トランプ大統領の過激な発言や問題行動は、メキシコ移民やイスラム教徒に対する差別的な発言や、戦死者遺族へのデリカシーのない言葉んあどが含まれています
また、ヒラリー・クリントンのスキャンダル問題では、日本ではまず許されない壮絶な罵り合いが展開されました。
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Trump vs. the Media
「政界を揺るがす暴言王」トランプの挑発的な言動
トランプの疑わしい行動と発言は、トランプが政界に足を踏み入れた当初から続いています。トランプの行動は、多くの場合、驚きと憂慮を引き起こしましたが、それがむしろトランプの人気を高める燃料となっているようです。
2015年7月、トランプはサウスカロライナ州での演説で、共和党のライバル候補であるリンゼー・グラハム上院議員の携帯電話番号を暴露し、聴衆に「かけてみよう」とけしかけました。
これは、グラハムとの公然とした反目を証明する行動で、彼らの争いは共に「ばか」や「間抜け」という言葉を投げつけ合うレベルまで達していました。
さらに、トランプの2016年の出馬表明は、人種差別的な主張で注目を集めました。
トランプはメキシコからの移民を「麻薬や犯罪を持ち込む者たち」「強姦犯」と決めつけ、南部国境に壮大な壁を建設すると公約しました。
トランプがこれらの発言を繰り返しながらも支持を維持できた理由については、進歩的なオバマ政府への不満を抱いた共和党支持者が彼に惹かれたからだと指摘されています。
トランプの雄大なパフォーマンスと挑発的な言葉遣いが、特定の層の不満や憤りを吸収し、それを支持へと転換する独特の能力を持っていたのです。
PTSD兵士への偏見
2016年10月、トランプは再び物議を醸す発言をしました。
バージニア州で行われた退役軍人の会合に出席した彼は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症した帰還兵たちについて、”戦場で見たことに対応できない人たちも大勢いる”と述べました。
この発言は、彼がPTSDを発症した兵士たちを「弱い」と見なしていることを示すものと捉えられました。
トランプのこの発言は、トランプの見解が退役軍人の困難や挑戦を十分に理解していないことを示すものと広く解釈されました。
PTSDは深刻な精神的健康問題であり、戦争の経験だけでなく、様々なトラウマ体験により発症することが知られています。
トランプのこのような言い方は、精神的健康問題に苦しむ人々を「強くない」人々と決めつける危険なメッセージを発信するものであると批判されました。
これは特に、アメリカで退役軍人の自殺率が高いという深刻な現状を考えると、より深刻な問題です。
イスラム教徒に対する度重なる過激発言
トランプの最も物議を醸すトピックの1つは、彼のイスラム教徒に対する見解です。
トランプは過去に「イスラム教徒のアメリカ入国を禁止する」「イスラム教テロリストの家族を皆殺しにするべき」などと発言し、大きな非難を浴びました。
さらに、トランプ彼はアメリカのイスラム教徒がテロリストを警察から隠しているとも示唆しました。
これらの発言は、深刻な社会的分断を引き起こし、特定の宗教的グループに対する偏見や差別を煽っているとの批判があります。
特に、トランプの発言は、第二次世界大戦中に日系アメリカ人が強制収容所に押し込められた暗い歴史の再来を予示していると心配されています。
当時と同じように、現在はイスラム教徒が排斥のターゲットとなっています。
公の場での差別的な発言は、イスラム教徒を一律にテロリストと見なす誤ったステレオタイプを助長し、無実の人々を恐怖と不安に陥れます。
トランプのこのような言動は、アメリカが抱える大きな課題の一つであり、多文化社会における包摂性と公正さを求める声が高まっています。
戦死者遺族への無神経な言葉と国内外での非難
キズルとガザーラ・カーン夫妻の息子、フマヤン・カーン大尉は、2004年のイラクにおける自動車爆弾攻撃で勇敢にも命を落としました。
彼の両親は、2016年7月28日の民主党大会で、繰り返しイスラム教徒を侮辱するトランプを非難。トランプがアメリカのために何一つ犠牲を払ってこなかったと指摘しました。
この発言に対してトランプは、自身は「いろいろな犠牲を払ってきた」と反論し、カーン夫妻の反論に不快感を示しました。
特に、母親であるガザーラが何も発言しなかったことについて、トランプは彼女がイスラム教の規則で発言できなかったのではないかと憶測しました。
トランプのこの発言は、遺族や同胞から強い非難を引き起こしました。
イスラム教の遺族への無神経な言葉について、ガザーラは深く傷ついたと述べ、多くのアメリカ人は戦死者とその家族を「英雄」として尊重しているため、大統領候補のトランプの発言は前代未聞と捉えられました。
これは、民主党だけでなく共和党内からも強い批判があり、その中にはバラク・オバマ大統領も含まれていました。
また、フランスのフランソワ・オランド大統領も、トランプの発言に対して「不快」との感想を述べました。
オランド大統領は、「トランプ氏の行きすぎは私たちに吐き気を催させる。たとえ米国における言動であっても、兵士のことや兵士の思い出を悪く言うとなればなおさらだ」と述べました。
この一連の出来事は、トランプが大統領として適任かどうか、また彼の人間性についてさらに多くの疑問を投げかけるものとなりました。
トランプの移民政策…国民を分裂させる問題と価値観の対立
ドナルド・トランプは移民政策について、強硬な立場を掲げ続けています。具体的には、「強制送還部隊を作って、人道的な方法で送り返す」と述べています。
さらにトランプは、「何百万という人々がアメリカに来たがって不法に入国しようとするのを止めなければならない」と付け加えました。これらの発言は彼がMSNBCのニュース番組で行ったもので、その後すぐに多くの非難を浴びました。
トランプの提案がツイッター上で「人権侵害だ」と指摘される中、彼の移民に対する厳しい態度はその選挙戦略の一部とも言えます。
トランプの支持者の中には、アメリカの国境を守ること、特に不法移民の流入を阻止することを強く求める人々が多くいます。
しかし、一方でその方針は人道的な観点から広範な非難を引き起こしています。
強制的な移民の送還は、移民の基本的人権を侵害する可能性があり、特に子供たちにとっては悲劇的な結果をもたらす可能性があります。
多くの専門家や活動家たちは、トランプのこの政策がアメリカの価値とは逆行するものであり、人間の尊厳を脅かすものだと指摘しています。
この問題は、トランプの支持者と反対者の間で大きな分裂を引き起こしており、その結果、移民政策と人道的な問題についての国民の議論を喚起しています。
女性への侮辱的な発言が露呈
共和党の大統領候補であったドナルド・トランプは、2005年のビデオで女性に対して非常に不適切な発言を行ったことが明らかになりました。
そのビデオは、「スターなら(女性に)何でもできる」、「女性器をわしづかみにする」などというトランプの発言を記録していました。
このビデオは2016年10月7日に米国の新聞、ワシントン・ポストによって公開され、共和党の幹部たちからトランプへの非難が相次ぎました。
トランプはこのビデオが公開された同日夜、「間違っていた」「自分は変わった」などと謝罪するビデオメッセージを公開しました。
しかし、この事件は彼のキャンペーンに大きなダメージを与え、特に女性有権者からの支持を大きく失いました。
また、対立候補であったヒラリー・クリントンはこの報道を受けて、「ひどい発言だ。この男を大統領にさせてはならない」とツイッターで批判しました。
この事件は、選挙戦の中でトランプの性格と態度について深刻な疑問を投げかけるものとなりました。
「ミス・ユニバースへの攻撃」言葉の暴力と選挙の火種
2016年9月27日、米大統領選の共和党候補であったドナルド・トランプは、前夜の討論会で対立候補のヒラリー・クリントンが言及した元ミス・ユニバース、アリシア・マチャドについての不適切な発言を改めて展開しました。
マチャドは、トランプから「ミス子豚」や「ミス家政婦」と呼ばれ、体重増加について公の場で侮辱されたと主張しています。
トランプは、マチャドを「歴代優勝者で最悪」、「食べてばかりだった」、「ひどい過去がある」とツイッターで侮辱し続け、さらに彼女が出演した広告が拡散されると、トランプは反撃に出ました。
トランプはFOXニュースの番組「Fox and Friends」に出演し、「彼女は史上最低のミス・ユニバース」「ありえない」「マチャドは最悪だ。急に体重が増えたからな。大問題だ」と発言しました。
トランプはまた、「実際には、いじめることでマチャドさんを助けているんだ」と主張し、ミス・ユニバースの事務局はマチャドの体重が増えたため、彼女からミス・ユニバースの称号を剥奪しようとしていると述べました。
トランプの選挙戦マネージャーであるケリアン・コンウェイも、「彼女は契約に違反し、事務局は彼女からミス・ユニバースを剥奪したがっていた。だからトランプは彼女にもう一度チャンスを与えたんです」と発言しました。
真実よりも政治利用が優先した言葉
これらの発言でトランプは批判を浴びてました、しかしは再びアリシア・マチャドについて「いんちきヒラリーは最悪なミス・ユニバースにだまされて、利用された。ヒラリーは彼女の過去を調べることもせずに、彼女を天使のように仕立てたんだ。恐ろしいよ!」「いんちきヒラリーは胸糞悪い(セックステープと過去をチェックしろ)アリシアを討論会で使うために、彼女がアメリカ国民になる手助けをしたのだろうか?」という発言をしました。
以前、マチャドが出演したとされるテープの動画がインターネット上で拡散されましたが、それが偽物だったことが判明しています。
トランプが言及した「テープ」とは何を指しているのかは明らかではありませんが、この問題について言及したことでさらなる非難を浴びました。
また、トランプの選挙陣営は、「テープ」の存在についての証拠を示していません。この一連の行動により、トランプの発言と行動は多くの議論を巻き起こしました。
人工妊娠中絶発言と家族攻撃
トランプは、人工妊娠中絶を選択する女性を処罰すべきだという見解を示し、それが波紋を呼んだこともありました。
トランプは後にこの主張を撤回し、「医師が法的責任を負うべきだ」と改めて述べましたが、彼が女性の権利問題をどのように理解し、扱っているのかについての疑問が生じました。
さらにトランプは、ライバル候補であるテッド・クルーズ上院議員の妻、ヘイディ・クルーズの不恰好な写真と、彼自身の妻であるメラニア・トランプの魅力的な写真を並べ、「百聞は一見にしかず」とツイートしたことでも批判の対象となりました。
この行為は、候補者の家族を選挙運動に巻き込むという不文律を破ったもので、彼の個人攻撃のスタイルが再度浮き彫りになりました。
これらの行為についてトランプは、「過ちだった」と認め、公に謝罪することでダメージコントロールを試みました。
しかし、これらの事件は彼の選挙戦略と対人関係スキルについての深刻な疑問を投げかけることとなりました。
20年近くの税金未納と税務状況の疑問
ニューヨーク・タイムズは、トランプが1995年に計上した巨額損失を通じて、20年近く所得税を支払っていなかった可能性があると報じました。
同紙が入手した彼の納税申告書の一部によると、彼はその年に約9億1,600万ドル(現在のレートで約928億円)の損失を計上したとのことです。
この損失計上による税控除の結果、トランプの1995年から2005年までの課税所得が実質的に無効となりました。
トランプはこれについて、複雑な税制に対して「見事に」立ち回ったと表明し、「私ほど税法をよく理解している人間はめったにいない」と述べました。
トランプはホテル開発業者、実業家として、自分と自分の会社の利益のために税法を合法的に活用したと説明しました。
さらに、2020年9月28日付けのニューヨーク・タイムズの報道によると、過去18年間においてトランプは11年間、全く連邦所得税を支払っていなかったとのことです。
また、大統領に当選した2016年と就任初年度の2017年には、納めた連邦所得税の額はわずか750ドル(約8万円)だったと報じられています。
これらの報道は、トランプのビジネス実績と税務状況についての新たな疑念を投げかけています。
「トランプ」と「クリントン」:メディアの見解と支持の変化
アメリカのメディアは、ドナルド・トランプが大統領選挙への立候補を宣言した際、トランプを泡沫候補(当選する可能性がない選挙立候補者)と見なしていました。
当初、トランプの選挙戦は長続きしないという意見が支配的で、多くの報道機関は真剣な競合相手とは見なしていませんでした。
トランプが暴言を繰り返す中でも、広範囲の支持を受けていることに、メディアは注目していました。
これらの暴言はしばしば議論を呼び、一部の有権者がトランプの率直さや非伝統的なアプローチに引き付けられた一方で、多くの人々がその言動に懸念を抱えていたからです。
メディアは、トランプの挑発的な言動が、民主党の最有力候補であったヒラリー・クリントン前国務長官にとって有利に働いていると指摘しました。
トランプの言動が一部の有権者を遠ざけるとともに、クリントンの比較的穏健な立場を強調し、彼女の支持を高めるという意見が報道機関の中で支配的でした。
しかし、選挙が進むにつれて、トランプの支持は急速に拡大し、メディアはトランプを真剣に扱うようになりました。
トランプとメディアの関係!支持の分かれる報道機関とタブロイド紙の支援
初めは泡沫候補と見なしていたメディアも、トランプが共和党の指名を手堅くし、一部の世論調査でリードを築くに至り、その勝利の可能性に目を向けざるを得なくなりました。
多くのメディアは反トランプの姿勢を鮮明にし、その政策や発言に対する批判を強化しました。
ワシントンポスト紙は、「共和党幹部たちよ、トランプを止めるために全力を尽くせ」と題する論説記事を掲載するなど、トランプに対する懸念を強く表明しました。
ニューヨークタイムズ紙もトランプの政治家としての資質に疑問を投げかけ、別の候補者を支持する立場を明確にしました。
一方で、トランプは大手メディアがほとんど支持していない中、タブロイド紙などゴシップを扱う一部の新聞からの支持を得ました。
逆にヒラリー・クリントンは、80近い新聞社から支持表明を受け、メディアの大部分からの支持を確保していました。
トランプとクリントンに対する反応の狭間でのジレンマ
大手メディアは、前述のよういトランプの言動や姿勢に対する懸念を強く表明する一方で、ヒラリー・クリントン前国務長官に対しても批判的な立場をとっていました。
ヒラリー・クリントンに対する一部の批判は、彼女の特権意識や公的な事柄に対する率直さの欠如、機密情報の取り扱いに対する不注意などを指摘するものでした。
例えば、1873年に創刊された中西部ミシガン州の保守系新聞、デトロイト・ニューズは、2016年9月29日の社説で一石を投じました。
創刊以来、同紙は一貫して共和党候補を支持してきたのですが、今回の共和党候補、ドナルド・トランプについては「無節操で不安定」と評価。
このため、「長く尊重してきた伝統を中止する」と宣言しました。
さらに、同紙は民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官も性格に問題があるとし、そのために小政党「リバタリアン党」のゲーリー・ジョンソン元ニューメキシコ州知事を支持すると発表しました。
また、アメリカで唯一の全国紙であるUSAトゥディもまた、その34年間の歴史の中で初めて特定の候補者に対する立場を明確にしました。
この大統領選で共和党候補のトランプについて、「うそを連発し、偏見をまん延させている」と批判。「大統領に適さない」とし、投票しないよう読者に呼びかけました。
一方で、同紙は民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官についても一定の批判を行いましたが、その欠点が国家の安全を脅かす可能性はトランプよりも「かなり低いだろう」との見解を示しました。
The Hillary Clinton Problem
ヒラリー・クリントンにも問題が……。
ヒラリー・クリントン前国務長官は、米国初の女性大統領の期待を背負いながらも、彼女と夫のビル・クリントン元大統領が築いた莫大な財産やその金の出入りについての疑問が多い点が、一部の人々にとっては彼女の政治キャリアに影を落としています。
クリントン夫妻の財政的な関連性は不透明な部分が多く、これは彼女に対する信頼性に影響を与えています。
ヒラリー・クリントンは、エリート階級の一員と見なされ、一部の人々からは政治支配層や既得権の象徴として嫌われています。
その「エリート臭」は、特に若者の間で彼女の支持を得ることを難しくしています。
その上、クリントンは「お金に汚い」というイメージに苦しんでいます。
このイメージは、特にウォール街の金融機関であるゴールドマン・サックスから受け取った20万ドルのスピーチ料金に関連しています。
そのスピーチの内容は公表されておらず、これが彼女の民主党の指名候補争いでのライバル、バーニー・サンダースによる攻撃の対象となりました。
このような要素が、クリントンの公衆イメージに悪影響を与え、クリントが訴える政策よりも。むしろその人格や倫理観に焦点が当てられる傾向にありました。
「ホワイトウォーター疑惑」クリントン夫妻の不動産投資
ホワイトウォーター疑惑は、ビル・クリントンとヒラリー・クリントン夫妻が1970年代後半から1980年代初頭にかけてアーカンソー州で行った不動産投資に関連する一連の疑惑です。
この問題はクリントン夫妻がホワイトウォーター・デベロップメント・コーポレーションという不動産開発会社に投資したことから名前がつけられています。
この投資は失敗に終わり、その後の数年間でさまざまな法的問題が発生しました。
疑惑が表面化したのはビル・クリントンがアメリカ合衆国大統領になった1990年代初頭で、それは彼の就任直後から彼の2期目の間にわたり、政権に大きな影を落としました。
最も深刻な問題は、クリントン夫妻が投資した銀行、マディソン・ギャランティー貯蓄貸付が連邦規制当局から詐欺で起訴されたことでした。
そして、クリントン夫妻がこの銀行との結びつきを隠していたか、またはその経営陣に対して不適切な利益を提供していたかどうかが調査されました。
ホワイトウォーター疑惑の調査は最終的に拡大し、ビル・クリントンの二つの弾劾訴訟の原因となったモニカ・ルインスキー疑惑にまで繋がりました。
最終的にホワイトウォーター疑惑についてクリントン夫妻が何らかの違法行為に関与した証拠は見つからず、クリントン夫妻は罪に問われることはありませんでした。
しかし、この事件はクリントン大統領とその大統領職に対する公的なイメージに長期的な影響を及ぼしました。
「ルインスキー事件」大統領の不倫スキャンダルとその影響
ビル・クリントンは、アメリカの大統領として政策面での業績も多い一方で、私生活の面においては女性スキャンダルで名高い存在となっています。
ビル・クリントンの現役時代には、ベトナム戦争への徴兵を回避した「徴兵逃れ」や「ホワイトウォーター疑惑」など、いくつかの問題が浮上しました。
ホワイトウォーター疑惑は、ビル・クリントンと妻のヒラリー・クリントンが関与したとされる過去の投資問題に関するものでした。
しかしながら、これらの問題を上回る大きなスキャンダルとして、ビル・クリントンと当時のホワイトハウスの若い実習生モニカ・ルインスキーとの間の性的な関係が取り沙汰されることとなりました。
このスキャンダルは世界中を震撼させ、数ヶ月にわたり世界のメディアがクリントンとルインスキーの関係を報じ続けました。ホワイトハウス内での不倫関係が密会の場とされ、大統領としての品位を問う声も多く上がりました。
セクハラ訴訟から録音テープの公開へ
この頃、ビル・クリントン大統領はアーカンソー州での別のセクハラ事件でも裁判をしていました。
この裁判の中で、クリントンはルインスキーとの関係について尋問される可能性がありました。そこでクリントンは、ルインスキーに対して、2人の関係を否定するよう求めました。
また自身も原告側の弁護士からの質問に対して、ルインスキーとの関係を否定する証言を行いました。
ルインスキーはこの状況に困り果て、同僚のリンダ・トリップに電話をかけて相談しました。トリップはこの時のルインスキーとの会話を秘密裏に録音しており、その録音テープを保管していました。
そして、ルインスキーが偽証することになる可能性を憂慮したトリップは、録音テープを特別検察官ケン・スターに渡すことを決めました。
これにより、ルインスキーとクリントンとの関係が公のものとなり、ワシントンポスト紙を始めとするメディアが、ル・クリントンとルインスキーとの関係についてのスキャンダルを報じることとなりました。
セクハラ疑惑と告白の朝
だが結局、大陪審で証言することになって逃げられなくなったビル・クリントンは、やはり別の日の早朝に寝室で泣きながらヒラリーに関係を認めたという。
ヒラリー・クリントンは、記事が出る朝に寝室で夫のビルから直接その事実を説明されました。
しかし、ヒラリーにとっては、ビルの過去の疑惑や不倫の歴史を知っていたため、このスクープは突然の驚き(”come out of the blue”)ではなかったとされています。
最終的に、ビル・クリントンは大陪審において証言することになり、この事態から逃れることはできませんでした。そしてある早朝、彼は寝室で泣きながらヒラリーに自身とルインスキーとの関係を認めました。
ビル・クリントンの弾劾とモニカ・ルインスキーの告白
その後、ビル・クリントンに対する弾劾手続きが米国下院により開始されました。ビル・クリントが大統領在任中に連邦捜査官に対して偽証したとの主張が共和党からなされたのです。
しかし、最終的にビル・クリントは無罪を勝ち取り、2001年1月まで任期を全うしました。
一方、モニカ・ルインスキーは長い間沈黙を守っていましたが、2014年に雑誌の記事で、ビル・クリントンとの関係は合意の上だったと語りました。
ただし、ビル・クリントンとの間にあった「すさまじい権力落差」についても言及をしてました。
過去のスキャンダルがヒラリーの大統領選挙キャンペーンに重大な影響をもたらす
さらに、2016年の大統領選挙では、この問題が再び注目されることになりました。
当時の共和党候補であったドナルド・トランプは、ビル・クリントンをセクハラで訴えた女性たちをディベートの場に招き、ヒラリー・クリントンに対してプレッシャーをかける戦術を使用しました。
これは、過去のスキャンダルがヒラリーの政治キャリアに影響を及ぼし続けた一例であり、彼女の大統領選挙キャンペーンにとって重大な課題でした。
ビル・クリントンの大統領任期中の注目すべきスキャンダルの数々
ビル・クリントン大統領の任期中には、不倫以外にも彼とその周囲に数々のスキャンダルがありました。これらの中で特に注目すべき二つの事件が「トラベルゲート」と「ファイルゲート」です。
これらのスキャンダルには、ビル・クリントン自身だけでなく、彼の妻であり政治家でもあるヒラリー・クリントンも関与していたとされています。
さらに、これらの事件に続いて起きた、ホワイトハウスの次席法律顧問ヴィンセント・フォスターの死もまた、大きな議論を呼びました。
「トラベルゲート」
トラベルゲートは1993年に発生したスキャンダルで、ヒラリー・クリントンが知人をホワイトハウスの旅行事務所の責任者に任命するため、現職の旅行事務所スタッフ全員を解雇した事件です。
ヒラリーは不正経理を理由にスタッフを解雇しましたが、その背後には自身の利益追求の意図があったと広く疑われています。
ホワイトハウス職員の出張は莫大な数に上り、旅行事務所の業務は巨大な利益をもたらす可能性がありました。これは明らかな職権乱用であり、ビル・クリントン大統領は、妻の行動に対して対応を迫られました。
「ファイルゲート」
ファイルゲートは1996年に発覚した事件で、ホワイトハウスがFBIから共和党要人の個人情報を不適切に取得し、これを政治的な攻撃に利用したとされています。
このスキャンダルはヒラリー・クリントンが中心となっていたともされており、クリントン夫妻の倫理観に対するさらなる疑念を呼びました。
「ヴィンセント・フォスターの死」
これらのスキャンダルとそれに続く波紋の中で、1993年にホワイトハウスの次席法律顧問であったヴィンセント・フォスターが自殺しました。彼はトラベルゲート事件の全貌を知る重要な人物と見なされていました。
「ヒラリー・クリントン私用メール問題」
「ヒラリー・クリントンの私用メール問題」は、2015年初頭に表面化し、2016年の大統領選挙における重大な議論の一つとなりました。
この問題は、ヒラリー・クリントンがオバマ政権下で国務長官を務めていた期間中に、公務のメール通信に私用の電子メールアドレスを使用していた事実に起因します。
さらに、これらのメールは彼女自身の自宅に設置したサーバーで処理され、そのドメインは「clintonemail.com」で、政府の公式ドメイン「.gov」ではありませんでした。
この状況が問題となる背景には、アメリカの公文書管理法が存在します。アメリカでは、政府の公式文書は将来的には公的記録として公開されることが前提とされています。
その秘密度によっては公開までの年数が設けられていますが、基本的にこれらの記録は公開が原則となっており、政府が管理する情報システムを通じて保存・管理されるべきものです。
しかし、ヒラリー・クリントンが私的な電子メールアドレスと自宅のサーバーを使用していたため、公的な情報が適切に管理・保存されていない可能性が浮上しました。
これは情報公開法や公文書管理法に違反する可能性があり、また国家安全保障上のリスクをはらんでいるとも指摘されました。
2016年3月には、ウィキリークスが3万通以上のクリントンのメールを公開し、問題はさらにエスカレートしました。この問題は彼女の大統領選挙キャンペーンに大きな影を落とし、敗北の一因ともされました。
FBIによる調査は進行していましたが、遅々として結論が出なかったこと、そしてメディアがこの問題の追及に消極的だったことが、公には批判の的となりました。
その真相は依然としてはっきりしておらず、クリントンが公務において不適切な方法で電子メールを使用した疑惑は、未だに議論の的となっています
嫌われ合う候補者の壮絶な攻防戦!トランプ vs ヒラリー・クリントン
2016年のアメリカ大統領選挙は、共和党のドナルド・トランプと民主党のヒラリー・クリントンという、史上稀に見るほど互いに嫌われている候補者同士の激しい戦いとなりました。
この選挙戦では、両者とも相手の過去のスキャンダルを持ち出し、相手を攻撃する戦術を積極的に取りました。
トランプの攻撃
トランプは、討論会の前に、ビル・クリントン元大統領に対する性的不祥事を告発した3人の女性を引き連れて登場しました。
トランプはこの様子をフェイスブックでリアルタイムで配信し、討論会でもこの話題を何度も持ち出しました。
さらに、もし大統領に当選した場合、ヒラリー・クリントンを捜査する特別検察官を任命し、彼女が国務長官時代に私用の電子メールサーバーを使用した問題で彼女を収監すると公言しました。
ヒラリー・クリントンの反撃
一方、ヒラリー・クリントンは、トランプが女性に対して不適切なコメントをしている2005年の動画が公開されたことを指摘しました。
この動画は10月7日に公開され、クリントンはこれを持ち出してトランプが大統領にふさわしくないことを示す証拠だと主張しました。
さらに、トランプがうそを広めているとして、彼が「まるで別の現実に生きている」ようだと非難しました。
選挙の結果
このように、2016年の大統領選挙は、双方の候補がそれぞれ大きなスキャンダルを抱えながらの戦いとなりましたが、最終的にはドナルド・トランプが選挙を制し、第45代アメリカ合衆国大統領に就任しました。
トランプ大統領選勝利後の社会的緊張…マイノリティを標的にしたヘイトクライム
2016年のアメリカ大統領選後、ドナルド・トランプの勝利が確定すると、全米各地でマイノリティに対するヘイトクライムが急増しました。
ヒスパニック、アフリカ系アメリカ人、イスラム教徒、ユダヤ人、アジア系、LGBTQ+コミュニティ、そして女性たちが、肉体的な攻撃を受けるか、ヘイトスピーチの対象となるか、あるいは人種主義的な落書きの標的とされました。
人種や宗教に基づく差別や憎悪を助長する集団であるヘイトグループの増加を追跡している人権団体、南部貧困法律センター(SPLC)によると、攻撃が特に増加しているのはヒスパニック系の人々でした。
これはトランプが選挙期間中、特に感情を高揚させる表現を用いて、移民排斥の対象にしていたことが影響していると考えられます。
この事態は、政治的な風潮が社会的な緊張を増加させ、特定の集団を標的にすることが許容されるという危険な環境を示しています。
トランプの選挙戦の一部としての反移民・排外主義的なメッセージは、彼の支持者の間で共感を呼び、それが一部の人々によるマイノリティに対する攻撃を引き起こす結果となりました。
ヘイトクライムの問題に対するトランプの立場とメディアへの批判
2016年のCBSテレビのインタビューで、ドナルド・トランプは、イスラム教徒やヒスパニック系の人々に対する嫌がらせが急増しているとの質問に「そうしたことを耳にして悲しんでいる」と述べた一方で、そのような行為は「ごくわずかだった」と主張しました。
さらに、「もしもこれが役立つなら、まっすぐカメラに向かって言う。やめなさい」と、直接的なメッセージを発信しました。
また、トランプはメディアがヘイトクライムを煽っていると非難し、「これはメディアが作り上げたものだ。なぜなら、率直に言って、メディアはこの国で起きた小さな事件、なかったような事件まで全てを取り上げるからだ」と述べました。
トランプは、仮に自身がインタビューに応じなければ、メディアはそれすらも事件として取り上げるであろうと指摘しました。
トランプ就任に対する抗議デモが全米各地で広がる
2016年11月9日のアメリカ大統領選挙で共和党のドナルド・トランプが勝利を収めました。しかし、その直後から全米各地で反トランプ派の抗議デモが勃発しました。
有名セレブから一般市民まで、様々な人々が、トランプタワー前をはじめとした各地でデモを行い、トランプの大統領就任に抗議を始めました。
抗議の声はシカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルス、フィラデルフィア、ボストン、ワシントン、オレゴン州のポートランド、ミネソタ州のセントポールなど、全米の都市で挙がりました。
ロサンゼルスでは、選挙結果に不満を抱く高校生たちが市役所に集結し、「憎しみは勝者になれない」とのメッセージを掲げました。
シアトルでは約2000人が街頭に出てデモ行進し、「Not My President(わたしの大統領ではない)」「No Racist USA(アメリカを人種差別の国にするな)」と叫びました。
翌日の11月10日も、抗議は続いきました。
ニューヨーク、オークランド、シアトル、ダラス、フィラデルフィアなど全米25都市以上で数万人規模の抗議デモが行われました。一部では暴動に発展し、多数の逮捕者も出ました。
これらの抗議デモに対して、トランプはツイッターで「デモはプロの活動家によるものだ」と反論しました。
さらに、「オープンで大成功だった大統領選挙を終えたところだ。なのにメディアに焚きつけられたプロの抗議屋が行動している。不公平だ!」と、メディアと抗議者を批判しました。
メキシコで移民政策に抗議する市民のデモが勃発
ドナルド・トランプが米大統領に就任した2016年11月20日、メキシコ市では数百人の市民が主要道路を通り米国大使館前までデモ行進を行いました。
トランプの立像がデモ行進の先頭に掲げられ、最後にはその像に火が放たれました。
トランプは就任前から不法移民対策として、米境界にメキシコが費用を負担して壁を建設することを主張してきました。
また、アメリカの企業がメキシコへ工場を移転することを批判し、メキシコからの輸入に対して「35%の関税をかける」という強硬な姿勢を示していました。
さらに大統領就任式の数日後にメキシコ国境に「通過不能な物理的な壁」の建設を命じる大統領令に署名しました。
建設費用はメキシコに後で請求するとしており、これらの政策はメキシコ国内での反発を更に強めました。
メキシコでは11月12日にも、トランプ米大統領の移民政策や国境での壁建設計画に対する抗議デモ行われ、数万人が声をあげていました。
「女性の行進」世界の各地で女性蔑視発言に抗議
2016年11月21日、米国の主要都市でドナルド・トランプ米大統領の女性蔑視とされる過去の発言や性的スキャンダル疑惑などに抗議する女性たちを中心とした大規模なデモが行われました。
この抗議デモは世界各地に広がり、アメリカだけでも約500万人が参加したとされています。
このデモはトランプの大統領選挙後、フェイスブックを通じた呼びかけをきっかけに計画されたもので、参加者は鮮やかなピンク色のニット帽を着用しながら集まりました。
首都ワシントンD.C.では20万人以上の人々が集まり、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、デンバー、ボストンなどでも数十万人規模のデモが行われました。
ワシントンD.C.での「女性の行進」は、連邦議会議事堂前から午前10時に出発し、主催者は25万人が参加するとの見通しを示していました。
トランプ大統領は、抗議デモの翌日、11月22日にツイッターで「昨日の抗議活動は見た。どうして彼らは投票しなかったのか」とデモ参加者に対して批判的なコメントを投稿しました。
これに対し、多くのデモ参加者や支持者は投票に参加した上で抗議の声を上げていると反論していました。
これらの抗議デモは、トランプ政権に対する多くの人々の不満や懸念を象徴するものであり、女性の権利や尊厳を守るための強いメッセージを送るものとなりました。
トランプ大統領の移民・難民制限令と国内外の反応
就任後のドナルド・トランプ米大統領は「米国第一」のテロ対策として、中東・アフリカからの移民や難民の入国を制限する大統領令を発布しました。
これにより、特定のイスラム教徒が多数を占める国々からの入国が一時的に禁止されました。
この大統領令は、トランプ政権が「イスラム教徒を狙い撃ちしている」との批判を受け、米国内外で混乱と不安を引き起こしました。
トランプはこれらの批判に対し、「非常にうまくいっている」と相手にせず、国内の分断はさらに深まりました。
特に、大統領令が署名された11月27日以降、米国の各空港では入国が認められずに身柄を拘束される人々が続出しました。
ニューヨークのケネディ空港では28日からデモが始まり、人数は次第に増えて数千人に上りました。
混乱は全米に広がり、ホワイトハウス前や、ボストン、ニューヨーク・マンハッタン、アトランタ、ロサンゼルス、ワシントン、ダラスなどの空港でもデモが行われました。
そして、11月30日には、英国各地でもトランプ大統領の大統領令に抗議する大規模なデモが行われ、英議会でもこの問題についての緊急審議が行われました。
トランプ大統領の移民・難民制限令は、一部の国民からはテロ対策として支持されましたが、他方で多大な混乱を引き起こし、多くの国民や国際社会からは批判を受ける結果となりました。
これは、トランプ政権の移民政策に対する深刻な亀裂を浮き彫りにする出来事となりました。
「マーチ・フォー・サイエンス」トランプ政権に反対する科学者たちの訴え
トランプは「地球温暖化はフェイクニュース」と主張しており、大統領に就任すると気候変動や科学関連の研究予算を大幅に削減する方針を打ち出しました。
これを受けて、2017年4月22日に世界500以上の都市で科学者たちの呼びかけにより「マーチ・フォー・サイエンス」(科学のための行進)が行われました。
「マーチ・フォー・サイエンス」は、トランプの環境政策が地球にもたらす壊滅的な影響を広く知らしめるため、地球の環境について考える「アース・デー」(地球の日)に合わせて開催されました。
この行動は、科学者らが政策決定の場で彼らの声を反映し、科学の尊重と理解を促進するための活動の一部とされています。
科学者らはホワイトハウス前で「温暖化は事実だ」「科学を黙らせることはできない」「米国に賢さを取り戻せ」などのプラカードを掲げ、連邦議会へ行進しました。
この抗議行動には多くの研究者や学者が参加し、参加した昆虫学者のクラリサ・マシューズは「政策は科学に基づいて実施すべきだ」と呼びかけました。
トランプ政権に対する環境抗議
「マーチ・フォー・サイエンス」は、2017年1月にワシントンで行われた「女性マーチ」に触発された若手研究者たちがネットを通じて呼びかけたことがきっかけで、これが大規模なデモ行進へと発展しました。
科学誌「サイエンス」を発行する米科学振興協会(AAAS)など、主要な科学団体や学会などが協力を表明し、全世界での抗議行動へと発展したのです。
主催者によれば、この行動は学会、大学、非政府組織(NGO)など約280団体が協賛し、ワシントンだけでなく、ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京など世界600カ所以上で行われたとされています。
科学者たちの行進は、アメリカおよび世界の科学者にとって記念すべき出来事となり、科学コミュニティーはこれを通じて、「科学」、つまり研究の積み重ねによって得られた成果を支持するように訴えました。
行進の企画者の一人、ジョナサン・バーマンは、政府による政策決定は事実に基づいた評価を慎重に行うべきであると述べました。
バーマンは、科学が過去の政策判断において重要な役割を果たしてきたことを振り返り、現在の政策決定者に対し、客観性を重視する科学的根拠に基づいた判断を行うよう求めました。
さらに「マーチ・フォー・サイエンス」と連動して、4月29日にはワシントンD.C.を始めとする全米各地でトランプ大統領の環境政策に反対する抗議デモが行われました。
このデモには環境活動家でもある元副大統領のアル・ゴアや俳優のレオナルド・ディカプリオも参加し、多くのメディアで取り上げられました。
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