を歓迎した。

ロシア国防相、ウクライナ国境付近の部隊撤収を指示/BBCニュース.2021

 ウクライナのゼレンスキー大統領の補佐官の一人は、撤退が正確に何を意味するのか確かではないと注意喚起した。彼は「撤退は歓迎されるが、最近の数か月と過去数年の前例のないロシア軍の増強を見ると、撤退声明が何を意味するのかはっきりしない、まだこの件がどう展開するか、予見するのは難しい」と述べている。

ロシアが演習でウクライナを「恫喝」した狙い/WEDGE Infinity.2021
残る戦闘の火種

ロシアがウクライナとの国境付近に部隊を派遣し、大規模な演習を実施した。ウクライナ東部では政府軍と親ロシア派の武装勢力が散発的な戦闘を繰り返しているだけに一気に緊張が高まった。その後ロシアは部隊を撤収し始めたが、ロシアからの圧力は強いままで、火種が消えることはない。

ウクライナは第2のジョージアか ロシア部隊展開の真意/日本経済新聞.2021

「対話から圧力へ」2年目に入ったゼレンスキー政権の対ロシア戦略

UATV English/YouTube

ウクライナの大統領は5月20日、就任から2年を迎えた。ゼレンスキー氏は就任当初、同国東部で続く親ロシア派武装勢力との紛争やロシアによるクリミア半島併合問題を、ロシアとの対話を通じて解決する意欲を示していた。しかし成果を出せず支持率が低迷する中、最近の同氏は対話路線を転換し、欧米を後ろ盾とした対露圧力の強化でロシアに譲歩を迫る方針を強く打ち出している。ただ、ロシアは一歩も引かない構えで、ゼレンスキー氏が現状を打開できる公算は大きくないのが実情だ。

【ロシアを読む】対話から対露対決に舵 ウクライナ大統領就任2年/毎日新聞.2021
メドベドチュクの名前を上げ汚職撲滅の意思を表明

「プーチン(露大統領)の親密な友人であるメドベドチュクのようなオリガルヒ(新興財閥主)は往年の影響力を持っていない。われわれは100人(オリガルヒ)のためでなく、4000万人(国民)のための国をつくるのだ」

【ロシアを読む】対話から対露対決に舵 ウクライナ大統領就任2年/毎日新聞.2021

ゼレンスキー氏は5月20日、就任2年に合わせた記者会見でそう述べ、ウクライナの宿弊となってきたオリガルヒによる汚職の撲滅と、ロシアの影響力排除を進める意志を強調した。

【ロシアを読む】対話から対露対決に舵 ウクライナ大統領就任2年/毎日新聞.2021

メドベドチュク氏は露政財界にも人脈を持つウクライナの富豪で、かつ親露派有力野党「野党プラットフォーム」の党首。これに先立つ11日には、ウクライナ検察当局がメドベドチュク氏を国家反逆罪などで刑事訴追したと発表していた。発表によると、同氏はロシアによるクリミア併合を受け、自身の関連会社が保有していたクリミアのガス田の採掘権をロシア側に譲渡したとされる。メドベドチュク氏は「政治弾圧だ」と反発している。

【ロシアを読む】対話から対露対決に舵 ウクライナ大統領就任2年/毎日新聞.2021
EU・NATOの加盟を目指す

当初はロシアとの対話を目指したが、親露派武装勢力やその後ろ盾のロシアとの和平協議が行き詰まり、北大西洋条約機構(NATO)などへの加盟を目指す親欧米路線を強めている。一方、ロシアは軍事的な圧力を強化して対抗する構えだ。

ウクライナ大統領就任2年 親欧米に露圧力強化/毎日新聞.2021

プーチンと親交があるメドベチュクが国家反逆罪で逮捕

ТСН/YouTube

 ウクライナ検察は5月、親露派政党幹部で大富豪のビクトル・メドベチュク氏を国家反逆容疑で逮捕した。プーチン大統領は同氏と親交が深く、同氏の娘の名付け親で、ゴッドファーザーだ。ゼレンスキー政権はクレムリンとのパイプ役を失脚に追い込み、同氏が経営する3つの親露派テレビ局を閉鎖した。

プーチンがウクライナで実行する「未完の仕事」とは/新潮社 Foresight.2021

メドベチュク氏は2月、「テロ資金提供」を理由にウクライナ国家安全保障・国防会議から制裁を科されていた。ゼレンスキー大統領は裁判所の決定を受け、メディアへの寄稿で「メドベチュク氏が国を脅かし、安全保障に破滅的な損害を与えるためにメディアや国家資産を使うことはできなくなった」と強調した。

ウクライナに「対応」警告 親ロ派政治家の捜査受け―プーチン大統領/JIJI.COM.2021
プーチンは「紛争の平和的解決やロシアとの善隣関係を支持する勢力の排除」と主張

 富豪でもあるメドベチュク氏は2000年代前半からプーチン氏と親交を結んでおり、ウクライナを代表する親ロ派政治家として、近年頻繁に訪ロ。プーチン氏は、メドベチュク氏の娘の洗礼に立ち会い、家族ぐるみの付き合いとされる。プーチン氏は安保会議で、捜査について「紛争の平和的解決やロシアとの善隣関係を支持する勢力の排除」が目的だと主張した。

ウクライナに「対応」警告 親ロ派政治家の捜査受け―プーチン大統領/JIJI.COM.2021

【悲嘆と喪の日】ゼレンスキーが演説でロシアを非難

UATV Channel/YouTube

毎年5月18日はクリミア・タタール人にとって「悲嘆と喪の日」である。1944年のこの日、スターリンは、タタール人が「クリミア半島に侵攻したナチス・ドイツに協力した」との話をデッチ上げ、「懲罰」として18日から2日間だけで約17万人、全体では約40万人を2500キロも離れたウズベキスタンなどに貨物列車で強制移住させた。

【ソ連崩壊30年】5月18日は「悲嘆の日」 クリミア先住民、苛烈さ増す迫害/産経ニュース.2021

当時のクリミア自治共和国を根こそぎ地上から葬り去るジェノサイド(民族大量虐殺)そのもので、貨車内や追放先で10万人以上が命を落とした。

【ソ連崩壊30年】5月18日は「悲嘆の日」 クリミア先住民、苛烈さ増す迫害/産経ニュース.2021

ゼレンシキー大統領は、1944年5月18日にクリミア・タタール人のクリミアからの強制追放が始まったことを喚起しつつ、「今日、ウクライナは、クリミア・タタール人虐殺犠牲者皆を追悼する。今日、私たち一人一人が、この痛みを共有する。つまり、今日、ウクライナには少なくとも4000万のクリミア・タタール人がいることになる(編集注:ウクライナ国民の数)」と発言した。

クリミア・タタール人追放犠牲者追悼の日 ゼレンシキー大統領が国民向け動画メッセージ発表/ウクルインフォルム通信.2021

大統領は、「一つの国、一つの家族として、私たちは今日、『彼ら』ではなく『私たち』と言おう」と述べ、「私たちは、どのように自分の家から追い出され、数週間で数千メートル離れた場所に運ばれたかについて忘れない。私たちは、45年経ってようやく帰還できたことを忘れない。私たちは、歴史的名前や記念碑が取り除かれて、自分の家を見つけられなかったことを忘れない」と述べた。

クリミア・タタール人追放犠牲者追悼の日 ゼレンシキー大統領が国民向け動画メッセージ発表/ウクルインフォルム通信.2021

そして、大統領は、「最も重要なことは、70年が経過してから、ロシアの併合により自らの家をまたしても立ち去らねばならなくなったことを、私たちは許さない。そこに残った私たちの一部は、占領政権に迫害され、弾圧され、投獄されている」と指摘した。

クリミア・タタール人追放犠牲者追悼の日 ゼレンシキー大統領が国民向け動画メッセージ発表/ウクルインフォルム通信.2021

大統領は、追放から77年、占領から7年経った今、「私たちは傷は癒えないことを確信している。時間は癒さない。言葉は役に立たない」と述べ、スローガンではなく行動することが自身が大統領に就任してからの原則だと強調した。

クリミア・タタール人追放犠牲者追悼の日 ゼレンシキー大統領が国民向け動画メッセージ発表/ウクルインフォルム通信.2021

ロシア軍がクリミア半島沖でイギリス駆逐艦にむけ警告射撃!?

BBC News/YouTube

 英海軍の駆逐艦「ディフェンダー」がウクライナ南部のオデッサ港からジョージアのバトゥーミ港に向かったのは6月23日。ロシアは駆逐艦がクリミア半島南西端沖の「ロシアの領海」に入ったとし、警告射撃と戦闘機から付近への警告の爆弾投下も行ったとした。

英国「航行の自由」にロシア警告射撃 黒海、高まる緊張/朝日新聞デジタル.2021
ロシア「ロシアの領海に侵入し、無線警告も無視したので警告射撃をした」

  ロシア国防省によれば、警告射撃を行ったのはクリミア半島にあるセバストポリ海軍基地の南に位置するフィオレント岬の沖。同国が主張する領海内にディフェンダーが約3キロメートル侵入し、無線による警告も無視した。警告射撃は30分程度続いたという。

ロシアが英駆逐艦に警告射撃、領海侵犯を主張-英国は事実ないと否定/Bloomberg.2021
「その後も侵入を続けたが、爆撃機が4発の爆弾を投下すると領海を離れた」

  ディフェンダーはロシア国境警備隊の艦艇が砲撃した後も侵入を続けたが、スホーイ24戦闘爆撃機が航路に4発の爆弾を投下すると領海を離れたと、ロシア国防省は説明した。

ロシアが英駆逐艦に警告射撃、領海侵犯を主張-英国は事実ないと否定/Bloomberg.2021
「次回は軍艦を爆撃する」

露外務省は英国の駐露大使を呼び、「次回は軍艦を爆撃する」と軍事的な対抗措置も示した。

【一筆多論】黒海で「航行の自由」作戦 岡部伸/産経ニュース.2021
イギリスは否定「警告射撃はなかった」

  これに対し英国は警告射撃があったことを否定、「ディフェンダーに向けた警告射撃はなかった。英海軍は国際法にのっとり、引き続きウクライナ領海を無害通航している」と、国防省が公式ツイッターで発表した。

ロシアが英駆逐艦に警告射撃、領海侵犯を主張-英国は事実ないと否定/Bloomberg.2021
そもそも国際的にロシア領海とは認められていない

2014年にクリミア半島を武力で一方的に併合して実効支配するロシアは現場海域を自国領海としている。だが、この海域は国際的にロシア領海と認められていない。

【一筆多論】黒海で「航行の自由」作戦 岡部伸/産経ニュース.2021
プーチンはこの一件をイギリスの挑発でアメリカも関与していると批判

ロシアのプーチン大統領は、黒海で英駆逐艦による「挑発」が先週あったとし、この事件には米国も関与していたと非難した。新たな世界戦争を引き起こさずに英駆逐艦を撃沈することもできたと語った。

ロシアは英駆逐艦を撃沈できた、米も「挑発」に関与-プーチン大統領/Bloomberg.2021

  プーチン氏は30日、市民から直接質問を受け付ける毎年恒例のテレビイベントで、英駆逐艦とロシアの艦船がにらみ合い、クリミア沖にロシアの戦闘爆撃機が急行する数時間前、米軍の偵察機がロシアの反応を観察するためギリシャを飛び立っていたと主張。目的はロシアの防衛力を試すことだったとの見方を示した。

ロシアは英駆逐艦を撃沈できた、米も「挑発」に関与-プーチン大統領/Bloomberg.2021

  「この挑発は全面的で、英国だけでなく米国も実施の主体だ」と発言。西側は勝利できないと理解しているため「この船をロシアが撃沈したとしても、世界が第三次大戦勃発の瀬戸際に立たされるとは思わない」と語った。

ロシアは英駆逐艦を撃沈できた、米も「挑発」に関与-プーチン大統領/Bloomberg.2021
さらに警告「防ぐことができない攻撃」

モスクワ、7月25日(ロイター) – プーチン大統領は、英国軍艦がクリミア半島を経てモスクワを怒らせたか、数週間で、日曜日にいくつかの敵を検出し、必要であれば、「防ぐことができない攻撃」を開始することができていると語った。

プーチン「ロシア海軍、必要ならば防ぐことができない攻撃が可能 “/全国ご当地キャラニュース

プーチン大統領は、サンクトペテルブルク、海軍の日パレードで「私たちは水中、水中、空中に浮いている敵を検出することができ、必要に応じて停止することができない攻撃を敢行することができる」と述べた。

プーチン「ロシア海軍、必要ならば防ぐことができない攻撃が可能 “/全国ご当地キャラニュース

ウクライナにクリミアを返せ!「クリミア・プラットフォーム」首脳会議が開催

FRANCE 24 English/YouTube

2021年8月23日、クリミア・プラットフォーム参加者は、ウクライナの領土一体性を支持し、クリミアの一時的占領、軍事化、人権侵害、地域の航海の自由違反を非難し、ロシア連邦に対して、同プラットフォームの活動へと建設的に参加するよう呼びかける共同宣言を採択した。

クリミア・プラットフォーム参加者、共同宣言を採択/ウクルインフォルム通信.2021

ウクライナの一部だったクリミア半島をロシアが実効支配してから7年、首脳会議はクリミア返還に向け国際社会がそろってロシアに圧力をかけるための新たな枠組みです。

露が支配のクリミア半島返還に向け首脳会議/日テレNEWS.2021
クリミアを返還させるための初の専門的な枠組み

クリミア併合をめぐっては、先進7カ国(G7)などが対露制裁を発動してきたが、ロシアは返還に応じる姿勢を見せていない。会議は、クリミアの「占領状態」を終わらせることをうたった初の専門的な枠組みである。

【主張】クリミア会議 「領土」で国際連帯を示せ/産経ニュース.2021
46の国と4つの国際機関の代表が参加

ウクライナのゼレンスキー大統領の呼びかけで首都キエフで開かれた「クリミア・プラットフォーム」と呼ばれる首脳会議には、46か国と4つの国際機関の代表が参加しました。

露が支配のクリミア半島返還に向け首脳会議/日テレNEWS.2021
EU・NATOの代表

欧州委員会からは、ドムブロフスキス副委員長が参加。北大西洋条約機構(NATO)からは事務次長、欧州評議会とGUAMからは事務総長が参加する。

クレーバ外相、クリミア・プラットフォーム首脳会談参加全44か国を発表 日本は大使が参加/ウクルインフォルム通信.2021
日本の大使も参加

米国からはグランホルム・エネルギー長官ら、日本からは倉井高志・駐ウクライナ大使が参加した。

ウクライナのゼレンスキー政権、クリミア奪還へ国際会議を始動/SankeiBiz.2021
「われわれはロシアによる違法な併合を認めない」「ウクライナは決して一人ではない」

 ウクライナのゼレンスキー大統領は冒頭、「クリミア問題をさらに7年間、国際的議題から消してはならない」と語り、解決への協力を訴えた。ミシェルEU大統領は演説で「われわれはロシアによる違法な併合を認めない」と明言。「ウクライナは決して一人ではない」と連帯を強調した。

ロシアの「占領停止」追求 クリミア問題で首脳会議―ウクライナ/JIJI.COM.2021

共同宣言は「法に基づく国際秩序」の変更は許されないとの認識を強調し、国際会議をクリミア解放に向けた「協議と協調の場」としていくことを確認した。ロシアによるクリミア半島での軍備増強や人権侵害についても厳しく批判した。

クリミア奪還へ国際会議が始動 ウクライナ/産経ニュース.2021

ウクライナのメディアによると、ゼレンスキー大統領は「クリミアは再び国際的議題に戻った」とし、「各国の努力でロシアは交渉の席につかざるを得なくなるだろう」と述べた。

クリミア奪還へ国際会議が始動 ウクライナ/産経ニュース.2021
ロシアは反発「ロシアに非友好的な行事だ。会議でのいかなる声明も受け入れない」

ロシアは会議の開催に強く反発しており、ペスコフ露大統領報道官は「ロシアに非友好的な行事だ。会議でのいかなる声明も受け入れない」と述べた。露外務省のザハロワ報道官も「参加国を記録し、しかるべき対応をとる」と警告した。

クリミア奪還へ国際会議が始動 ウクライナ/産経ニュース.2021

クリミアでタタール人組織の幹部とメンバーが拘束

Настоящее Время/YouTube

ロシアが占領するウクライナ領クリミアにて、9月3、4日、占領政権当局が先住民クリミア・タタール人の複数の民家に家宅捜索を行い、住民5名を拘束し、その後被拘束者の所在を確認するために集まった数十名の住民もさらに拘束した(後略)

クリミア・タタール人拘束で欧米がロシアを非難/ウクルインフォルム通信.2021
トルコが懸念を表明

4日、トルコ外務省は、3、4日ロシアにより被占領下にあるウクライナ領クリミアにて、クリミア・タタール民族代議機関「メジュリス」のナリマン・ジェリャル第一副代表はじめ計5名がロシア占領政権当局に拘束された件に懸念を表明する声明を発出した。

トルコ外務省、被占領下クリミアでのクリミア・タタール人拘束につき懸念表明/ウクルインフォルム通信.2021

声明には、「私たちは、今朝(9月4日)クリミアにて、自宅襲撃を受けた後、クリミア・タタール民族の『メジュリス』のナリマン・ジェリャル第一副代表が拘束され、不明の場所に連れて行かれ、その後音沙汰がないと聞いている」と書かれている。

トルコ外務省、被占領下クリミアでのクリミア・タタール人拘束につき懸念表明/ウクルインフォルム通信.2021

その上でトルコ外務省は、「私たちは、懸念と、ナリマン・ジェリャル氏と彼とともに拘束された他4名のクリミア・タタール人が家と家族のもとへ可能な限り速やかに帰れる期待を持って、展開をフォローしている」と伝えた。

トルコ外務省、被占領下クリミアでのクリミア・タタール人拘束につき懸念表明/ウクルインフォルム通信.2021
ロシア大使館前で抗議集会

5日、キーウ(キエフ)市内のロシア連邦大使館前にて、被占領下ウクライナ領クリミアにて3、4日に拘束されたクリミア・タタール人への支持を表明する集会が開催された。

キーウのロシア大使館前でクリミア・タタール人拘束への抗議集会開催/ウクルインフォルム通信.2021

集会に集まったのは数十人。参加者は、「弾圧反対」「プーチンは殺人者」と書かれたボードを掲げ、ロシアが違法に拘束するクリミア・タタール人など全員を速やかに解放するよう要求した。

キーウのロシア大使館前でクリミア・タタール人拘束への抗議集会開催/ウクルインフォルム通信.2021
アメリカが非難する声明を発表

 9月6日、米国務省は、ロシアが2014年に併合したしたクリミア半島の先住民族タタール人を代表する組織の幹部とメンバー45人以上を拘束したとして、非難する声明を出した

米国務省、ロシアによるクリミア先住民組織の幹部拘束を非難/REUTERS.2021

声明は「ロシアの占領当局」に対し、拘束したタタール人の「即時釈放」を求め、今回の件はタタール人組織メジリス(Mejlis)やその指導部に対する「政治的な動機に基づく数々の立ち入り調査や拘束、懲罰を示す最新事例」と批判した。

米国務省、ロシアによるクリミア先住民組織の幹部拘束を非難/REUTERS.2021

ロシアのインタファクス通信は先に、消息筋の話として、タタール人組織の幹部とクリミア住民4人が、天然ガスパイプライン損傷との関連で拘束されたと報じた。

米国務省、ロシアによるクリミア先住民組織の幹部拘束を非難/REUTERS.2021

ウクライナのクレバ外相は4日のツイッターへの投稿で、ロシアはタタール人組織の幹部を拘束することで「占領下のクリミアにおける恐怖心を助長した」と訴えた。

米国務省、ロシアによるクリミア先住民組織の幹部拘束を非難/REUTERS.2021

プーチンがクリミアのセバスポリで演説「永遠にロシアと共にある」

TGRT Haber TV/YouTube

 11月4日、クリミア半島のセバストポリを訪れたプーチン露大統領

プーチンがウクライナで実行する「未完の仕事」とは/新潮社 Foresight.2021

プーチン氏は、1917年のロシア革命後に続いた内戦の犠牲者の記念碑に献花。

プーチン大統領 – クリミアで国民統一強調/北國新聞.2021

 プーチン氏は、ロシアの祝日「国民統一の日」にちなんだ式典で演説した。

プーチン大統領、現地で「クリミアは永遠にロシア領」/読売新聞オンライン.2021

「ロシアは再び歴史的な統一を回復した。クリミアとセバストポリは永遠にロシアと共にある。

プーチン大統領 – クリミアで国民統一強調/北國新聞.2021

クリミア併合が「地元住民や全国民の自由で不屈の意志に基づくものだった」とも語り、正当性を主張した。

プーチン大統領、現地で「クリミアは永遠にロシア領」/読売新聞オンライン.2021

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は今年8月、クリミア奪還を目的にした首脳級の国際会合を初開催し、米欧への接近も強めており、プーチン氏としては譲歩しない姿勢を明確にする意図があったとみられる。

プーチン大統領、現地で「クリミアは永遠にロシア領」/読売新聞オンライン.2021
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ロシア帝国やソヴィエト連邦のもとで長く忍従を強いられながらも、独自の文化を失わず、有為の人材を輩出し続けたウクライナ。不撓不屈のアイデンティティは、どのように育まれてきたのか。スキタイの興亡、キエフ・ルーシ公国の隆盛、コサックの活躍から、一九九一年の新生ウクライナ誕生まで、この地をめぐる歴史を俯瞰。人口五〇〇〇万を数え、ロシアに次ぎヨーロッパ第二の広い国土を持つ、知られざる「大国」の素顔に迫る。(「BOOK」データベースより)

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【ウクライナ危機(21)】ロシア・ウクライナ・ベラルーシは1つの民族……プーチンが発表した“論文”に世界中で物議が巻き起こる!『ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性』
“https://diggity.info/society/ukraine-21/”

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