今回の記事では、バーチャルシンガー「初音ミク」についてご紹介します。初音ミクは、日本の音楽制作会社・クリプトン・フューチャー・メディアが開発した音声合成ソフトウェア「VOCALOID」を用いたバーチャルシンガーです。
彼女は、プログラム上で作られた声を元に、オリジナル曲やカバー曲を歌い、その音源を使った楽曲は世界中で人気を博しています。
この記事では、初音ミクの誕生から現在までの歴史や、彼女が生み出す音楽の魅力、さらには彼女をめぐるカルチャーについても触れていきます。初めて初音ミクを知る方にはもちろん、すでにファンの方にも新たな発見があるかもしれません。ぜひ、最後までお楽しみください。
Hatsune Miku
電子の歌姫「初音ミク」
初音ミクは、バーチャルシンガーとして誕生し、その独特な声と魅力的なデザインで多くの人々を魅了しました。
アニメや漫画のキャラクターではないにも関わらず、国民的と言えるほど認知度の高いキャラクターになった初音ミクは、今や海外でも多くのファンがいるほどです。
特に若い世代を中心に広く認知され、彼女が歌う楽曲は多くの人々に愛されていて、当たり前のように、カラオケ店の人気ランキング上位に顔を出すようになっている。
初音ミクは、音楽や文化の発展にも大きな影響を与え、現代文化の一部として位置づけられています。
音楽シーンに変革をもたらした「電子の歌姫」
初音ミクは21世紀の音楽シーンにおいて大きな影響力を持たらし「電子の歌姫」とも言われています。また、初音ミクは日本文化の新たな象徴としても認知されており、日本史の教材に「新たな文化の象徴的存在」とたとえられています。
音声合成ソフトウェア「初音ミク」
初音ミクは、コンピュータに楽曲を歌わせるソフトウェア。
YAMAHAが開発した歌声合成ソフト「VOCALOID 2」をベースに、クリプトン・フューチャー・メディアが初音ミクという製品を作り上げました。
名前の由来は「未来からきた初めての音」
初音ミクという名称は、「未来からきた初めての音」という意味を持っています。この名称は、初音ミクが音声合成技術の未来を象徴し、新たな音楽の可能性を示唆する存在であることを表しています。
2007年8月31日 「初音ミク」爆誕!
2007年8月31日、DTMソフトウェア「初音ミク」が発売され、日本の音楽カルチャーは転機を迎えました。このソフトウェアは、歌詞とメロディをパソコンに入力すると合成音声で歌ってくれるという、強烈なインパクトをクリエーター界に与えました。
実売価格は16,000円前後であり、今どきのパッケージソフトにしては結構な金額でしたが、発売直後から売り切れが続出、入手困難になってしまいました。
【祝】8月31日は「初音ミクの誕生日」
— ライブドアニュース (@livedoornews) August 30, 2020
2007年8月31日にクリプトン・フューチャー・メディアから発売された。キャラクターボイス担当は声優の藤田咲。VOCALOIDの代名詞的存在であり、ネット発の音楽カルチャーに多大な影響を与えている。 pic.twitter.com/p95QS8v2OV
【7Fエンタメ】今日は初音ミクの誕生日! 2007年8月31日「#初音ミク」発売からちょうど10周年、本日発売『別冊ele-king 初音ミク 10周年――ボーカロイド音楽の深化と拡張』は初音ミク開発者の佐々木渉と組んで放つ前代未聞の大特集! 先着特典でステッカーを封入してます! pic.twitter.com/BXWFOYNS5g
— HMV&BOOKS SHIBUYA (@HmvBooksShibuya) August 31, 2017
毎年3月9日は「ミクの日」
3月9日は「ミクの日」と呼ばれ、初音ミクが生まれた日ということでファンたちが祝う日です。特に日本を中心に、初音ミクの誕生日イベントやコンサートが行われることもあります。また、ボーカロイド楽曲のカラオケ大会や、初音ミクグッズの販売なども盛んに行われます。
初音ミクの発売日である2007年8月31日と、初音ミクの読み方「3」(ミク)が語呂合わせることから、その後ファンたちによって「ミクの日」として定められたのではないかと言われています。
39(サンキュー)=ありがとう
日本語での「さんきゅう」は「39」に似ているため、ファン同士が「サンキュー」という意味で使っています。
ファンたちは、初音ミクへの感謝の気持ちを表すために、「39」にサンキューの意味を込め、ミクさんに向けて歌やイラストを作成したりすることが行われています。
【今日は何の日?】3月9日は「#ミクの日」
— ライブドアニュース (@livedoornews) March 8, 2021
「39(ミク)」の語呂合わせから、「初音ミク」のファンによって命名された日。毎年、ファンがイラストを投稿するなど盛り上がりを見せる。なお、ボーカロイド「初音ミク」が発売された日は、2007年8月31日。 pic.twitter.com/AV1sJInb1w
使いこなすのは難しい!?テクニック「調教」
VOCALOIDを使ったボーカル曲制作に必要な機材や音楽制作ソフトの購入など、初心者には敷居が高く感じられることもあります。
VOCALOIDのソフトウェアを購入し、それに対応した音楽制作ソフトや機材を揃える必要があります。また、VOCALOIDの音声合成はプログラミングのように細かな調整が必要で、それには専門知識やテクニックが必要です。
ミクを使う職人たちは、多くの時間と労力をかけて、ボーカル曲を制作しています。また、調教技術の向上や共有のために、コミュニティや交流イベントが開催されていることもあります。
クオリティーが高すぎる調教には「神調教」のタグ付けが…。
中には、高度な編集技術を駆使して自然で美しい歌声を作り出す職人たちがいます。彼らが作り上げた高品質の歌声には、「神調教」というタグが付けられます。
VOCALOIDの調教において「神調教」と呼ばれるものは、非常に高度な編集技術が用いられ、人間が歌っているかのような自然な歌声が生み出されることが特徴です。このような神調教がされた曲は、VOCALOID界において高い評価を得ています。
また、神調教というタグがついた楽曲は、その高度な編集技術が認められると同時に、初音ミクの音声合成技術の進化を物語るものでもあります。
初音ミクを生み出したIT企業「クリプトン・フューチャー・メディア」
「初音ミク」はクリプトン・フューチャー・メディア社製のCV(キャラクター・ボーカル)シリーズのソフトウェア。
初音ミクを開発した、クリプトン社は東京都港区に本社を置いていますが、札幌市を拠点とするIT企業です。
同社は、音声認識技術や音声合成技術を中心に事業を展開しており、初音ミクの開発もその一環として行われました。
クリプトン・フューチャー・メディアによると、初音ミクの歌声は、80年代から最新まで多彩なアイドル・ポップスを中心に、さまざまなポップ・ソングやバラード・ソングを歌い上げ、キュートな声によるアニメソングなども得意とされています。初音ミクの声質は、とてもチャーミングで、伸びやかに天まで昇るような高音域、清楚で可憐な中高音域がとても魅力的だとされており、「まるで可愛らしいアイドル歌手を、自宅スタジオでプロデュースしているかのような感覚が味わえる」と表現されています。
初音ミクの元となった音声合成技術「VOCALOID 2」
「VOCALOID 2」は、メロディと歌詞を入力することで、合成音声がメロディに合わせて歌詞を歌ってくれます。また、「録音された人間の声を元に、極めてリアルに音声合成された歌声」で歌うこともできます。これにより、人間の声を再現することができるだけでなく、語感やイントネーションなども自在に調整できるため、より自然な歌声を作り出すことができます。
ちなみに、VOCALOIDの由来は「ボーカル」と「アンドロイドロイド」を組み合わせた造語です。
多彩な歌の表現が可能!
VOCALOIDの設定によって、フォルテやクレッシェンド、ビブラートなどを細かく調整することができ、歌い方や声質も自由に変化させることができます。また、最大16人までの「コーラス」も可能です。メロディの入力は、バーチャル・キーボードをマウスでクリックして音程を打ち込むだけでできます。他の音楽制作用ソフトとも連携できるので、MIDI楽器などを使って本格的な伴奏をつけることもできます。そして、作成した楽曲はWAV形式で書き出しができ、CDや音楽配信サイトでの公開も可能です。
音声データは人気声優!「藤田 咲」
「初音ミク」の音声データは、人気声優の藤田咲の声から作成されています。なんとその声は、ポップスやバラードを得意としており、アニメソングにも最適なのです。チャーミングな声質で、伸びやかな高音域と清々しい中高音域が魅力的な、天まで昇るような声なのです。
人気声優「藤田咲」
藤田咲(ふじた さき)は、日本の女性声優であり、歌手でもあります。主にアニメやゲームなどのキャラクターの声を担当しています。代表作には、アニメ『咲-Saki-』の原村和役や『僕のヒーローアカデミア』の筒香チカ役、ゲーム『ペルソナ5』のフェイス役などがあります。また、声優としてだけでなく、歌手としても活躍しており、アーティスト名義での楽曲リリースやライブ活動も行っています。
藤田咲は、2005年にアニメ「SPEED GRAPHER」の国分寺こずえ役で声優デビューを果たしました。当時はまだ売れておらず、特定のキャラクターのイメージが定着していなかったため、彼女が初音ミクの売り上げを左右していたわけではないことがわかります。
既存のキャラクターイメージの影響を受けないように、特定キャラクターのイメージが強い声優を意図的に避けたということもわかります。
声優としては、2005年に「SPEED GRAPHER」国分寺こずえ役でデビューを果たしました。当時の藤田咲には、特定のキャラクターのイメージがさほど定着しておらず、既存のキャラクターイメージで初音ミクが売れたわけではないことがわかる。(過去に演じてきたキャラクターのイメージの影響を受けることを避けるため、特定キャラクターのイメージが強い声優は意図的に避けたという)。
初音ミクに学ぶユーザーを巻き込むテクノロジー/Telescope Magazine | 東京エレクトロン.2014
製品でありながらアニメキャラクター「初音ミク」
初音ミクは歌声合成ソフトウェアの名称だけでなく、アニメのキャラクター。
初音ミクは仮想のキャラクターであり、設定上の年齢は16歳で、得意ジャンルはアイドルポップス/ダンス系ポップスです。身長は158cm、体重は42kgで、得意な曲のテンポは70~150BPM、音域はA3~E5とされていますが、実際にはさらに非常に広い範囲で歌えます。
歌うキャラクターとしてゲームに初音ミクが多数登場!
初音ミクは,音楽ソフトとは無縁な人々にも歌うキャラクターとして浸透していった。そのキャラクター性を活かし,2009年に大手ゲームメーカーのSEGAがクリプトン・フューチャー・メディア社と提携してPSP専用のゲームソフト『初音ミク -Project DIVA-』を発売した。その後2010年に続編『初音ミク -Project DIVA-2nd』,2013年に『初音ミク -Project DIVA- Extend』が発売された。
その後、シリーズはPlayStation VitaやNintendo Switchなどのプラットフォームにも展開され、様々なアニメやゲームの楽曲が収録されています。また、初音ミクを使ったダンスゲーム「初音ミク Project DIVA MEGA39’s」も2020年に発売され、ますます多くの人々に楽しまれています。初音ミクは、音楽業界だけでなく、ゲーム業界にも大きな影響を与えたといえます。
初音ミクのモチーフはシンセサイザー!?
初音ミクのデザインには、実在する機材をモチーフにした部分があります。
YAMAHA「DX−7」
例えば、左腕に並んでいるスイッチ類は、YAMAHAのシンセサイザー「DX7」のパネルデザインを参考にしている。
クリプトン: 「初音ミク」は、ヤマハ株式会社様のシンセサイザー「DX-7」をモチーフにしてデザインされました。このシンセサイザーの一部に、「初音ミク」の髪色である青緑色が使われております。また“未来からきた初めての音”という名前、“人間の声を元にしているけれど実際の人間の声ではない”という特徴か ら、近未来的かつアンドロイド風のイメージで制作されました。そのイメージのひとつとして、現実にはありえないほど長いツインテールが描かれております。
Hatsune Miku (Japanese)/Tokyo Journal.2017
二次創作の連鎖によって初音ミク広がり続ける!
音ミクはクリプトン社の公式設定では年齢や身長、体重程度しか定められておらず、ユーザーが自由に表現や創作をすることを促しています。この自由さが初音ミクの魅力の一つであり、様々なユーザーによる二次創作が生まれ、広がりを見せています。初音ミクは音楽制作において自由な表現を可能にし、新しい音楽文化を創造する原動力となっています。
初音ミクと「長ネギ」
「ネギ」は、初音ミクを象徴するマスコットアイテムとして知られています。それは、薬味として使われる長ネギを指しています。しかし、公式設定では一言も書かれていません。これは二次設定の一つであり、2007年9月4日に投稿されたニコニコ動画『VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』から流行りだしたと言われています。
「あの楽器」を実際に作ってみた。
「あの楽器」とは、PV内に登場した架空の楽器「ラジオカセット型キーボード」のことです。
初音ミクをきっかけにとある曲が誕生し、その曲をその曲をベースとしたPVが作成され、PV内に登場した架空の楽器を実際に制作するという、バトンを渡していくような創作活動の輪
とある曲が初音ミクをきっかけに誕生した。そしてその曲をベースにPVが作成されました。そのPVで登場した架空の楽器を「実際に制作してみよう!」という人が現れ、創作活動の輪が生まれた。
「Innocence」KAZU P/源屋
2007年12月に公開された「KAZU P/源屋」さんの「Innocence」という曲が発端となり、多くの視聴者に感銘を与え、有志による手書きPVの作成や『Project DIVA 2nd』への収録などの躍進を遂げました。
その翌年の2008年12月24日には、「kellow」さんによる3Dモデルを使用したPV「【初音ミク】Innocence【3DPV】」が公開され、オリジナル曲のイメージを3Dモデルの初音ミクで表現し、ミクの可愛らしさも評価された。
その公開から16日後の2008年12月24日「ニコニコ技術部へのお願い・これ作って!」と題した動画が投稿され、ユーザーによる「あの楽器」開発競争が開始されたのでした。
初音ミクが演奏している”あの楽器”――誕生から10年、今も開発を続ける制作者が登場「次の楽器を作るべく取り組んでいます」 #初音ミクhttps://t.co/Ihsm6FrYIK pic.twitter.com/IbXxpT9BL3
— ニコニコニュース (@nico_nico_news) December 17, 2018
初音ミク展では、日々生まれる創作の連鎖をニコニコ動画からピックアップして紹介!なんと、「Innocence」の3DPVに登場する「あの楽器」を作ってみた実物も!!(あの楽器を作ってみたの 2号機編 https://t.co/p7aMOTVBkM) #マジカルミライ #初音ミク pic.twitter.com/cp6RE9IDpw
— 初音ミク マジカルミライ 公式 (@magicalmirai) September 3, 2017
初音ミクによってボカロブームが到来!!
2007年に初音ミクが誕生したことをきっかけに、ボーカロイド=VOCALOIDの略称であるボカロという表現がいろいろなところで使われるようになり、ボカロブームが到来した。
ヤマハが開発した歌声合成技術と、その応用ソフトウェアをライセンス提供したことで、現在では、初音ミクを含めた多くのボカロキャラクターが、これらを総称してボカロと呼んでいる。
初音ミク以降に「ボカロシーン」が形成
初音ミクの開発元であるクリプトン・フューチャー・メディアは、2004年11月にすでにMEIKOというVOCALOIDを発売している。当時より音楽配信サイト・muzieなどにMEIKOを用いた楽曲が投稿されることはあったが、「ボカロシーン」なるものの形成や大勢のリスナーの存在はなかった。この2つはやはり2006年12月にサービスを開始したニコニコ動画、及び2007年8月に発売された初音ミク以降のものだ。
「ボカロP」が一躍アーティストとして注目を集めた!
ボカロPと呼ばれる人たちは、ボーカロイドソフトを用いて楽曲を制作し、それをリリースすることで一躍アーティストとして注目を集めました。「メルト」や「千本桜」をはじめとする数々の人気楽曲が生み出され、歌ってみたやMMD、イラストなどへと波及し、多くのファンの心を掴みました。
ちなみに、「P」はプロデューサーを意味していますが、ボカロをプロデュースする仕事ではなく、楽曲の作編曲と発表をする人のことを指す言葉です。
今では、その活動範囲は楽曲制作にとどまらず、イラスト、動画制作、ライブイベントの企画・制作など、幅広く活躍しています。また、自身が制作した楽曲を自主制作のCDや音楽配信サイトなどで販売することも多く、一部のボカロPはプロデューサーとしての役割も担っています。
あの有名アーティストもボカロP出身
実際に、ボカロP出身のアーティストが、メジャーデビューしたり、音楽業界で活躍しているケースが増えてきています。例えば米津玄師やAyase(YOASOBI)もボカロP出身です。他にもボカロPからアーティストへの転換が見られ、ボカロ曲制作を経験したことが音楽活動の基盤となっているアーティストも少なくありません。
1000万再生を突破したボカロオリジナル曲「神話入り」
VOCALOIDを使ったオリジナル楽曲が、10万回再生を突破すると「VOCALOID殿堂入り」、100万回再生を突破すると「VOCALOID伝説入り」というタグが付けられ、人気ボカロ曲のひとつの基準となっています。
また、ニコニコ動画では、再生回数が1000万回に到達することを「神曲入り」と呼び、動画のタグに「VOCALOID神曲入り」が追加されます。
しかし、このタグは非常に名誉あるものである一方、到達が非常に難しいため、使用状況はごく少数となっています。
その存在価値は計り知れない!!初音ミクがクリエイターたちを繋ぐ!
初音ミクは従来のキャラクターとは異なる。
なぜなら初音ミクの楽曲も、初音ミクのイラストも何万・何十万と存在するからだ。そしてまた初音ミクを通じて育ったボカロPは米津玄師からまふまふ、YOASOBIに至るまで現在の音楽業界を牽引する一大勢力になっている。
クリエイターはDTMとボーカロイドを用い,またMMDなどで動画を作成してゲームに提供をする。
さらにゲームなどに提供された楽曲は,新たにCDとしても発売されるというように,クリエイターたちが初音ミクを媒体として活動でき,ファンを多数抱え込む図式が確立している。
初音ミクが創り出したこの新しいコンテンツの形式は、今後のエンターテインメント産業のあり方にも影響を与える可能性があります。
疲弊していた音界シーンを救った「電子の歌姫」
初音ミクが誕生した時代は、CDセールスが下降し、音楽業界全体に疲弊したムードが漂っていました。コンピューターとインターネットの普及によって、CD音源が劣化なく誰でもインターネット上でコピーできるようになったことが、そのひとつの原因とされています。
インターネットが音楽業界に悪影響を与えるとまで言われていた当時でしたが、初音ミクやその他のボーカロイド、新世代のクリエイターたちは、インターネットを利用して音楽の新しい時代を築き上げました。インターネットは、アーティストが自分の作品を広く発信し、世界中のリスナーと繋がる手段を提供しました。
インターネットの力で、音楽業界は変革が起こり、独自の音楽文化が生まれました。新しいアーティストやプロデューサーたちが、ボーカロイドを使った楽曲を制作し、オンラインプラットフォーム上で発表することで、多くのファンが彼らの作品にアクセスできるようになりました。
サブスクリプション型の音楽配信サービスが登場し、リスナーは好きな曲をいつでも聴くことができるようになりました。この変化により、音楽業界は復活の道を辿り、アーティストが新たな収益源を見つけることができるようになりました。
結果として、インターネットとボーカロイドの登場は、疲弊していた音楽業界に新たな息吹をもたらし、新しいアーティストやクリエイターにチャンスを与えることができました。
世界的な人気を誇るバーチャルアイドル「初音ミク」
これまで、多くの日本人歌手が世界市場に挑み破れてきましたが、初音ミクはバーチャルアイドルとして世界底な人気を誇る。
バーチャルアイドルは、CGなどの手段で作られたキャラクターが音楽活動を行い、ライブパフォーマンスやファンとの交流を仮想空間上で行うという、独自のアイドル活動形態を指す言葉です。初音ミクはその代表的な存在であり、バーチャルアイドルブームを牽引してきました。
インターネットに乗って世界中に広がる!
インターネットの普及により、誰でも手軽に動画をアップロードし、世界中の人々と共有することができるようになりました。これにより、初音ミクの楽曲やイラストが世界中に広がり、その人気が急拡大しました。また、3DCG作成ツールの普及により、初音ミクのようなバーチャルキャラクターを誰でも簡単に作成することができるようになり、さらに多くのクリエイターたちが参加することができるようになりました。
音源ではなく歌声!
ヤマハの剣持さんによると、ミクの音源が歌唱なのか鳴らしているだけなのかという議論があるが、誰が聞いても「歌」ということになっているようです。ニコニコ動画では、「鳴らしてみた」「使ってみた」などの表現はほとんどなく、「歌わせてみた」という表現が多いということから、高音域を歌わせた時に「かわいそう」「誰だ?ミクを酔わせたのは」などのコメントが入ることから、初音ミクというバーチャルな人格を認めているということがわかります。
現役の人気バーチャルアイドルとして活動中!
初音ミクはVRやAR、ホログラム技術などを活用したライブなども行っている、現役の人気バーチャルアイドルです。
初音ミクのコンサートでは、3D映像と実写映像を組み合わせた迫力のある演出や、投影された初音ミクと一緒に歌ったり踊ったりするファン参加型のパフォーマンスが人気を博しています。また、VR空間上で初音ミクと一緒にライブを楽しめるアプリも開発されています。初音ミクは、音楽だけでなく、新しいテクノロジーとの融合によって、ますます進化していると言えるでしょう。
2007年8月31日「初音ミク誕生」 ── 初音ミクとめぐるJ-POPとボーカロイドの歴史②