
平成のゲームで最高の1本!!ドリームチームが集結して開発された不朽の名作『クロノ・トリガー』
Chrono Trigger
『クロノ・トリガー』
SFCを代表する名作RPGを語るうえで、絶対に欠かせない作品。それが『クロノ・トリガー』です。
『クロノ・トリガー』20周年。今なお新作が望まれる傑作RPGのストーリーを振り返る【周年連載】/電撃オンライン.2015
この作品は物語・グラフィック・BGM・やり込み要素まですべてが鳥肌ものの高いクオリティを持っており、発売から20年以上経過した今でもしっかり楽しめる完成度の高い作品です。
青春を彩った懐かしの名作RPG5選―仕事も学校もあるけれど休日は思いっきり世界を救うとするか!/インサイド.2022
1995年3月11日 『クロノ・トリガー』発売
1995年3月11日にスクウェア(現:スクウェア・エニックス)からスーパーファミコン用ソフト『クロノ・トリガー』が発売。
《今日は何の日? 3/11》1995年、スーファミ版『クロノ・トリガー』が発売/マグミクス.2020
様々なハードに移植!!
『クロノ・トリガー』は、1995年のスーパーファミコン版発売後は、アニメーションムービーなどを追加したプレイステーション版(1999年)、2画面の対応と新規イベントなどが追加されたニンテンドーDS版(2008年)が登場した。
“平成のゲーム 最高の1本”1位の『クロノ・トリガー』を、いま遊ぶには?/ファミ通.com.2019
2011年には、Wii向けバーチャルコンソールとして配信されていますが、「Wiiショッピングチャンネル」終了に伴い、残念ながら配信終了しています。
『クロノ・トリガー』本日3月11日で25周年!『ドラクエ』『FF』クリエイターが結集し、時空を超える物語を描いた名作RPG/インサイド.2020
クロノトリガーのスマホ版は、2011年12月9日にiPhone・ios版、12月22日にAndroid版が配信されました。
【クロノトリガー】各機種の違い|DS版・スマホ版の追加要素や新要素/アルテマ
Steam版『クロノ・トリガー』は、2018年2月に発売されたPC向けの移植作品。
STEAM版・セーブデータ | クロノトリガー攻略・解析 /GCGX.2022
「平成のゲームで最高の1本」
週刊ファミ通2019年5月16日増刊号では、平成振り返り特集を実施。同特集のなかで、平成時代に発売されたゲームタイトルのなかから、ゲームファンがもっとも心に残った1本を選出するアンケート“平成のゲーム 最高の1本”の投票結果を発表。
ゲームファン7100人以上が選んだ“平成のゲーム 最高の1本”、第1位は1995年発売の『クロノ・トリガー』に!/ファミ通.com.2019
(前略)7158票のうち230票を集めた『クロノ・トリガー』がランキング1位となった。
“平成最高のゲーム”に選ばれた『クロノ・トリガー』を開発者たちが振り返り。「現場の競争がよかった」「自信を木っ端微塵にされた」/電ファミニコゲーマー.2019
ストーリー、シナリオ、音楽すべてがいまでも色褪せない名作(30代・男性)”、“クロノ(主人公)たちと時を超えて旅をした思い出は一生忘れられない(30代・女性)”など、おもに直撃世代といえる30代から圧倒的に支持されました。
ゲームファン7100人以上が選んだ“平成のゲーム 最高の1本”、第1位は1995年発売の『クロノ・トリガー』に!/ファミ通.com.2019
これを受けて、Twitterでトレンドに入るほど『クロノ・トリガー』の話題が日本のインターネット上を席巻。Twitter上ではファミ通アンケートで「平成のゲーム 最高の1本」に選ばれたことについて、多くのユーザーが賛同を示した。
“平成最高のゲーム”に選ばれた『クロノ・トリガー』を開発者たちが振り返り。「現場の競争がよかった」「自信を木っ端微塵にされた」/電ファミニコゲーマー.2019
平成最後の日に、“平成のゲーム 最高の1本”7100人以上が選んだTOP10をWebでも発表!
— ファミ通.com (@famitsu) April 30, 2019
多数の思い出コメントの中から厳選したものもご紹介。ゲームにまつわる思い出は、ハンカチ必須です!
詳しくはこちら。https://t.co/VlMNe37zHS pic.twitter.com/qXrqTLV9Ai
歴史上で最も偉大なゲームTOP100
IGN本家の「THE TOP 100 RPGS OF ALL TIME」でベストRPGに選ばれた作品である。
【SF史に残る(べき)ゲームたち】第3回:「クロノ・トリガー」――時空を操作するマシーン/IGN Japan
当時のゲーム開発スーパースターが集結!「ドリームチーム」
当時、スクウェアとエニックスが合併するなどまったく考えられていない時代でした。
日本RPGの頂点に立つ名作「クロノ・トリガー」/All About.2013
当時のスクウェアは、『FF』シリーズ以外にも様々なRPGを手がけており、『ロマンシング サ・ガ』シリーズや『ライブ・ア・ライブ』などをリリースしていました。また、『クロノ・トリガー』の発売後ですが、『バハムートラグーン』『ルドラの秘宝』『トレジャーハンターG』といった作品も展開。RPG黄金期を力強く支えていました。
『クロノ・トリガー』本日3月11日で25周年!『ドラクエ』『FF』クリエイターが結集し、時空を超える物語を描いた名作RPG/インサイド.2020
そんな群雄割拠の時代に、新規IPとして登場した『クロノ・トリガー』が注目を集めた理由は、まず豪華なクリエイター陣にあります。『FF』を世にはなった坂口博信氏と、『ドラクエ』を生み出した堀井雄二氏が、『クロノ・トリガー』の開発に参加。また、「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」などの人気作品を持ち、『ドラゴンクエスト』シリーズのキャラクターデザインも多数手がけている鳥山明氏が、本作のメインキャラをデザインしています。
『クロノ・トリガー』本日3月11日で25周年!『ドラクエ』『FF』クリエイターが結集し、時空を超える物語を描いた名作RPG/インサイド.2020
RPG界の2大タイトル『FF』『ドラクエ』クリエイター陣が新作RPGに集結するとあっては、ゲームファンの関心を集めないわけがありません。また、この3人が注目されがちですが、北瀬佳範氏や時田貴司氏、加藤正人氏など、今のゲーム業界を牽引する面々も数多く本作に携わっており、まさに“ドリームチーム”な布陣によって『クロノ・トリガー』は生み出されました。
『クロノ・トリガー』本日3月11日で25周年!『ドラクエ』『FF』クリエイターが結集し、時空を超える物語を描いた名作RPG/インサイド.2020
魅力的なキャラクター
仲間になるキャラクターも主人公のクロノやヒロインのマール、ルッカをはじめ、その名の通りカエルの姿をしたカエルや機械のロボットであるロボなどいちど見たら忘れられない特徴的な人物ばかり。
『クロノ・トリガー』が発売された日。時を超える冒険を描く壮大なドラマと光田康典氏の美しいサウンドが忘れられない名作RPG【今日は何の日?】/ファミ通.com.2022
時空を超える!壮大すぎるストーリー
クロノ・トリガーを日本語に直すと「時の引き金」となります。この秀逸なタイトルが指すように今作は時空を超える冒険をします。
日本RPGの頂点に立つ名作「クロノ・トリガー」/All About.2013
リーネ広場で開かれたガルディア王国千年祭の最中、我らの若きヒーロー、クロノがマールという少女に偶然出会う。一緒にお祭りを探索することにした二人は、間もなく、クロノの長年の友人ルッカの最新の発明であるテレポッドの展示会場に辿り着いた。怖いもの知らずで、自信に満ちたマールは進んでその実験台となった。しかし、予期せぬ機能不良によって、次元の狭間に猛スピードで投げ込まれる。マールのペンダントを掴んだクロノは、勇敢にもその後を追う。しかし、彼の前に出現した世界は4世紀も前のものだった。忘れ去れた過去、遠い未来、そして時の最果てに至るまでの旅。この星の未来を救うための壮大なクエストが、今、再び歴史を刻んでいく・・・
クロノ・トリガーのSteam版が登場!/Steam Community
それぞれの時代はリンクしているギミックも多く、アイテムやサブクエストなどで各時代を飛び回る楽しさがあります。また、各キャラクターには熱いエピソード用意されており、思わず感情移入してしまうほど盛り上がる展開が楽しめます。
青春を彩った懐かしの名作RPG5選―仕事も学校もあるけれど休日は思いっきり世界を救うとするか!/インサイド.2022
北瀬 坂口さんが本格的に『クロノ・トリガー』の開発チームに加わって、最初に突っ込んだのはシナリオでしたね。マールというキャラクターがいて、タイムパラドックスの結果、違う時間軸のマールと過ごすことになるというシナリオがあったんです。
坂口 タイムトラベルをテーマにしていて、同じ人間とはいえ、違う時間軸にいるかぎりは“別の人間”である、という設定だったのですが、それはイヤだと。歴史を改変したとはいえ、もとの時間に戻ったら、プレイヤーが知っているマールに戻っているべきだと言いました。
北瀬 私はそこまで気にしていなかったんですが、坂口さんはキャラクターにはとことんこだわるべきだと主張されて、それはすごく印象に残っています。マスターアップ直前で、キャラクターに厚みを持たせるための追加エピソードを作るように言われたこともありましたね。時田さん(時田貴司氏。スクウェア・エニックス所属。 シニア・マネージャー/プロデューサー)がマール、私はルッカのエピソードを担当して。
坂口 あれはいいエピソードだった。最後の最後に作ったから、スタッフも開発に慣れていて、何をどうすればいいのか理解しているので、一気にできたんだよね。最後の調味料というのはとても大事。切羽詰まった状況になると、作っている人間の生きざまが出てくるんですよ。それでおもしろいものになる。ユーザーからしたら「決められた設定ありきでストーリーができるのでは?」と思われるでしょうが、必ずしもそうではないんです。
北瀬 坂口さんの手法はこうなんだと思いましたね。キャラクターが薄いと思ったら何かを加えろ! と。
『FF』を生み育てた男たちが初めて明かすエピソード――坂口博信×北瀬佳範レジェンド対談(1/2)/ファミ通.com.2014
ドラクエとFFの融合
『クロノ・トリガー』の主人公クロノは基本的には喋らない。なぜかと言えば、このゲームは主人公を『ドラクエ』的なキャラクターにしようとしたからだ。
DQとFFは『クロノ・トリガー』でいかに融合したか?:「なんでゲームは面白い?」第三回/電ファミニコゲーマー.2016
開発チームでクロノ・トリガー合宿(笑)
坂口 『ドラクエ』方式を参照して、主人公は喋らせないことにしたんですよね。
堀井 体験型の『ドラクエ』と、ドラマを見せる『FF』をかけ合わせた感覚だったよね。ゲーム画面は当時のスクウェアさんっぽさが前面に出たグラフィックで、でもプレイした感覚はどこか『ドラクエ』っぽいという。
坂口 『クロノ』は今でも相当人気がありますからね。海外でも人気ですし。
堀井 けどね、あれは本当にきつかった(笑)。なんせ『DQVI』の開発スケジュールとバッチリかぶってたんで、しばらく同時進行したりして。
坂口 『ドラクエ』方式を参照して、主人公は喋らせないことにしたんですよね。
堀井 体験型の『ドラクエ』と、ドラマを見せる『FF』をかけ合わせた感覚だったよね。ゲーム画面は当時のスクウェアさんっぽさが前面に出たグラフィックで、でもプレイした感覚はどこか『ドラクエ』っぽいという。そして『クロノ・トリガー』といえば、忘れもしない、六本木の全日空ホテル(現ANAインターコンチネンタルホテル東京)で最初に行なわれた合宿(笑)。
スーファミ世代、悶絶の2大レジェンド対談! 堀井雄二(ドラクエ)×坂口博信(FF)【後編】 「自分で作ったものに熱中できるなんて他ではない」/週プレNEWS.2015
―まさかの『クロノ・トリガー』合宿ですか!?
堀井 そうそう。豪華だったな~(笑)。エニックスでも合宿とかやったことあったけど、あんな高級ホテルには泊まらないし、食事のお皿も自分で下げるような合宿所だったから「さすがスクウェア、お金あるな!」って心の中で叫んでましたよ(笑)。
坂口 いやいや、あの時は大御所の堀井さんをお迎えするっていうんで、特別にということでかなりムチャしたんです(笑)。いつもならもっともっとグレードが低いところで合宿でしたから。
堀井 本当に?(笑)。でも、あの合宿で最後のボスをどうしようかってことをすぐに決めたよね。惑星に寄生しているっていう設定とか。
坂口 堀井さんはラスボスへのこだわりが強いですよね。
堀井 うん。ほら、ラスボスが何を目的にしているかによって主人公たちの行動が決まってくるわけだから。最初に決めるし、すごく重要なポイントだと思ってる。
スーファミ世代、悶絶の2大レジェンド対談! 堀井雄二(ドラクエ)×坂口博信(FF)【後編】 「自分で作ったものに熱中できるなんて他ではない」/週プレNEWS.2015
「アクティブタイムバトル Ver.2」FFの系譜を感じる戦闘システム
“ATB(アクティブタイムバトル)Ver2”と名付けられたバトルは、『ファイナルファンタジー』シリーズでおなじみの時が流れる要素に、敵や味方の位置関係も付加。クロノとカエルの連携技“エックス斬り”では、ふたりが交差するように敵を攻撃するなど、技の発動時の位置も重要だった。
“平成のゲーム 最高の1本”1位の『クロノ・トリガー』を、いま遊ぶには?/ファミ通.com.2019
マルチエンディング
いまではマルチエンディングはそう珍しくないのですが、今作はラヴォスを倒すタイミングによってエンディングがいくつもあります。クリアすると、強くてニューゲームからはじめることが出来て、最初からラヴォスを倒すことだって可能です。色々なエンディングを見ることで、思わぬ裏設定を知ることが出来たりします。
日本RPGの頂点に立つ名作「クロノ・トリガー」/All About.2013
「強くてニューゲーム」
これは一度クリアしたら特典として、ストーリーの最初からクリア時の強い状態からスタートできるんですね。序盤のザコ敵やボスをワンパンでやっつけることができるわけです。実際使うと万能感が半端ない!
【ヒャダインの温故知新アナリティクス】異世界転生モノが流行る理由/@DIME アットダイム
歴史に名を残す名曲の数々を手がけたのが「光田康典」
楽曲を担当したのは数々のゲームやアニメ作品を手がける光田康典氏で、同氏にとってクロノトリガーが作曲家としてのデビュー作でした。
「神曲」「泣ける」「最上級の癒し」クロノ・トリガーの『風の憧憬』をハンドパンで演奏した動画が最高/男子ハック.2019
スクウェア(現スクウェア・エニックス)在籍当時、若干23歳で手がけた『クロノ・トリガー』のBGMで世間に衝撃を与え、独立後は有限会社プロキオン・スタジオを設立。少数精鋭のチームで音楽制作を手がける他、スクウェア時代も含めた過去作品のアレンジCDやライブコンサートなどの企画も自社が主体となって行う、業界でも類を見ない活動を続けている人物だ。
有名ゲーム音楽作曲家が語る クリエイターが夢を持てる世界とは(光田康典インタビュー 3/3)/Soundmain Blog.2020
─『クロノ・トリガー』は光田さんが手がけた最初の作品ですよね。
光田 そうですね、実質デビュー作です。
光田康典が語る『クロノ・トリガー』 〜kiyoが解き明かすメロディの秘密|キーボード・マガジン 2017年7月号 SUMMERより/リットーミュージック.2017
─それまでのゲーム音楽と違いを持たせようとしたのでしょうか?
光田 狙ったわけではないんですが、当時のゲーム音楽はやはりオーケストラかポップスという感じで、あとはいわゆる8ビット系、昔で言うピコピコ音が主流になっていました。だから変わったことをやりたいなっていうのはあったんですね。
光田康典が語る『クロノ・トリガー』 〜kiyoが解き明かすメロディの秘密|キーボード・マガジン 2017年7月号 SUMMERより/リットーミュージック.2017
(前略)(『クロノ・トリガー』の対応ハードだった)スーパーファミコンは、8音しか鳴らすことができないんです。そんな中でも僕はもうちょっと刺激的にしたいということで、結構ジャズ的な要素を取り入れたりしていて。音数が少ないのに、テンション・コードなどが山ほど入ってるんですよ。
当時流行っていたタイトルとしては、やはり『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』ですよね。それとは違う音楽性で何か勝負したいっていう思いは確かにありました。
聴いてきた音楽とゲームのテーマ性が合致した音楽であったこと、そしてハードウェア的にちょっと難しいところにチャレンジしたっていうところが、皆さんが「衝撃だ!」って言ってくださったポイントなのかなと思います。
『クロノ・トリガー』『ゼノブレイド』作曲家のルーツと仕事術(光田康典インタビュー 1/3)/Soundmain Blog.2020
─制限がある中で、凝ったサウンドを実現するのは難しくないのでしょうか?
光田 難しいですね。しかも、効果音も8トラックにカウントされるんですね。だから消えても問題ない音を下のトラックに追いやっていくんですけど、そのテンション感を出す音が下に行きがちなんですね。そうすると戦いなどが始まって効果音が入った瞬間に、曲の雰囲気が変わってしまうんです。そういうこともあって、当時はなかなかみんなやらなかったんですよ。でも僕は、消えたら消えたでいいと思ったのと、自分が作るメロディはテンションをなぞることが多かったので、そのメロディさえあれば、テンション感は失われないだろう……というような計算はあったんです。だからそういう意味で、ほかのRPGとは変わった手法、サウンドになっているというのは確かだと思います。
光田康典が語る『クロノ・トリガー』 〜kiyoが解き明かすメロディの秘密|キーボード・マガジン 2017年7月号 SUMMERより/リットーミュージック.2017
そういえばクロノトリガーでよく言われるのが23歳でという話しですが、それはライナーノーツを書いた時が丁度23歳の誕生日だったということで、実際の開発期間は21歳から22歳の間なんですよね。
— 光田康典 YasunoriMitsuda (@YasunoriMitsuda) April 22, 2019
週刊少年ジャンプの影響!!
そもそも『クロノ・トリガー』は、ドリームプロジェクトとして情報を公開し、発売前から堀井雄二・坂口博信・鳥山明という『ドラクエ』と『FF』の作り手達の姿を強く押し出し、当時のエニックスと合併する前のスクウェアや、当時黄金時代を迎えていた『週刊少年ジャンプ』の影響を色濃く受けた作品である。
DQとFFは『クロノ・トリガー』でいかに融合したか?:「なんでゲームは面白い?」第三回/電ファミニコゲーマー.2016
それは、ドラクエのクリエイターである堀井雄二がジャンプに掲載されていたTVゲーム紹介コーナーである「ファミコン神拳」でライターを務めていたからだ。
あの超有名ゲームの生みの親の生みの親/黄金期ジャンプの影.2022
裏のフィクサー!?伝説のジャンプ編集長「鳥嶋和彦」
鳥嶋は「伝説のジャンプ編集者」として知られる。月刊PLAYBOY日本版で小説の編集をしたくて集英社に入社後、希望していなかったジャンプ編集部に配属された。
伝説のジャンプ編集者が見誤った傑作/日本経済新聞.2019
マンガは手に取ったこともなかったが、手塚治虫とちばてつやの名作を教材にして研究。3年目に新人マンガ賞の落選原稿の山から無名の新人、鳥山明を発掘し、500枚のボツ原稿を乗り越えて生まれたギャグマンガ「ドクタースランプ」をヒットさせた。同作に悪役のドクターマシリトとして登場している。
伝説のジャンプ編集者が見誤った傑作/日本経済新聞.2019
続いて鳥山と組んだ格闘マンガ「ドラゴンボール」は世界規模でメガヒットし、鳥山は少年マンガの第一人者としての地位を確立した。鳥嶋はその後も恋愛マンガ「電影少女」の桂正和を見いだしたり、ゲーム業界の主要人物をつないで国民的ゲーム「ドラゴンクエスト」の誕生に一役買ったりと、マンガ編集者の枠を超えた縦横無尽の活躍を続けていた。
伝説のジャンプ編集者が見誤った傑作/日本経済新聞.2019
創世記のエニックスとの関わり
鳥嶋氏:
【全文公開】伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」誕生秘話/電ファミニコゲーマー.2016
ちょうど最初のパソコンゲームの特集で、売上につながらなくて困っていたときに、千田さん(※)という人が持ち込み企画を持ってきたの。会ってみたら、100万円を優勝賞金にしたゲームソフトのコンテストをやると言うんだね。
でも、どうもその会社はついこの間まで公営住宅の申し込みの代行業をやっていたらしいんだよ。それがパソコンソフトの問屋卸業に乗り出した頃の、エニックスだった。
鳥嶋氏:
【全文公開】伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」誕生秘話/電ファミニコゲーマー.2016
でもさ、当時の千田さんはなけなしの100万円を優勝賞金にして、各出版社に協賛をお願いして回っていたんだよ。僕のところに持ち込まれたときには、既にNHKが協賛してたと思う。でも、僕からしたら、パソコン特集の次の展開を考えなきゃいけない時期だったから、もう渡りに船。その場で「ジャンプの独占で協賛をやるから、他の雑誌には一切持ち込まないでくれ」と千田さんに言ったの。
ジャンプにファミコン情報の企画を導入!
当時、鳥嶋は一貫して「高校生・大学生向けの『マガジン』ではなく、小学生向けの『コロコロ』に目を配れ」と言い続けていた。80年代には鳥嶋の発案で「マンガオンリー」が建て前の「ジャンプ」に、定期的にファミコン情報を掲載した袋とじ企画が導入される(後藤、166ページ)。
マンガだけの雑誌ではなく、少年向けの生活情報誌として創刊された「サンデー」「マガジン」と違って、「ジャンプ」は一貫してアイドルのグラビアを載せることはなく、記事ページも少なかった。つまり鳥嶋の企画は「ジャンプ」的には邪道だった。
しかし、この鳥嶋の決断は正解だった。
鳥嶋が、当時ライターだった堀井雄二らとともにファミコンゲームの裏技暴露ページ「ファミコン神拳」を作り、堀井が制作していたゲーム『ドラゴンクエスト』のキャラクターデザインに、自身が担当していたマンガ家の鳥山明を起用させたことは、よく知られた事実である。
「ジャンプ」VS「コロコロ」裏面史…マンガビジネス20年戦争の真実/現代ビジネス | 講談社.2020
僕が担当をしていた鳥山明さんの「Dr.スランプ」がヒットし始めた頃、同じ集英社の週刊プレイボーイから僕に「Dr.スランプ」について取材したいという話がありました。この時のライターがさくまあきらさん。後に「桃太郎電鉄」を世に出します。僕はさくまさんと親しくなり、その繋がりからドラクエの堀井雄二さんとも知り合うわけですが、僕はこうした社外のライターを積極的に誌面に起用しました。こうして誕生したのが「ジャンプ放送局」といった読者投稿コーナーや、ゲーム紹介記事「ファミコン神拳」です。当初、社外の人間を使うことに、同僚からものすごく反発されました。「アンケートが外に漏れるからダメだ」って。結局、作業は会議室でやる、編集部内には入れないという条件で企画は通しました。アンケートで高評価をとっていくことで文句を言う人はいなくなりましたが、それでも「漫画だけやっていればいいのに、エネルギーのムダだ。バカなことやってる」という陰口は聞こえてきましたね。
創刊50周年「ジャンプ」伝説の元編集長が語る「鳥山明をめぐる社内政治」/AERA dot. 2018
Vジャンプの創刊編集長
ここから「ジャンプ」で『ドラクエ』の外伝的マンガである『ダイの大冒険』が1989年から掲載され、また、1993年にはゲーム情報誌とマンガ誌の組み合わせである「Vジャンプ」が生まれて、鳥嶋はその創刊編集長となる。
「ジャンプ」VS「コロコロ」裏面史…マンガビジネス20年戦争の真実/現代ビジネス | 講談社.2020
Vジャンプの初代編集長に就任!何か強力な一本が必要だった
1993年、ゲームとのメディアミックス誌『Vジャンプ』を企画、初代編集長となる。1996年には『週刊少年ジャンプ』に戻り、編集長として新人育成とメディアミックス化を指揮。『遊☆戯☆王』(1996-2004)、『ONE PIECE』(1997-)、『NARUTO -ナルト-』(1999-2014)などのヒット作を生みだす。その後、メディアミックス展開の手腕を評価されライツ事業部長、および週刊・月刊・Vのジャンプ三誌を統括する第3編集部長を兼務。以降、集英社専務取締役等を経て、現在は株式会社白泉社顧問。
鳥嶋 和彦/文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品
強行突破(笑)クロノトリガーのはじまり
元週刊少年ジャンプ編集長の鳥嶋和彦さんが2021年11月18日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。傑作RPG『クロノ・トリガー』とVジャンプについて話していました。
鳥嶋和彦『クロノ・トリガー』とVジャンプを語る/miyearnZZ Labo.2021
(鳥嶋和彦)あの、ドラクエ1、2、3が出て、やっぱりもう堀井さん、世間で非常に優秀なゲームクリエイター……ある種天才だってわかって。ところが4、5っていう風になっていった時に、やっぱりドラクエが行き詰まっていくんですよね。ゲームとして。僕から見るとね。で、なんだろうな? 堀井さんがやっぱり成功体験から抜け出せていない。自分のゲームの成功に囚われている感じが僕はして。で、本来ならそこに、漫画で言えば漫画編集がいて。そこでやっぱり話をして、新しい方向性を切り開いたり、壁を突破しなきゃいけないんですよね。アシストして。そういう意味で言うと、僕はドラクエのプロデューサーの千田さんに実は散々言ったんですよ。
鳥嶋和彦『クロノ・トリガー』とVジャンプを語る/miyearnZZ Labo.2021
堀井雄二(ドラクエ)とスクウェア(FF)を引っ付ける
(鳥嶋和彦)「エニックスは本当の意味で堀井さんを理解していないし、大切にしてない」と。で、今の話をしたんですよ。「このままでは堀井さんの才能の無駄遣いになる」って。それを千田さんに話しても馬耳東風で。千田さんは馬は育てたけど、やっぱり編集者とか作家を育てられなかった人だから。そういう意味で、堀井さんに新しい可能性を切り開いてほしかったんだよ。となった時に、シナリオはやっぱり堀井さん、一流だから。プログラムとかビジュアルに関して、やっぱり当時一番作り込んでいてうまいところ……それはスクウェアだ。坂口のところだよねって。
鳥嶋和彦『クロノ・トリガー』とVジャンプを語る/miyearnZZ Labo.2021
(鳥嶋和彦)で、鳥山さんももう中世の物語だけの1、2、3じゃないものを描きたい。いろんなキャラを描きたい。悪いやつとか、メカとかね。っていう話をしたら坂口が「うちとやるんだったらそれ、描けますよ」ってなって。だからそういう意味で言うとクロノはロボットも出てくるし、怪獣も出てくるし、いろんなものが出てるじゃないですか。これはドラクエではやれないものだから。という話をしていて。もう一方では僕のね、野心じゃなくて邪心もありますから。
鳥嶋和彦『クロノ・トリガー』とVジャンプを語る/miyearnZZ Labo.2021
「ドラクエ+FF=ナンバーワン」Vジャンプの目玉がクロノトリガー
(鳥嶋和彦)やっぱりVジャンプで新しい1本を立ち上げて、新しい名刺を作りたいと。ドラクエとかFFはやっぱり週刊少年ジャンプでやっているものだから。だからクロノっていうのをVジャンプでメインでやれば新しい旗が立つから。で、「ドラクエ+FF=ナンバーワン」っていうね、そういうあおりで予定稿を用意して。で、千田さんにもファックス送ったら「勘弁してくれ」っていうのが来たんだけど。もうお構いなしに。「もう出ちゃったものだから」って。
鳥嶋和彦『クロノ・トリガー』とVジャンプを語る/miyearnZZ Labo.2021
(鳥嶋和彦)その手前で話したんだけどやっぱりね、OKしてもらえなかったから。もう強行突破です。
鳥嶋和彦『クロノ・トリガー』とVジャンプを語る/miyearnZZ Labo.2021
(鳥嶋和彦)まあ、いざとなったら「ドラクエから鳥山さんを引く」っていう言葉はここまで用意してたんですよね。
鳥嶋和彦『クロノ・トリガー』とVジャンプを語る/miyearnZZ Labo.2021
鳥嶋和彦が坂口博信を呼び出してディスる(笑)
坂口博信氏は、「ファイナルファンタジー」シリーズの生みの親。
「FF」生んだ坂口博信氏「FFXIV」プレイ1周年! 吉Pもお祝い/GAME Watch.2022
そんな鳥嶋氏と坂口氏の出会いは『ファイナルファンタジーIII』(以下、FFIII)発売当時に遡る。『FFIII』について話がしたいと鳥嶋氏から呼び出され、その席でダメ出しを受けた……というエピソードはあまりにも有名な話だ。
#2 坂口博信×鳥嶋和彦 対談 ジャンプのヒットの法則とふたりの出会い/Audible
坂口氏:
坂口博信×鳥嶋和彦 対談──31年前の出会いが『ファイナルファンタジー』を変え、『クロノ・トリガー』を生み出し、そして『ファンタジアン』という名の遺言が完成した/電ファミニコゲーマー.2021
ジャンプに紹介してもらいたくて……というのはちょっと違って、アプローチがあったのは鳥嶋さんの方からだったんです。なんか、いきなり呼び出されて。
鳥嶋氏:
坂口博信×鳥嶋和彦 対談──31年前の出会いが『ファイナルファンタジー』を変え、『クロノ・トリガー』を生み出し、そして『ファンタジアン』という名の遺言が完成した/電ファミニコゲーマー.2021
ああ、確かにそうだった。いや、自分もドラクエに関わっていて、ゲームもいろいろ遊んでたわけだけど、『FFIII』を遊んでみて凄く良く出来てるなと思ったんです。そして、だからこそどうしても、これを作った人にひとこと言いたくなっちゃったんです(苦笑)
坂口氏:
坂口博信×鳥嶋和彦 対談──31年前の出会いが『ファイナルファンタジー』を変え、『クロノ・トリガー』を生み出し、そして『ファンタジアン』という名の遺言が完成した/電ファミニコゲーマー.2021
で、開口一番「キャラクターが全然立ってないから駄目だ」と(苦笑)
ファイナルファンタジー5からジャンプと提携……反応はイマイチ
坂口氏:
坂口博信×鳥嶋和彦 対談──31年前の出会いが『ファイナルファンタジー』を変え、『クロノ・トリガー』を生み出し、そして『ファンタジアン』という名の遺言が完成した/電ファミニコゲーマー.2021
単純に文句を言われたという気持ちはまったくなくて。ジャンプはすごいという気持ちが小学生の頃からありますから。なんでこんなに面白いものを連発できるんだろうって。しかも毎回設定とか世界観とかが違うじゃないですか。そこの編集部だった方(当時はVジャンプの編集長)が来て何か言ってくれるというだけで、それはもう100%吸収しよう! って気持ちで行ってるんです。
ただ難題でしたね。キャラクターについては、そのあとずっと考えていました。『ファイナルファンタジーIV』である程度キャラクターが立たせることが出来たのは、本当にあの会議室の話のおかげです。でも『FFIV』を編集部に持っていったら、扱ってくれなかったですけどね。「まだだな」って(笑)。
坂口博信×鳥嶋和彦 対談──31年前の出会いが『ファイナルファンタジー』を変え、『クロノ・トリガー』を生み出し、そして『ファンタジアン』という名の遺言が完成した/電ファミニコゲーマー.2021
ドラクエとの違いは鳥山明の絵の力!?
鳥嶋氏:
【全文公開】伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」誕生秘話/電ファミニコゲーマー.2016
ただ、『Ⅴ』からは『ドラクエ』のようにタイアップで始めてみたんですよ。
ところが……全くウケないんだね。やっぱり、『ドラクエ』は鳥山さんの絵があるから、それだけでキャッチーだったんですよ。
――まさに、鳥山さんを絡ませた判断は大当たりだったという話だと思いますが、でも当時のFFって、いまも語り継がれる天野喜孝さんの絵だったわけですよね。
鳥嶋氏:
でも、ジャンプではウケなかった。結果『FFV』の売上は前作の2.5倍になったんだけど、最初誌面での人気はもうボロボロ。それで、坂口と話して「このままじゃダメだね」となったの。そこで僕たちはゲームに映画のスチールの考え方を持ち込んだんだよ。
【全文公開】伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」誕生秘話/電ファミニコゲーマー.2016
要するに、始まったばかりで何も出来ていないものを中途半端に見せても仕方ないじゃない。だから、いきなりキービジュアルを作りこんでしまうわけ。「このシーンはこうだ!」というビジュアルを先に見せた上で、後からゲームを作り込んでいく。これが現在に至るゲームの記事の出し方の始まりですよ。
“鳥山明”の絵をベースにスクウェアがゲーム画面を制作!
鳥嶋氏:
【全文公開】伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」誕生秘話/電ファミニコゲーマー.2016
先にボス戦の構図だとか、決めのシーンの絵を仕上げた上で、そこに向けて作っていくんだよ。これを徹底的にやったのが、少し先の話になってしまうけど『クロノ・トリガー』ね。先に鳥山明さんが各シーンの絵を描いて、それに合わせる形でスクウェアがゲーム画面を作って、ゲームはそれを縫うように作っていった。
鳥嶋氏:
【全文公開】伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」誕生秘話/電ファミニコゲーマー.2016
たぶん、もう今の鳥山さんに、あの絵は描けないと思う。彼の才能が全盛期にあったときに、まずは思うままに描いてもらったんだね。
トリガーの続編!?「クロノ・クロス」
(前略)1999年(平成11年)11月18日は、プレイステーション用ソフト『クロノ・クロス』が発売された日。
『クロノ・クロス』が発売された日。『クロノ・トリガー』の続編としてリリースされた本作は、考察しがいのあるシナリオや光田康典氏の音楽がファンの心を掴む【今日は何の日?】/ファミ通.com.2022
傑作と名高いRPG『クロノ・トリガー』に続く作品として、ふたつの世界をまたぐ壮大な冒険が描かれる。
『クロノ・クロス』リマスター版がパフォーマンス問題に直面。『クロノ・トリガー』に続く移植の苦難/AUTOMATON.2022
旅を通して出会う仲間は総勢40名以上。プレイヤーの行動や選択肢によって、さまざまな仲間と旅をともにすることができます。
【クロノ・クロス】Switchリマスターの変更点・新機能まとめ【ラジカル・ドリーマーズ エディション】/攻略大百科.2022
パラレルワールド
そして、物語の根幹に関わる“時間”へのアプローチですが、現在・過去・未来を旅する『トリガー』は、いわばタイムトラベル型。対する『クロス』は、異なる展開を辿ったパラレルワールドを行き来します。流れた時間は同じでも、その道程に違いがある平行世界を渡る『クロス』の冒険は、『トリガー』と明確に異なる刺激を与えてくれます。
『クロノ・クロス』本日11月18日で20周年! 正統進化よりも挑戦を選んだ意欲的なRPG─素晴らしい音楽やヒロインとの思い出に触れる読者の声も/インサイド.2019
共通する世界を背景としながらも、『トリガー』の要素をそのまま継承する選択はせず、独自性を模索した『クロス』。前作を引き継ぎ、正統進化を果たすシリーズ作が多い中、本作は新たな可能性にチャレンジしたことが、作品の様々な部分から窺えます。
『クロノ・クロス』本日11月18日で20周年! 正統進化よりも挑戦を選んだ意欲的なRPG─素晴らしい音楽やヒロインとの思い出に触れる読者の声も/インサイド.2019
クロノ・トリガーとの繋がり
難解なシナリオなので、『クロノ・トリガー』と『クロノ・クロス』の関係がわかりづらいですが、しっかりプレイして考察するとふたつの作品が密な関係であることがわかります。なお、ゲーム内では明かされない謎も多く、関連書籍にだけ公開されている設定も。
『クロノ・クロス』が発売された日。『クロノ・トリガー』の続編としてリリースされた本作は、考察しがいのあるシナリオや光田康典氏の音楽がファンの心を掴む【今日は何の日?】/ファミ通.com.2022
トリガーとクロスの間のゲーム「ラジカル・ドリマーズ –盗めない宝石-」
『ラジカル・ドリーマーズ』は1996年2月3日、スーパーファミコンの「サテラビュー」専用ソフトとして誕生した。サテラビューというのは、任天堂が提供していたスーパーファミコン向け衛星データ放送の受信端末。ゆえに衛星データ放送によるソフト配信が終了すると入手手段が途絶えてしまうため、中古市場では本作のデータ入りメモリーパックが数万円まで値上がりするほどの高騰化。
『クロノ・クロス』リマスター収録で話題の『ラジカル・ドリーマーズ』とは? 奇跡の復活を遂げた、シリーズを繋ぐ名作ノベルゲーの魅力/Real Sound.2022
7つのシナリオが用意されており、最初からプレイできる「kid 盗めない宝石」編がまんま『クロノ・クロス』の原型。
今更『クロノ・クロス』を遊んでアルティマニアまで買った男の記録。『クロノ・トリガー』で救われなかった者達をもう一度描くことに、意味はあるのか?/電ファミニコゲーマー.2022
同シナリオでは「貴族の屋敷に潜入して秘宝を盗む」というストーリーテリングのもと、ラジカル・ドリーマーズ一行の活躍、そしてキッドと宿敵「ヤマネコ大君」の因縁が色濃く描かれている。加えて、同シナリオでは『クロノ・トリガー』の登場キャラクター「ルッカ」がキッドの成育に深く関わっている点をはじめ、「クロノ」や「マール」といったメインキャラクターの存在も垣間見ることができる。なお、“本作のメインシナリオが『クロノ・クロス』の原案になった”点については、主人公のセルジュがそのまま『クロノ・クロス』でも主役を務めていることから明らかだろう。
『クロノ・クロス』リマスター収録で話題の『ラジカル・ドリーマーズ』とは? 奇跡の復活を遂げた、シリーズを繋ぐ名作ノベルゲーの魅力/Real Sound.2022
本作はスクウェア(現スクウェア・エニックス)が手掛けたスーパーファミコンの名作『クロノ・トリガー』の正式な続編であり、加藤正人氏(脚本/演出)や光田康典氏(音楽)といったスタッフも同作から引き続き開発に参加している。
『クロノ・クロス』リマスター収録で話題の『ラジカル・ドリーマーズ』とは? 奇跡の復活を遂げた、シリーズを繋ぐ名作ノベルゲーの魅力/Real Sound.2022
幻に終わったさらなる続編「クロノブレイク」
『クロノ・ブレイク(CHRONO BREAK)』は、2002年ごろにスクウェア(現スクウェア・エニックス)によって日本、欧州、米国で登録された商標名だが、現在はすべて失効している。2006年にはGame Spotのインタビューで、坂口博信氏が新たなクロノシリーズの制作に前向きな姿勢を示すなど、本格的な続編の開発への期待が高まっていった。
『クロノ・トリガー』の幻の続編『クロノ・ブレイク』がもし発売されていたら? ピクセルアートの鬼才である『Owlboy』開発者が想像して描いた素敵な2Dドット映像が公開/電ファミニコゲーマー.2018
しかし、その後は開発が公に発表されることなく、続編を開発すると思われていた1999年発売の『クロノ・クロス』の開発チームからもスクウェア・エニックスを離れていくスタッフが増えていった。結局のところ、続編と思われていた『クロノ・ブレイク』の名前は、現在も日の目を見ていない。
『クロノ・トリガー』の幻の続編『クロノ・ブレイク』がもし発売されていたら? ピクセルアートの鬼才である『Owlboy』開発者が想像して描いた素敵な2Dドット映像が公開/電ファミニコゲーマー.2018
ただし『クロノ・ブレイク』は2017年にも話題となり、『クロノ・トリガー』でディレクションを担当した時田貴司氏がIGNのインタビューで、『ファイナルファンタジー レジェンズ 時空ノ水晶』は『クロノ・ブレイク』のオリジナルコンセプトをベースに作っていると答えている。
『クロノ・トリガー』の幻の続編『クロノ・ブレイク』がもし発売されていたら? ピクセルアートの鬼才である『Owlboy』開発者が想像して描いた素敵な2Dドット映像が公開/電ファミニコゲーマー.2018
ファンが続編を作っていた!「クロノ・リザレクション」
非公式のリメイクとして『Chrono Trigger: Resurrection』の製作が進められていたが、2004年9月6日に製作停止が発表された。これは、『クロノ・トリガー』の著作権を持つスクウェア・エニックスに製作の中止を求められたためと発表されている。
平成最高のゲーム!クロノ・トリガーの魅力とは?/RENOTE.2022
ファンの手によって『クロノ・ブレイク」トレイラーが完成!
『クロノ・トリガー』『クロノ・クロス』に続く新作として計画されたものの、結局実現には至らなかった幻の『クロノ・ブレイク』ですが、高評価2Dアクション『Owlboy』の開発者Simon S. Andersen氏がトレイラーを独自制作してしまいました。構想1年、作業に2ヶ月を要したというこのトレイラーのクオリティは抜群で、Simon S. Andersen氏のスキルとゲームへの愛情が伝わってきます。
幻のクロノシリーズ最新作『クロノ・ブレイク』のトレイラーを『Owlboy』開発者が独自制作!/Game*Spark.2018
構想1年、作業に2ヶ月を要したというこのトレイラーのクオリティは抜群で、Simon S. Andersen氏のスキルとゲームへの愛情が伝わってきます。
幻のクロノシリーズ最新作『クロノ・ブレイク』のトレイラーを『Owlboy』開発者が独自制作!/Game*Spark.2018
多くのファンを引きつけた名作の日の目を見ることのなかった新作という存在は、『クロノ・クロス』が発売されてからもうすぐ20年が経つ今でも、ファンたちの心のどこかに引っかかり続けている。
『クロノ・トリガー』の幻の続編『クロノ・ブレイク』がもし発売されていたら? ピクセルアートの鬼才である『Owlboy』開発者が想像して描いた素敵な2Dドット映像が公開/電ファミニコゲーマー.2018