【白鯨伝説】フィクションから現実へ、白い鯨が発見された。

世界中で話題となった、オーストラリア沖で目撃された真っ白なクジラ『ミガルー』。それまで神話やフィクションの中で登場する幻の生き物だと思われていた白鯨が、実際に存在することが判明したのです。

この記事では、その白いクジラの正体や、白い体が生存に与える影響について紹介します。また、遺伝子解析によって明らかになったミガルーの性別や、白化とアルビノの違いについても解説します。

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「モービィ・ディック」と呼ばれる巨大な白い鯨をめぐって繰り広げられる、メルヴィル(一八一九‐一八九一)の最高傑作。海洋冒険小説の枠組みに納まりきらない法外なスケールと独自のスタイルを誇る、象徴性に満ちた「知的ごった煮」。(「BOOK」データベースより)

white whale

伝説の白鯨

Nat Geo WILD/YouTube

白い動物はさまざまな文化や宗教において神聖視されることがあります。たとえば、白いイルカは古代ギリシャ神話では海の女神ポセイドンの使いとされ、白いクマはアイヌ民族にとって神聖な動物とされています。

そんな時、オーストラリア全身が真っ白なクジラが目撃された。それまでは白鯨は神話やフィクションの中で登場する幻の生き物だと思われていました。しかし、実際にそのようなクジラが存在することが確認されたことで、世界中で注目を集めることとなりました。

その白いクジラは『ミガルー』と名付けられた!!

ミガルーが最初にオーストラリア沖で確認されたのは、1991年だったという報告があります。その時はまだ群れの中の子クジラでした。

ミガルーという名前は、オーストラリアの先住民族であるアボリジニの言葉で、「白い人」を意味します。

性別はオス!

2011年にオーストラリアの研究者たちが南海で発見したシロナガスクジラ(ミガルー)から採取したDNAサンプルの分析により、このクジラがオスであることが確認されました。このような遺伝子解析は、クジラの性別を特定するための重要な方法であり、また、個体の遺伝的特徴や親子関係などを明らかにするのに役立ちます。

白鯨の正体はアルビノ種

幻の白鯨・ミガルーを、多くの研究者が追いかけている。ミガルーは、アルビノ種という遺伝子の劣勢因子の影響により、皮膚色素の沈着がなく生まれた。白化と呼ばれる現象は、メラニンという色素の欠乏によって生じることがあり、これによって皮膚や体表の色が白くなることがあります。白化が全身に及ぶ場合は、アルビノと呼ばれることがありますが、アルビノは稀な遺伝子の変異によって生じるものであり、皮膚色素の沈着がないということではありません。また、白いクジラは、遺伝子の変異や環境要因によって生じるため、その生存には一定のリスクが伴うとされています。なぜなら、白い色は本来ならばクジラを保護する迷彩色にはなり得ないため、天敵からの攻撃や捕食者に狙われるリスクが高くなるからです。

白い体は野生では生存が難しい?

ミガルーは、アルビノ種という遺伝子の劣勢因子の影響により、皮膚色素の沈着がなく生まれた。

白化と呼ばれる現象は、メラニンという色素の欠乏によって生じることがあり、これによって皮膚や体表の色が白くなることがあります。白化が全身に及ぶ場合は、アルビノと呼ばれることがありますが、アルビノは稀な遺伝子の変異によって生じるものであり、皮膚色素の沈着がないということではありません。

また、白いクジラは、遺伝子の変異や環境要因によって生じるため、その生存には一定のリスクが伴うとされています。

なぜなら、白い色は本来ならばクジラを保護する迷彩色にはなり得ないため、天敵からの攻撃や捕食者に狙われるリスクが高くなるからです。

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白い“クジラ”はたまに目撃されるが…。ミガルーはその中でも超希少種!

ヒレに斑紋がある個体や、青みがかった灰色の個体は比較的頻繁に見られます。また、小説『白鯨』に出てくるような白いマッコウクジラも、時折観察されることがあります。

白いマッコウクジラの中には、皮膚や体表にメラニンが不足していることによって白くなった個体も含まれています。また、遺伝的な要因によっても白化が生じることがあります。

Mashable/YouTube
あまりにも希少!!真っ白なザトウクジラ

同じクジラでも全身が真っ白なザトウクジラは非常に珍しく、全身真っ白な成体となると今のところ記録があるのはミガルーのみだという。

On Demand News/YouTube

一度は見たい!?グレートバリアリーフ沖で目撃情報

アルビノ種は1991年の発見時、身体的にとても弱いとされ、長く生きることが不可能であろうと予測されていた。しかし、毎年数多くの目撃情報があがり、ザトウクジラやミガルーがグレートバリアリーフ沖を回遊しているその白い姿も目撃されている。

ザトウクジラは毎年、南極沖からオーストラリア北東部のグレートバリアリーフ付近の繁殖地へと移動する。ミガルーもそうした移動の最中と見られている。

また、ミガルーとその仲間は毎年、南半球が冬の間はオーストラリア付近に北上して越冬し、9月~11月頃になるとクイーンズランドから南極の海域に戻るようだ。

Big Cat Green Island Reef Cruises/YouTube

あまりにも希少なため法律で保護

全身が真っ白なクジラは、非常に珍しい存在であり、保護の対象とされることがあります。オーストラリアでは、このようなクジラを含む海洋生物について、特別な法律によって保護されています。

具体的には、グレートバリアリーフ海洋公園をはじめとする海洋公園や自然保護区で、海洋生物の保護や環境保全が行われています。

グレートバリアリーフ周辺では、全身が真っ白なクジラの生息数は、一般的なザトウクジラと比べて非常に少ないとされています。具体的には、ザトウクジラ1万〜1万5000頭につき、全身が真っ白なクジラは10〜15頭程度しか存在しないと見られています。

Big Cat Green Island Reef Cruises/YouTube
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あれ?ミガルーに子供が!?

2011年9月までは、世界で唯一の真っ白なクジラだったと思われるミガルーの子どもたちが発見されました。2頭のうちの1頭はMJ(ミガルー・ジュニアの略)と呼ばれています。また、ノルウェー沖で認識されているもう1頭の白いザトウクジラは、2015年7月5日にクック海峡クジラ調査の年間リサーチで目撃されました。これら4頭の中の2頭の父親はミガルーであるとされています。

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「モービィ・ディック」と呼ばれる巨大な白い鯨をめぐって繰り広げられる、メルヴィル(一八一九‐一八九一)の最高傑作。海洋冒険小説の枠組みに納まりきらない法外なスケールと独自のスタイルを誇る、象徴性に満ちた「知的ごった煮」。(「BOOK」データベースより)

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