
場所は神秘の国“トルクメニスタン”現世に存在する本物の「地獄の門」があまりに神々しすぎる
Door to Hell
地獄の門
カラクム砂漠の中央に位置するダルヴァザの地獄の門は、世界的に有名な観光スポットの1つです。この巨大なクレーターは、地下の天然ガスが漏れ出して発火し、40年以上も燃え続けているため、「地獄の門」として知られています。
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「地獄の門にしか見えない」
周辺住民がこの場所を「地獄の門(Door to Hell)」と名付けたのは、穴から立ち上がる赤い炎が、まるで地獄から吹き出すように見えたことに由来します。また、燃え続ける様子が、永遠の炎のように見えたことも、「地獄の門」という異名が付けられた理由の一つです。
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感動は二倍!?昼と夜で違う表情を見せる
地獄の門は、昼と夜で異なる表情を見せることで有名です。昼間は、巨大なクレーターの周辺に砂漠の風景が広がり、その中央に赤く燃える炎が映えます。夜になると、周囲が暗闇に包まれ、地獄の門の炎がより一層鮮やかに見えます。星空の下で、静寂とともに燃え続ける炎は、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
地獄の光に吸い寄せられる
人間にとっては「地獄」として知られるダルヴァザの地獄の門ですが、虫やその他の生物にとっては、貴重な光源や生息場所かもしれません。光を求めて、虫や昆虫が集まってくることはよくあることであり、虫たちが地獄の門周辺に生息している可能性もあるかもしれません。鳥が何度もこの地獄の門に侵入を試みる様子が見られます。
独裁国家!?トルクメニスタン
トルクメニスタンは、中央アジアに位置する国で、日本の約1.3倍の国土面積を持ち、2020年時点で約590万人の人口が居住しています。
国旗には、伝統的なトルクメン文化の象徴である絨毯の模様が描かれ、その中央には緑地に白抜きの三日月と星が配置されています。三日月と星は、イスラム教の象徴であり、トルクメニスタンはイスラム教国家であることを表しています。また、緑色は豊かな自然を、白色は純粋さと誠実さを、そして赤色は勇気と力を表しています。
トルクメニスタンは、かつてはソビエト連邦に属していましたが、1991年に独立を宣言しました。現在は、天然ガスや石油などの豊富な資源を持ち、経済発展を目指しています。
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中央アジアの北朝鮮!?
「中央アジアの北朝鮮」という異名がトルクメニスタンにつけられることがありますが、それは一部のメディアや政治評論家によって用いられる表現であり、一般的な呼称ではありません。
トルクメニスタンは、国内の政治・経済・社会情勢が独自の特色を持つ、独立国家であることを認識する必要があります。ただし、トルクメニスタンには権威主義的な政治体制が敷かれ、市民の人権や表現の自由が制限されるなどの問題が指摘されています。
地獄の門がある村「ダルヴァザ」
ダルヴァザは、トルクメニスタンの首都アシガバードから北に約260キロメートル離れた村の名前です。地獄の門として知られる巨大なクレーターも、ダルヴァザの近くに位置しています。ダルヴァザ周辺は、砂漠地帯に位置しており、気候や地形が厳しいため、観光客が訪れる際には適切な準備とガイドの同行が必要です。
テケ族
ダルヴァザ周辺に住む人々の多くは、トルクメニスタンに伝統的に住む遊牧民族の1つであるテケ族とされています。テケ族は、家畜の飼育や狩猟、採集などを生業とする半遊牧民であり、ダルヴァザ周辺の草原や砂漠地帯を中心に活動しています。
現代においても、テケ族の多くは半遊牧生活を続けており、家畜を飼育しながら草原や砂漠地帯を移動しています。
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村の名前の由来は……”門”
ダルヴァザ(Derweze)という言葉は、トルコ系の言葉で「門」という意味を持ちます。この名前は、ダルヴァザ周辺にある巨大なクレーターが、地獄のような赤い炎を出している様子が門のように見えることに由来しています。
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村の地下には天然ガスがたくさん!
ダルヴァザ周辺には豊富な天然ガスが埋蔵されており、トルクメニスタンは天然ガスの生産量を増やすことで、経済発展を目指しています。トルクメニスタンは世界有数の天然ガス生産国の一つであり、現在の年間生産量は約750億立方メートルです。しかし、トルクメニスタンはその豊富な資源にもかかわらず、国内の天然ガス需要が少ないため、輸出が必須となっています。
トルクメニスタンは、ロシア、中国、イランなど周辺諸国や、欧州やインドなど世界各地への天然ガスの輸出を拡大する計画を進めており、将来的には天然ガスの生産量を現在の3倍に増やすことを目指しています。このような計画により、トルクメニスタンは経済成長を加速し、国内の社会基盤の整備や市民生活の向上に貢献することが期待されています。
地獄の門は人が開けてしまった……。
ルヴァザにある巨大なクレーターができた経緯については、1971年にソ連時代の地質学者が地下の天然ガスを探査するためのボーリング作業を行っていた際、ガスを含んだ地層が突如崩落し、地表部分が崩壊してクレーターが形成されたとされています。また、採掘作業用の装置が置かれていた場所も巻き込まれ、巨大なクレーターが開いてしまったということです。
この事故は、天然ガスの採掘による危険性を示す代表的な事例として、世界的にも有名になりました。
止まらない有毒ガス……。「よし燃やそう」
クレーターが形成された後、穴の中に落ちた動物たちが有毒ガスによって死亡する事態が発生しました。そこで、周辺住民は有毒ガスを放出する穴に対して火を点けることで、穴内のガスを燃やすことによって有害なガスを排出することを試みたとされています。
有毒ガスの排出を止めるために穴に火を点けたものの、天然ガスが豊富にあるため、燃焼が止まらず、現在まで燃え続けているとされています。この穴を「地獄の門」と呼ぶのは、火が永遠に燃え続けるように見えることから来ているとされています。
地球上には、同様に永久的に燃え続ける天然ガスの炎を出す場所がいくつかあり、その中でもダルヴァザのクレーターは特に有名です。
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「危なすぎる!避難せよ!」大統領令が発令することも
2004年、トルクメニスタンのグルバングリー・ベルディムハメドフ大統領は、ダルヴァザの村を安全上の理由から別の場所に移動するように命令しました。大統領は、近隣の天然ガスプラントがガス漏れ事故を起こしたことを受け、ダルヴァザにも同様の事故が発生する可能性があると判断したためです。
移転に反対する住民もいましたが、政府は移転を進め、現在ではダルヴァザの村は新しい場所に再建されています。しかし、ダルヴァザの地獄の門は観光地として大きな注目を集め、世界中から観光客が訪れています。
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「せっかくの資源……もったいない」止める方法を模索
天然ガスが燃え尽きた場合、地獄の門から燃える火は消えると考えられます。しかし、トルクメニスタンにとって、天然ガスは重要な輸出資源であり、消費される前に地獄の門から放出されることになる天然ガスは、もったいないと考えたことがあります。
2010年には、ベルディムハメドフ大統領が現地を訪れ、地獄の門を封鎖するか、周囲のガス田開発に妨げにならないような方法で管理することを指示しました。
だが、現在までに穴が封鎖はおこなわれていません。
いつ燃え尽きるか不明
現時点では、ダルヴァザの地獄の門から燃え続ける火を食い止めることは技術的に困難であると考えられています。また、天然ガスの埋蔵量が不明なため、燃焼がいつまで続くのかは未知数です。しかし、一説によれば、近年、火力が弱まっている傾向が見られるともいわれています。
一部の科学者たちは、数年以内に地獄の業火は終焉を迎える可能性があるとも語っています。
今やその異様な光景が観光地化!ツアーも組まれる(笑)
ダルヴァザの地獄の門はその独特の風景から、世界中の観光客や写真家たちの注目を集めています。また、砂漠ツアーの中でも、ダルヴァザを訪れるコースが組まれている場合があります。
訪問者たちは、燃える穴を眺めたり、夜間には幻想的な光景を見ることができます。しかし、ダルヴァザは自然現象ではなく、天然ガスの採掘活動の副産物であることを忘れずに、適切な安全対策を講じた上で訪れることが重要です。
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