【Qアノン陰謀論(8)】オバマ vsトランプ!アメリカ政治の一大スキャンダル「オバマゲート」とは!?

「オバマゲート」とは、ドナルド・トランプが提唱した陰謀論で、トランプが2017年にツイートした際に一般的に知られるようになりました。

オバマゲートは、トランプの選挙キャンペーン中に彼の通信が盗聴されたという主張から始まり、その後、オバマ政権が不正な監視活動や政治的なスキャンダルを行ったとする様々な主張が広まりました。

【Qアノン陰謀論(7)】ドナルド・トランプが世界最大のコロナ・インフォデミックの牽引者とされる理由
created by Rinker
全米で大ベストセラー。歪んだ大統領を生み出した一族の「腐食の連鎖」。(「BOOK」データベースより)

Obamaate

トランプ発の陰謀論「オバマゲート」とは?

ABC News (Australia)/YouTube

「オバマゲート」とは、ドナルド・トランプが第45代アメリカ大統領在任中に投げかけた、バラク・オバマ前大統領とその政権の行動についての疑惑を指します。

これはトランプ支持者や一部の保守派メディアが主張するもので、バラク・オバマ前大統領の政権がロシアゲートを利用して、トランプを失脚させるために国家権力を悪用したというものです。

「ゲート(疑惑)」とは、元々1972年の「ウォーターゲート」スキャンダルに由来しており、それ以降、アメリカでは政治的な疑惑やスキャンダルに「ゲート」が付けられることが多くなりました。

「ロシアゲート」とは何か?

2016年のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプが勝利した後、「ロシアゲート」あるいは「ロシア疑惑」と呼ばれる問題が浮上しました。

これは、トランプ陣営がロシア政府と不適切に連携し、選挙結果に影響を及ぼしたのではないかという疑惑です。

刑事訴追はなし?ミュラー報告書が明かすトランプとロシアの関係の真相

2017年5月、ロバート・ミュラーが特別検察官として任命され、トランプ陣営とロシアとの関連を調査する役割を担いました。

2年近くにわたり、多くの証人を尋問し、数千の文書を検証しました。

2019年にミュラーは報告書を公表し、ロシア政府とトランプ陣営に関係する複数の個人との間につながりがあることが特定されたが、これを刑事訴追するには十分な証拠がないと結論付けました。

また、大統領による捜査妨害については判断を保留しました。

トランプ大統領は、「共謀や捜査妨害はなかった。完全に無罪だ」と主張しましたが、民主党の一部はトランプを弾劾すべきだと主張しました。

ウクライナゲート」がもたらしたアメリカの政治環境への影響

一方で「ウクライナゲート」と呼ばれる疑惑も登場しました。

これはトランプ大統領がウクライナのゾレンスキー大統領に対して、2020年の大統領選挙でライバルとなるジョー・バイデンとその息子ハンター・バイデンについての汚職調査を要請したという疑惑を指します。

この疑惑に対する弾劾手続きが行われ、下院では訴追が可決されましたが、上院では無罪評決が下されました。

両事件ともに、アメリカの政治環境における分断と対立を象徴するものであり、その影響は現在でも続いています。

トランプへの攻撃発覚!「オバマゲート」が明かす政治的な権力闘争

「オバマゲート」の始まりは2020年5月8日夜。

その日、バラク・オバマ前米大統領が前政権メンバーらとの個人的なチャットの中で、ドナルド・トランプ大統領を厳しく批判しました。

米ヤフーニュース独占入手!オバマの警告が示す政治の混乱

この音声記録は、米ヤフーニュースが最初に入手して報道しました。

そのチャットにはオバマの前政権の当局者3人が参加しており、彼らはオバマの発言の内容をCNNに確認しました。

この会議は、ジョー・バイデン前副大統領の大統領選の民主党候補指名が確実となったことを受けて、バイデンへの支持を呼び掛ける目的で5月8日に30分間開催されたものでした。

オバマは、このチャットの中で、最善の政府であっても失敗する可能性を認めつつ、政府が「自分にとって何が利益なのか」「他人がどうなっても構わない」という考えに基づいて行動すれば、結果として混乱と大惨事を招くだろうと警告しました。

オバマは、専門家の意見を尊重し、事実と政治的目標、個人的な原則を比較検討するという意思決定プロセスで知られており、「開かれた」「透明性のある」「責任感の強い政府を率いる」この3つの重要性を強調してきました。

オバマの懸念が浮上させる「ロシアゲート」とフリンの訴追放棄

さらに、オバマは米司法省がロシアに関する捜査(「ロシアゲート」)の一環として、ワシントンDCのロシア大使との接触についてFBIに虚偽を述べたとして有罪を認めたマイケル・フリンに対する訴追を放棄したことについて指摘。

このような行動は「法の支配」を危険にさらすものであり、偽証罪で起訴された人物が罰せられずに解放されるという前例は存在しないと強い懸念を表明しました。

下院司法委員会の民主党の議員たちは、ビル・バー司法長官が刑事事件、特にフリンの訴追を含む司法省の介入によって、ドナルド・トランプ大統領の「政治的命令」を遂行していると非難しています。

これらの声明と非難は、司法の独立性と公正さに対する懸念を表明し、政治的な影響が法の適用に介入してはならないという強いメッセージを送っています。

オバマの支持が示すバイデン政権の使命とその影響力

また、オバマは11月の米大統領選挙についてもコメントし、「この選挙が極めて重要なのは、特定の個人や政党と戦うからではない。我々が戦う相手は、自己中心的で(社会を)分断し、他人を敵とみなす長期的な傾向だ」と強調しました。

これにより、オバマは選挙の重要性を単なる個人や政党間の争いを超えた、社会全体の価値観や方向性に焦点を当てるものとして位置づけています。

さらに、オバマは民主党の候補者指名を確実にしたジョー・バイデン前副大統領への支持を公然と呼びかけました。バイデンはオバマ政権時代に副大統領を務め、オバマとは長い間にわたる深い関係を持っています。

オバマはバイデンが統一され、公正で包括的なアメリカを再建する上で重要な役割を果たすと信じており、バイデンの主張する分断された社会を修復し、包摂的な価値を推進するというビジョンに賛同していました。

「OBAMAGATE!(オバマ・ゲート)」トランプ大統領のツイッター投稿が話題に!

オバマ前大統領のコメントに反応して、トランプ大統領は自身のツイッターアカウントに「OBAMAGATE!」とツイートしました。

さらに、「オバマゲートで逮捕」などとツイートしたことで、この話題は一気に話題となり、一時期、投稿数は300万件を超えました。

興味深いことに、前日までは「トランプゲート」というフレーズがトレンドであり、これは少なくとも2016年から使われている反トランプのハッシュタグでした。

トランプ大統領は、このハッシュタグに対抗する意味で、オバマゲートという言葉を使ったと考えられます。

トランプ大統領、オバマゲートの具体的な犯罪を示さずに警鐘

翌日、5月11日のホワイトハウスでの記者会見で、ワシントン・ポストの記者がトランプ大統領に対して、「オバマゲート」でのオバマ前大統領の具体的な犯罪行為について質問する場面がありました。

しかし、トランプ大統領は具体的な罪を明らかにすることなく、「オバマゲートは自分が大統領になる前から始まっている。情報はこれから公開される。今はまだ始まったばかりだが、恐ろしいことが起こったんだ。この国でこんなことが許されてはいけない」と語りました。

具体的な罪は何かと再度質問されると、トランプ大統領は「犯罪は誰の目にも非常に明白だ。新聞を読めばいい。ただし、あなたのところ以外の新聞を」と述べ、次の質問に移りました。

ホワイトハウス公式アカウントが「OBAMAGATE」を発信

その後の5月13日には、ホワイトハウスの公式ツイッターアカウントも「OBAMAGATE」とツイートしています。

Associated Press/YouTube

「米国史上の最大の政治犯罪者」トランプ大統領がオバマの議会証言を迫る

トランプ大統領は、2023年5月14日のツイッター投稿で、オバマ前大統領を議会に招致するよう求めました。

「私が議員だったら、米国史上最大の政治犯罪であり、スキャンダルについて、オバマ前大統領に議会証言を求めるだろう」と述べ、さらに「とにかくやるべきだ」と指摘しました。

そして、彼はこの発言を通じて、自身の支持派の代表格であり、上院司法委員会の委員長を務めるリンゼー・グラム上院議員に呼び掛けました。

トランプ大統領は、何を疑っているのか具体的に触れることなく、オバマと前政権がさまざまな不正を働いてきたと非難してきました。

大統領選を前に対立する民主党に関する陰謀論をあおるもので、大統領と元大統領は公の場での衝突を避けるという不文律の上に成り立つホワイトハウスの慣例を破る形となりました。

オバマ前大統領、バーチャル卒業式でトランプを名指しで非難

オバマ前大統領は2023年5月16日、オンラインで行われた黒人のための大学と全国の高校のバーチャル卒業式でスピーチを行い、トランプ政権の新型コロナウイルス対応を批判しました。

「今回のパンデミックは『責任ある立場の人々は、自分たちのしていることを分かっているはずだ』という考えを完全に打ち破ってしまった」と述べ、その上で「彼らの多くは責任者であるそぶりすら見せていない」と指摘しました。

オバマが公に政治的な発言をすることは3年前に退任して以来少なく、特にトランプ政権を名指しで批判するのは異例です。

また、オバマは「私たちの社会や民主主義は、自分のことだけでなく互いのことを考えて初めて機能する」と述べ、トランプ政権下で進行しているとされるアメリカ社会の分断に警鐘を鳴らしました。

オバマは若者たちに向けて「この世界が良くなるとすればそれはみなさん次第だ」と強調し、「みなさんが指導力を発揮するときだ」と訴えました。

また、トランプの言動が人種差別的であると解釈される可能性を念頭に、「皮肉や恐怖に覆われることのないビジョンを持つことを望む」とも語りました。

NBC News/YouTube
「オバマゲート!」オバマのスピーチ後にトランプがツイート

オバマ前大統領のバーチャル卒業式でのスピーチの後、怒ったトランプ大統領はTwitterで「オバマゲート!」とツイートしました。

このように、この時期のアメリカでは、前大統領が現職の大統領の指導力を批判し、現大統領がそれに反発するというまれに見る対立構造が生まれていました。

このような現象は通常はあまり見られません。両者の間には深い意見の相違や緊張が存在し、それが公然と表明される形で表れていました。

「バーサー運動と出生証明書論争」トランプとオバマの長年の対立

ドナルド・トランプとバラク・オバマの対立は、トランプが大統領に就任する前から存在していました。

両者の間の緊張関係は、トランプがオバマの出生証明書を疑問視する「バーサー運動(birther movement)」を支持していた時期に遡ることができます。

トランプは公然とオバマがアメリカ生まれでないと主張し、そのため大統領になる資格がないと非難していました。オバマは最終的に公的な出生証明書を公開し、トランプの主張を退けました。

「オバマ盗聴疑惑」とウォーターゲートへの比喩

トランプの大統領就任後、対立はさらに激化しました。

2017年3月4日にトランプがツイッターでオバマを非難したツイートは、この対立の象徴的な瞬間でした。

トランプは「ひどい! オバマがトランプタワーで私の電話を盗聴していたのを知った」「崇高な選挙プロセスの最中に、電話を盗聴するなんてどこまで落ちぶれたんだ。これはウォーターゲートだ」とツイートしました。

これは非常に強い非難であり、オバマがトランプの選挙キャンペーンを盗聴していたという主張を含んでいました。

トランプは、1970年代にリチャード・ニクソン大統領が辞任に追い込まれたウォーターゲート事件になぞらえ、オバマの行動を非難した。

証拠不足とオバマ側の全面否定

トランプはTwitterを活用して盗聴疑惑を広めましたが、具体的な証拠は公に示されませんでした。その後も、彼の政権内の人々がこの疑惑を裏付ける証拠を持っているという明確な証拠は提出されませんでした。

サラ・サンダース(当時の大統領副報道官)は2017年3月5日にABCテレビの番組で、「もし事実なら、過去最大の権力の乱用だ」と発言しました。

しかし、番組ホストから具体的な根拠について問われたとき、彼女は明確な回答を与えることができませんでした。これは、疑惑に対する明確な証拠が不足しているという事実を示しています。

一方、バラク・オバマの報道担当者は、「オバマもオバマ政権下のいかなるホワイトハウス関係者もアメリカ国民の監視を命じたことは絶対にない。

いかなる示唆も明らかな間違いだ」として、トランプの主張を全面的に否定しました。

FBI長官コミー、トランプの盗聴疑惑を公式に否定

2017年3月20日、当時のFBI長官ジェームズ・コミーは、下院情報委員会の公聴会に出席し、ドナルド・トランプが3月4日にツイートした、バラク・オバマ前大統領による盗聴疑惑について、裏付ける情報はないと明言しました。

この発言は、トランプの盗聴疑惑に対する公式の否定であり、オバマがトランプを盗聴したという主張に対する証拠が不足していることを示しています。

「ロシアゲート」の捜査を公式に認める

さらに、コミーは、FBIが2016年7月からロシア政府による米大統領選への介入について捜査していることを正式に認めました。ただし、捜査が進行中であるため、詳細な情報は公にできないと説明しました。

この発言は、所謂「ロシアゲート」の捜査が進行中であることを再確認したものであり、FBIがこの問題を真剣に取り扱っていることを明らかにしました。

「監視令状も情報収集もなし」クラッパー前国家情報長官が盗聴疑惑を否定

ジェームズ・クラッパー前国家情報長官もまた、トランプの盗聴疑惑に対して否定的な見解を表明しました。

彼はアメリカのNBCテレビに対し、「外国情報活動監視裁判所がトランプ・タワーを監視する令状を出したことはない」「大統領や次期大統領、候補者とその選挙活動に対する盗聴を行ったことなどない」と述べ、トランプの疑惑を全面的に否定しました。

クラッパーは情報機関の長として、アメリカの監視体制と情報収集のプロセスについての深い理解を持っています。したがって、彼の証言は、トランプの主張に対する重要な反証となりました。

トランプ盗聴疑惑の根拠と批判…情報源とメディアの信頼性の問題

トランプの盗聴疑惑は、右派ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」の2017年3月3日の記事が一部の起源となっています。

同記事では、オバマ政権がトランプ陣営とロシアとのつながりを調べるために、トランプタワーのコンピュータを監視し、電話を盗聴したと主張していました。トランプはこの記事を見て、ツイートを投稿した可能性があります。

しかし、ブライトバート・ニュースは、トランプ大統領の側近スティーブ・バノンが会長を務めていた組織であり、トランプ政権を完全に支持するという立場を持っています。

これは「身内」のメディアとも言える存在で、その報道が政治的に偏向しているとの批判があり、その客観性は疑問視されています。

また、同サイトも盗聴疑惑について具体的な証拠は示していません。

ガーディアン紙によれば、FBIは2016年夏に外国情報監視法に基づきトランプの関係者を監視する令状を申請したものの、却下されていると報じています。

このことから、トランプが「今分かったばかりだ」と書いた盗聴の主張は、実際の報道がなされてから数週間が経過していることがわかります。

この一連の事象は、情報の信頼性や政治的な偏りについての議論を引き起こしました。

そして、それはメディアがどのように情報を取り扱い、その情報が公にどのように伝えられ、解釈されるかについての考察を必要としました。

ABC News/YouTube

トランプが監査官を解任!その理由は「ディープステート」

2020年5月17日、トランプ政権は、スティーブ・リニック米国務省監察官の解任について、激しい批判に直面しました。

政権はリニックが、トランプ大統領の失脚を目指す「ディープステート(闇の政府)」と称する集団の一部だとほのめかし、これに反論しました。

トランプ大統領と彼の側近たちは以前から、上級官僚たちがトランプ大統領の弱体化を狙っているという陰謀説を唱えてきました。

一方で、大統領補佐官のピーター・ナバロはABCの番組で、リニックの解任は「ディープステート」問題に対応するためのもので、「適切で、残念なことではない」と述べました。

彼はまた、多くの官僚がトランプ大統領を選挙で選出された大統領として認めていないと主張しました。

それにもかかわらず、トランプ大統領と彼の側近たちが一貫して主張してきた、党派性を超えた官僚組織内にトランプ大統領を失脚させようとする「ディープステート」の存在を証明する具体的な証拠はまだ示されていません。

トランプ大統領の監察官解任は、これまでにも度々行われており、その度に激しい批判が巻き起こっています。

リニックの解任は特に注目されるべき事例であり、その結果として様々な論争が生じている状況を反映したのです。

MSNBC/YouTube
監察官解任が4人目!トランプ大統領の人事に対する批判が高まる

2020年4月以降、ドナルド・トランプ大統領が監察官を解任したのはスティーブ・リニックを含めて4人目となります。

監察官は、政府の不正行為や職権乱用を監視する重要な役割を担っており、このような人事に対しては、共和党内からも批判の声が上がっています。

リニックは、マイク・ポンペオ国務長官に対する調査を開始していたと、民主党議員らからの報告があります。このような状況の中で、監察官の解任は国務省だけでなく、他の部署でも相次いでいます。

特に注目されるのは、新型コロナウイルスの対策について、人工呼吸器や検査キットの不足を指摘した厚生省の監察官が、トランプ大統領から強い不満を買い、5月上旬に交代の方針が示された事例です。

また、4月には情報機関の監察官の解任も議会に通告されています。

これらの監察官の解任について、「ウクライナゲート」をめぐる告発がトランプ大統領の弾劾訴追のきっかけを作ったという事実を考えると、これらが報復行為と見られることは驚くべきことではありませんでした。

多くの観察者は、トランプ大統領が自身に対する脅威となる監察官を次々と解任することによって、彼が政府のチェック・アンド・バランスを破壊していると指摘しています。

トランプ政権の監察官解任に対する民主党の警鐘

トランプ政権は、自身にとって脅威となる監察官を次々と解任しており、これに対して民主党は警鐘を鳴らしています。

これらの解任が、トランプ大統領が自らの行動に対する監視を避ける試みであると、民主党は主張しています。

例えば、エリオット・エンゲル下院外交委員長は、国務省の監察官スティーブ・リニックの解任の理由として、サウジアラビアへの武器売却の調査を挙げました。

国務省は2019年5月、イランの脅威に対応するために議会の承認を省略し、武器売却を進めていました。リニックはこの判断が適切だったかどうかを調査していたとされています。

さらに、リニックは、ポンペオ国務長官とその妻が部下に対して、犬の散歩やレストラン予約などの私的雑務を行わせていた疑いも調査していました。

「オバマは反逆罪」トランプ大統領がスパイ行為と反逆罪で非難

2020年6月22日、ドナルド・トランプ米大統領はクリスチャン・ブロードキャスティング・ネットワークとのインタビューの中で、バラク・オバマ前大統領とその政権が反逆罪を犯したと非難。

しかし、明確な証拠を示しませんでした。

トランプ大統領はインタビューで、オバマ政権が彼の陣営を偵察するためにスパイ行為を働いたと非難しており、「反逆罪だ。私はこれまでもオバマ前政権がわれわれの陣営を偵察したと言っている。彼らに何が起こるか見守ろう」と語りました。

このコメントは、司法省が2016年の米大統領選挙への介入疑惑をめぐる調査を見直しているときに行われました。

トランプ大統領は、「バー司法長官は素晴らしい仕事をしている。どのような結果になるか見届けよう」とウィリアム・バー司法長官を称賛しながら述べました。

一方で、オバマの代表は、トランプ大統領の非難に対してコメントすることはないと述べました。これは、オバマ陣営がトランプ大統領の主張を公式には認めていないことを示唆しています。

HuffPost/YouTube

驚きの発言!トランプ大統領が遂に米国のロシアへのサイバー攻撃を認める

2020年7月11日、ドナルド・トランプ米大統領は、2018年に米国がロシアのインターネット企業に対してサイバー攻撃を仕掛けたことを初めて公式に認めました。

この認識は、彼が記者会見で行ったコメントの中で明らかにされました。

トランプ大統領は会見で、バラク・オバマ前大統領が大統領選挙前のロシアの干渉を知っていたにもかかわらず何も言わなかったと指摘しました。

トランプは、オバマが当時の民主党の指名候補だったヒラリー・クリントン元国務長官が勝利すると判断し、この問題に触れたくなかったと主張しました。

また、トランプ大統領は自らの行動について言及し、諜報を受けたサイバー攻撃によりロシアの干渉を止めたとの功績を自賛しました。

トランプはこのサイバー攻撃を「ロシアに敵対するより広範な政策の一環」として誇示しました。

一方、オバマ前大統領は2016年12月に、米大統領選挙への干渉を理由にロシアに対する制裁や一部の外交官を追放する報復措置を講じていました。

「現政権は勝つためなら民主主義を破壊する」オバマのトランプ大統領を批判

2020年8月19日、バラク・オバマ前米大統領は民主党全国大会での演説で、ドナルド・トランプ大統領を鋭く批判し、”トランプは大統領に育たなかった。

能力がないからだ”と述べました。彼は”現政権は勝つためなら民主主義を破壊する”と警告し、11月の大統領選挙に向けてトランプの再選阻止を訴えました。

この日の大会では、前回大統領選で民主党候補だったヒラリー・クリントン元国務長官も演説しました。

クリントンは、選挙人制度で敗北したにもかかわらず全米の総得票数でトランプを上回ったことを念頭に、「我々は圧倒的な票数で勝利しなければいけない。そうすれば、トランプは勝利を盗むことはできない」と訴えました。

同時に、クリントンとオバマは、自分たちの右腕として8年間働いたジョー・バイデンを高く評価しました。

オバマはバイデンを「米国をより良い国にする経験を持ち合わせている」と称え、副大統領候補に指名されたカマラ・ハリス上院議員についても「準備ができている。理想的なパートナーだ」と述べ、彼らへの支持を呼びかけました。

これに対し、トランプ大統領はツイッターでオバマの演説に対して反撃し、「彼は私の選挙活動をスパイし、捕まった」と一方的に主張しました。

トランプは、オバマが実施した外交や環境政策を次々と逆行しています。

C-SPAN/YouTube

SNS上で拡散された「オバマ元大統領逮捕」のデマ

2020年11月28日に「バラク・オバマ元米大統領がスパイ容疑で逮捕された」という情報が英語圏や日本のSNS上で拡散されました。

しかし、この情報は信憑性に欠け、その出所はカナダの右派サイトにある虚偽の内容でした。

このニュースを主張していたのは個人のツイートやカナダの右派系サイトで、オバマの逮捕を強く主張していました。しかし、その裏付けとなる証拠は一切見当たりません。

また、日本のインフルエンサーがこの情報を紹介した際には、「要確認」との注釈を付け、情報の真偽について警告していました。

オバマ本人は12月2日午前3時(日本時間)にツイートを行い、通常通り自由に活動をしていることを示しています。このことからも、オバマが逮捕されたという報道は疑わしいと言えます。

この虚偽の情報の出所とされるカナダのニュースサイトは、元々は米司法省が発表した全く無関係な文章を改変したものを使用していました。

司法省の発表は、元CIA職員が別の元CIA職員と共謀し、スパイ行為を行った容疑で逮捕・起訴されたというものでした。

しかし、この容疑者の名前がオバマに無理やり変えられ、日付も「11月28日」に書き換えられていました。

「クリーンな政権 vs 疑惑と不正行為」オバマとトランプの対比

バラク・オバマ元米大統領は、アメリカ史上最もクリーンな政権を率いたと広く認知されています。

一方で、ドナルド・トランプ元大統領の政権下では、彼自身の犯罪や金融上の不正行為に関する疑惑が存在し、これらは米連邦最高裁で審理される可能性があります。

トランプは、自らの犯罪疑惑を隠蔽しようとする一方で、オバマに対しては根拠のない疑惑を持ち出してきたとされています。

これには、「オバマゲート」という言葉が使われており、オバマ政権が次期トランプ政権を妨害するために、ディープステート(国家の内部で国家を動かしている機関)を指揮してロシアとの共謀の濡れ衣を着せたという疑惑を指しています。

トランプが「オバマゲート」に強くこだわる理由として、2020年の大統領選挙における世論調査での苦戦が挙げられます。

新型コロナウイルスの感染拡大が経済に大きな影響を及ぼし、株価の下落などでトランプが誇っていた経済成果が揺らいでいたことが背景にあるとされています。

感染拡大による経済の悪化を受け、トランプは「オバマゲート」を追及することで、支持者に対して誇示できる何らかの功績を示そうとしたと考えられます。

「議論を呼ぶ政治的な発言」トランプ元大統領の3期目出馬発言と憲法制約

2020年、ドナルド・トランプ元米大統領は、2024年に3期目を目指して大統領選挙に出馬する意向も示していました。

これは2020年11月の大統領選挙で再選されることを前提とした発言で、トランプ自身が「交渉する」と述べたものです。

これらの発言は、アメリカ合衆国憲法の制約を無視したものと受け取られ、批判的な視点からはただの軽口とは受け止められていません。

米国では、大統領の任期は基本的に2期(1期は4年)が最長であり、これは1951年の憲法改正以後に定められたルールです。

ただし、フランクリン・ルーズベルト大統領は1932年以降4回選出されるという例外が存在します。

トランプの3期目出馬についての発言は、2020年9月12日にネバダ州の選挙集会で行われました。同州は2016年の大統領選挙でトランプが惜敗した地で、再選を確信するなかでの発言でした。

また、トランプは以前、ウィスコンシン州で開催された集会でも同様の主張を展開していました。

その際、トランプは「バラク・オバマ政権が私の選挙陣営をスパイした」と主張し、再選後にさらに4年間大統領を続けられるべきだと訴えていました。

これは彼自身が「オバマゲート」と呼ぶ、根拠のない説に基づくものとされています。

このようなトランプの発言は、その政治的なスタンスとパフォーマンスを如実に示すものであり、支持者や反対派の間で大きな影響を与えました。

トランプが習近平を称賛!?大統領任期制度に対する異例の言及

2018年3月3日、ドナルド・トランプ元米大統領は、中国の習近平国家主席が自身の終身体制を整える動きを称賛する発言を行いました。

トランプは「彼(習氏)は終身国家主席だ。彼はそれを可能にした。素晴らしいと思う」と述べ、更に「われわれもいつか、(終身大統領制を)試してみたらいい」と加えました。

これらの発言はフロリダ州での非公式な資金集めイベントで行われ、彼の支持者たちからは大きな笑いと拍手が起こりました。

しかし、トランプがアメリカの大統領任期制度の延長を本気で提唱したのか、あるいは単なる冗談だったのかは明らかではありません。

当時、ホワイトハウスからの公式コメントは得られていませんでした。

トランプのこの発言は、批判者からは大統領としての役割と価値観を問われるものとなりました。

民主党下院議員のロー・カンナはツイッターで、「これが冗談だったのかどうかにかかわらず、習氏のように終身大統領(国家主席)となることに言及するのは、米国の大統領が明らかにした心情として最も米国的らしくないものだ」と述べ、批判しました。

アメリカでは自由と民主主義が国家の基本原則とされており、トランプのような発言はそれらの原則に反するとみなされることがあります。

したがって、トランプの終身大統領制についての発言は、彼の政治的な姿勢とその意図を巡る議論を呼び起こしました。

created by Rinker
全米で大ベストセラー。歪んだ大統領を生み出した一族の「腐食の連鎖」。(「BOOK」データベースより)
【Qアノン陰謀論(9)】「彼らは私のことが大好きなようだ。ありがたいことだ」大統領選を左右する!?Qアノンの影響力

You might be interested in …

日本人アーティスト初のビルボード1位! 坂本九が巻き起こした「SUKIYAKI」の現象【上を向いて歩こう】

当時の日本は、米国に次ぐ世界第2位の音楽市場を持っていたが、米国のチャートをにぎわす日本人アーティストはいなかった。しかし1963年(昭38)、坂本九さんが歌った「SUKIYAKI」こと「上を向いて歩こう」が、米音楽専門誌ビルボードのチャートで3週連続1位を獲得した。

0

当サイトではプロモーションが含まれています。また、利用状況の把握や広告配信などのために、GoogleやASP等のCookieが使用されています。これ以降ページを遷移した場合、これらの設定や使用に同意したことになります。詳細はプライバシーポリシーをご覧ください

X