今回は、2021年のアメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件で、トランプ元大統領とQアノンがもたらした社会的な混乱に焦点を当てています。この記事は、陰謀論がどのように社会的な動きに影響を及ぼし、最終的には暴力行為につながる可能性があるのかをわかりやすく解説しています。
また、記事では警察官たちが経験した困難やトラウマにも触れており、事件の人間的な側面を明らかにしています。このような視点から見たQアノン陰謀論とその現実世界での影響について洞察を得ることができます。
【Qアノン陰謀論(19)】「アメリカの民主主義が死んだ日」陰謀を信じたトランプ支持者が連邦議事堂を襲う
2021 United States Capitol attack – 2
2021年 アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件(後編)
2021年1月6日の混乱がピークに達した午後4時過ぎ、ジョー・バイデン新大統領は冷静さを保ちつつ、国民に対して演説で語りかけました。
「我々の民主主義は、前例のない攻撃に直面している」という強い表現で演説を開始したバイデンは、国民に対する強烈なメッセージを投げかけました。彼は、この攻撃がアメリカの核心的価値に対するものであると指摘し、一部の過激派によって引き起こされたと断言しました。
さらに、バイデンは、当時のトランプ大統領に対しても厳しく言及しました。「トランプ大統領に直接言う。全国放送で行って、この占拠行為を終わらせるように強く要求すること。」と述べ、トランプ大統領に責任を持つよう呼びかけました。また、トランプ大統領が憲法を守るという誓いを果たすべきだと強調しました。
トランプの陰謀論に根ざしたメッセージが逆に信者たちの心に火をつける!
同じ頃、トランプ大統領は公開されたビデオメッセージで支持者たちに対する深い理解と同情を示しました。トランプは、選挙結果に対する支持者の不満と怒りを認めると同時に、平和と法律の尊重を強く訴えました。
トランプ大統領は、「あなたたちの痛みはわかる。あなたたちの傷はわかる。私たちは盗まれた選挙を経験した。それは圧倒的な選挙結果であり、皆がそれを知っている、特に相手側も」と述べました。これらの言葉は、彼の信者たちが感じている陰謀論に根ざした不満を明確に示しています。彼の主張は、大統領選挙の結果が不正によって操られたという疑念を再燃させ、それを事実と認識する支持者たちの感情をさらに引き立てました。
しかし、トランプ大統領は同時に「しかし、今は帰宅しなければならない。平和を保たなければならない。法と秩序を守らなければならない。だから、帰宅してほしい。私たちはあなたたちを愛している。あなたたちは非常に特別な存在だ」と訴えました。この強く語られたメッセージは、彼の信者たちに対する愛情を示すとともに、抗議行動の即時の終結を求める強い呼びかけでもありました。
「選挙が奪われればこうなるのだ」選挙不正ツイートがツイッターで凍結
その後、トランプは自身の選挙が奪われたと主張するツイートを投稿しましたが、ツイッター社はこれを非表示にしました。さらにツイッター社は、トランプのアカウントを米東部時間の1月7日朝までの12時間ロックしました。
ロック解除後には参加者を痛烈批判
1月7日午後4時頃、ロックを解除されたトランプの初投稿はビデオ声明でした。
ビデオの中でトランプは「連邦議会議事堂に乱入したデモ参加者は米国民主主義を汚した」と述べ、自身の支持者である議会議事堂に乱入したデモ参加者を公然と非難しました。
トランプの長女「イバンカ・トランプ」のツイートが大炎上
この事件に対するイバンカ・トランプの反応も、ネット上で大きな波紋を呼びました。彼女は、警察のバリケードを突破し議事堂に乱入したデモ隊を初めて「愛国者たち」と呼んだツイートを投稿しました。「暴力をすぐにやめて。平和に(抗議活動を)して」と彼女は呼びかけましたが、この発言は直ちに大きな批判を引き起こしました。「この暴徒が愛国者だっていうの?」という厳しいコメントが殺到し、彼女は問題のツイートを削除する事態となりました。
削除後、イバンカは新たに「平和的な抗議活動をする者が愛国者。暴力は容認できないし、最も強い言葉で非難されなければいけません」とツイートしました。この発言は、議事堂に乱入した暴徒たちが愛国者ではないと否定するもので、彼女自身が以前呼んだ「愛国者」の言葉とは矛盾するものでした。
催涙スプレーの応酬!警察と抗議者の対立が激化
午後4時23分、警察は大量の催涙スプレーを使用して抗議者の人々を制圧しようとしました。その結果、多くの人々が催涙スプレーの影響を受け、警察に対する怒りが高まりました。「くそったれの裏切り者!」などの罵声が催涙スプレーの使用量が増えるにつれて繰り返し投げかけられました。
さらに悪いことに、一部の個人が議会議事堂襲撃中に警察官に対して催涙スプレーを使用したことが明らかになっています。
「闇を照らす閃光!警察の強力な手段が議会議事堂を包む」
午後5時4分、議会議事堂に残っていたデモ参加者に対して、警察は閃光弾を使用しました。弾が炸裂すると、明るい光が暗くなりつつある議会議事堂上空の空を一瞬で照らし出しました。
大量の催涙スプレーの煙に包まれた混乱!デモ参加者が階段に急ぐ
その直後には大量の催涙スプレーが散布され、周辺の数十人が催涙スプレーの過剰な使用による影響を受けました。視覚と呼吸が阻害された結果、群衆は混乱し、後方の入り口を取り囲む約100人のデモ参加者が急いで階段に向かって進む事態となりました。
議事堂の安全確保!警察の警棒で人群を押し退ける
騒発生から3時間以上経った午後5時30分頃、警察は警棒を振りながら10〜20人の警官からなるグループを形成し、議会議事堂から人群を押し退け始めました。徐々に人群を封じ込めることに成功し、警察は議会議事堂が安全であると宣言しました。
外出禁止令にも屈せず!トランプ支持者の抗議活動は続く
ワシントンD.C.の市長が混乱の発生に対応するため、当日の午後6時から翌日の午前6時までの外出禁止令を発令したにもかかわらず、トランプ支持者たちは抗議行動を続けました。彼らは互いに励まし合いながら、「ここに留まり、我々の声を届け続けよう」と訴えました。
議会議事堂への侵入に関与したと主張する一部の個人たちは、外出禁止令を無視してダウンタウンのホテルの外で集まりました。ビールを飲みながらその日の出来事を振り返る彼らの間には、混乱の活動で疲れている者もいれば、活力に満ち、引き続き抗議活動に参加する意志を持つ者もいました。
治安回復の一歩前進!FBIと州兵が警察の支援に参加
夜間外出禁止令が発令された後も、法執行機関の活動は続けられました。FBIの部隊も現場に展開し、警察は議会議事堂から暴徒を排除することに成功しました。その後、約1,100人の州兵が警察の支援のために動員されました。
対抗策の実行!警察が武器押収と逮捕で抗議者に対抗
しかし、これらの努力にも関わらず、多くの抗議者は外出禁止令を無視し、深夜まで議事堂の前での抗議を続けていたのです。警察は対抗策として、抗議活動中に5つの武器を押収し、少なくとも13人の抗議者を逮捕しました。この日の出来事は、平和的な抗議から暴力的な行動へと急速に変化した一例として、米国の歴史に残ることでしょう。
法執行機関の視点から見た議会議事堂襲撃
2021年1月6日、議会議事堂がトランプ支持者の暴徒によって襲撃された日、法執行機関は混乱の最中、連携して対応を試みました。メリーランド州からは、議会議事堂への急行を開始するために約20台のパトロールカーが派遣されました。これらの車両はサイレンを鳴らし、ワシントンD.C.の街路を高速で走り抜けました。警備部隊から派遣された2機のヘリコプターも空から暴動の様子を監視していました。
警察官たちは、その日の混乱と暴力によって深く影響を受けました。議会警察官のアキリーノ・ゴネルは涙を流しながら、「私はこんな風に死ぬと思った」と告白しました。メトロポリタン警察官のダニエル・ホッジスも、「大混乱の状態でテロリストが押し寄せていた」と述べ、彼自身が暴徒から目を突かれる危険にさらされたことを明らかにしました。
議会警察の73人とワシントンのメトロポリタン警察の65人の警察官が襲撃の日に負傷したと発表されています。負傷の程度は、軽度の打撲や裂傷から、脳震盪、肋骨骨折、火傷、軽度の心臓発作など、深刻なものまでさまざまでした。
議会議事堂の襲撃による影響は警察官たちだけでなく、その家族や同僚にも及びました。襲撃の後、少なくとも2人の警察官が自殺し、数十人が負傷し、化学刺激物に曝された1人の警察官は次の日に自然死の原因で2回の脳卒中を起こしました。
身体と心の傷!警察官たちが抱える襲撃の影響」
特に重傷を負ったのが、メトロポリタン警察官のマイケル・ファノンでした。彼は暴徒から「裏切り者」と罵られ、襲撃を受け、スタンガンで感電し、心臓発作を起こして意識を失いました。この襲撃によりファノンは軽い心臓発作と脳震盪を起こし、以降数ヶ月にわたってPTSDやその他の心理的影響を経験し、外傷性脳損傷とも戦ってきました。
ファノンはその後、警察を辞職し、身体的および精神的なトラウマからのゆっくりとした回復に努める一方で、議会襲撃を調査する連邦下院特別委員会の公聴会に出席しました。公聴会終了後、議会議事堂近くの抗議者から妨害を受け、ミズーリ州選出の上院議員ジョシュ・ホーリーを厳しく非難しました。ホーリーは議事堂外の暴徒を含む群衆に支持の拳を挙げていたことが問題視されています。
裁判においてもファノンは積極的に関与し、彼を暴行したトランプ支持者の一人に対して最大刑を宣告するよう連邦裁判官に訴えました。彼のボディカメラには、自身がスタンガンで感電されて苦痛の声を上げる様子が記録されています。ファノンはこの完全な映像を公開するようD.C.警察に求めています。
警察官の犠牲!シックニックの死が全米に悲しみをもたらす
議会議事堂への襲撃事件は、法執行機関の一員として活動していた多くの人々に深刻な影響を与えました。その中でも、2008年から米議会警察に勤務していたベテラン警察官ブライアン・シックニックの死は、全米を揺るがせる出来事となりました。シックニックは、事件当日、暴徒との衝突中に消火器で頭を打たれ、その後オフィスに戻った後に倒れ、病院に搬送されたものの翌日に死亡が確認されました。
シックニックの死については、現時点で逮捕や告訴が行われていませんが、彼の死は警察官たちに与えた心的な影響を示すものの一つであり、事件の直後には4人の警察官が自殺しました。この事件では、約140人の警察官を含む多数の人々が負傷しました。
トランプ支持者の攻撃!ファノンの重傷とその後の苦悩
その中でも、元D.C.警察官のマイケル・ファノンは、特に重傷を負いました。彼はトランプ支持者の群衆に取り囲まれ、議会議事堂の階段を引きずり降ろされ、スタンガンで感電され、軽い心臓発作と脳震盪を起こしました。事件以降数ヶ月間、彼はPTSDやその他の心理的影響に苦しみ、外傷性脳損傷との闘いを続けています。
人種差別の嵐!ダン警察官が証言する襲撃事件の深刻な現実
合衆国議会警察のハリー・ダン警察官が直面した人種差別の問題も注目を集めました。ダン警察官は下院で証言し、事件当日に選挙結果の不正を防ぐ名目で侵入したとされる超国家主義者や白人至上主義団体の関連者から受けた人種差別的な罵倒や侮辱を暴露しました。
ダン警察官は自身がジョー・バイデン大統領に投票したことを公言し、自身の投票が無視されるのか、あるいは自分自身が無視されるのかを問いかけました。これに対して彼は、人種差別的な侮辱の嵐に見舞われました。彼は特に、ピンクの「MAGA」(Make America Great Again)Tシャツを着た女性が「この人はジョー・バイデンに投票したんだって!」と叫んだ一件を引き合いに出しました。
ダン警察官は、「議会議事堂警察官の制服を着ている間、誰もが私を “n*****” と呼んだことはなかった」と述べ、事件により初めて遭遇した人種差別の激しさを明らかにしました。
ダン警察官の証言は、議会議事堂襲撃事件における黒人警察官たちが直面した人種差別や偏見の深刻さを示すものでした。彼は自身と他の黒人警察官たちが襲撃当日に受けた人種差別的な罵倒について語りました。さらに彼は、他の警察官たちもプロトランプの群衆との対立で同様の体験をしたと述べました。
この証言は、ドナルド・J・トランプ元大統領の上院弾劾裁判で証拠として引用されました。ダン警察官は黒人であり、警察組織での勤務は13年というベテランです。身長6フィート7インチの堂々たる体格を持つ彼ですが、襲撃当日の人種差別とトラウマは彼自身を深く脅かしました。
ダンは、「その言葉が彼に対して使われた後、その午後のことはほとんど記憶にありません」と述べていますが、彼と他の警察官はまだその日に経験したトラウマと向き合っていると述べました。また、その日の後にカウンセリングを受け続けています。
歴史の曲解!トランプ前大統領の警察との関与に関する誤った主張
2021年1月25日、ドナルド・トランプ前大統領は2021年1月6日の議会議事堂襲撃に関して誤った主張をしました。彼は自身の支持者たちが警察と「抱擁やキス」を交わし、それにより「脅威はゼロ」だったと述べました。トランプ前大統領のこの発言は、実際の事件の深刻さを歪曲し、歴史を書き換える試みと見られます。
彼は以前から、選挙が不正により「盗まれた」との誤った主張を繰り返しており、この主張が議会議事堂襲撃を助長する一因となったと指摘されています。トランプやその支持者たちは、これらのデマをメディアや議会内の保守派勢力を通じて広め続けていますが、広範囲にわたる選挙不正の証拠は現れていません。
1月6日の議会議事堂襲撃は現代のアメリカ史上でも最大の法執行対応を引き起こしました。これは、数百人もの暴徒が警察に対する暴力行為を起こしたことが原因となっています。
これらの暴徒たちはすでに法的な訴訟を受けており、一部は有罪判決を受けています。トランプ前大統領が襲撃の深刻さを軽視し、このような暴力行為を社会正義の抗議活動と同一視する発言は、議会議事堂への攻撃の実際の状況を誤解している、あるいは無視していることを示しています。
議会再開!ペンス副大統領が事件非難と民主主義への強い信念を表明
2021年1月6日の混乱が収束した後、上院は午後8時過ぎ、下院は午後9時過ぎにそれぞれアリゾナ州の選挙結果に対する異議の討議を再開しました。これは議事堂の安全が確認された後のことでした。
副大統領のマイク・ペンスは、議会の再開に際し、「アメリカ合衆国議会の歴史において暗い日である」と強く語りました。彼はまた、「ここで起きた暴力は議事堂への攻撃であり、我々の民主主義への攻撃で、最も強く非難されなければならない」と述べました。さらに彼は、「本日我が議会に混乱を引き起こした者たちへ、あなたたちは勝ちませんでした。暴力は決して勝ちません。自由が勝ちます。そして、これは依然として人々の議会です。我々は前に進み、再開します。なぜなら、我が国は暴徒よりも強いのです」と力強く語りました。
「ペンスは裏切り者」なぜ!?日本のトランプ支持者が批判ツイート
しかし、一部のトランプ支持者と見られる人々は、特に日本のTwitter上でペンスの行動を批判し、「裏切り者」とラベルを貼る投稿を行いました。これにより、彼の行動に対する非難の声が高まりました。
アメリカが揺れた2021年1月6日、議事堂襲撃事件の幕切れ
2021年1月6日、トランプ大統領の支持者たちはアメリカ合衆国議会議事堂を侵入し、大統領選挙の選挙人団結果の認定を予定していた合同会議の進行を妨害しました。午後1時から始まった会議では、アリゾナ州の結果に異議を唱える共和党議員が登場しました。一部の議員は他の州の選挙人票に対する異議も提起する予定でしたが、議事堂での暴動を受け、これらの異議提起は取り下げられました。トランプによって扇動されたこれらの暴動者たちは、議会の安全とアメリカの象徴である議事堂を脅かしました。
会議が再開されると、共和党議員たちは次々と事件を非難し、異議申し立ての勢いは急速に失速しました。そして、2021年1月7日の午前3時30分頃、ジョー・バイデンとカマラ・ハリスは270票以上の選挙人票を確保し、大統領及び副大統領選挙の勝利を確定しました。彼らは最終的に306の選挙人票を得ました。
副大統領のマイク・ペンスは、バイデンとハリスの選挙人票数を発表し、それを正式な宣言として認め、大統領及び副大統領としての選出を宣言しました。バイデンの選出が確定した後、トランプは自身の広報担当者を通じてツイッターで声明を発表しました。彼は選挙結果を受け入れず、事実が彼の主張を支持していると主張しました。しかし、彼は1月20日に権力の移行を行うと述べました。彼はまた、合法的な投票のみが数えられるための闘いを続け、自身の大統領任期が終わろうとしている一方で、アメリカを再び偉大にするための闘いはこれから始まると宣言しました。
大統領選挙後の詳細なタイムテーブルは、憲法と連邦法によって定められています。選挙人団のメンバーは、50州とワシントンD.C.で集まり、大統領と副大統領に投票し、その投票結果を議会の両院に提出します。選挙人票は、2021年1月6日の合同会議前に開封される予定でした。
今回の一件をうけ異議を申し立てを取り消す共和党議員
しかし、この日の混乱は、トランプ大統領の支持者が議事堂を突如侵入し、選挙の結果を公式に認定する作業が中断される結果となりました。これは、一部の共和党議員が根拠のない広範な選挙不正の主張に基づき、異議を唱えた直後に起こりました。
この事件の結果、トランプ政権の元職員からの批判が相次ぎ、現政権内でも辞任が続出しました。また、議長を務めた副大統領のペンスや、ミット・ロムニー上院議員などの共和党の政治家も、暴力を非難し、選挙結果の正当性を認めました。
被告人は逮捕または自首後、連邦刑事訴訟手続き規則に従い、逮捕が行われた地区裁判所の裁判官の前に出廷しなければなりません。この事件により議事堂建物は大きな被害を受け、議事堂建築家によると、その復旧費用は約150万ドルにのぼるとされています。
マイク・ペンス、バイデン・ハリスの選挙人票を公式に宣言!大統領選の結果が確定
1月7日の午前3時30分過ぎに、ジョー・バイデンとカマラ・ハリスは必要な270票を超える選挙人票を確保しました。最終的には、彼らは306票の選挙人票を得ることで、大統領と副大統領に選ばれました。副大統領のマイク・ペンスは、この選挙人票数を読み上げ、それを大統領と副大統領に選ばれた証として扱うべきだと宣言しました。これにより、バイデンとハリスの勝利が正式に認定されました。
トランプは選挙結果を否定!しかし、身内からも意見分かれ
ジョー・バイデンの選挙勝利が最終的に確定した後、ドナルド・トランプ元大統領はツイッターを通じて声明を発表しました。彼は選挙結果を受け入れない姿勢を示し、事実が彼の主張を支持していると主張しました。それにも関わらず、彼は2021年1月20日に権力の正常な移行が行われることを認めました。同時に、合法的な投票のみが数えられるようにするための闘いを続けると述べ、自身の大統領の任期が終わりつつあるものの、”アメリカを再び偉大にする”ための闘いはこれから始まると宣言しました。
これに対し、議会で再開された合同会議では、議長を務めたマイク・ペンス副大統領やミット・ロムニー上院議員などの共和党の政治家が暴力行為を非難し、選挙結果の正当性を認める姿勢を示しました。トランプ政権の元職員からも批判が寄せられ、現政権内では辞任が相次いでいました。
さらに、ドナルド・トランプ元大統領に対する最も厳しい批判の一部は、彼の政権に仕えていた人々からも寄せられました。これには、国家安全保障や法執行に詳しい高位の役人も含まれています。例えば、元司法長官のビル・バー、元国防長官のマーク・エスパー、元国家安全保障担当補佐官のジョン・ボルトンは、それぞれメディアで元上司の主張について批判しました。これらの批判は、トランプ元大統領の選挙後の対応が、彼の政権内での評価とともに、さらなる対立と議論を引き起こしました。
世界中がこの異常事態に対してトランプ大統領の責任を追及
2021年1月6日に発生したアメリカ合衆国議会議事堂襲撃は、世界中から広範な反応を呼び起こしました。これはアメリカの民主主義が大きな試練に直面していることを象徴する出来事であり、その反響は国際的な新聞社説にも表れました。
例えば、ドイツの日刊新聞「デア・ターゲスシュピーゲル」では、「アメリカの民主主義は最低の水準に沈んだ」と述べ、混乱と法の軽視がトランプ大統領によって扇動されたと指摘しました。さらに、トランプ大統領がアメリカを嘲笑し、民主主義を弱体化させ、クーデターを唆したと非難し、その結果に直面する責任があると主張しました。
世界中から70以上の国と国際機関が議事堂襲撃に対する懸念を表明し、強く非難する声を上げました。これには、トランプ大統領自身の行動を特に非難したものも含まれています。外国の指導者、外交官、政治家、機関からの反応は、ショック、憤り、非難の感情が混ざり合い、多くはこの暴動を「民主主義への攻撃」と表現しました。
ヨーロッパの一部の安全保障関係者や下院委員会の議長は、この事件を「未遂のクーデター」と説明しました。彼らは、議事堂襲撃とトランプの2020年の選挙結果への介入を調査し、「250年以上にわたる立憲民主主義を危険にさらした」との見解を公聴会で発表しました。さらに、1月6日の議事堂襲撃を調査するための超党派の特別委員会は、トランプが最終的に襲撃に対して責任を負うべきであると結論付け、その理由を公衆と司法省に証拠として提供しました。
“国際的非難の嵐!アメリカ議事堂襲撃で世界が一致団結
アメリカ議会議事堂の襲撃に対する国際社会の反応は、ショックと非難が大半を占めました。欧州連合(EU)の首脳はこの事態を厳しく非難し、EUのボレル外交安全保障上級代表は「これはアメリカの民主主義、政府機関、そして法の支配に対する、かつて目にしたことがない攻撃だ」とコメントしました。また、ミシェル首脳会議常任議長は「米国の議事堂は民主主義の聖なる場所だ」と述べ、衝撃を受けていると語りました。
一方、国連のグテーレス事務総長の報道官は「悲しみを覚えている」とし、政治的指導者に対して支持者に暴力を控え、民主的手続きと法治を尊重するよう働きかけることが重要だと呼びかけました。
オーストラリアのスコット・モリソン首相、ノルウェーのエルナ・ソルベルグ首相、アイルランドの外務大臣サイモン・コヴェニーらは、襲撃事件を厳しく非難し、トランプ大統領に対してその責任を問いました。
これに対して、ロシア、イラン、中国など一部の国からは、アメリカの民主主義とその国際的立場を批判するコメントが出されました。特に、中国の華春瑩外務省報道官は、アメリカが二重基準を持っていると批判しました。
ブラジルのジャイール・ボルソナロ大統領は、トランプ大統領を支持する姿勢を崩さず、選挙の不正を暗示しました。
日本の菅義偉首相は、バイデン次期大統領の指導の下でアメリカ国民の結束を願っていると述べましたが、具体的な事件については詳細なコメントを避けました。また、前首相の安倍晋三は新型コロナウイルスの感染拡大に対する対応が急務であるとして、具体的なコメントを控えました。
このように、各国の反応はそれぞれの国の立場や関係性、そしてその時の国内情勢によって大きく異なりましたが、一貫していたのは、民主主義の原則と法治に対する尊重の重要性と、平和的な権力移行の必要性という認識でした。
ハリウッドが激怒!マーク・ラファロやロブ・ライナーらがトランプと共和党を非難
議会議事堂侵入事件は、アメリカ国内外のセレブリティからも大きな反響を呼びました。彼らの多くが自身のソーシャルメディアを通じて、トランプ支持者による暴力行為に対する怒りや不信感を表明しました。
シンガーソングライターのピンクは、自身がアメリカ市民、退役軍人の娘や姉妹であると述べ、ワシントンで起こった出来事に対する「恥」を表明しました。ラッパーのCardi Bは皮肉を込めて「この皮肉はかなり面白い…夏に正義を求めていた人々はただの野獣だったのに、今は?」とコメントしました。
ハリウッドからも反応が相次ぎました。マーク・ラファロはこの事件を「トランプと彼の支持者によるクーデター」と表現し、トランプとその支持者、そして共和党員を批判しました。ロブ・ライナーは「驚くべきことではなく、トランプの真の性格は4年前から知られている」と述べ、トランプが犯した数々の罪に対して彼を責任に追い込む必要があると強調しました。
また、一部のセレブリティは議会議事堂を襲撃した主に白人の人々と、昨年の「Black Lives Matter」運動時の警察の強い対応との間に明らかな格差があると指摘しました。クリス・エヴァンスは「もしこれらの人々が白人でなかったら、虐殺になっていたでしょう」とツイートし、ガブリエル・ユニオンはInstagramの投稿で「TwoAmericas」という二重基準について嘆きました。
シュワルツェネッガーがトランプ前大統領を史上最悪の指導者と断罪!
元カリフォルニア州知事で俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーは、2021年1月6日にトランプ前大統領の支持者が連邦議会議事堂に乱入した事件について、自身のソーシャルメディアで意見を述べ、大きな反響を呼びました。シュワルツェネッガーの7分半にわたる動画メッセージは1月10日の夜までに約2900万回再生され、広く注目を集めました。
シュワルツェネッガーは、オーストリアで第二次世界大戦直後に生まれ、ナチスに参加した大人たちに囲まれて育った経験を通じて、議会議事堂の乱入をナチス政権下のユダヤ人迫害事件「帝国水晶の夜」と重ね合わせ、激しく警鐘を鳴らしました。シュワルツェネッガーは、自身の成長環境を反映し、嘘が社会を壊すことへの懸念とトランプ前大統領の行動への激しい非難を展開しました。
シュワルツェネッガーは、トランプが「公正な選挙結果を覆そうとした、嘘で群衆を惑わし、クーデターを企てた」と非難し、「史上最悪の大統領として歴史に記憶されるだろう」と述べました。さらに彼は、アメリカ人全体として事件からの癒しを求め、国民の結束を呼びかけました。彼は動画の中で、次期大統領ジョー・バイデンを支持し、「トランプ大統領は指導者として不適格です。彼は史上最悪の大統領として歴史に刻まれるでしょう。幸いなことに、もうすぐトランプは古いツイートのようにどうでもいい存在になる」と述べました。
シュワルツェネッガーはまた、「あなたがどの政党に属していようとも、お願いします。ジョー・バイデン次期大統領に対して私と一緒にこう言ってください。『バイデン次期大統領、わが国の大統領として大きな成功を祈っています。あなたが成功すれば、この国も成功する』」と、バイデン次期大統領の成功を祈るコメントをしました。
シュワルツェネッガーのメッセージは、彼自身の経験と歴史的視点を用いて、政治的パートナーシップを超えた国民の結束を呼びかけるものであり、多くの人々から大きな反響を受けました。
なぜ鎮圧までこんなに時間がかかったのか?対応の遅れが問題視
ワシントンD.C.警察のロバート・コンティー署長は、1月7日の記者会見でこの事件について説明しました。
コンティー署長によれば、議会議事堂周辺の地域は議会警察の管轄下にあり、ワシントンD.C.全域の管轄権を持つメトロポリタン警察は、要請がなければ議会議事堂への派遣はできません。1月6日の午後1時(日本時間では1月7日の午前3時)に派遣要請を受けた時点で、議会議事堂は既に侵入されていました。彼は状況を「かなり悪い」と表現しました。
この襲撃事件では、議会警察官ブライアン・シックニックを含む5人が亡くなり、さらにはメトロポリタン警察官ジェフリー・スミスと議会警察官ハワード・リーベングッドの2人の警察官がその後自殺しました。
アメリカ合衆国議会警察の代行署長、ヨガナンダ・ピットマンも議員たちに対して「はっきり言いますが、当局はこの襲撃に対してより準備ができているべきでした」と、襲撃に対する準備不足を謝罪しました。
議会議事堂襲撃事件:対応の遅れと州兵の派遣
この事件では、州兵(国家警備隊)の派遣の遅れが警備不備と被害の拡大につながったと指摘されています。
ワシントンD.C.州兵の指揮官であるウォーカー少将は、2021年3月3日の上院委員会の公聴会で証言しました。彼によると、州兵の派遣要請から国防総省の正式な承認まで3時間以上の遅れがありました。
国防総省が公開した動員タイムラインによると、議会に向かうデモ参加者の情報が午後1時05分に報告され、1時34分にはワシントンD.C.の市長が州兵の動員を要請。15分後、ワシントンD.C.州兵の指揮官は議会警察の長官から国家警備隊の支援を要請する電話を受けました。
国防総省が州兵派遣に慎重姿勢、事態悪化を懸念か
これらの要請に対し、国防総省は2時30分に代理国防長官、統合参謀本部議長、陸軍長官の間での協議を行いました。30分後、代理国防長官はワシントンD.C.メトロポリス警察の支援のために州兵の派遣を承認しました。
しかしながら、国防総省は議会警察とワシントンD.C.当局からの州兵の繰り返しの要請に対して消極的な態度を示しました。これは、州兵の派遣が予測できない結果をもたらし、事態を悪化させる可能性があるという、アメリカ陸軍の将軍たちの懸念が影響していました。国防総省のこの慎重な立場は、州兵の支援を求めていた議会警察の失望を招きました。
報告書が明かすトランプ大統領の無責任な対応と二重基準
議会選出委員会による1月6日の議事堂襲撃事件に関する調査報告によると、トランプ前大統領が州兵の派遣を承認しなかったため、代わりにペンス副大統領が承認したとされています。
報告書によれば、トランプ大統領は暴徒を止める努力をせず、法執行資源の調整や配置について司法省と連携する努力もしませんでした。
トランプは襲撃者が自身の「愛しい特別な」支持者であったため、この行動をとったとされています。これは昨年(2020年)の黒人に対する警察の暴力事件で即座に州兵や連邦軍の派遣を要求した彼の行動とは対照的でした。この事態について、バイデン次期大統領は「もし議会を襲撃する暴徒がBlack Lives Matterの活動家だった場合、同じ扱いがされたでしょうか?」とツイートし、トランプの二重基準を批判しました。
議事堂襲撃、議会警察の指示と対応に矛盾が浮き彫り
警察の議会議事堂襲撃への対応も、強い批判を受けました。米国議会警察は、これまで知られていなかったが、1月6日の攻撃に関してより明確な事前警告を受けており、「議会自体が標的となる可能性」も含まれていました。しかし、警察官は指導者から最も攻撃的な戦術を使わないよう指示されていたと、警察内部の調査機関による厳しい報告書が明らかにしました。
議会議事堂襲撃中、警察の指揮統制は急速に崩壊し、多くの警察官は自らがどのように暴徒と戦うかを決めなければなりませんでした。方針や計画、トップの指導は存在しませんでした。襲撃当日のビデオには、一部の警察官が暴徒を建物内に案内している様子も映っており、少なくとも140人の議会警察官が襲撃中に負傷しました。また、議会議事堂襲撃中に警察官に対して催涙スプレーを使用した罪でいくつかの個人が有罪とされました。
アメリカ史に残る大事件として刻まれる
2021年1月6日の議会襲撃は、2020年11月に行われた大統領選挙の結果を覆し、ジョー・バイデン(民主党)の大統領就任を阻止する試みでした。この事件は、アメリカとイギリスの間に起きた1812年の戦争以来最悪のものであり、政府の座を襲撃したものとして、アメリカの政治史における重要な出来事として記録されました。
2021年1月6日の議会襲撃事件は、過去200年のアメリカの政治史における重要な出来事として記録されました。
この事件では、4人の市民がその日のうちに命を落とし、警備にあたっていた警察官1人が翌日に死亡しました。
さらに、その後の数ヶ月間で、議会警察の4人の職員が自殺しました。この攻撃により、数百人の警察官が負傷しました。襲撃から数ヶ月後の時点でも、負傷により仕事を休んでいる警察官は少なくとも27人いました。この数は、議会議事堂襲撃中に負傷した10人以上の米議会警察官と、襲撃中に負傷した他の17人の警察官を含んでいます
この事件は、アメリカの法執行機関にとって2001年のテロ攻撃以来、最悪の日の一つとなりました。そしてその影響は、今もなお多くの警察官たちの心と体に深く残っています。
さらに、事件に関連して700人以上の人々が逮捕され、捜査は続けられています。また、爆弾を含むさまざまな武器が現場から見つかりました。
特に、民主党と共和党の全国委員会の本部近くで見つかったパイプ爆弾は、事件の深刻性を一層強調しました。爆弾は爆発することなく発見・処理されましたが、その存在が明らかになったことで、事件はさらに緊迫したものとなりました。
トランプ、議事堂襲撃を非難し全責任を支持者に押し付ける
トランプは初めは煽動的な声明を発表しましたが、厳しい批判に直面した後、スタンスを変更しました。1月7日のツイートで、彼は次のように述べました。「私の焦点は円滑で整然とした政権移行を確実に行うことにある」と述べ、議事堂乱入事件について、「私はほかのすべての米国人と同様に、暴力、無法、大混乱に強く憤った」と非難しました。彼はまた、乱入した支持者に対して「諸君は我々の国を代表していない。法律を破った者たちは代償を支払うだろう」と述べ、責任を彼らに押し付けました。
しかし、後の声明は、多くの人々が見ていた彼の役割を覆すには遅すぎました。アメリカ下院は1月13日に、トランプ大統領が議会への乱入を扇動したとして、トランプに対する弾劾訴追の決議案を賛成多数で可決しました。これにより、トランプ大統領はアメリカ史上初めて2度弾劾訴追された大統領となりました。
陰謀論と政治の闘い…議会襲撃が明かすアメリカの危機
トランプ政権下の4年間において、陰謀論が米国政治に深く浸透したことは否定できません。その最たる例が、大統領自身が陰謀論の発信者となるという異常な状況でした。そして、その陰謀論と偽情報の究極の結果が、2021年1月6日の議会襲撃事件だったと言えます。
この事件は、トランプ政権が最悪の終幕を迎える一方で、一部のメディアやソーシャルメディアのプラットフォームでは、陰謀論が絶えず繰り返されていました。「議事堂の乱入は平和的な抗議だった」「襲撃は極左の仕業だった」などの説が繰り返され、これが米国民の事件に対する認識を二極化させました。
例えば、世論調査によれば、「議会を襲撃した人々を起訴することは重要」と答えた共和党支持者は、事件直後の2021年3月には79%だったものが、半年後には57%に減少しました。さらに、「議会襲撃は政府への攻撃だった」と考える人は全体では60%に達していましたが、これが共和党に限ると29%しかいませんでした。同様に、トランプに「大きな責任がある」と答えた人も全体では60%でしたが、これが共和党では27%にとどまりました。
これらの数字は、陰謀論がどれだけ深くアメリカ社会に根を下ろしているか、そしてそれがどの程度社会を二分しているかを如実に示しています。事実と陰謀論、真実と虚偽が混在する中、どの情報を信じるべきかを判断することは困難になり、これが民主主義にとって大きな脅威となっています。
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