2014年に起きたマレーシア航空機MH17便の撃墜事件。この事件により298人の命が奪われ、国際的な制裁が発動され、ロシアの国際的孤立が深まりました。現在、事件の捜査と裁判が進行中であり、元ロシア大佐らに対して終身刑が言い渡されるなど、衝撃的な展開も起きています。
最新の報告によれば、捜査チームはロシアのプーチン大統領がミサイルシステムの供与に関与した可能性を示唆しています。この情報は重要であり、事件の全容解明に向けた一歩となるかもしれません。詳細はこちらをご覧ください。
【ウクライナ危機(11)】「ドンバス紛争」親ロシア派武装勢力の独立宣言とウクライナ政府の軍派遣
Malaysia Airlines Flight 17
マレーシア航空17便撃墜事件
2014年の6月から7月にかけて、ウクライナ東部ではロシアとウクライナの間で激しい戦闘が繰り広げられていた。一日あたりの死者数は増加し、その背景にはロシア領土からの大量のミサイル攻撃が存在していた。また、ロシアから発進した戦闘機がウクライナ軍用機を攻撃する場面も見られた。ウクライナは数多くの犠牲者を出しつつも、領土の奪還に向けて少しずつ前進していった。
7月の中ごろ、ロシア正規軍が国境を越える雰囲気が強まった。しかし、その緊迫した状況は一つの悲劇によって一時的に打ち消されることとなった。
その悲劇とは、7月17日に発生したマレーシア航空17便撃墜事件であった。この事件は、国際的な衝撃を引き起こし、ロシアの動きを一時的に停止させる効果を持った。この事件は国際的な議論を巻き起こし、戦争と平和、国際法遵守の問題についての議論を再燃させた。
マレーシア航空MH17便の悲劇
マレーシア航空MH17便は2014年7月17日、ウクライナ東部の上空を飛行中に墜落した。飛行中だったのは、アムステルダム(オランダ)からクアラルンプール(マレーシア)へと向かっていたMH17便であった。使用されていた機材はボーイング製の大型旅客機「777」で、墜落地点はウクライナ東部のドネツク近郊であった。
墜落地点と犠牲者
当時、ドネツク州内では親露派が支配している地域が広がっており、墜落現場はその一つ、シャフチョルスク(Shaktarsk)に近い場所だった。AFP記者が目撃した現場には、大破して焼け焦げた機体の残骸があり、遺体が数キロメートルの範囲にわたって散乱していた。生存者の姿は確認されず、全員の死亡が確認された。乗客と乗員合わせて295人が命を失ったこの悲劇は、航空史上最も悲しい出来事の一つとなった。
航空管制の対応とその影響
この事件を受けて、ヨーロッパやアメリカなどの航空当局はウクライナ東部上空の航空機の飛行を全面的に禁止する措置を取った。ルフトハンザ航空などの航空会社は迂回(うかい)ルートを取り、ウクライナ上空を避けるようにした。日本航空(JAL/JL、9201)と全日本空輸(ANA/NH)も、18日に運航する欧州方面などの国際線についてはウクライナ上空を飛行しないルートを選択し、通常通り運航することを明らかにした。
犠牲者の国籍とその影響
マレーシア航空MH17便に搭乗していた乗客乗員298人は全員がこの悲劇で命を落とした。亡くなった人々の国籍を見てみると、その構成は多様であった。オランダ国籍が最も多く、192名(内1人は米国との二重国籍)、次いでマレーシア国民が44名(内15名が乗員、2名が幼児)、オーストラリア国民が27名、インドネシア国民が12名(内1名が幼児)、英国民が10名(内1名が南アフリカ共和国との二重国籍)、ドイツ国民4名、ベルギー国民4名、フィリピン国名3名、カナダ国民1名、ニュージーランド国民1名という状況だった。
これらの数字はただの数字以上のものであり、それぞれが家族や友人を持つ、一人の命を表している。また、各国政府や国際社会に対する影響も大きかった。
子供たちの犠牲
特に心を痛めるのは、犠牲者の中に多くの子供が含まれていたことである。乗客乗員298人のうち、約80人が子供だったと伝えられている。夏休みを海外で過ごす予定だった無邪気な命がこの悲劇で奪われた。この事実は、事件の悲劇性をさらに際立たせ、世界中から強い衝撃と悲しみを引き起こした。
事故と地域の戦闘状況
この悲劇はウクライナ東部の複雑な政治的な状況の真っただ中で起きた。ウクライナ東部では、ウクライナ政府軍と親ロシア派の分離主義勢力との間で激しい戦闘が展開されていた。MH17便の墜落現場付近では、ウクライナ軍と親露派武装勢力双方が停戦を宣言していたが、現場から60キロメートルほど離れた地点では依然として緊張が高まっていた。
親露派の拠点があるドネツクの西と北の郊外では、大きな爆発音が一定の間隔で鳴り響いており、紛争の激しさを物語っていた。
墜落の舞台は紛争が続く地上!悲劇が問いかける航空安全の限界
MH17便はオランダ・アムステルダムのスキポール空港から17日午後0時14分(現地時間)に出発し、マレーシア・クアラルンプールへと向かっていた。機内にはさまざまな目的を持つ283人の乗客と15人の乗員が乗っていた。夏休みの旅行者、帰省者、国際学会に出席する学者などが乗客として含まれていた。
しかし、離陸から約4時間後、MH17便はウクライナ東部上空で飛行中の午後5時(日本時間午後11時)に墜落した。この地域は、政府部隊と親ロシア派武装組織との間で4月から激しい戦闘が繰り広げられていた地域であり、親露派は既に10機以上の政府側軍用機をミサイル攻撃で撃墜していた。特に、7月14日には高度6000メートルを飛行中のウクライナ軍輸送機アントノフ26も撃墜されていた。
ウクライナ航空当局は7月14日に民間機に対して、ウクライナ空域で9800メートル以下を飛ばないよう要請を出していた。マレーシア航空の機体は要請に従い、1万メートル以上の高度を保って飛行していた。
目撃者の声が投げかける疑問と黒い煙の謎
MH17便は、高度33,000フィート(約10,000メートル)を飛行中にレーダーから消えた。その後、機体はロシア国境に近いウクライナ東部ドネツク州のグラボボ村の草原に墜落。地面に激突した際に火の玉になり、黒煙が立ち上った。
現地の目撃者の証言によれば、「バンという大きな音がした。距離が近くて怖かった。空を見上げると、黒い破片が雨のように落ちてきた」と語っている。また、「その後、飛行機が地面に墜落し、真っ二つになるのが見えた。濃い黒煙が舞い上がった」と述べた。
別の目撃者である分離派の男性は、「飛行機がかなりの高さから落ちてきた。その後に2回の爆発音が聞こえた」とコメント。その上で、「これは戦闘機か地対空ミサイルが撃墜したとしか思えない」と述べ、分離派にはそのような高さを飛行する航空機を撃ち落とせる武器はないと語った。
これらの証言は、MH17便が飛行中に突如墜落した様子と、その後の現場の様子を描き出している。しかし、何が原因でMH17便が墜落したのか、そして誰がその原因を作ったのかについては、まだ明確な答えは出ていない。
闇を照らす盗聴動画!ウクライナ政府がロシアの関与を暴露
MH17便の墜落原因について解明を深める一方で、ウクライナ政府は興味深い情報を公開した。それは、ウクライナ東部で反政府活動を行っている「親ロシア派武装勢力」とロシア軍幹部の間の通信を盗聴したとする「盗聴動画」だ。
ウクライナ保安局(The Security Service of Ukraine)が公式サイトに投稿したこの動画は、日本語を含む8カ国語に簡易翻訳されており、多くの人々に情報を提供している。
ウクライナ政府のこの行動は、MH17便の撃墜にロシアの関与があったと主張し、その証拠を国際社会に示す試みと解釈されている。これは、インターネットを舞台に展開される異例の「情報戦」とも言える。
墜落報道に世界が注目!各国リーダーのコメントが撃墜の疑惑を浮上させる
MH17便の墜落事件は、欧州やマレーシアなどで夏の休暇シーズンやラマダン後のハリラヤ休暇を過ごす家族連れが多数搭乗していたことから、世界航空事故史上最もショッキングで痛ましいニュースとして報道されています。
ドイツのシュタインマイヤー外相は「現時点では事故ではなく撃墜されたようだ」と述べました。同様に、オーストラリアのアボット首相も「ロシアの支援を受けた武装勢力が撃墜したようだ」との見方を示しています。
マレーシアのナジブ・ラザク首相はSNSを通じて、この事件について言及しました。「マレーシア航空MH17便がウクライナ国内で墜落したという報道に驚いている。直ちに調査を実施する」と表明しました。
ウクライナを訪問中の日本の岸田外相は、「報道については承知している。大臣から直ちに事実確認と邦人の安否確認の指示を出した。引き続き情報収集に努める」とコメントしています。
オランダを襲った暗黒の日!首相の砕けた心と国内の悲しみ
オランダ人が最も多く犠牲になったこの墜落事件は、オランダ国内に衝撃を与えています。オランダのルッテ首相は休暇先から急きょ帰国し、「心が砕かれた。暗黒の日だ」との感情を述べました。
スキポール空港に妻と来たオランダ人のビム・アネンさん(67)は、「何でこんなばかなことをするんだ」と憤りを表現しました。
この事件はオランダのメディアによって「オランダ史上最悪の飛行機事故の一つ」と報道され、国内には深い悲しみが広がりました。さらに、多くのイベントが中止されたり、音楽が流されないなどの自粛ムードが広がるなど、国全体が哀悼の念に包まれています。
「信頼できる国際的調査が必要」オバマ大統領が支援を表明
アメリカのオバマ大統領は、「マレーシア航空」機の墜落を受けて「恐ろしい悲劇だ」とのコメントを出し、原因究明に向けたウクライナ政府への支援を表明しました。
「世界的な悲劇だ。アジアの航空機がヨーロッパの空で破壊された。その航空機には多くの国からやってきた民間人でいっぱいだった。だからこそ、信頼できる国際的調査によって何が起こったのかを明らかにする必要がある」と、オバマ大統領は述べました。
さらに、彼はロシア、親ロシア派の分離主義者、そしてウクライナに対して「即時停戦を忠実に履行しなくてはならない。墜落現場の証拠はむやみに変更してはならない」と訴えました。「ウクライナに平和と安全を取り戻す時が来た」との声明を発表しました。
「戦闘が再開されなければ悲劇は起きなかった」プーチンの批判
ロシアのプーチン大統領は、「戦闘が再開されなければ悲劇は起きなかった」と述べ、軍に作戦を命じたウクライナ政府を厳しく批判しました。
この発言は、ウクライナの紛争地帯上空で起きたマレーシア航空機の墜落事件を巡り、ロシアとウクライナが互いに責任を押し付け合っている中でなされました。
親ロシア派幹部否定、ウクライナ軍の「挑発」を主張
ウクライナのポロシェンコ大統領が親ロシア派武装勢力を犯行の元凶と断定し、それらの勢力に対する軍事行動の強化を発表したのに対し、ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派幹部は、「ボーイングを撃ち落とすような武器は持っていない」「ウクライナ軍の挑発だ」と主張しました。ただし、親ロシア派は過去に地対空ミサイルを入手したことを認めており、事実、14日にはウクライナ空軍の輸送機を撃墜していました。
一方、ドネツク人民共和国(Donetsk People’s Republic)の自称防衛相、イーゴリ・ストレルコフ氏は、ロシアの交流サイト「Vkontakte」の自身のページに、「たった今、トレーズ(Torez、ドネツク州の都市)近郊でアントノフ26(An-26)型機を撃墜した」と書き込みました。その後、「これが『鳥が落ちた』ことを証明する動画だ」とさらに書き込んでいました。
驚くべきことに、ストレルコフ氏のページには、マレーシア航空機についてウクライナのメディアが報道したものと完全に一致する情報へのリンクが掲載されました。この書き込みは直後に削除されましたが、ウクライナ東部の司令部はこの投稿が表示されたディスプレーの画像を保存し、英文の報道機関向け発表に添えて公開しました。この新たな発展は、誰が真実を言っているのか、そしてこの衝撃的な事件の背後に何があるのかについて、更なる疑問を提起しています。
国連緊急会合でウクライナとロシアが対立
7月18日、ニューヨークで開かれた国連安全保障理事会の緊急会合では、ウクライナとロシアの代表が相互に非難し、意見が対立する展開となりました。ウクライナのセルゲイエフ国連大使は、「この悲劇は、ロシアが親ロシア派勢力を支援したり、地対空ミサイルを提供したりしていなければ起きなかった」と発言し、ロシアを非難しました。
一方、ロシアのチュルキン国連大使はウクライナ政府を批判し、「なぜウクライナ政府は民間機を紛争地域上空に飛ばしたのか。きょうやっと空域を閉鎖したが、なぜ今までやってこなかったのだ」と反問しました。
このような緊張した議論の中でも、国連安全保障理事会は墜落原因について国際的な調査を求めることで一致していると報じられました。墜落事故の全貌が明らかになるためには、すべての関係国が調査に協力し、透明性を保つことが求められます。
ウクライナ内務省が撃墜疑惑のミサイル運搬の映像と写真を公開
マレーシア航空機がウクライナ東部上空で撃墜されたとみられる事件について、ウクライナ内務省は18日、地対空ミサイル「BUK」(ブク)がトレーラーに載せられ、親ロシア派によってロシア領に向けて運搬されているのを確認したと発表しました。これにより、親ロシア派がこのミサイルを使用して航空機を撃墜した可能性がさらに高まりました。
同省は、その証拠として映像と写真を公式ホームページで公開しています。これらの映像と写真は、疑惑のミサイルシステムがトレーラーに載せられ、トラックで運搬されている様子を捉えています。
停戦と調査団の到着!マレーシア航空機撃墜事件の調査が始まる
ウクライナ東部でマレーシア航空機が撃墜された事件について、国連安全保障理事会は18日、関係当事者に対し、「完全かつ独立した国際的調査」の受け入れを要求する声明を発表しました。これは、真相を解明し、事故の責任を確定するための重要なステップとなります。
ウクライナ政府と墜落現場の一帯を支配する親ロシア派武装勢力は同日、国際調査団の立ち入りを認めることで合意しました。また、一時的な停戦に向けた話し合いも開始しました。これにより、調査団は墜落現場に安全にアクセスすることが可能となりました。
ロシアのプーチン大統領も同日、「ウクライナ危機の早急な正常化が不可欠だ」と強調し、ウクライナ東部の即時停戦を訴えました。プーチン大統領はまた、マレーシアのナジブ首相と電話で協議し、客観的な調査が必要との見解で一致しました。
ロシアもこの声明に同意したため、国際的な調査が実施されることになりました。ロイター通信によれば、欧州安全保障協力機構(OSCE)のメンバーを含む約30人の調査団が同日、墜落現場に到着しました。
遺体散乱と、親ロシア派武装勢力の略奪行為
撃墜されたマレーシア航空機の墜落から3日後の7月20日、多くの遺体はまだ機体の残骸の間に散乱していることが明らかになりました。また、報道によると、親ロシア派武装勢力が現場を占拠し、遺体や遺留品を無許可で持ち去っているとのことです。この状況は、マレーシアやその他の国際社会から非難の声を引き起こしています。
ロシアが供与したと見られる「BUK-2M」ミサイルが撃墜の元凶とされており、遺体や遺留品の略奪行為も行われていると報じられています。これらの行為に対する動画が流通しており、マレーシアでは、死者をただちに埋葬するというイスラムの習慣を踏まえ、武装勢力への批判の声が高まっています。
米国のオバマ大統領とウクライナのポロシェンコ大統領は、武装集団が遺体を放置し、乗客の所持品を盗んでいることを非難しています。
オランダのティマーマンス外相は、ウクライナのポロシェンコ大統領と会談し、「現場で遺体が引きずり回されているという報道に、オランダ国民は激怒している」と述べました。「私たちを助けて欲しい。私たちの国民を返して欲しい」と彼は強く訴えました。
一方、「ドネツク人民共和国」の指導者、アレクサンドル・ボロダイは、ミサイル撃墜を否定。彼は、墜落機のブラックボックスを手渡す用意があるものの、ウクライナ政府には渡さないと述べました。「何らかの略奪が行われていることは否定できない」とした上で、略奪者は厳罰に処せられるとし、墜落現場の「保全とそこへのアクセス提供の用意がある」と記者団に表明しました。
国連が調査への協力と現場の保存を求める
国連安全保障理事会は7月21日、ウクライナ東部で撃墜されたマレーシア航空機の事件を非難し、現地を実効支配する親ロシア派に対して現場の保存を要求するとともに、関係国に原因調査への協力を求める決議案を全会一致で採択しました。理事各国からはロシアに対し親露派組織への影響力行使を求める声が相次ぎました。
証拠隠滅の可能性、犠牲者の遺体収容、ブラックボックスの回収の懸念が高まる中で、国連安保理はウクライナからの独立を掲げる親露派に対し、彼らが掌握するウクライナ東部の墜落現場への「無制限の立ち入り」を要求する決議案を21日に審議しました。
この間、オランダのマルク・ルッテ首相との電話会談で、プーチン露大統領は遺体収容とブラックボックスの回収への「全面的な協力」を約束しました。この事故ではオランダから最多の犠牲者が出ています。また、オーストラリアのトニー・アボット首相もプーチン氏と電話会談を行いました。詳細な内容については明らかにしなかったアボット首相は、「(プーチン氏は)まったく正しいことを述べた。次は、その言葉通りに対応してほしい」と豪ラジオに語りました。
ブラックボックスが親ロシア派からマレーシアに引き渡される
ウクライナ東部ドネツクの親ロシア派勢力は、7月21日、撃墜されたマレーシア航空機のブラックボックス(ボイスレコーダーとフライトレコーダー)をマレーシアの専門家に引き渡しました。
この引き渡しは、国際社会からの圧力の高まりの中で行われ、その原因究明への重要な一歩となります。ブラックボックスには、飛行機の技術的なデータや、乗員が交わした会話などが記録されており、これらの情報は、事故の原因を解明するための鍵となります。
ブラックボックスを英国の研究所に送る方針
マレーシアのアジズ運輸次官は22日、ウクライナ東部で撃墜されたマレーシア航空機MH17便のブラックボックスを英国の研究所(英航空事故調査委員会)に送る方針を明らかにしました。
ナジブ首相は先日、ウクライナの親ロシア派から回収したMH17便のブラックボックスについて、国際チームが編成された後に引き渡すことを発表していました。
ブラックボックスがオランダの調査団へ
ウクライナ東部で墜落したマレーシア航空MH17便のブラックボックス2個が、オランダ安全委員会(OVV)に引き渡されたと発表しました。犠牲者の多くがオランダ人であったことから、オランダのOVVがこの国際調査を主導していました。OVAは22日の夜から、ウクライナ東部でのマレーシア航空機撃墜の調査を正式にはじめています
ブラックボックスの引き渡しは、ウクライナの首都キーウで、マレーシア当局から行われました。世界中のメディアがこの瞬間を取材に集まり、親ロシア派リーダーの誇らしげな表情が印象的でした。
ブラックボックスは、飛行機の飛行の状況などを記録する重要なデバイスで、2つがごつんごつんという重い音を立てて並べられました。一部がへこんでいて、泥のような汚れがついていましたが、マレーシア政府関係者は「いい状態だ」と述べ、その解析に自信を示しました。
親ロシア派がブラックボックスを持っていたグループは、自らを「ドネツク人民共和国」と名乗り、マレーシア側との間で文書を交換するなど、国同士の調印式のようなことを行いました。ブラックボックスを譲り渡すことで、彼らは自分たちが良識的で紳士的であることを示そうとしたのは明らかで、この事故が政治的なアピールの道具として使われた印象を受けます。
ブラックボックスから有効なデータが回収される
オランダ安全委員会(OVV)は、ボイスレコーダーが損傷を受けているものの、そのメモリーモジュールは無傷であると発表しました。さらに、装置が改ざんされた証拠や痕跡は発見されていないとも語りました。
OVVはさらに、「操縦室の録音データの回収に成功し、有効なデータが含まれていることが確認された」と発表しました。
その後、ベルギーの軍用機によって英国のファンボローにある英航空事故調査委員会へ運ばれました。そこでデータの回収作業が始まり、調査を主導したオランダ安全委員会(OVV)はブラックボックスの状態と初期解析結果を公表しました。
OVVの報告によると、ボイスレコーダー(CVR)は損傷を受けていましたが、メモリーモジュールは無傷だったとのことです。さらに、改ざんの証拠や痕跡は発見されなかったため、操縦室の録音データは有効であると判断され、データはさらなる分析と調査に使われることとなりました。
「ミサイル爆発が墜落原因」ブラックボックス分析結果
ブラックボックスを解析した結果、爆発したミサイルの破片による機体の損傷が墜落の原因だったことが分かりました。ウクライナ当局が7月28日にこれを明らかにしました。
ウクライナ安全保障国防会議のアンドリー・リセンコ報道官は、国際調査チームによる分析結果を発表しました。「爆発したロケット(ミサイル)の複数の破片が機体にミシン目のような穴を開け、大規模な爆発的減圧が起きたことが、機体の破壊と墜落の原因だったということが、フライトレコーダーから取得したデータで示されました」と述べました。
現場の確認と捜索活動の終了
7月20日と21日に欧州安全保障協力機構(OSCE)の国際監視団が現場を訪れ、状況を確認しました。ウクライナのグロイスマン副首相は21日、マレーシア機墜落の犠牲者298人のうち282人の遺体を発見し、墜落現場の捜索活動を終了したと発表しました。その夜、遺体はウクライナ政府が事件の対策センターに指定した東部ハリコフに移送することが発表されました。
遺体の冷凍車両への収容と移送
7月21日、ウクライナ副首相は、撃墜されたマレーシア機の犠牲者全員の遺体が冷凍車両に収容されたことを明らかにしました。副首相は「すべての遺体が冷凍車両に保管され、列車は午後7時(日本時間22日午前2時)以降にハリコフに向け出発する見通しである」と述べ、さらに「すべての遺体はその後、オランダに運ばれる」と発表しました。
遺体の身元特定作業
最も犠牲者が多かったオランダは、全ての遺体の身元特定作業を行う予定です。ウクライナのハリコフには、オランダ人23人を筆頭に、米英独豪の専門家を含む31人の調査団が既に到着しています。
ハリコフに到着後、全ての遺体はアムステルダムに移送され、遺族との面会などが行われる見通しです。このため、オランダ軍の軍用機がウクライナ領土に入ることも検討されています。
国際社会の怒りをうけて親ロシア派が政府主導の移送計画に合意
この事件は親露派とウクライナ政府との間で多大な緊張を引き起こしました。親露派は当初、遺体の管理と政府主導の移送計画に反対の態度を示していました。しかし、国際社会からの厳しい批判と怒りに直面し、その態度を軟化させました。彼らは親露派戦闘員や国際調査団が同行するという条件で、支配領域外への遺体の移送に同意しました。
停戦ゾーンの宣言と現場の保存の問題
親ロシア派のリーダーは、調査に協力するために現場周辺10キロを停戦ゾーンとすることを宣言しました。しかし、親ロシア派がブラックボックスを持ち帰っていたことを含め、現場の保存と保護は十分に行われていなかったことから、国際社会からの厳しい批判を引き起こしました。その結果、この事件は航空安全だけでなく、国際政治の領域にも影響を及ぼす重大な問題となりました。
厳しい現実に直面!ハリコフでの保管作業が進行
墜落したマレーシア航空MH17便に乗っていた280人の遺体を運ぶ列車が、事件発生から5日後の7月22日にウクライナ東部のドネツクからウクライナ政府の統治下にあるハリコフに到着しました。冷蔵施設が施された特別列車で、墜落現場から遺体が搬送されました。
一時保管場所になったのは、ソ連時代からこの町の一大産業であった軍事産業の施設です。この戦車工場の敷地内は外部から遮断され、派遣調査団だけが立ち入りを許されました。ここで収容された遺体の検視や納棺する作業が続けられました。
高度1万メートルから落下してきた犠牲者の遺体は損傷が激しく、一部分しかない遺体も多く見受けられました。ハリコフで遺体の搬送を調整するオランダの警察幹部は、遺体の一部が墜落現場に残っている可能性があると指摘しました。
遺体の数についての疑問
親露派の武装勢力は7月21日、現場から収容した282人の遺体を乗せる保冷機能付きの貨車を、現場から北西に約300キロ離れたハリコフに送り出したと発表しましたが、遺体を受け取ったオランダの専門家チームによれば、列車に乗せられていた遺体は200体のみだったとのことです。この不一致は、さらなる調査と確認が必要とされています。
遺体を乗せた最初の飛行機がオランダに向けて出発
7月23日、ウクライナで撃墜されたマレーシア航空MH17便の犠牲者の遺体を乗せた最初の飛行機が、オランダに向かってウクライナを飛び立ちました。これにより、事件発生から一週間近くが経過した中で、遺体の国際的な移送が始まりました。
身元確認と遺体の引き渡し
飛行機がオランダに到着した後は、法医学専門家が遺体の身元確認作業を開始します。この作業が終われば、犠牲者の遺体はそれぞれの家族へ引き渡されることになります。
遺体のオランダ到着と追悼式典
7月23日、ウクライナ東部に墜落したマレーシア航空MH17便の搭乗者の遺体のうち、最初の40体がオランダに到着しました。2機の飛行機がオランダ南部のアイントホーフェン(Eindhoven)空港に着陸し、厳粛な空気の中、オランダ兵らが40個の木棺を運び出し、霊柩車に乗せました。
式典では国王夫妻が出迎え、犠牲者を追悼するための儀式が行われました。その後、霊柩車の列はヒルフェルスムにあるオランダ軍基地に向かい、その間に何万人もの市民が沿道に並んで、花を投げるなどして犠牲者を悼む姿を見せました。
身元確認と国民の追悼の日
オランダ軍基地では、到着した遺体の身元確認作業が進められますが、全ての遺体の確認には数週間から数ヶ月かかる可能性があります。
オランダ政府は、この日を国民の追悼の日と定め、全土で半旗を掲げて1分間の黙祷をささげました。さらに、バスや列車も運転を停止し、スキポール空港でも便の着陸を一時見合わせるなどして、全国民が哀悼の意を表しました。また、テレビやラジオはCMの放送を中止し、多くの市民が教会で行われた追悼礼拝に参列しました。
ナジブ首相の「静かな外交」について
マレーシア航空機MH17便がウクライナ東部で撃墜された事件について、マレーシアのナジブ・ラザク首相は、親ロシア派との交渉についてインタビューで言及しました。
ナジブ首相によれば、交渉は「非常に繊細」なプロセスであり、その結果、首相自身が一人で決断を下し、指示を出す必要があったとのことです。墜落原因の究明や遺体の回収を安全に進めるため、「異例」で「前例のない」交渉が秘密裏に行われ、その詳細は首相の側近や政権幹部の多くにも知らされなかったと述べました。
このプロセスでは、通常ならば政府間で行われる交渉を、ナジブ首相自身と、墜落現場を占拠していた武装集団のリーダー、そして調査チームのリーダーが直接行いました。
ナジブ首相は、犠牲者の遺族に遺体を返し、彼らの心情を落ち着かせるためには、このような交渉が必要だったと強調しました。「より良い結果のためには”静かな外交”が必要だった」と首相は語りました。
この一件で欧米がロシアへの経済制裁を強化
撃墜事件直後、アメリカは親露派武装勢力がロシアから供与された地対空ミサイル(SA11)により撃墜された可能性が高いと発表しました。そして、これを受けてアメリカは対ロシア経済制裁を強化すると決定しました。
この動きを公表したのは、当時のオバマ米大統領で、彼は7月29日の声明で、「ロシアは再び国際社会から孤立し、過去数十年の発展から後戻りする。これはプーチン氏の選択だ」と述べました。さらに、オバマ大統領はロシアに対してG8やG20といった国際的な地位を失う可能性を示唆するような発言もしました。
ロシアへの経済制裁に慎重だったEUが事件を受け制裁強化案を発表
事件が発生すると、欧州連合(EU)はそれまでの慎重な態度を改め、対ロシア経済制裁を強化する決定をしました。この強化策は7月29日に発表され、金融制裁やロシアの石油業界に対する資機材輸出一部禁輸措置などを含んでいました。
298名の乗客と乗員が犠牲になったマレーシア機撃墜事件は、西側の態度を硬化させました。EUと米国の間にあった対ロシア制裁をめぐる溝が小さくなる一方で、民間人が犠牲になった事実は、制裁措置を強化する必要性を強く意識させる結果となりました。
ニッセイ基礎研究所・上席研究員の伊藤さゆり氏は、「民間人が犠牲になったことで、欧米側は生ぬるい制裁では許されないという雰囲気になり、ロシア側も妥協は許されないという国内世論が強まった」と指摘しています。この事件は欧米とロシア間の対立を深める一方、国際社会全体に影響を与えることになりました。
EUの柔軟な姿勢にもかかわらず、ロシアの報復措置が表明
それでも、EU側はロシアに対する柔軟な立場も維持していました。「解決策を模索していく上でロシアがこれまでの方針を転換し、明瞭な形で積極的に貢献を始めるなら、EUには決定を取り下げロシアとの連携を再開する用意がこれまで通りある」との声明もありました。
しかし、欧米の制裁措置に対して、ロシアは報復として野菜や肉など食料品の輸入禁止を表明しました。これまでの市場観測では、ロシアと欧州の経済的な結びつきの強さから、対立はエスカレートしないとの見方が多かったのですが、マレーシア航空機撃墜事件により状況は一変しました。プーチン大統領が対抗策を打ち出したことで、制裁合戦が一段と激しくなる可能性も指摘されました。
G7とEUが共同声明を発表「ロシアのへの制裁強化」「停戦要求」
事件が発生した後、日本を含む先進7カ国(G7)と欧州連合(EU)の首脳は30日に共同声明を発表し、ウクライナの主権侵害を続けるロシアに「重大な懸念」を示しました。彼らはマレーシア航空機の撃墜事件を受けてロシアが情勢の安定に協力しなければ、制裁をさらに強めると警告しました。
米ホワイトハウスが発表したこの声明は、「今回の悲劇を情勢の安定につなげるべきだったが、ロシアは方針を変えなかった」とロシアを批判しました。そして、ウクライナ東部を不安定にする原因となっているロシアによる親ロシア派組織への武器支援の即時中止を求めた。
また、撃墜現場で調査を妨害する親ロ派を非難し、「安全な調査と犠牲者全員の遺体収容のため、すべての当事者に現場の保全と停戦合意の尊重を求める」と指摘しました。ロシアに対しては、ウクライナの和平提案の履行を求めました。
さらに、「政治的な解決は可能」としてロシアに「緊張緩和に向けた道を依然選択することができる」と促し、制裁解除の可能性も示しました。しかし、ロシアが緊張緩和に取り組まなければ、「我々はさらに大きな代償を支払わせる用意がある」と表明しました。
Dutch Safety Board begins investigation
オランダ安全委員会が正式に調査を開始
マレーシア航空17便撃墜事件の後、航空事故の調査を行うオランダ安全委員会は7月22日夜、ウクライナ東部での調査を正式に開始しました。その発表は翌日、23日になされました。彼らは他の関係国や国際民間航空機関(ICAO)の調査団と連携を取ります。
オランダ安全委員会は、最初の優先事項が現場での情報収集、飛行データなどを記録したブラックボックスの分析、そして国際調査チームの活動の調整であると表明しました。しかし、調査員が安全に現場に立ち入ることができない状況については問題視しています。
国際調査を主導するオランダ安全委員会は、7月25日に数日以内に調査チームを墜落現場に派遣すると発表しました。彼らの目指すのは、機体の破片の回収や詳細な調査を行うことです。しかし、現場周辺は依然として不安定な状況が続いており、チームの代表は「作業を本格化できるかどうかは不透明」としています。
また、墜落原因を調査する国際調査団は、現場の安全を確保できないとして、首都キーウにとどまっています。この停戦が延長されるかどうかが、原因究明を進めるカギとなっています。
専門家らが初めて現場に到着
ウクライナ東部でマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便が墜落した現場に、専門家チームが初めて到着したのは、7月31日でした。ウクライナ軍が攻撃の中止を宣言してから約1週間後であり、調査がついに開始されることになりました。
この専門家チームは、政権側と親ロシア派の戦闘が激化した周辺地域で、先月27日からドネツクで足止めされていました。しかし、政権側が24時間の停戦を発表したことから、それまでとは違うルートを通じて初めて現場に入ることができました。
ウクライナ政府側は、現場を掌握している親ロシア派が調査を阻止していると繰り返し主張していました。また、親ロシア派が政府軍部隊に対して砲撃を続けていると非難していました。これに対して親ロシア派は、政府側が停戦を守っていないと反論していました。
ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は、オーストラリアとオランダの両首相との電話会談で、7月31日の現場調査が無事に行われたと伝えました。また、8月1日からは専門家チームが連日調査作業に取り組めることを保証しました。同時に、親ロシア派に対しては、現場から20キロの範囲での停戦を守るよう要求しました。
翌日、犠牲者の遺体の捜索を開始
ウクライナ東部で発生したマレーシア航空機の墜落現場において、8月1日にオランダとオーストラリアの専門家70人が遺体の捜索を開始しました。この捜索はオランダが主導しており、欧州安全保障協力機構(OSCE)の監視団も参加しています。
墜落現場はウクライナ政府軍と親ロシア派勢力が衝突する危険地帯に位置しています。このため、捜索チームは数日間待機を余儀なくされていました。しかしながら、両陣営の上層部との交渉の結果、7月31日に一時的な休戦が実現し、OSCE監視団の8人と専門家4人が現場に入ることができました。現場にはすでに発見された遺体の位置に目印が付けられています。
現場の気温は約30℃に達しており、適切な捜索がまだ行われていない場所も多く存在しています。OSCEの報道官は「私たちの前には遺体が残っている。それはにおいで分かる。まだ適切な捜索が行われていない場所が多数ある」と語っています。
一方で、ロシアは現地の調査団に参加するため、専門家3人からなる代表団をウクライナに派遣したと発表しています。
ウクライナ政府は休戦を延長する方針
ウクライナ軍が発表した休戦は8月1日午前に期限切れとなりましたが、ウクライナの副首相、グロイスマンは、墜落現場へのアクセス経路では今後も戦闘を避けるという方針を明らかにしました。この休戦の継続は、遺体収容と調査作業を円滑に進行させるために重要となります。
すでに収容された遺体はオランダへと運ばれ、200人以上の専門家チームが身元確認作業を始めています。しかし、この作業は非常に時間がかかり、8月1日までに身元が確認できたのはわずか2人だけです。オランダ当局は作業の完了には数ヶ月かかると見込んでいます。
休戦の延長も……翌日には調査エリアの数キロ先で砲撃……撤退へ
ウクライナ東部で発生したマレーシア航空MH17便の墜落現場は、親ロシア派が支配する地域であり、調査には多大な困難が伴っています。ウクライナ軍が現場周辺での停戦を宣言しているにも関わらず、現場付近での戦闘が続いており、8月2日には国際調査団の一部が近くで発生した砲撃を受けて撤退を余儀なくされました。
さらに、8月3日にも政府軍と親ロシア派武装集団との戦闘が続き、少なくとも民間人10人が死亡したとの報告があります。これらの戦闘は、事故現場に入ることが許されたオランダとオーストラリアの警察から成る調査団の作業を更に難しくしています。
未収容の遺体捜索終了、現場の困難さが作業に影響を与える
その一方で、調査団は、8月3日に3日間にわたる未収容の遺体の捜索作業を終了しました。遺体の収容と事故原因の調査は、遺族の心の平穏と、事件の真相を明らかにするためにも重要な作業です。しかし、現場の安全確保が困難な状況下での作業は、引き続き困難さを増しています。
戦闘悪化していく中で調査団は作業を中断
墜落現場での調査が、現地の治安悪化により中断されました。オランダのマルク・ルッテ首相は8月6日に作業中断を発表し、ウクライナ軍と親露派武装勢力との間の緊張が高まり、現場が非常に危険な状態にあるため、遺体の捜索を続けることが困難であると述べました。これまでにも戦闘の影響で調査が遅れる状況が繰り返し発生していました。
オランダのフランス・ティメルマン外相も自身のFacebookページで「現在のところ任務を停止しなければならない。しかし、状況が許すようになればすぐに継続する予定だ」と述べました。
その後、戦闘がさらに激化する中、8月11日には墜落原因を究明するための国際調査チームも現場での調査を断念しました。この専門家25人のチームはオランダ、アメリカ、ロシアなどから成るもので、政権側と親ロシア派の戦闘激化により墜落現場へのアクセスが不可能となったためです。
調査を主導するオランダ安全委員会は、「安全状況が悪化している」として現地調査を断念し、撤収すると発表しました。調査チームはオランダに戻り、ブラックボックスなどを分析し、第1段階の報告書を数週間以内に公表する予定です。
中間報告「外部から多数の高エネルギー物体が機体を貫通した」
オランダ安全委員会が主導する原因調査では、9月9日に中間報告書が公表されました。報告書では、墜落の原因について「外部から多数の高エネルギー物体が機体を貫通した」と指摘され、ミサイルによる撃墜が示唆されました。しかし、具体的な原因の特定には至りませんでした。
原因を巡る議論では、米国、欧州、ウクライナ政府は親ロシア派武装集団が旧ソ連製地対空ミサイル「BUK(ブク)」で撃墜したと主張していますが、この武装集団とロシア政府はこれを否定しています。
調査過程での問題として、ウクライナ政府軍と親ロシア派の間の戦闘により、オランダ側の調査団が墜落現場へ直接入ることができなかった点が挙げられます。実際に現地調査を行ったのはマレーシア側の調査員ら少数で、オランダ安全委員会は彼らから機体の一部残骸を受け取りました。しかし、オランダ側でも現地での調査が可能ならばそれが望ましいとしています。
マレーシア政府もオランダ政府の調査に協力しているため、マレーシア政府自体が独自の報告書を発表する予定はないようです。
最終報告書「航空機を破壊したのはロシア製地対空ミサイル“ブク”」
オランダ安全委員会は、マレーシア航空MH17便がロシア製の地対空ミサイル「BUK」で撃墜されたと結論付けました。ミサイルを発射した具体的な個人または組織は特定されていませんが、ミサイルの発射地点は親ロシア派が支配する「ウクライナ東部」であったと報告書には記載されています。
報告書によれば、9M38M1型ミサイルに搭載された9N314M型弾頭が、アムステルダムからクアラルンプールに向けて飛行していたボーイング777の操縦室から約1メートルで破裂したとされています。この爆発により金属断片が拡散し、機体の空中分解を引き起こしました。
さらに、現場や操縦室の乗務員の遺体から見つかった金属片は、特有の形状(蝶ネクタイ型または立方体)を持つもので、これは9N314M型弾頭でしか使用されていないとされています。また、機体内部で見つかった金属片に付着していた塗料が、地面で見つかったミサイルの破片の塗料と一致していたとのことです。
しかしこの報告書は、ミサイルを発射した具体的な”犯人”を特定することはありませんでした。そのため、欧米やウクライナ政府は親ロシア派武装勢力がミサイルを発射したと主張する一方で、ロシア側はウクライナ政府軍の撃墜を主張する対立構造になりました。
コクピットの左側で爆発
オランダ安全委員会のヤウストラ委員長によると、ミサイル弾頭は操縦室の左側で爆発し、この弾頭はブクミサイルに搭載されているものだと説明されました。報告書はさらに、操縦室にいた3人の乗務員はミサイル爆発により即死した可能性が高いとしていますが、他の乗務員や乗客が具体的にいつ死亡したのかは明らかにされていません。機体が地面に激突するまでの約1分半の間、一部の乗客や乗務員が意識を保っていた可能性も存在するとされています。
ウクライナ政府は全空域を閉鎖しておくべきだった
報告書によると、ウクライナでは同年の4月から7月17日までの間に、少なくとも16機の軍用ヘリコプターや航空機が撃墜されていたことが判明しました。これは、ウクライナ東部の地上での衝突が上空にまで拡大していたにも関わらず、ウクライナや他国、国際機関から民間航空機に対する警戒警報が出されなかった事実を示しています。「ウクライナ当局が言及していた兵器は、民間機にもリスクを及ぼす可能性があった。それにもかかわらず、そうした兵器から民間機を守るための対策が講じられなかった」と報告書は指摘しています。
オランダのギルゼレイエン空軍基地で報告書を発表したDSBのヤウストラ委員長は、「ウクライナ当局には、武力衝突の起きている東部上空の空域を飛行禁止とすべき十分な理由があった」と強調しました。
撃墜現場で証拠隠滅の可能性
報告によると、航空専門家が機長の遺体を検査したところ、「遺体から物体が既に取り除かれていた」という事実が明らかになったとのことです。これは、MH17便の撃墜現場で何らかの証拠隠滅が試みられていた可能性を示唆しています。
オランダのルッテ首相は「……ロシアの役割について臆測はしない」
オランダ安全委員会は報告書の発表後、オランダのルッテ首相は「事件でのロシアの役割について臆測はしない」としながらも、犯罪捜査の継続と責任追及の強調した。
マレーシア人遺族の声:事件の詳細不明による不満と疑問
この事件で失われた命の中にはマレーシア人も多数含まれており、その遺族からは調査に進展があったことに対する安堵の声があがった一方で、誰が実際にミサイルを発射したのかなどの詳細が依然として明らかになっていないことへの不満や憤りが表明されている。また、この最終報告書の公表後に国際社会がどのような対応をとるのか、どのような措置が取られるのかについての疑問の声もあがっている。
捜査はさらに別の国際合同調査チームに引き継がれる
今後は刑事事件として、オランダをはじめとするウクライナ、マレーシアなどが参加する国際合同チームによる捜査が行われる予定である。これにより、事件の全貌解明への期待が高まっている。
合同捜査チームが進めるMH17事件の徹底解明
オランダ、マレーシアなど5カ国の捜査当局は、この悲劇に対する刑事責任追及のためにオランダで合同捜査チームを組織しました。それは、マレーシア航空17便撃墜事件で死亡した乗客・乗員298人のうち、約2/3がオランダ人だったからです。そのため、オランダが捜査を主導することになりました。ただし、初期の事故調査に加わっていたロシアは、この合同捜査チームには参加していません。
事故現場となったウクライナ東部のドネツク州は、ロシアの支援を受ける親露派武装勢力が実効支配していました。そのため、当初から親露派による捜査妨害が問題視されていました。
それにもかかわらず、この合同捜査チームは回収した機体の分析、目撃証言の収集、衛星写真や通信記録の解析などを通じて、捜査を進めていきました。
MH17撃墜の衝撃的な真相!合同捜査チームが報告書を発表
2014年7月のマレーシア航空機撃墜事件について、オランダやウクライナを含む5カ国の合同捜査チームは、2016年9月28日に中間報告を発表しました。その中で彼らは、旅客機がロシアから親露派武装勢力の支配地域に持ち込まれた地対空ミサイルによって撃墜されたと結論付けました。発射場所は親ロシア派が支配するペルボマイスキー近郊の農地と特定され、使用されたミサイルはロシア領から持ち込まれ、撃墜後にロシア領に戻ったと報告されました。
合同捜査チームは、撃墜に関与したとみられる約100人の容疑者を特定しましたが、所属については明らかにしていません。
「ベリングキャット」の調査結果が波紋!ブクミサイルとロシア軍の関与を追及
その一方で、民間調査グループ「ベリングキャット」は、ソーシャルメディアやオープンソース情報を使って独自の調査を行い、MH17便を撃墜したとされる「ブク」ミサイルがロシア軍の第53対空ミサイル旅団から発されたものであることを確認しました。ベリングキャットの調査によれば、MH17便撃墜に関与したとされる20人のロシア軍人を特定し、その名前と写真が付いた報告書を作成しました。この報告書はその後、オランダの検察に提出されました。
これらの情報に対して、ロシア国防省は反論を行いました。報道官は声明を発表し、「ブクを含むいかなるミサイルもロシアとウクライナの国境を越えていない」と主張しました。
オランダ当局がオリンとデルフィンと呼ばれる2人の身元情報を公表
また、オランダの当局は捜査報告の発表から数時間後に、事件に関連しロシア語話者の男2人について「特により多くの情報を探している」と発表しました。オランダ警察のウェブサイトに掲載された声明によれば、2人は「オリン」と「デルフィン」という仮名を使用し、本名はそれぞれアンドレイ・イワノビッチ(Andrey Ivanovich)、ニコライ・フョードロビッチ(Nikolay Fiodorovich)とされました。
ロシアのプロパガンダ戦争が始まる!調査結果を「フェイク」と非難
中間報告の発表を受けて、ロシアはすぐにプロパガンダを始めました。調査結果そのものおが「政治的な動機」に基づいた「フェイク」だと主張したのです。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、調査に参加したウクライナが「証拠をねじ曲げ、自国に有利なように調査を誘導するチャンス」があったと主張し、調査全体を「残酷なジョーク」と評した。さらに、ロシア外務省の報道官は声明を発表し、合同調査チームがロシアの全面的な捜査参加を拒否したと非難を強めました。
ロシア側はまた、先日ロシア国防省が公表した、ウクライナ軍の関与を示すとされるレーダーデータについても触れ、「ブクを含むいかなるミサイルもロシアとウクライナの国境を越えていない」と反論しました。
しかし、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)のジャスティン・ブロンク研究員は、ロシアの主張を「まったくばかばかしい」と一蹴した。ブロンク研究員は、「ウクライナ軍は紛争中、地対空ミサイルを一発も発射したことがない。それは親ロシア派が空軍を持っていないためだ」と指摘しました。
MH17事件における誤射説やCIA陰謀説の拡散」
クレムリンは、これまでもロシアの関与を否定するためのプロパガンダを繰り返してきた。その中には、極端な主張も含まれていた。例えば、CIAがロシアを陥れるために無人操縦の旅客機に多数の死体を積んで墜落させたというデマが広まったのも、プロパガンダの一環であった。また、ウクライナ政府軍がロシアのウラジーミル・プーチン大統領の乗る飛行機を撃墜しようとして誤ってマレーシア機を撃ち落としたという説を広めたのもクレムリンであった。
ロシア国民の回答と西側世界の主張の乖離
このマレーシア機撃墜事件により298人の乗員と乗客が犠牲になり、欧米諸国と日本からの制裁措置が発動され、ロシアの国際的孤立が深まりました。この状況化でロシア国民に心情について独立系の調査機関であるレバダセンターが、これらの疑問に対する答えを提供する世論調査を行い、その結果を報告しました。
その数字は驚くべきものでした。回答者の82%がウクライナ軍が撃墜したと答え、西側世界の主張とは大きく異なる結果となりました。これは、情報のソースとなるメディアや国家が持つ影響力、またその国民の信念や意見がどのように形成されるかを示しました。
捜査チームが発表!MH17撃墜に使用されたミサイルはロシア軍から搬入
2014年7月、ウクライナ東部上空でマレーシア航空MH17便が撃墜された事件について、国際合同捜査チームは2018年8月24日に、使用されたミサイルがロシア軍部隊から搬入されたものだと初めて発表しました。
オランダで行われた記者会見で、合同捜査チームのオランダの代表は、MH17便を撃ち落とした輸送車兼用起立式レーダー装備発射機(TELAR)から発射された地対空ミサイル「ブク」は、ロシアのクルスクを拠点とする第53対空旅団から搬入されたと結論付けました。「第53対空旅団はロシア軍の一部である」と説明しました。
オランダやマレーシアなどの捜査チームのトップ、パウリセン氏はオランダ中部での記者会見でこれを明らかにしました。ロシアから持ち込まれた地対空ミサイル「ブク」が使用されたことは判明していたが、この部隊名の特定は初めてでした。
しかしながら、このミサイルを実際に発射したのがロシア軍なのか、または発射地域を支配していたウクライナの親ロシア派武装勢力なのかは明らかにされていません。「やるべきことは多い」とパウリセン氏は述べ、全容解明に向けての捜査は続くと述べました。
ロシアの言い逃れ?MH17事件捜査結果に対するモスクワの反応
捜査結果が公表された同日、ロシアは再び自国軍の関与を否定しました。モスクワのロシア国防省は、「ロシア連邦の対空ミサイルシステムは一つもロシアとウクライナの国境を通過していない」と声明を発表しました。これは、捜査チームがロシアの第53対空旅団からミサイルが搬入されたと結論付けた事実を否定するものでした。
一方で、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領は事件の捜査結果を受けて反応を示しました。フェイスブックにウクライナ語で投稿し、「テロ支援国家としてのロシア連邦の行動に対して、それにふさわしい評価が下されるよう努力を惜しまない」と約束しました。
国際合同調査チームが4人の容疑者を起訴
2019年6月19日、国際共同捜査チーム(JIT)は、マレーシア航空MH17便を撃墜した「ブク」ミサイルの輸送と発射に関与したとされる4人の容疑者の名前を発表しました。検察当局は彼らの身柄を確保しておらず、顔写真を公開し、国際逮捕状を発行しました。この事件発生以降、容疑者が具体的に起訴されるのは初めてのことでした。
そして、公判は2020年3月9日にオランダで開始される見通しとされています。
国際共同捜査チームが明かす撃墜犯の正体
オランダ主体の国際共同捜査チーム(JIT)は、長期にわたる捜査の末に、マレーシア航空MH17便の撃墜に関与したとされる4人の容疑者を特定しました。その中には3人のロシア人と1人のウクライナ人が含まれています。
ロシア人容疑者たちは、すべてロシアの治安当局と深い関連があるとされています。また、ウクライナ人を含むこれら4人は、事件当時ウクライナ東部の紛争に関与していたとされています。彼らはウクライナ東部で分離派が樹立を宣言した「ドネツク人民共和国(Donetsk People’s Republic)」に参加した疑いを持たれています。
起訴されるのは、ロシア人のイゴーリ・ギルキン、セルゲイ・ドゥビンスキー、オレグ・プラトフの3人と、ウクライナ人のレオニド・ハルチェンコです。
イゴーリ・ギルキンはロシア連邦保安局(FSB)の元大佐であり、セルゲイ・ドゥビンスキーはロシア軍参謀本部情報総局(GRU)に雇われていました。オレグ・プラトフはロシアの特殊部隊「GRUスペツナズ」の元兵士です。一方、レオニド・ハルチェンコはウクライナ人で、軍事的経歴はないものの、2014年7月にウクライナ東部ドネツク州で戦闘部隊を指導していたと見られています。
「セルゲイ・ドゥビンスキー」の電話が示すロシアの特殊装備関与
ロシア連邦保安局(FSB)が、ウクライナの反政府勢力に対して盗聴対策を施した電話機などの特殊装備を提供していたと、国際共同捜査チーム(JIT)は考えています。この事実は、事件に関与したとされるロシア人の一人、セルゲイ・ドゥビンスキー氏の電話会話から明らかにされました。
この電話会話において、ドゥビンスキーは「セミョノフ」と呼ばれる人物に対して、「これは特別な電話で、買うことはできない。モスクワから手に入れた。FSBを通じてね」と語っています。これは、ロシアの情報機関がウクライナの反政府勢力に対して協力していたことを示唆する重要な情報となります。
「イゴーリ・ギルキン」の矛盾した行動が浮き彫りに
イゴーリ・ギルキン(Igor Girkin)は、ロシア出身で、ウクライナ東部で分離独立を宣言した「ドネツク人民共和国」の防衛大臣を自称していた人物で、ロシア連邦保安局(FSB)の元大佐であるとされています。彼はマレーシア航空MH17便が撃墜された事件について、親ロシア派の民兵はボーイング機を攻撃していないと主張しています。
興味深い事実としては、MH17便の墜落が報じられる前に、ギルキンは自身のソーシャルメディア「VKontakte」ページでウクライナ軍の輸送機を撃墜したと発表していました。しかし、マレーシア航空17便の墜落ニュースが広まった後、彼はその投稿を削除しました。
この事実は、ギルキンがMH17便の撃墜に関与していた可能性を示唆していますが、これが裏付けられる明確な証拠はまだ提出されていません。そのため、彼が直接関与したかどうかは引き続き捜査の対象となっています。
便撃墜事件の裁判始まる!被告人不在でも審理進行!
マレーシア航空MH17便の撃墜事件に関する裁判が2020年3月9日にオランダで開始されました。この事件に対する裁判は、スキポール裁判コンプレクスで行われました。初公判では、ロシアの元軍人ら4人が殺人の罪で起訴されましたが、これらの被告人は出廷しませんでした。
事件に関連したとされる4人は、オランダと他の国々の合同捜査チームによって特定され、起訴されました。これらの人々は、ロシア軍の元大佐や情報機関に所属していたとされています。しかし、ロシア政府は、これらの人々の身柄を引き渡す意向を示していません。
裁判官は、多くの人命が失われたこの事件について、「ほとんど理解しがたいものだ」と述べ、被告人が不在であっても審理を進めることを決定しました。
公判で検察が元ロシア大佐らに終身刑を求刑!
2021年12月22日にオランダで開かれた公判で、検察はマレーシア航空機MH17便撃墜事件に関与したとされる元ロシア大佐ら4人に対して終身刑を求刑しました。これは、298人の乗客乗員全員が命を失ったこの事件の重大性を反映しています。
裁判が進行している一方で、ロシア政府はこれまでに被告を引き渡すことを拒否しており、被告全員が公判を欠席しています。これは、裁判の正当性と信頼性に影響を及ぼし、国際司法システムへの挑戦とも見なされています。
検察は事件の残酷さを強調し、撃墜が「298人全員の命を残酷に奪い、遺族らに信じ難いほど深く取り返しのつかない苦しみを与えた」と述べました。これは、この事件が遺族だけでなく国際社会全体にも深い傷を負わせたことを示しています。
驚きの結果!MH17事件の裁判で元ロシア大佐に終身刑判決!
2022年11月17日、オランダの裁判所は、マレーシア航空機MH17便撃墜事件に関与したとされる元ロシア大佐イゴリ・ギルキン氏など3人に対して終身刑を言い渡しました。この判決は、298人全員が命を失ったこの事件の重大性を反映しています。裁判長ステインハウスは、ミサイルの配備によって「命と未来が奪われた」乗客乗員全員に対して「可能な限り重い刑罰が適切だ」と述べました。
しかしながら、ロシア政府はこの判決に反発しています。ロシア外務省は声明で、オランダの裁判所がロシアの主張を排除したことについて「公正な裁判の原則を無視した」と遺憾の意を表明しました。ロシア政府は、審理と判決の根底には「オランダなどの合同捜査チームが唱えるロシア関与説を確定するという政治的要請があった」と批判しています。
ウクライナのレズニコフ国防相はツイッターで判決を歓迎しましたが、同時に「(ロシア側は)悔い改め、罰を受ける用意がない」と非難し、「ロシアへの勝利によってのみ判決の履行が可能になる」と強調しました。
MH17撃墜事件の新たな衝撃!合同捜査チームがプーチンの関与を指摘”
2023年2月8日、マレーシア航空機MH17便がウクライナ東部で撃墜された事件について、オランダなどの国際合同捜査チームは新たな声明を発表しました。それによると、ロシアのプーチン大統領が航空機を撃墜したミサイルシステムの供与に直接関わった可能性が高いとされています。これは、傍受されたロシア当局者の電話記録などから、プーチン氏が親ロシア派勢力へのミサイルシステム供与を決定したことが「強く示唆される」とされたからです。
しかし、合同捜査チームは、これらの情報が「現時点では新たな起訴につながるほど具体的な証拠ではない」と指摘しました。また、一連の捜査がロシアの協力なしでは「限界に達した」として、捜査の中断を発表しました。このため、ミサイルが誰の指示で発射されたのかは依然として明らかになっていません。
この発表は、以前にオランダの裁判所が2022年11月に、ミサイルがロシア国内から運び込まれ、ウクライナ東部の親ロシア派勢力支配地域から発射されたと認定し、親ロ派勢力の指揮官だったロシア人ら3人に終身刑を言い渡した結果を引き続き裏付けるものでした。
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