【気象】「大気の状態が不安定」の時に出現しやすい雲!“積乱雲”って?

【気象】「大気の状態が不安定」の時に出現しやすい雲!“積乱雲”って?

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 大ヒット・アニメ「君の名は。」の新海誠監督が再び川村元気プロデューサーとタッグを組んで贈るファンタジー長編アニメーション。天候の調和が狂っていく時代を舞台に、不思議な能力を持つ少女と出会った家出少年が運命に翻弄されながら繰り広げる愛と冒険の物語を描く。声の出演は主人公の少年少女に醍醐虎汰朗、森七菜。小栗旬、本田翼、倍賞千恵子、平泉成ら豪華キャストが脇を固める。(「allcinema」データベースより)

Cumulonimbus

積乱雲

imagewerks motion/Vimeo

積乱雲とは、山岳地帯や高地などに見られる特殊な雲である。形状が乱雲のようになっているため、積乱雲と呼ばれています。

激しい上昇気流

Cumulonimbus/Vimeo

簡単に言えば積乱雲とは、強い上昇流があり、その条件で雲が成長し、さらに強い雨が降る現象であると言えます。

雲の中では激しい対流が起こり、幾つもの上昇気流が存在します。それらの上昇気流を見ると、積乱雲の中には小さな雲の固まり(セル)が上昇していくのを見ることができます。

普通の雲は。地球の大気は重力により圧迫されているため、わずかにしか上下方向に動くことができませんが。積乱雲は、地球の大気の中でも鉛直方向に激しい運動をする唯一の雲です。

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「大気の状態が不安定」

ウェザーニュース/YouTube

積乱雲は、大気の状態が不安定であることが必要条件の一つであり、上空に冷たい空気が存在し、地上には温かい空気がある状態で発生しやすくなります。

大気が不安定な状態が続くと,温かい空気の上昇が止まらず,上昇気流が発生し積乱雲が発達しやすい状態になります。

温かい空気が上昇する際に、冷たい空気と接触することで急激に冷やされ、水蒸気が凝結して水滴や氷の粒となり、積乱雲が形成されます。

大都市の場合には、冷房などで建物から出される熱や、アスファルトの反射熱が上昇気流を生み、積乱雲を発生させるケースもみられます。

また、積乱雲が成長するにつれて、上昇気流がより強くなり、雲の上部が拡散してかなとこ型に広がることもあります。

積乱雲の前段階!雲が積み重なった「積雲」

積乱雲の前段階として「積雲」が発生することがあります。

キュムラス (Cumulus) は、ラテン語の「cumulus」(積み重ねる)に由来する言葉で、積雲のことを指します。積雲は、上昇気流によって形成される綿菓子のような雲であり、雲が積み重なっているように見えることから、この名前が付けられました。キュムラスは、晴れた日によく見られる雲の一つであり、天気の変化を予測するためにも重要な指標となっています。

別名綿雲

上昇気流によって発生する綿菓子のような雲であり、晴れた日に発生しやすく、その形から別名綿雲(わたぐも)とも呼ばれています。

積雲(綿雲)も積乱雲と同様に、上部がモコモコしていて形が変わりやすく、成長していくにつれて上に向かって拡大していくため、かなとこ型に広がることもあります。一方、雲底は平たくほとんど上下しないのが特徴で、上昇気流が弱いために雲が支えられているということもあります。

内部は、雲粒の密度が高く、光が通りにくいため、日光が当たった時の明暗がくっきりと表れることがあります。ただし、積雲(綿雲)は積乱雲と比べて非常に浅く、水蒸気量が少ないため、非常に濃い雲ではなく、明るいときには白く美しい形をしていることが多いです。

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さらに成長「雄大積雲」

積雲は一般的に雲底の高さが2000m前後で、小さなものは数百メートル程度と低く、大きなものでも2000m程度が一般的です。しかし、気象条件が良好な場合や積乱雲に発展する場合には、雲の上部が拡散してかなとこ型に広がり、高さが10000mを超えることもあります。このような、高く大きな積雲を特に「雄大積雲」と呼びます。

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最終形態「積乱雲」

上空に寒気が流れ込んで大気が不安定になると、積雲が垂直に成長します。積雲が成長し続けると、頭頂部が隆起し始め、その頂上部に水滴や氷の結晶が集まって積乱雲を形成します。

さまざまな気象変動を誘発

KyodoNews/YouTube

積乱雲は、大気の中で水蒸気を持ち上げ、それが凝縮して雲を形成することで、大気の循環を促進します。積乱雲が発生すると、雲の上部から熱が放出され、大気が上昇する上昇気流が形成されます。この上昇気流が大気を動かし、気象条件を変化させる。

特に、積乱雲が発生する地域が山間部である場合には、急峻な地形の影響を受けて、局地的な大雨や土砂災害が発生することがあります。

また、積乱雲は、同じ場所で次々と発生することがあるため、川の増水や道路の冠水、低地の浸水に注意が必要です。

積乱雲は、地表から水蒸気を持ち上げるポンプのような役割を持ち、大気の循環を促進する重要なエンジンの一つでもあります。積乱雲が発生することで、大気の温度や湿度、気圧などが急激に変化し、局地的な天気の急変や気象現象の発生を引き起こすことのです。

雲の中には大量の水!危険な豪雨災害

積乱雲に含まれる水の量は非常に膨大で、時にはドラム缶1000万本分にも達すると言われています。これらが雨滴になり、降水として地上に落ちると、短時間で大量の雨が降り注ぐことになります。

1つの積乱雲の寿命は1時間程度であり、もたらす降雨量も数十ミリ程度が一般的です。そのため、局地的な大雨が発生する場合には、1つの積乱雲が原因となっていることがあります。

一方、長時間にわたって100ミリ以上の雨を降らす場合には、複数の積乱雲が組織化しなければなりません。複数の積乱雲が発生し、それらが合体して一つの巨大な積乱雲を形成することで、長時間にわたって大量の雨を降らすことができます。

人智を超えた力「……まるで竜の巣」

ANNnewsCH/YouTube

成長した積乱雲は、安定した成層圏に到達すると、今度は横方向に広がっていきます。この様子は、かなとこ雲と呼ばれ、まるで龍の巣のように見えることがあり、風景や芸術作品などにも描かれることがあります。

「雷」は積乱雲が引き起こす現象

DotsonPLUS/Vimeo

雷は、積乱雲内で発生する大気中の放電現象で、雷雲は、雷を伴った積乱雲のことを指し、雷を伴わない積乱雲とは区別されます。

積乱雲内では、上昇気流によって水蒸気が凝縮して雨粒が形成される際に、荷電が発生します。雲内部の水滴や氷粒が帯電し、プラスとマイナスに分かれます。荷電状態が過剰となると、雲と地表との間に大気中の放電現象が起こり、雷が発生します。この際には、プラスとマイナスの間に電流が流れることで、発光や爆発的な音が発生します。

雷は、積乱雲から発生し、その位置次第で海面、平野、山岳など、場所を選ばずに落ちることがあります。ただし、周囲より高いものに落ちやすいという特徴があります。

これは、雷が落ちる際には、荷電した雲と地表や物体の間に静電気的な力が働くため、周囲よりも高い場所にある物体の方が、雷を引き寄せやすいからです。具体的には、高い建物や山頂、高い木などが雷を引き寄せやすくなります。

そのため、山岳地帯では雷による事故や災害が発生することがあります。

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氷が雷を引き起こす
ANNnewsCH/YouTube

積乱雲の頂上付近の気温は-40℃近くで、雲を構成している小さな氷のかけら、つまり氷晶が、雷を発生させる原因の一つとなっています。

冷やされた水・氷が落下!下降気流が発生

積乱雲の中では、水蒸気が上昇気流によって上昇し、上層で冷やされることで水滴や氷晶が形成されます。これらの水滴や氷晶は、周囲の水蒸気を吸収して成長し、次第に大きく、重くなります。そして、重力の影響によって下層へと落ち始めます。

この時、粒は周囲の空気を引きずり下ろし、下降気流を発生させます。下降気流は、積乱雲の内側で上昇気流と対抗し、積乱雲の形成を助けます。

上昇気流の水・氷とぶつかり静電気が発生

この時、積乱雲内部では、下降気流と上昇気流が複雑に交錯しており、下層からの上昇気流も依然として存在しています。このため、下降気流によって下へ落ちていく成長した水滴や氷晶と、上昇気流によって上がってくる小さな水滴や氷晶がぶつかり合い、摩擦が生じ、その摩擦により静電気が発生。

小さい氷はプラスの電気、大きい氷はマイナスの電気を持っていて、地上ではプラスの電気となります。

静電気がある程度溜まると、今度はマイナスからプラスに向かって一気に電気が流れます。

このときに、地面と雲の間の電流の通り道が光って見えるのが「稲妻」で、この時に、発生する衝撃波の音が雷鳴となります。

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積乱雲の種類はカテゴリー約3つ

積乱雲は大きく分けて、シングルセル、マルチセル、スーパーセルの3つに分類されます。

シングルセル(1つの積乱雲)
Hunter Anderson/YouTube

シングルセルは、一つの積乱雲が成長して発達し、一定時間で消滅するタイプの積乱雲です。一般的に、積乱雲が形成されたら、急速に成長し、その後、上昇気流が減速して雲が崩れ、雨が降り出します。

特に夏の夕立は、このシングルセル型積乱雲によって発生することが多いです。雲の形も、初めは小さな山のような形から始まり、急速に成長して、モコモコとした雲になります。そして、急な雨や雷を伴って発生し、15分から1時間程度で消えます。

マルチセル(複数の積乱雲群)
Martin McKenna/YouTube

マルチセルは、複数の積乱雲が近接して存在し、同時に成長しながら、一定時間をかけて消滅する積乱雲です。マルチセルは、各セルが発生して成長するため、シングルセルに比べて雨が降る時間が長く、ゲリラ豪雨になることがあります。また、マルチセル型積乱雲は、風向きが変わると積乱雲の移動方向も変わるため、予測が困難な場合があります。

【最大級の危険】スーパーセル(超巨大積乱雲)
shu o/YouTube

スーパーセルは、非常に大型の積乱雲で、非常に強い上昇気流と強い回転を持っています。スーパーセルは、非常に強い雨や風、竜巻を伴うことがあり、非常に危険な天候現象として知られています。

上昇気流と下降気流が別の位置に…。

スーパーセルは、非常に強力な上昇気流によって形成されます。この上昇気流は、鉛直方向に傾いており、上昇気流の場と下降気流の場が別々に存在するため、長時間にわたって積乱雲を維持することができます。

過去には、日本国内でもスーパーセルが発生し、大きな被害をもたらした例があります。

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 大ヒット・アニメ「君の名は。」の新海誠監督が再び川村元気プロデューサーとタッグを組んで贈るファンタジー長編アニメーション。天候の調和が狂っていく時代を舞台に、不思議な能力を持つ少女と出会った家出少年が運命に翻弄されながら繰り広げる愛と冒険の物語を描く。声の出演は主人公の少年少女に醍醐虎汰朗、森七菜。小栗旬、本田翼、倍賞千恵子、平泉成ら豪華キャストが脇を固める。(「allcinema」データベースより)
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