
あれから50年……「オノ・ヨーコ」が英語詞をつけ「オーリー・マーズ」が歌い上げた!──坂本九の名曲『上を向いて歩こう』
ルック・アット・ザ・スカイ
Look At The Sky
オリー・マーズが(Olly Murs)が最新ミュージック・ビデオ「Look At The Sky」をGYAO!に続きYouTubeでも公開した。
「Look At The Sky」と「上を向いて歩こう」は、楽曲のタイトルが異なるものの、同じ曲です。
「上を向いて歩こう」作曲者 中村八大の意思を継ぐ
「上を向いて歩こう」という曲は、日本の作曲家である中村八大氏が作詞・作曲を手掛け、1961年に発表されました。
アメリカでは、この曲が「SUKIYAKI」というタイトルでリリースされ、1963年にビルボードHOT100チャートで1位を獲得しました。
また、この曲は世界中で数多くのアーティストによってカヴァーされ、その多くはオリジナルとは異なる歌詞で歌われています。
「上を向いて歩こう」50周年を記念する企画
坂本九の「上を向いて歩こう」の発売50周年を記念する企画として、作曲者の中村八大の子息である中村力丸氏の発案により、2011年に英語圏向けのバージョンが制作が開始されました。
本来の曲の意味を世界に正しく届けたいという思いから、この制作にあたっては、日本文化と英語圏の文化の両方に詳しい人物が必要だった。
そこで白羽の矢がたったのが「オノ・ヨーコ」だった。
(前略)この曲の持つ意味・背景を踏まえたときに、単純に英語が堪能だからという理由だけでは英語詞を依頼できないわけです。歌に託した永さんの心象をも訳していただきたい。そこで永さんと同世代でいらっしゃって、やはり戦争というものに大きく運命を翻弄され、さらに日本と欧米の双方の文化に精通された方として、ヨーコさんであればこの歌の持つ何か特別なものをも英語詞にしていただけるではないかと思い至りました。
第129回 中村 力丸 氏 株式会社八大コーポレーション 代表取締役/Musicman.2015
英語詞をつけたのは「オノ・ヨーコ」
オノ・ヨーコは、日本生まれのアーティスト、音楽家、作家であり、1960年代にアメリカに移住して以降、ジョン・レノンとの共作曲やソロ・アルバムを発表しながら、平和運動や環境問題にも積極的に取り組んでいる、社会的・政治的な活動家としても知られている人物です。
以下のこのコメントは、かつて「上を向いて歩こう」の英語詞制作にあたり、中村力丸氏がヨーコ・オノに協力を求めた際に、彼女が自身の背景と経験によってこの曲に対する理解と共感を持ち、英語詞を作ることを提案したということを示唆しています。
とても大きな責任を感じました。
以下のこのコメントは、オノ・ヨーコが「上を向いて歩こう」の英語詞制作に際して、彼女自身が感じた責任や重圧、そしてこの曲に込められた想いについて述べたものです。
オノ・ヨーコは、「(この英語詞を引き受けることに)とても大きな責任を感じました。いつもは物事を楽な気持ちで進めることが多いから、今回は特にね。」と述べています。また、「人の歌詞を訳すのは今回が初めてだったの。でもこれは“私がやらなきゃ”と思った。」という思いから、英語詞制作に取り組んだことを明かしています。
さらに、「“落ち込んでなんていられない。前を向いて歩こう”という、この曲に込められた想いだけは、絶対忘れてはいけないって。」と、この曲に込められたポジティブなメッセージの重要性を語っています。そして、「でも私は空が好きだから、自然に出来たと思うわ」と、自分自身が持つ感性を大切にし、自然な形で英語詞を作り上げたことを明かしています。
このように、オノ・ヨーコは、この曲に込められたメッセージや想いに敬意を払いながら、彼女自身が持つ感性や経験を生かして、英語詞制作に取り組んだことが分かります。
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歌は「オリー・マーズ」
中村力丸氏は、「Look At The Sky」を世界初披露するに相応しいアーティストを約2年にわたり探し続けていました。そして、2013年11月に渋谷VISIONで行われたオリー・マーズの初来日公演を見て、「“親しみやすさ”と“エンターテイメント性”」をオリーに感じたと言います。
中村力丸氏は、オリー・マーズのライブを観た際に、「オリー・マーズは、国境や文化を超えることのできる“親しみやすさ”と、確固とした“エンターテイメント性”を兼ね備えている」と感じ、また、「上を向いて歩こう」が持つ本質である「悲しみを歌い、孤独を歌い、その先に希望を見出すメッセージ」を表現できるアーティストとして、オリー・マーズを選んだと述べています。
イギリスのポップ・スター「オリー・マーズ(Olly Murs)」
オリー・マーズ(Olly Murs)は、イギリスの歌手、俳優、テレビ司会者です。1984年にイングランドのエセックスで生まれ、2009年にイギリスの人気オーディション番組「The X Factor」の第6シリーズに出場して注目を集めました。
その後、オリー・マーズは数々のヒット曲を発表し、イギリスを代表するポップスターの一人として活躍しています。代表曲には、「Dance with Me Tonight」「Troublemaker」「Dear Darlin’」などがあります。
また、オリー・マーズはテレビ司会者としても活躍しており、イギリスの人気音楽番組「The Voice UK」などに出演しています。彼は、親日家であることも知られており、日本でのライブ公演やテレビ出演なども行っています。
オリー・マーズは、イギリスを代表するポップ・スターの一人であり、数多くのヒット曲をリリースしています。
「Look At The Sky」は、オリー・マーズの最新シングルであり、彼の7枚目のアルバムに収録されています。この曲は、ポジティブなメッセージを持った楽曲であり、苦しい時期を乗り越えて、明るい未来を信じることを歌っています。
YouTubeに公開された「Look At The Sky」のミュージック・ビデオは、Olly Mursがイギリスの美しい風景の中で歌い踊る様子が収められています。視聴者は、彼の楽しいパフォーマンスを楽しむことができます。
「この曲を歌えて本当にうれしいよ」
このコメントは、オリー・マーズが「Look At The Sky」の英語詞バージョンを初めて歌うことになった際の感想を述べたものです。
オリー・マーズは、「Look At The Sky」を初めて歌うことができることについて、「本当にうれしいよ。オノ・ヨーコさんは(ジョン・レノンの未亡人として)イギリスともゆかりのある人だから、こんなふうにつながることができたなんて心から光栄」と感激。
さらに「日本の皆に愛されているこの曲は、人間が持つ強さだったり、誰もが人生の中で経験するであろう辛い出来事に対してもいつも明日には希望があるっていう、すごくポジティヴなメッセージが込められていて、本当に美しい曲だと思う。今回、オリジナルを反映したメッセージで歌えることをとても誇りに思うし、僕のヴァージョンで、この曲が持つ愛や情熱を皆さんに感じてもらえたら嬉しいです。」とコメントした。
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MVは日本で撮影!特別出演は“徳光和夫”
「ルック・アット・ザ・スカイ」のミュージック・ビデオは、日本で制作されたもので、徳光和夫が特別出演しています。徳光和夫は、「上を向いて歩こう」を人生の応援歌と位置付け、この曲に特別な思い入れがあることを公言しています。そのため、「ルック・アット・ザ・スカイ」のミュージック・ビデオの出演オファーを受けた際には、役者ではない自身でもこの曲ならと承諾し、出演を果たしたというエピソードがあります。
徳光和夫のゆかりの地で撮影
「ルック・アット・ザ・スカイ」のミュージック・ビデオは、徳光和夫にゆかりのある旧巨人軍多摩川球場近くで撮影されました。ビデオでは、様々な年齢や背景を持つ人々が、日々の生活の中で悲しみや孤独を抱えながらも、お互いを支え合いながら前に進む姿が描かれています。
ビデオでは、オリー・マーズが歌う「ルック・アット・ザ・スカイ」の英語詞バージョンが流れる中、日本各地の美しい風景が映し出されています。また、徳光和夫が登場するシーンもあり、日本文化や伝統的な風景が表現されたビデオとなっています。
オリー・マーズは、自身が出演した「ルック・アット・ザ・スカイ」のミュージック・ビデオについて、どんな人にも辛い時があるが、それを乗り越えようとするポジティブな歌詞が見事に表現されていると賞賛しています。また、世界中の人々にもこのビデオを観て聴いてもらいたいという思いを述べています。
☆オリー新作発売記念☆「ルック・アット・スカイ」MVには”「上を向いて歩こう」は人生の応援歌”というほど原曲の大ファンでもある徳光和夫さんが”僕は役者じゃないけれど、この曲だったら”と特別出演してくれました!ありがとうございマーズ! pic.twitter.com/eNzvWY44dN
— ソニーミュージック洋楽 (@INTSonyMusicJP) January 14, 2015
大和証券グループのCMに起用
「ルック・アット・ザ・スカイ」のオルタナティヴ・バージョンは、大和証券グループのCMでも使用されました。このCMでは、ビジネスマンやOLたちが、仕事や日々の生活の中で悩みやストレスを抱えている様子が描かれ、曲のポジティブなメッセージが強調されています。
「PLAYING FOR CHANGE」は、音楽を通じて世界中の人々をつなぎ、平和や活気をもたらすことを目的としたプロジェクトです。このプロジェクトの一環として、オルタナティヴ・バージョンの「ルック・アット・ザ・スカイ」が制作され、大和証券グループのCMでも使用されました。このCMには、オリー・マーズ本人も出演しており、彼の歌声が多くの人々に届くことになりました。
このCM「PLAYING FOR CHANGE」プロジェクトの一環で制作され、オリー・マーズも出演しています。
【オリーがあの話題のCMに出演!】オリー・マーズが歌う「ルック・アット・ザ・スカイ」が大和証券の音楽プロジェクト”PLAYING FOR CHANGE”の新CMソングに!話題のCMはコチラ⇒http://t.co/17kh7C5eOL pic.twitter.com/qdVsELBGjF
— ソニーミュージック洋楽 (@INTSonyMusicJP) January 27, 2015
オノ・ヨーコの誕生日に赤坂Blitsで世界初披露!
「Look At The Sky」の世界初披露は、オノ・ヨーコ氏の誕生日である2月18日に、赤坂Blitzにて開催されたオリー・マーズのジャパン・ツアー初日公演で行われました。
この曲が初めて披露されることについて、オノ・ヨーコ氏は「『上を向いて歩こう』は素晴らしい曲です。この曲のスピリットが、再び世界の人々を励ますことになればと思い英語詞をお引き受けいたしました。私の81歳の誕生日に、初めて披露されると聞いてとてもうれしく思っています。」とコメントしています。
【オリー・マーズ☆TOKYO LIVE】オリーから日本のファンへサプライズプレゼント!オノ・ヨーコさんが英詞をつけてくれたあの名曲「上を向いて歩こう」のカヴァーを本日初披露☆そんな今日はオノ・ヨーコさんのお誕生日☆ #オリー来日 pic.twitter.com/euoI8Iz3Ox
— ソニーミュージック洋楽 (@INTSonyMusicJP) February 18, 2014
【news】オリー・マーズ、NYでオノ・ヨーコと初対面 オノの口から語られる英詞版「上を向いて歩こう」の誕生秘話も http://t.co/tbzXM0LaHD pic.twitter.com/6KQexGjAaW
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) January 22, 2015