宇宙戦争時代の幕開けか!?アメリカ宇宙軍の誕生

米国が宇宙軍の創設を指示したことで、宇宙空間における新たな軍事活動が注目を集めています。2018年6月18日、ドナルド・トランプ大統領が署名した「Space Policy Directive 3」により、宇宙軍の創設が決定されました。この記事では、宇宙軍の目的や役割、背後にある戦略などについて詳しく解説しています。

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1901年のイギリス・メイベリーに巨大な物体が落下した。 それは世界を破滅に誘う終わりの始まりだった——

United States Space Force

映画の話じゃない!ついに宇宙の軍隊が!

U.S. Air Force and Space Force Recruiting/YouTube

「宇宙軍」とは、宇宙における軍事活動に特化した軍隊を指します。

「宇宙軍を作ろう!」トランプ大統領が創設を支持

2018年6月18日、米国のドナルド・トランプ大統領は、「Space Policy Directive 3」(宇宙政策大統領令3)に署名し、宇宙軍の創設を指示しました。この宇宙軍は、アメリカの国家安全保障において、宇宙を含む新たな戦域として重要視され、宇宙における米国の優位性を確保するためのものです

その2ヶ月後、マイク・ペンス副大統領は、この宇宙軍および宇宙の安全保障に対して今後5年間で80億ドルを計上するよう、議会に要請しました。

BBC News Japan/YouTube
前々から議会で協議されていた!!

トランプ大統領が提唱した「宇宙軍」は、米国議会下院で承認された「国防権限法案」に含まれる「宇宙軍(Space Corps)」の創設を基にしています。この法案は、2017年に下院で可決され、その後上院でも審議されましたが、最終的には成立しませんでした。トランプ大統領はこの法案の内容を受け継ぎ、宇宙軍創設の構想を推進しているとされています。

はじまりは1999年にさかのぼる

アメリカの宇宙軍のアイデアは、数十年前から検討されてきました。1999年、当時の上院議員であったボブ・スミスが政策文書で提案し、その翌年、当時のドナルド・ラムズフェルド国防長官率いる委員会が、海兵隊と同様の扱いで空軍内に宇宙部隊を設置する案を提出していました。このような提案は、宇宙におけるアメリカの優位性を確保するためのものであり、現在の宇宙軍の創設に繋がっていきます。

アメリカはは宇宙で攻撃的活動については禁止

アメリカ合衆国は、宇宙空間において自衛的な軍事活動を行うことを認められていますが、攻撃的な活動については禁止されています。このような考え方は、1967年に採択された国連宇宙条約によって定められています

アイゼンハワー大統領は、1961年に宇宙における軍事活動の禁止に関する提案を行い、この提案は後に「宇宙における軍事活動に関する条約」として国際的に批准されました。また、オバマ大統領は2010年に宇宙における武器使用の禁止に関する政策を発表しています。

過去に存在した“アメリカ宇宙軍”

実はにアメリカでは1985年に「United States Space Command(アメリカ宇宙軍)」が発足し、2002年にアメリカ戦略軍に整理・統合された。

役割としては、ICBM=大陸間弾道ミサイルなどの早期警戒衛星の管理や、通信衛星・偵察衛星の運用、無線通信やコンピュータネットワークの運用、さらにサイバーテロへの対応を担当していた。一部では、宇宙人やエイリアン対策についても言及されていますが、それはメディアなどのフィクションや娯楽の世界で扱われることが多いとされています。

トランプ大統領が宇宙軍の創設を指示!

2018年12月19日に、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が、宇宙に関する戦闘能力の向上を目的として、独立した軍事組織としての「宇宙軍(Space Force)」の創設を指示しました

統合軍の11番目

宇宙軍は、中東を担当する中央軍(Central Command)やアジアを担当するインド太平洋軍(Indo-Pacific Command)など、地球全域を分担する統合軍の11番目になる。

統合軍とは、陸・海・空軍など複数の軍種を跨いで統合的に指揮統制するために編成される軍のことです。

ホワイトハウスによると、宇宙軍が統合軍として担う責務としては、宇宙での作戦強化や単一の中枢組織による宇宙での作戦の統合化などがあるとのことです。

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空飛ぶ円盤、エイリアン、ロズウェル事件、宇宙人とのファーストコンタクトや隠蔽、人類誘拐事件にいたるまで、徹底的な調査による解説とそれに基づく新事実を豊富な資料とともにひも解く。陰謀・科学・超真実―もうひとつの戦後史。超極秘資料多数掲載!(「BOOK」データベースより)

Space Command

宇宙統合軍(スペース・コマンド)

テレ東NEWS/YouTube

2019年8月30日に「宇宙軍(Space Command)」が設立された。トランプ大統領出席の下で式典が行われれた。場所はホワイトハウスではなく、コロラド州ピーターソン空軍基地だった。

「地球を周回する衛星や国鳥の白頭鷲などをあしらった」ものとして宇宙統合軍の旗も披露された。

87人で発足、ミサイル警戒や人工衛星の運用、宇宙空間の監視活動などに当たるほか、映画「スター・ウォーズ」のような武力衝突に特化したシステムの構築と訓練を担う。

 式典では、地球を周回する衛星や国鳥の白頭鷲などをあしらった宇宙統合軍の旗も披露。

トランプ大統領は、宇宙統合軍を米国の死活的権益を守るための新たな戦闘領域である宇宙空間で活用すると述べ、「米国の優勢を疑問も脅かすものとならないよう万全の体制をとる」と強調した。さらに、中国やロシアを念頭に「米国の敵対勢力」が米軍の軍事作戦や米国民の生活に重要な役割を果たす米衛星を狙う新型の宇宙兵器の開発についても指摘し「宇宙で自由に作戦行動を展開できることは、米国に向けて発射されたミサイルを探知し破壊するのに欠かせない」と訴えた。

宇宙統合軍司令官は「ジョン・ウイリアム・レイモンド」空軍大将

新たな独立軍創設には法整備が必要だったため、米軍改編で可能な統合軍を発足させた。

宇宙統合軍の司令官には、レイモンド空軍大将が就任す。この日会見した司令官は「宇宙空間の米国と同盟国の優位性を保つ」と述べ、宇宙空間が「戦闘領域」であることを強調し、中国やロシアを「重大な脅威」として名指ししました。

Washington Post/YouTube

2020年中に宇宙軍の創設を目指す

法整備が必要なために、独立軍としての地位を持たず、陸海空の軍の宇宙関連機能を結合した組織となった宇宙統合軍は、2020年末までに陸海空軍、海兵隊、沿岸警備隊と同格の独立した6番目の軍への昇格を目指した。ただし、予算増加、官僚機構の肥大化などが指摘され、国防総省内などで反対の声も上がっていた。

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3800時間飛行…伝説のパイロットが執念で接触したUFO!!地球人へのメッセージとは!?(「BOOK」データベースより)

Space Force

宇宙軍(スペース・フォース)

 テレ東NEWS/YouTube

2020年12月20日、アメリカのトランプ大統領は、2020会計年度の国防予算を規定する国防権限法(NDAA)に署名し、これにより、アメリカ宇宙軍司令部(United States Space Command)が完全に独立した6番目の軍としての地位を得るよう国防総省に指示しました。これにより、宇宙軍は他の軍と同じ立場になり、独自の予算と指揮系統を有することとなりました。

宇宙軍の設立は、1947年に空軍が創設されて以来、およそ70年ぶりの新たな軍の創設です。これにより、アメリカは宇宙勢力の発展と建設により多くのリソースを投入し、軍の力を結集することが可能となりました。

署名式典でトランプ大統領は、「宇宙空間は世界で最も新しい戦闘領域であり、安全保障に対する重大な脅威が存在する中で、アメリカの優位性は絶対に重要である」と述べました。

最高責任者「ジョン・ウイリアム・レイモンド」大将

すでに宇宙統合軍の司令官を務めていたレイモンド大将が、アメリカ宇宙軍(Space Command)司令官とともに、アメリカ合衆国宇宙軍作戦部長(Chief of Space Operations, United States Space Force)に任命されました。彼は2020年12月20日に着任し、アメリカ合衆国宇宙軍の初代最高責任者となりました。

Vice President Pence Participates in a Swearing-in Ceremony

アメリカに6つ目の軍が誕生!

宇宙軍は、陸海空の各軍や海兵隊、沿岸警備隊などと並ぶ六つ目の軍種として発足した。

約16,000人の隊員が、米空軍宇宙司令部に勤務しているが、これらの隊員を宇宙軍に転属する予定である。ただし、これは強制ではなく、希望性によるものとなる。

宇宙軍の設立の背景には、中国とロシアの宇宙開発競争への対応と、米国の軍事的優位の維持があります。これには、人工衛星網の保護と強化、衛星攻撃兵器(ASAT)への対策、中国による天然資源開発の抑制などが含まれています。

何かに似ている?「宇宙軍」のロゴマーク

トランプ大統領が2020年1月24日に宇宙軍のロゴを発表。ロゴには矢尻のようなデルタ記号、その周りを物体が回り、背景には星が描かれていました。

宇宙軍は公式Facebookページで、デルタ記号が軍事宇宙組織の特徴として長年使われてきたことを説明し、シンボルであり、宇宙軍もその伝統を継承するためとされています。さらに、トランプ大統領が紹介したロゴが同軍の正式なものになると報道担当者が声明を発表。

偉大な軍指導者、デザイナーや他の関係者らと相談した上での選定とし、このロゴを贈ることが出来てうれしい」トランプ大統領は自身のツイッターに書き込んだ。

ABC News/YouTube

ロゴがまるでスタートレックすぎる(笑)

人気SFドラマ「スタートレック」のロゴにあまりにも似すぎていたため、ネット上で「トランプ大統領は宇宙艦隊をつくったのか」「あんまりからかうと変更されるかも」などの投稿が続出。一気に話題が沸騰した。

実際には、米空軍宇宙軍団が1961年にこのデルタシンボルをエンブレムに採用していたため、その後の宇宙軍もこのデザインを踏襲したということです。しかし、多くの人々がスタートレックのエンブレムと類似していると感じたため、この話題は広く注目を集めました。

「こっちが公式のロゴである」デザインが変更される

ジェームズ・リチャードソン軍曹がデザインした新たな新たなロゴとが、2020年7月22日に公開されました。モットーはラテン語「SEMPER SUPRA」(常に超えて)を英訳「ALWAYS ABOVE」と共に掲げている。また、ドナルド・トランプ米大統領が1月にツイートしたものとはかなり異なるデザインになっている。

ロゴは、宇宙軍のブランドイメージとして、プレスリリースやリクルート活動、広報活動などに広く使用されている。

  1. デルタ形状:これは米空軍の伝統を受け継ぐことを示すもので、1961年から米空軍宇宙軍団のエンブレムで使われてきました。
  2. 銀の縁取り:これは宇宙からのすべての敵や脅威からの防御と保護を表します。
  3. 内部の黒:これは深宇宙の広大な暗闇を体現しています。
  4. 内側の4つの三角形:これは宇宙ミッションをサポートする空、陸、海軍および海兵隊を表しています。
  5. 尖塔のようになっている2つの鋭角:これはロケットの発射を象徴しています。
  6. デルタの中心にある星:これは宇宙軍のコアバリュー、つまりその基本的な信念や原則を象徴しています。

このように、エンブレムは単なるデザイン以上のもので、組織の使命、価値観、歴史を視覚的に表現する重要なツールとなっています。

前回発表のロゴはロゴではない!あれは紋章だ!

先に発表されていた、スタートレック風のロゴは、ロゴではなく勲章で別のものだということになった。正式なロゴは今回発表されたもので、こちらが公式文章などでも用いられる。

強そう(笑)宇宙作戦コマンド

米宇宙軍は2019年12月に発足しましたが、組織構造についてはその後も発表され続けており、2020年6月30日に「スペース・オペレーションズ・コマンド(Space Operations Command)」が発足することが発表されました。略称は「SpOC(スポック)」で、「スタートレック」のキャラクター「ミスター・スポック」と似た感じになった。

軍といえば迷彩服……でも宇宙なのに迷彩?

2020年12月20日に発足した米宇宙軍は、2020年12月18日に普段の職務遂行などで兵士が使用する軍服をツイッター上で披露しました。

陸軍や空軍で既に使用されている迷彩模様を採用し、胸部には青色の刺繍で「U.S. SPACE FORCE」という文字が入っていると報じられています。また、階級章や名札、国旗パッチなども装着されています。

CBS Philly/YouTube
SNSでまたも嘲笑

SNSユーザーの間で、迷彩柄を採用した新しい米国宇宙軍の軍服についての嘲笑が起こった。

ツイッター・ユーザーらは、迷彩服の緑色が本来森林での活動に適しているにもかかわらず、宇宙空間で使われるのは「ひどく滑稽」と反応しています。風刺家のジェームズ・ファルトン氏も、「宇宙空間でいったい何本の樹木が見つけられると思うのか」としています。そのような反応に対して米宇宙軍は、予算を節約するために陸軍と空軍の軍服を元にして考案されたという説明を発表した。

宇宙軍の軍馬!その名も「Ghost」

ヴァンデンバーグ空軍基地(南カリフォルニア)に軍馬がいるとニュースで報じられた。

ヴァンデンバーグ空軍基地は、宇宙軍の施設の1つであり、主に宇宙打ち上げや宇宙関連の試験が行われています。

馬の名前はゴーストと名付けられていた。余談だが「ゴースト」という言葉は、一般的には宇宙航空機のことを指すことが多い。

ゴーストは、アメリカの公有地からBLM(土地管理局)によって捕獲された野生の馬で、アメリカ宇宙軍の軍用馬保全プログラムに参加するために引き取られた。

訓練後、ゴーストは広大な基地内をパトロールするという。

ヴァンデンバーグ空軍基地に軍馬がいるというニュースは珍しいことではありません。実際、ヴァンデンバーグ空軍基地には、馬に乗った警備員がパトロールを行っていることがあります。

これは、ヴァンデンバーグ空軍基地が非常に広大な敷地を持っているため、徒歩でのパトロールだけでは不十分だと考えられているためです。また、馬に乗った警備員は、地形の変化や障害物の多い場所でも効果的にパトロールを行うことができます。

CBS Local News/YouTube
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