【Qアノン陰謀論(17)】トランプの献金ビジネスとは?定額制に変わった献金の舞台裏を解説!

アメリカの政治家や政治団体は、資金調達を行うために献金を受け付けることが一般的です。これには個人や法人からの寄付が含まれ、政治キャンペーンや党派的な活動の資金源となっています。

そして、その中でもドナルド・トランプの献金ビジネスが注目を浴びています。

この記事では、その仕組みや最近の変化、政治への影響について解説します。アメリカ政治におけるトランプの献金ビジネスの役割を明らかにします。

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Presidential Election Fundraising

民主主義は金で買える!?巨額の献金が集まるアメリカ大統領選

Forbes/YouTube

2021年1月6日は、アメリカ史上に痕跡を残す一日となりました。連邦議会では選挙人による投票結果が開票され、ジョー・バイデンが正式に次期大統領に選出。

しかし、その間も、前大統領であるドナルド・トランプは敗北を認めず、結果を覆そうとする姿勢を崩しませんでした。

不思議なことに、多くの人々がこの姿勢に共鳴し、賛同しました。彼らの一部は、さまざまなオンラインプラットフォームを通じて資金提供の呼びかけを行いました。

この資金提供行動は、トランプが引き続き政治活動を継続するための重要な資金源となっていきました。

トランプの支持者たちは、トランプが自らの主張を証明し、政権の座を奪還するための道を探し続けることを望んでいます。

その結果、彼らは自分たちの資金を投じて、政治的な戦闘資金としてトランプに提供したのです。そして、この献金行動は、その不屈の闘志と団結力の象徴になりました。

しかし、この献金行動の問題点も指摘されていました。それは献金の形態が気づかない間に定額制になり、それがトランプのビジネスと結びついているという指摘でした。

大統領選を戦うには金が必要!資金集めの組織「PAC(政治活動委員会)」

Forbes/YouTube

アメリカ大統領選挙は、選挙戦が10ヶ月に及び、国土全体を遊説するためには莫大な財源が必要となります。

そのため、選挙事務所、政党組織、そして政治行動委員会(PAC: Political Action Committee)などが、資金集めに奔走しています。

特にPACは重要な役割を果たしています。かつてアメリカでは、選挙時に不正行為が多発したことから、企業や団体、労働組合が候補者に直接政治献金を行うことを禁じる法律が制定されました。

それに代わって誕生したのが、PACという組織です。これらの委員会は、特定の政策または候補者を支持する個々の人々からの寄付を集め、それを適切な候補者や政策推進活動に使用することが許されています。

FEC規則、PAC、スーパーPAC:政治献金のルールとその問題点

アメリカの政治献金には、連邦選挙委員会(FEC)によって厳格な規則が設けられている。

これにより、個人が候補者へ直接献金できるのは1人あたり2,700ドル(約30万円)まで、政治行動委員会(PAC)への献金は1人あたり5,000ドル(約57万円)までと制限されている。

また、企業や団体からの政党や政治家への直接献金は禁止されている。

これらの規則は、個人の政治的影響力が過度に拡大するのを防ぐ意図がある。しかし、制度の間隙を突く形で、特別政治行動委員会(スーパーPAC)が存在している。

スーパーPACは個人、業界団体、労働組合などから無制限に献金を集めることが可能で、これにより選挙キャンペーンに莫大な資金が注がれることになる。

さらにスーパーPACは、PACとは異なり、献金者の名前を公開する法的義務がない。これにより、富裕層や大企業が政治に対して匿名で影響力を行使する道が開かれている。

献金には税制上の優遇措置もあり、これが富裕層が積極的に献金を行う一因となっている。

KyodoNews/YouTube
はじまりは2010年の最高裁判決によりPACが制限が一部解除

2010年にアメリカ最高裁判所が出した「シチズンズ・ユナイテッド判決」は、政治献金の規制を大きく変えました。

この判決は、「選挙活動」と「政治的な主張」を区別する必要性を強調し、組織や企業が意見を表明することもアメリカ合衆国憲法の第一修正条項によって保障される言論の自由と位置づけました。

これにより、「スーパーPAC」として知られる特別な政治行動委員会を通じての資金の無制限利用が可能になりました。

共和党は高評価

その結果、企業や特殊利益団体が無制限の資金を使用して特定の候補者を支持し、大きな政治的影響力を行使することが可能になりました。

この判決を支持した人々、特に共和党の一部は、これを表現の自由の拡大と捉えました。

例えば、上院院内総務のミッチ・マコーネル(ケンタッキー州)は、「個々人がどの候補者や政党をどれだけ支持するかを決めるのは、議会ではなく個々人の権利である」と述べました。

金で民主主義を買う時代の到来

しかし、この制度の影響は、富裕層や大企業による「ペイ・トゥ・プレイ(寄付して優遇を受ける)」の民主主義を進展させ、政治的な力がますます資金によって決まるようになった点にも表れています。

政治は企業にとって低リスクで高リターンな投資となり、政治的な寄付を超えた大きなリターンが期待できるようになりました。これはアメリカが「企業国家」とも言える状況を反映しています。

特に大統領選挙では、超富裕層から莫大な資金が両大政党のキャンペーンに流れ込んでいます。

バラク・オバマ大統領は2008年の選挙で7億5000万ドルのキャンペーン寄付を集め、2期目の選挙では過去最高の10億ドルを集めるなど、政治が「お金の力が働く」世界となっていることが明確に示されています。

それでも個人への献金は禁止!!応援するよりも対立候補をネガキャンで攻撃

アメリカの選挙資金に関する法律では、スーパーPACには無制限の資金調達が認められていますが、候補者やその選挙活動への直接的な資金援助や候補者との連携は禁止されています。

つまり、PACからスーパーPACになってもある候補者の「公式サポーター」となることはできなかったのです。

この制限により、スーパーPACは通常、お目当ての候補者に対して直接的な支持を表明するよりも、ライバル候補を攻撃し、逆説的に支持する候補者を宣伝するための活動に力を入れることが増えていきました。

その中でも、テレビCMを駆使したネガティブキャンペーンが一つの手法です。

ネガティブキャンペーンは、相手候補の問題点や過去のスキャンダルを強調し、その評価を下げるための広告活動を指します。この手法は時に効果的であり、特に接戦となる選挙では有権者の意見を大きく左右することがあります。

Bloomberg Politics/YouTube
献金を巡るバイデンとトランプの対立と問題点

2020年の大統領選以降、両候補者は自身の選挙資金戦略を見直しています。

特に注目されているのが、トランプ氏が立ち上げた「セーブ・アメリカ」などの政治資金団体、つまりPACです。これらの団体はトランプ氏の政治活動の資金源となっており、その資金集めの能力と影響力は依然として強力です。

一方、ジョー・バイデンは長い間、自身を支援するスーパーPACを認めない立場をとってきました。バイデンは無制限の政治献金を認める2010年の最高裁判決を批判し、その撤廃を主張してきました。

しかし、その後の声明ではバイデン陣営がスーパーPACを受け入れることを示唆し、そのスタンスが変化していきました。

OpenSecrets、Bloomberg、The New York Timesなどの情報源によれば、2020年の大統領選挙中にバイデンキャンペーンが大量の「ダークマネー」を受け取ったと報じられています。

「ダークマネー」とは、匿名の寄付者からの資金で、これにより一般の人々は誰がバイデンをホワイトハウスに送り込んだのかを知ることができませんでした。

バイデンの選挙キャンペーンは、匿名の寄付者から約1億7400万ドルの支援を受けたとされ、これはドナルド・トランプ大統領の再選運動から寄せられたダークマネーの2520万ドルの約6倍に相当します。

また、バイデンを支持するスーパーPACの中でも、Sixteen Thirty Fundから数百万ドルの寄付を受け取ったという報告があります。

この広範な秘密の寄付者ネットワークは、2020年の選挙サイクル中に連邦レベルのリベラルな政治委員会に5700万ドル以上を投入しました。

トランプ(PAC)と共和党が“選挙後に獲得した献金額は約216億円!!

2020年の大統領選挙以降、ドナルド・トランプの政治活動は驚くほどの資金を集めています。OpenSecretsとThe New York Timesの報告によれば、その額は5億ドル以上にのぼります。

これは退任した大統領が集めるという点で非常に異例の大金です。これらの資金は、トランプ氏の法的費用の支払いや、様々な政治活動の支援に使用されています。

選挙後から11月3日までの間にトランプキャンペーンは約5億ドルを集めたと報じられています。

さらに、トランプ2020年11月9日に「Save America」という新しい政治行動委員会(PAC)を設立しました。このPACの目的は、ジョセフ・バイデンの選挙勝利を覆すことです。

The New York Timesの報告によれば、トランプのキャンペーンと共和党は選挙後から2億7500万ドルを集めました。

ただし、これらの情報は2020年と2021年のものであり、その後の新しい動向や変更がある可能性があります。

トランプの政治活動で集められた資金は大きな批判を受けており、連邦大陪審はSave America PACの設立と支出を調査しています。

一方、「連邦選挙委員会(FEC)」の報告によれば、同じ期間にジョー・バイデンのキャンペーンは1億1200万ドルを集めていました。

Bloomberg Quicktake: Now/YouTube

献金を集めるため……支持者に何度もメールを送信

トランプ支持者の元には「選挙結果を守ろう」「弁護チームに加入しよう」といったタイトルのメールが毎日のよう届きました。

メールの発信元は、「ドナルド・トランプ」、「トランプの家族」、「トランプ選挙弁護基金」、「選挙防衛タスクフォース」などの名前から送られてきており、一日に20通以上のメールが発信されていたこともあります。

メールの中身は献金用WebサイトのURL!

メールを開くと、支持者が献金を行うことを求める内容を含んでいました。具体的には、メールのリンクをクリックすると、「公的選挙防衛基金」と題されたウェブサイトに誘導されます。

このウェブサイトでは、選挙の結果を守り、戦い続けるための訴訟費用として、定期的な献金を行うように支持者に求めるテキストが掲載されています。

不正を訴えるための献金のはず?違うと場所に集計されるケースも

トランプ陣営の献金要請サイトは、「PUBLIC ELECTION DEFENSE FUND(公開選挙防衛基金)」と「Donate Now(今すぐ寄付)」という大文字で目立つバナーを使用しており、訪問者の注目を引く設計となっています。

しかし、寄付者が詳細を確認するためにページを下にスクロールすると、彼らの寄付金がトランプのPAC「Save America(アメリカを救う)」と共和党全国委員会(RNC)で分配されることが小さな文字で示されています。

「寄付の60%が最初にSave Americaに、最大で5,000ドル/年」と明記されており、残りの40%が共和党全国委員会(RNC)に分配されます。

しかし、寄付金額が5,000ドルを超えない場合、それらの資金はトランプの「再集計口座」には一切流れないことも注記されています。

つまり、あるトランプ氏支持者が仮に500ドルを献金すると、300ドルが「セーブ・アメリカ」に、200ドルがRNCに入り、「選挙防衛」のための訴訟費用を賄うための「再集計口座」には一切流れません

CNN/YouTube

献金は旅行・ホテル・ゴルフなどトランプが自由に使用できる

この両団体は、寄付金の使用方法について非常に大きな自由裁量権を持っています。

例えば、「Save America」PACは選出された政治家や候補者によって設立されたもので、受け取った寄付金を政治活動資金や他の候補者の支援、またはその他の目的に使うことができます。

これらのPACはしばしば有名な政治家によって運営されており、資金は他の候補者の支援や旅費、ホテル滞在費など、様々な目的に使用されることがあります。

報道によれば、これらのPACは収入を報告する限り、「基本的に何にでも」資金を使うことができます。

また、共和党全国委員会(RNC)もこれらの寄付金の一部を受け取っており、トランプ氏のメールによる呼びかけによって集められた資金の約25%がRNCに送られました。

CNN/YouTube
電子メールにもそのことは細かい文字で記載されている

定額制!?毎月献金を支払うシステム

トランプ陣営のウェブサイト「DonaldJTrump.com」では、2020年3月以降、事前にチェックされたチェックボックスを使用して定期的な寄付を呼びかける戦略がとられていました。

最初に現れたこのチェックボックスには「毎月の定期寄付に設定する」という文言が添えられ、その意義をはっきりと伝えていました。

2020年6月には、新たな事前チェックされたチェックボックスが登場し、「トランプ大統領の誕生日に資金集め記録を打ち破ろう」という大胆な文言が付記されていました。

チェックボックスの注釈によると、このチェックボックスをオンのままにしておくと、追加の寄付が6月14日に処理されることになると明記されていました。

これら2つの事前にチェックされたチェックボックスの使用はその後、トランプ陣営ウェブサイト上で標準の取り組みとなりました。

その結果、定期的な寄付を意図していなかった支持者からも大量の追加寄付が集められることとなりました。

しかし、この事前にチェックされたチェックボックスの使用は、欺瞞的で倫理的に問題があると一部から批判を受けています。それは、寄付者が意図しない形で追加の寄付を行う事態を引き起こす可能性があるからです。

事前にチェックが入った状態をデフォルトとし、その変更を寄付者自身に任せる形は、選択の自由を制限し、寄付者の意思を正確に反映しない可能性があるためです。

さらに毎月献金が毎週に変更!さらにデフォルトで毎週献金の設定

2020年9月、大統領選を控えたトランプ陣営は新たなオンライン選挙資金募金方式を導入しました。

この新方式では、毎週自動で引き落とされるという内容のポップアップウィンドウが「同意」された状態で表示されます。

したがって、支持者が毎週の引き落としを望まない場合は、ポップアップウィンドウの同意表示を手動で解除しなければならないのです。

しかしながら、この同意解除部分は太字で羅列された長い宣伝文句などに隠れており、一見すると見えにくいデザインとなっていました。

その結果、ポップアップウィンドウを十分に注意して読まなかったり、デジタル操作に慣れていない人々の中には、毎週自動で引き落とされることを知らずに寄付を行う人が多く見られました。

献金額2倍のオプションを導入

また、選挙が近づくにつれて、献金額を2倍にするという新たなオプションが追加されました。これらの新たな献金オプションの導入直後、多くのトランプ支持者が銀行や金融機関に詐欺の苦情を申し立てました。

さらに、この同意表示のポップアップウィンドウにより献金が続けられる行為については、主に共和党議員を中心とした議会で問題視されています。

今年初めに行われたジョージア州上院議員選挙でも、共和党候補はこの方式で資金を集めましたが、6月末までに集めた6850万ドルのうち、1000万ドル以上を返金する必要が生じました。

その後、返金要求と抗議の電話が殺到

新たに導入されたオンライン選挙資金募金方式により、トランプ選挙陣営は短期間で大量の資金を集めることに成功しました。しかし、その成功は長く続かず、すぐに抗議の電話と返金要求が殺到しました。

返金を要求した多くの支持者たちは、自分たちの献金は一度限りだと思っていたと述べています。

彼らは自動的な定期支払いのチェックボックスに気がつかなかったと主張し、意図せずに継続的な寄付が行われていたと訴えています。

ジョージ・ワシントン大学のピーター・ロジャース教授は、トランプ選挙陣営が欺瞞的な戦略を用いたことは明らかだとし、その証拠として大量の返金が必要になった事実を挙げています。

ロジャース教授は、「それほどの多額を返金しなければならなかったなら、何か非常に誤ったり非倫理的な事をしたことを意味する」と指摘しました。

煽るような宣伝が羅列「期間延長!」「献金の効果が1000%アップ!」

CNN/YouTube

トランプの選挙陣営が運営するウェブサイトには、ポップアップ広告が表示されており、「1000%サービス期間延長! 今すぐ寄付を」という見出しで訴えかけていました。

この広告は、「期限延長!」というフレーズを用いてサービス期間の延長を強調し、即座の行動を促しています。

広告は、このオファーがたった1時間のみ有効であることを強調し、次の1時間以内に行われる寄付額はその10倍の効果があると主張されています。

そして広告には、寄付額とそれに1000%(10倍)を加えた額が表示されています。例えば、45ドル寄付すると、それが495ドルに変わると説明されています。

この「1000%(10倍)」の効果という表現は、献金の効果を大げさに描く一方で、実際の募金目標の達成を容易にするための戦略的なマーケティング手法と言えます。

5億円の目標達成へ!寄付額10倍の魅力

具体的には、ここでは特定の締め切りまでに500万ドル(約5億円)の資金調達目標を設定しています。

寄付者が10ドル寄付すると、「寄付額+1000%(10倍)」つまり10ドルの11倍の「110ドル」達成として認識され、この目標に向けた進捗を加速させます。

つまり、500万(約5億円)ドル集める計画とは書かれてはいまずが、実際には10分の1(正確には11分の1)の50万ドル(約5000万円)に目標を縮小した計画になっています。

この戦略により、トランプ陣営は資金調達目標をより達成可能なものにするとともに、寄付者も500万ドルという大きな目標に向けて寄付をしていると、実感することできるのです。

実はトランプ陣営は選挙後に資金難だった!?献金によって財務が改善

トランプ氏が大統領の座拘り続けた理由の一つとして、「破産危機」が挙げられます。

トランプは「不動産王」として米経済誌「フォーブス」の長者番付に名を連ねていますが、2020年9月に所得税未納が報じられ、その主要事業であるゴルフ場やホテルで巨額の損失を出しているとも指摘されていました。

選挙戦でも年初にはバイデン氏の10倍近い資金でスタートしましたが、10月にはその3分の1程度まで減少。さらに借金も積み重なっており、集めた献金の半分はその返済に回される予定になっていました。

これらの状況は報道され、トランプのビジネスにおける巨額の借金返済が献金から賄われるのではないかと懸念する声も上がっていました。

実はトランプは過去にも、慈善事業と称して集めた寄付金をビジネスや選挙費用に流用し、賠償判決を受けるなどの問題を起こしています。

Forbes/YouTube
トランプ陣営の負債問題に迫る!驚愕の資金調達戦略とは?

実際に2020年の大統領選後、トランプ陣営は負債問題に直面し、前例のない資金調達キャンペーンを行う必要がありました。

キャンペーンはメールで何度も「公式選挙防衛基金」への寄付を呼びかけ、支持者に「結果を守り、闘い続ける」と訴えました。

しかし、これらのメッセージの細かな文字によれば、ほとんどの資金が他の目的に充てられることが明記されていました。

これらの戦略は成功し、トランプと共和党は合計27.5億ドルを集めることに成功しました。

これらの資金は訴訟費用にも割り当てられましたが、大部分はトランプの個人的な政治活動委員会や共和党の資産になりました。

もちろん、トランプの選挙運動の財務状況も大きく改善されました。多くの支持者からの寄付により、選挙戦の負債が減少し、政治活動委員会(PAC)の設立資金も確保されたのです。

一方でトランプは公約通りに本当に給与を全額寄付していた

一方で、ドナルド・トランプは、2016年の選挙戦中に大統領に選ばれた場合、自分の給与を寄付すると公言していました。これは、大統領としてのトランプの任期中で注目されるポイントの1つとなりました。

トランプを批判する多く人たちも認めているように、トランプはこの約束を一定の形で実行しました。

トランプは大統領としての給与の一部を、保健福祉省、国立公園局、中小企業庁など、さまざまな連邦機関に寄付しました。

例として、2017年には彼の給与の10万ドルを保健福祉省傘下の国立アルコール乱用・アルコール依存症研究所に寄付しています。

しかしながら、トランプが在任中に給与の全額を寄付したかどうかについては議論が存在します。ワシントンポスト紙は、トランプ氏の最後の22万ドルの給与の使途を特定できなかったと報じています。

これに対して、複数の連邦機関はトランプが大統領の給与を寄付したことを確認しており、これはトランプの公約の一部を実現したものと見ることができます。

Newsy/YouTube
「大統領給与の寄付」過去の事例と法的規定

大統領が自身の給与を受け取らないことを選択するという行為は、法的には認められていません。しかし、自身が選んだ団体への支援という形で、給与を寄付することは可能です。

初代大統領ジョージ・ワシントンは1789年に大統領に就任した際、25,000ドルの給与を受け取ることを辞退しようとしましたが、議会はこれを許可しませんでした。

ワシントンが給与の受け取りを辞退しようとした背景には、議会などからの収入に依存せずに公務を遂行したいという考えがありました。

非常に裕福であったにもかかわらず、ワシントンは一生とキャリアを通じて多額の負債を抱えており、大陸軍の指導者としての給与を受け取ることを拒否しました。その代わり、ワシントンは戦時の支出に対する払い戻しを選択しました。

一方、ジョン・F・ケネディ大統領やハーバート・フーバー大統領は、自身の給与を慈善団体に寄付しました。彼らの例は、大統領が直接給与を辞退することはできないものの、選ばれた団体への給与寄付という形で社会貢献を行う選択肢が存在することを示しています。

このような事例を踏まえると、ドナルド・トランプが自身の大統領としての給与を寄付した行為は、法的な規定に従った選択と言えます。

そして、これは彼が公職を通じて社会に貢献するための1つの方法であったとも言えます。

2021年議会襲撃後の企業と業界の政治献金方針の変更

2021年1月6日の米国議会襲撃事件以降、多くの企業と業界がその政治献金方針を見直し始めました。この動きは、民主主義を守るための選択として行われ、政治的な分断や不穏な動きに対する懸念の表明です。

ソフトウェア大手のマイクロソフトは2022年末まで、バイデン氏の勝利を認定することに反対した議員147人への全ての献金を停止すると発表しました。

また、選挙結果を覆そうとした団体や州職員への献金も取りやめました。

オンライン小売業の巨人アマゾン・ドット・コムや、複数のビジネスを展開するゼネラル・エレクトリック(GE)など数十社も同様に献金を停止しました。

エンターテイメント業界からも非難の声が上がっています。

全米映画協会は、「この恐ろしい事件に大変ショックを受けている」とコメントし、選挙結果に異議を申し立てた上院議員8人と下院議員139人への献金を当面の間停止すると発表しました。

ディズニーもこれらの議員に対する政治献金を2021年度は見送ると明らかにしました。

さらに、テレコム業界とテック企業も同様の決定を下しました。

AT&T(ワーナー・ブラザースの親会社)、コムキャスト(NBCユニバーサルの親会社)、Amazon、Facebook、Google、マイクロソフトなどが対象議員への献金を見直し、一部は停止する決定をしました。

このような動きは、米国内外のスポーツ界、市民団体、金融業界、経済団体などを含む多くのセクターで広がっており、「反トランプ」の流れが続いています。

日本企業のトヨタも献金中止

日本企業であるトヨタの政治活動委員会(PAC)は2021年7月8日に、ジョー・バイデン大統領の選挙勝利を認定しなかった共和党議員への献金を打ち切ると発表しました。

これは今年1月の議会襲撃事件後の動きで、その事件はジョー・バイデン大統領の選挙勝利を否認する試みと広く認識されていました。

トヨタの声明によれば、同社は民主、共和両議員を平等に支援していたが、選挙結果に異議を唱えた共和党議員にも献金したことで利害関係者に迷惑をかけたと認識。

この結果、献金を停止する決定を下しました。

この決定は、「リンカーン・プロジェクト」というトランプ前大統領に反対する政治活動委員会がトヨタの献金活動を非難した後のものです。

リンカーン・プロジェクトはビデオを公開し、トヨタがバイデン大統領の勝利を認めない投票を行った議員を支援していると非難。

同団体は、「米国の自由主義の市場や民主主義の制度はトヨタのような企業にとって長い間有益であった。なぜ、トヨタはこのようなシステムを覆そうとする政治家を支えるのか」と疑問を呈しました。

テレ東BIZ/YouTube
議事堂の一件はトランプが所属する共和党にも亀裂!献金集めに影響

さらに、議事堂襲撃事件は、アメリカ政治に深い影響を与え、特に共和党内部での対立を激化させました。

一部の共和党議員はトランプ氏の選挙結果に対する主張を支持し続けている一方で、他の議員はその主張を拒否し、党内で異なる方向性を模索しています。

トランプは、選挙の結果に異議を唱え続けており、それを支持しない党内の議員に対しては批判的な態度をとりはじめました。

引き続き共和党内での求心力を維持するため、逆らった議員に対して制裁を強めるなどの行動を取りました。さらに、同党が、自分の名前や人気を利用して選挙資金集めをしないように圧力をかけました。

トランプ元大統領の共和党に対する立場の変化と「Save America」への寄付呼びかけ

2021年3月8日、ドナルド・トランプ元大統領は声明を発表し、「RINOS(名ばかりの共和党員)」への寄付を控え、その代わりに自身のPAC「Save America」に寄付するよう支持者に求めました。

2021年3月8日、元大統領のドナルド・トランプは声明を発表し、支持者に対して「RINOS(名ばかりの共和党員)」への寄付を控えるよう呼びかけ、代わりに彼自身の政治行動委員会「Save America」への寄付を促しました。

その理由について、彼らは共和党とその選挙基盤に対して負の影響しか与えず、決して偉大さを達成することはないと主張しました。

さらに、RINOSを厳しく批判する形で、彼らは共和党とその選挙基盤に対して負の影響を及ぼすだけであり、決して偉大さを実現することはないと主張しました。

しかし、翌日には自身の立場を変更し、共和党とその主要な委員会に対しては全面的な支持を表明しました。

一方で、「RINOS」や「愚か者」と称する人々を支持しないこと、また彼らが自分の肖像やイメージを使用して資金調達を行う権利がないことも明言しました。

2024年大統領選への布石? トランプ政治団体が1億200万ドルを保有

トランプ前米大統領の政治団体が今年、総額1億200万ドル(約112億円)の資金を保有して上半期を終えたことが、最新の申告で明らかになった。

セーブ・アメリカのようなPACは資金の使い道にほとんど制限がない。多額の資金は来年の中間選挙や、トランプ氏自身が示唆している2024年大統領選再出馬に向けて費やされる可能性がある。

The Hill/YouTube
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