2017年、イギリス・マンチェスターで発生したテロ事件をきっかけに、アリアナ・グランデ主催のチャリティーコンサート「One Love Manchester」が開催され、多くのアーティストたちが出演し、愛と団結を讃えるパフォーマンスが繰り広げられました。
この記事では、コンサートの詳細や、アリアナ・グランデの姿勢、感動を呼んだ楽曲「Don’t Look Back In Anger」について紹介します。また、このコンサートが世界中の人々に与えた影響や意義についても探っていきます。
ONE LOVE MANCHESTER
ワン・ラブ・マンチェスター
「One Love Manchester」は、2017年6月4日にイギリスのマンチェスターで開催されたチャリティーコンサートです。このコンサートは、2017年5月22日にアリアナ・グランデのコンサート中に発生したマンチェスター・アリーナ爆破事件の被害者とその家族のための募金活動を行うために企画されました。
このコンサートには、アリアナ・グランデ、ジャスティン・ビーバー、ケイティ・ペリー、マイリー・サイラス、コールドプレイ、ファレル・ウィリアムスなど、様々な人気アーティストが出演しました。テレビ放送やオンラインストリーミングでも視聴可能であり、すべての収益は「ウィ・ラブ・マンチェスター・エマージェンシー・ファンド」に寄付されました。
このコンサートは、悲劇に直面した人々の団結と強さを示すとともに、マンチェスター市民への支援を表明するものでした。その結果、マンチェスター・アリーナ爆破事件の被害者やその家族のために1000万ポンド以上の募金が集まり、多くの人々を感動させました。
マンチェスター・アリーナで爆弾テロが発生(2017年5月22日)
2017年5月22日に、マンチェスターの中心部にある屋内競技場「マンチェスター・アリーナ」で事件が発生した。マンチェスターでのテロ事件により、800名以上が負傷し、22名が犠牲となりました。
マンチェスターでのテロ事件による死傷者数は、2005年7月7日にロンドンで発生した爆弾攻撃以来、イギリス国内で最悪のものとなりました。2005年のロンドン爆弾攻撃では、52人が死亡し、700人以上が負傷しました。
アリアナ・グランデのコンサートが終わった後、惨劇が始まった。
マンチェスター・アリーナでの爆発は、2017年5月22日の夜に発生しました。正確な時刻については報道によって異なりますが、日本時間の5月23日の午前0時33分頃に起きたとされています。この爆発は、アメリカの歌手アリアナ・グランデのコンサートが終わった直後に発生し、多数の犠牲者と被害者を出しました。
アリアナ・グランデの口から語られたあの日の出来事とは
「ツアーから帰宅後、急にひどいめまいに襲われ、息ができないような感じがしたんです。その時は、まさに幸せな気分で楽しい状態だったのに、突然そんな状態に陥りました。以前から不安を抱えていた私ですが、身体的な症状が現れることはなかったので、2か月も続いためまいの症状にとても混乱しました。」
アリアナ・グランデは、この事件に対して非常に強い感情を抱いており、度重なるインタビューやSNSなどで事件を振り返っています。
団結と希望が生まれたマンチェスターの歌
マンチェスターのテロ事件は、多大な影響を与えた出来事であり、被害者やその家族、イギリス国民など多くの人々が傷つき、心を痛めました。しかし、そのような中でも、イギリス国民は団結し、力強く立ち上がっていきました。それを象徴するかのようにマンチェスターでのテロ事件後、追悼会場で自然発生的にある歌が歌われた。
イギリス国歌とも言われる歌「Don’t Look Back In Anger。」
「Don’t Look Back In Anger」は、オアシスの代表曲の一つとして、世界的に人気が高い曲の一つです。イギリス国内に限らず、多くの国で愛されており、しばしば「イギリス国歌」と謳われることもあります。この曲は、1990年代のブリットポップという音楽ジャンルの中でも、特に代表的な楽曲の一つとして認知されています。
「怒りに変えてはいけない」
「Don’t Look Back In Anger」の歌詞の中でも、最後の部分に歌われているフレーズが印象的です。「怒りに変えてはいけない、怒りに変えてはいけないよ、せめて今日だけは(Don’t look back in anger, I heard you say)」というフレーズは、前向きなメッセージを持っており、明るい未来への希望を表しています。
このフレーズは、前半部分で「過去を振り返って怒りに変えてはいけない」というメッセージが込められており、後半部分で「明日からは前を向いて生きよう」という意味が込められています。このような歌詞は、マンチェスターのテロ事件の後、人々に勇気や希望を与える意味で、特に重要なものとなりました。
追悼集会での「Don’t Look Back in Anger」は、多くの人々に感動を与え、マンチェスター市民の強さと団結を象徴するものとして、世界中で注目を集めました。音楽を愛する者への攻撃に対して、彼らは音楽で意思を示した。
この曲を歌っているノエル(OASIS)がこの時のことを振り返る
「Don’t Look Back in Anger」は、オアシスのギタリストであるノエル・ギャラガーがリードボーカルを担当した楽曲であり、1996年に全英シングルチャートで1位を獲得した大ヒット曲です。
ノエル・ギャラガーは事件の直後に出来事について。
「家で1分間の黙祷を観ていたんだけど、そうしたら歌い出したんだ。人生で初めて言葉を失ったと言わざるをえないね。正直、ぶったまげたよ。今でさえなんて言っていいか分からないんだ。あの曲に人々が結集したという事実にね」と感情的な言葉で語った。
「もう一度マンチェスターで歌う!」アリアナの決意
マンチェスター・アリーナでの爆発テロ事件後、アリアナ・グランデは深い悲しみとショックに陥り、一時はベッドから起き上がれない状態になったとされています。しかし、事件後2、3日後の朝、アリアナはベッドから出てきて母親に「正直、この先歌えないってことはない。だけどマンチェスターで歌えなきゃ私は二度と歌わない」と言ったそうだ。
アリアナ・グランデはTwitter上で、マンチェスター・アリーナでの爆発テロ事件後、被害者やその家族に向けた長文のメッセージを投稿しました。その中で彼女は、「私の心、祈り、追悼の意は、マンチェスター爆発の被害者とその家族とともにあります。私自身、また、ほかの誰であっても、被害者のご家族の皆さまたちが感じている悲痛を代わりに受けることなどできないとはわかっています…。ですが、もし、あなたが私の助けを求めるなら、また、必要とするなら、私の手と心、私のできる限りのすべてをあなた方に差し出すことができます」と、被害者に対する支援を表明しました。
このように、アリアナ・グランデは事件によって深い傷を負いながらも、マンチェスターでの追悼コンサートを開催することで、犠牲者やその家族、そして市民たちへの支援と希望を示しました。また、アリアナ自身も、この出来事を乗り越えて再び歌うことができたことで、彼女自身の精神的な回復につながったと言われています。
— Ariana Grande (@ArianaGrande) May 26, 2017
「マンチェスターのために」アリアナ・グランデ主催のチャリティーコンサート
2017年6月4日に、アリアナ・グランデがマンチェスターでチャリティコンサートを行うことを発表しました。
このコンサートには、コールドプレイ、ジャスティン・ビーバー、ケイティ・ペリー、マイリー・サイラス、テイク・ザット、ファレル・ウィリアムス、ワン・ダイレクションのナイル・ホーランなど、多くの人気アーティストが参加を表明。
収益はすべて「We Love Manchester」基金に寄付されることが発表されていました。この基金は、事件後にマンチェスター市内で発生した事件の被害者やその家族、そして市民たちへの支援を行うために設立されました。
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アリアナ・グランデが訪れた病院
アリアナ・グランデは、2017年6月4日に開催される予定のチャリティーコンサート「One Love Manchester」のために、事前にマンチェスターに入りました。その際、病院を訪問し、爆発テロ事件で負傷した子どもたちやその家族を激励しました。アリアナは、病院でベッドにいた子どもたちと抱き合ったり、看護師と記念写真を撮ったりするなど、温かい気持ちで接し、彼らの心を癒やしました。
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「One Love Manchester」が届けた、音楽でつながる世界中の愛と絆
2017年6月4日、アリアナ・グランデがケイティ・ペリーやジャスティン・ビーバー、コールドプレイなどの大物アーティストを招いて、慈善ライブ「ワン・ラブ・マンチェスター(One Love Manchester)」を主宰、、音楽によって世界中が愛に包まれた。
事件後の思いを込めた「虹の彼方に」
コンサートの最後に、アリアナ・グランデは「虹の彼方に(原題:Somewhere Over The Rainbow)」を熱唱しました。この曲は、映画「オズの魔法使い」で知られる名曲であり、アリアナはこの曲を、事件で被害を受けた方々や亡くなった方々への追悼の気持ちを込めて歌いました。
途中、アリアナは感極まり、涙で歌えなくなってしまう場面もありましたが、最後まで歌い上げ、集まったファンや参加者たちに感動を与えました。
ステージでアリアナは、「オリビア(15歳のテロ事件の犠牲者)のお母さんから言われたの。“オリビアはあなたが泣いているところなんて見たくないと思うの。あなたのヒット曲が聴きたいはずだわ”って」と語り、パフォーマンスを彼女に捧げた。https://t.co/q0KQHxmY0s
— アリアナ・グランデ JP公式 (@ariana_japan) June 6, 2017
アリアナ・グランデ、英マンチェスターで慈善公演 リアムはオアシス曲歌う(写真 全3枚)https://t.co/YoHkMMcQkT …
— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) June 5, 2017
#アリアナ #アリアナグランデ pic.twitter.com/jlnap2oSGo
マンチェスターからの愛を込めた「Don’t Look Back In Anger」
コールドプレイは、「One Love Manchester」で「オアシス」の「Don’t Look Back In Anger」をカバーし、ステージにアリアナ・グランデを呼び寄せました。クリス・マーティンは、アリアナ・グランデに対して、「こんなに強く、素晴らしい君にありがとうと言いたい。君は僕らのためにたくさん歌ってくれた。英国にいる僕らも君のために歌いたい。これは『Don’t Look Back In Anger』という曲だ。僕らから君へ贈る」と語り、感動的なパフォーマンスを行いました。
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マネチェスターを救った歌姫アリアナが初の名誉市民に
マンチェスターのテロ事件後、アリアナ・グランデにはマンチェスターの名誉市民権が与えられました。これは、アリアナ・グランデが事件後に示した行動や態度に対する感謝と敬意の表れとして、市議会から贈られたものです。
市議会のリーダーであるリチャード・リースは、アリアナ・グランデについて、「彼女はこの地を二度と訪れたくないと思っても理解されたことでしょう。彼女は代わりに、アーティスト、パフォーマーとして、マンチェスターに戻りパフォーマンスするまで(ほかでは)パフォーマンスしないと決心した。そうすることにより、多くの人々を慰め、We Love Manchester緊急基金のために何百万ポンドをも集め、その基金の最初のパトロンになった。よって、アリアナ・グランデを初のマンチェスター名誉市民とすることを提案する」と語っていました。
The Halle String Quartet played Don’t Look Back in Anger after cllrs voted to make Ariana Grande an honorary citizen of Manchester pic.twitter.com/Dyc9Zz5QDU
— Eleanor Barlow (@EleanorBarlow) July 12, 2017
追悼のアンセム、マンチェスターを包む感動の歌
「Don’t Look Back In Anger」は、マンチェスターのテロ事件の直後に、市民たちによって自然発生的に合唱され、追悼のアンセムとして注目を集めました。
また、アリアナ・グランデのコンサートでは、コーラス隊が彼女の楽曲「One Last Time」を歌った際にも、大規模なシンガロングが巻き起こりました。
音楽は、時に言葉では表現できない感情や思いを表現することができる。マンチェスターのテロ事件後、音楽が人々の心に寄り添い、慰めや勇気を与える存在となったことは、多くの人々にとって希望の光となった。
The mass choirs and mass sing along singing Ariana in Albert Square pic.twitter.com/df73LmHORm
— Rob Windscheffel (@RWindscheffel) May 22, 2018