日本を代表する味噌メーカーであるルコメ株式会社が展開する「料亭の味」は、高品質な味噌を使用した調理用味噌として知られ、家族の絆や温かさを象徴する商品として多くの家庭に愛されています。
そのアニメCMシリーズも話題となり、短い尺ながらも奥深いストーリーや美しい作画が多くのファンを獲得しています。
本記事では、ルコメ株式会社の歴史や味噌作りのこだわり、そして「料亭の味」のアニメCMシリーズの魅力などについて紹介しています。家族のあり方や食文化に対するマルコメの考え方も明らかになっており、読み物としても興味深い内容となっています。
Marukome Co.,Ltd.
マルコメ株式会社
マルコメ株式会社は、日本の味噌メーカーであり、江戸時代の1695年に創業し、現在では日本を代表する老舗企業の一つです。同社は、味噌をはじめとする調味料や加工食品などを製造・販売しており、特に味噌においては、高品質であることで知られています。
マルコメの味噌は、大豆と麹を主原料とし、伝統的な製法で丁寧に作られています。同社は、自社で大豆の品種改良や麹菌の研究を行い、高品質の原材料を確保しています。また、製造過程においても、温度や湿度などの管理に細心の注意を払い、品質管理に徹底して取り組んでいます。
大ヒット商品!「料亭の味」
1982年にマルコメは、忙しい現代の食卓に合わせた調理用味噌として、だし入り味噌『料亭の味』を発売しました。この商品は、昆布、鰹節、干し椎茸などのだし素材をブレンドし、旨みと深い味わいを持った味噌となっています。
当時、女性の社会進出が進み、共働き世帯が増加していたことから、調理時間の短縮や手軽さが求められるようになっていました。『料亭の味』は、手軽に本格的な味を楽しめるという点で、多くの人々に支持され、大ヒット商品となりました。
その後、『料亭の味』はさまざまなバリエーションが生まれ、今ではマルコメの代表的な商品のひとつとして、多くの家庭で愛され続けています。
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「料亭の味」アニメCM
2014年4月からマルコメは、『料亭の味』のアニメCMシリーズを展開し、家族をテーマにしたコンセプトでブランドの世界観を表現しています。
このCMシリーズは、「みそ汁のある風景には家族の絆、あたたかさが存在する」というメッセージを掲げ、家族が集まり、みんなで食事をする温かい雰囲気を描いています。アニメーションのキャラクターたちは、それぞれ個性的でありながら、家族としての絆や温かさを感じさせる演出がなされています。
家族のあり方や食文化に対するマルコメの考え方を伝えるとともに、『料亭の味』が家族の絆や温かさを象徴する商品であることをアピールしています。
マルコメを選んでもらうには?
このCMの背後には、マルコメ社が現代の消費者に選ばれるための、独自の戦略と工夫があります。まず、認知度の向上とイメージの刷新が重要です。昔ながらの『マルコメくん』CMのイメージを脱却し、新たな魅力を伝えるために、アニメーションという手法が選ばれました。
アニメーションは、実写にはない表現力があり、商品やブランドの世界観を効果的に伝えることができます。また、アニメーションは視聴者の心に強く残ることが多く、印象に残りやすい手法として選択されることが多いです。
さらに、「料亭の味」ブランドの徳用袋を開発する際、廉価商品のアピールにチープな印象を与えないようにすることも重要でした。アニメーションによって、「料亭の味」が持つ家族の絆や温もり、手軽さとおいしさを伝えることで、価格だけでない商品の価値をアピールしました。
これらの要素を組み合わせて、マルコメの商品が選ばれる理由を伝えるCMを制作し、消費者に訴求することで、「なんとなく、マルコメがいい」と感じてもらえるようになりました。このような戦略と工夫を通じて、多くの選択肢がある現代の商品市場で、マルコメが消費者の心を掴むことができているといいます。
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「泣ける」話題沸騰のCMが完成
マルコメの『料亭の味』のアニメCMシリーズは、2014年にスタートして以来、8作品が公開されています。これらのCMシリーズは、90秒という短い尺でありながら、短編映画のような奥深いストーリーや、美しい作画が話題を呼び、多くのファンを獲得しています。
アニメーションのキャラクターたちが、家族のあり方や絆をテーマにしたストーリーを綴ることで、多くの人々から感動を呼び起こしています。また、CMの美しい映像や音楽も、物語性を高める要素となっています。
これらのCMシリーズは、「泣ける」という話題を呼ぶだけでなく、多くの人々に家族の大切さや温かさを再認識させるきっかけともなっています。
Web限定短編ムービーがバズる!
マルコメの『料亭の味』のWeb限定短編ムービーは、2014年3月28日に公開され、その後半年で再生回数116,000回を超える人気を集めました。また、Twitterでも話題となり、8月下旬から9月上旬にはYahoo! JAPAN映像トピックスのアニメカテゴリーで週別で1位を獲得しました。
このWeb限定の短編ムービーは、『料亭の味』のCMシリーズと同じく、家族の絆や温かさをテーマにしたストーリーが描かれています。美しい作画と感動的なストーリーが話題となり、多くの人々から支持を受けました。
また、Web限定での公開ということもあり、SNSなどを通じて口コミが広がったことも人気の一因でしょう。このようなマーケティング戦略も成功に貢献し、『料亭の味』のブランド価値を高めることにつながりました。
アニメーション制作スタジオ「コロリド」
これらCMの制作は、映像制作会社ロボットとアニメ会社スタジオコロリドが手がけています。ロボットは、米国アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した『つみきのいえ』や、高品質なCMで知られています。スタジオコロリドは、若手クリエイターが集まるアニメ制作会社で、『心が叫びたがってるんだ。』などの作品で知られています。
映像制作会社「ロボット」
他に「料亭の味」のCM制作に携わっているのは、映像制作会社の「ロボット」です。
ロボットは、米国アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した『つみきのいえ』や、高品質なCMで知られている映像制作会社です。
同社は、映像制作の技術や表現力に優れており、『つみきのいえ』のように国際的な賞を受賞するなど、高い評価を受けています。また、CM制作においても、美しい映像やストーリー性にこだわり、多くの人々から支持を集めています。
マルコメも、このような高品質なCM制作会社と協力することで、美しい映像やストーリーでブランドのイメージをより深め、消費者の心をつかむことに成功しています。
「たっぷりお徳 母と息子篇」
「たっぷりお徳 母と息子篇」は、社会人になり、一人暮らしを始めた主人公のもとに、ある日実家の母から段ボールが届くというストーリーです。
段ボールを開けると、果物や調味料、生活用品とともに、即席みそ汁「料亭の味 たっぷりお徳」が入っていました。
「即席生みそ汁 単身赴任篇」
「即席生みそ汁 単身赴任篇」では、単身赴任の父と離れ、母と暮らす小学生の娘2人が登場します。
ある日、娘たちは2人きりで父の元を訪ねます。再会を喜ぶ父ですが、娘たちが持ってきた荷物が多すぎることに驚きます。しかし、実はその荷物には、大量の食材が入っていたのです。娘たちは、父が単身赴任中に美味しいものが食べられるように、たくさんの食材を用意してきたのです。
「カップみそ汁 夜食篇」
「カップみそ汁 夜食篇」では、お父さんと受験生の娘が登場します。
このCMは、受験生を主人公にしたもので、受験シーズンと重なる放送となりました。娘が夜中に勉強している様子を見て、お父さんは心配そうにみそ汁を作って、娘に届けます。娘は、お父さんが気遣ってくれたことに感謝し、二人の距離が少しずつ縮まっていくようなストーリーが描かれます。
「液みそ 上京篇」
「液みそ 上京篇」では、田舎から都会に遊びに来たおばあちゃんが、久しぶりに会った息子の成長に驚き涙する様子が描かれています。
おばあちゃんが東京駅に到着するところから物語が始まります。おばあちゃんは、久しぶりに会う息子の家を訪れますが、息子の成長に驚きます。おばあちゃんが昔話をしていると、息子の奥さんが「料亭の味 液みそ」を使って、美味しい料理を作ってくれます。
「無添加 母になれば篇」
「無添加 母になれば篇」では、毎日家族のために忙しく働くお母さんと、そんなお母さんをちょっぴり疎ましく思っている思春期の娘が登場します。
お母さんは、家族のために食事を作ったり、家事をこなしたりと、毎日忙しく働いています。しかし、思春期の娘は、お母さんの忙しさに疎ましさを感じている様子が描かれます。そんな中、お母さんが作った料理に「料亭の味 無添加」を使っていることを知った娘は、お母さんの思いやりに感動し、改めてお母さんの大切さを実感するようになります。
「お徳用あおさ ミソスープ篇」
「お徳用あおさ ミソスープ篇」では、「ミソスープ」が父と娘、父と婿家族の心の架け橋を担う心温まる物語が描かれています。
物語は、娘が結婚してから、父親との関係が疎遠になってしまったという設定から始まります。ある日、娘が結婚した先の家族が、父親の家に遊びに来ることになります。しかし、父親と婿家族との間には、なかなか会話が弾まず、緊張感が漂っている様子が描かれます。そんな中、娘が作った「お徳用あおさ ミソスープ」が登場します。
「米麦合わせ ふたりでおやすみ篇」
「米麦合わせ ふたりでおやすみ篇」は、7作目となる「料亭の味 米麦合わせ ふたりでおやすみ編」であり、さまざまな葛藤を抱きながらも、女手ひとつで懸命に子どもを育てる母と、そんな母のことが大好きな幼い息子が、おみそ汁とともに過ごす温かい時間を描いています。
物語は、母と息子が家でおみそ汁を作りながら、楽しく過ごす様子から始まります。しかし、母は仕事や家事の忙しさに加えて、子育てでの葛藤や不安も抱えています。そんな中、息子は母のことを大好きで、母のために力になりたいと思っている様子が描かれます。おみそ汁を作りながら、母と息子の間には、温かい絆が芽生えていきます。
母親役に「女優“のん”」
「料亭の味 米麦合わせ ふたりでおやすみ篇」の母親役の声は、女優・創作あーちすと、のんさんが担当しています。
のんさんは、大ヒット長編アニメーション映画「この世界の片隅に」で主人公の声を演じ、その演技力が高く評価されました。また、CM業界でも実績を積んでおり、数々のCMで声優として活躍しています。
「液みそ いつまでも一緒に篇」
「液みそ いつまでも一緒に篇」は、夫婦の歴史を感じさせるノスタルジックなムードを作るために、音楽にもこだわって作られたCMです。
CMでは、1850年に制作されたバイオリンや、1905年〜1935年初期に制作されたピアノを使用し、時代を感じさせる音楽が流れます。また、映像も、夫婦が若い頃から老いていく様子を描いており、愛情の深さや長い年月を経ても変わらない絆が感じられる内容となっています。
このCMは、夫婦の愛情や家族の絆をテーマにしたものであり、音楽や映像など、様々な要素が組み合わさって、心に残る印象的な作品に仕上がっています。また、演技も素晴らしく、視聴者から高い評価を得ています。