春の息吹と共に訪れる、壮大な色彩の祭典、それが全米桜祭りです。
ワシントンD.C.で毎年開催されるこのイベントは、日米友好の象徴として、桜の美しさを通じて二国間の絆を祝福します。
National Cherry Blossom Festival
桜の美しさと日本文化の魅力を満喫!ワシントンD.C.の全国桜祭り
全米桜祭り(ナショナル・チェリーブロッサム・フェスティバル, National Cherry Blossom Festival)は、アメリカ合衆国のワシントンD.C.で毎年春に開催されるお祭りで、桜の開花を祝うイベントです。
1912年に日本がアメリカに贈った3,000本の桜の苗木を記念して、このお祭りは始まりました。それ以来、アメリカと日本の友好関係を象徴するものとして、両国間の文化交流の場となっています。
桜が咲き乱れる頃に開催!!「全米桜祭り」
桜の開花の時期は毎年異なりますが、全米桜祭りはピークブルーム(最も美しい開花状況)が予想される時期に合わせて日程が設定され、通常3月下旬から4月初旬にかけて約2週間の期間で開催されます。
メインの桜は「ソメイヨシノ」
全米桜祭りの会場であるワシントンD.C.で一番見事に咲き誇っている桜のほとんどは、「ソメイヨシノ」です。
ソメイヨシノは、日本で最も一般的な桜の品種の一つであり、淡いピンク色の花を咲かせます。この品種は、早春に一斉に花が開き、短期間で散ってしまうため、桜の花の儚さを象徴するものとされています。
この桜は、1912年に日本からワシントンD.C.(アメリカ)に寄贈された桜の苗木を植えたものです。
その苗木にはソメイヨシノが多く含まれていため、それに合わせてさらにソメイヨシノを植えられるようになりました。
また、ソメイヨシノ以外にも、シダレザクラやヤマザクラなど、ワシントンD.C.には様々な品種の桜が植えられています。
これらの桜もまた、全米桜祭りの際に楽しむことができる風物詩となっています。
約150万人が参加!!東海岸最大級のイベント!!
祭りの期間中にはアメリカ全土だけじゃなく、世界中から約150万人もの観光客が訪れます。これは、アメリカの東海岸で開催されるイベント全体の中でも大規模なイベントの1つに数えられます。
メイン会場はポトマック公園周辺!!お花見を楽しもう!
メイン会場は、ワシントンD.C.のポトマック公園周辺、特にポトマック河畔のタイダルベイスンには、多くの桜の木が植えられており、桜が見頃の時期には、美しい桜並木が見ることができます。
本場日本の「お花見」に限りなく近い感覚で桜鑑賞できるのは、広いアメリカでもここだけです。
お花見だけどお酒はなし!
ワシントンD.C.でのお花見は、日本とは雰囲気とは少し異なり、敷き詰められたブルーシートや散乱するゴミ、酔っ払いがいなません。
そんな清潔で静かな時間の中で、訪れた観光客は散歩やピクニックをして、桜そのものの純粋な美しさやワシントンD.C.の風景を楽しんでいます。
ワシントンD.C.のお花見で酔っ払いがいないのは、アメリカでは公共の場でのアルコール摂取が違法であり、逮捕されることもあるからです。
アメリカでお酒を飲むためには、レストランや、屋外に設置された専用の柵で囲まれたエリアなどに行かなくてはいけません。
祭りを盛り上げる多種多様なイベント!
祭りの間には様々なイベントが、タイダルベイスン周辺や他の公園、美術館、文化施設で開かれます。
イベントの中には、日本の伝統文化や芸能を紹介するものも含まれており、多くの観光客は美しい桜の景色を楽しみながらこのイベントに参加します。
まさに文化交流!!「オープニングセレモニー」
全米桜祭りのオープニングセレモニーは、祭りの開始を告げる華やかなイベントです。
基本的にオープニングセレモニーは通常、インドア会場で開催され、多くの来場者と共にアメリカと日本の両国からのゲストが参加します。
このセレモニーでは様々な日本のパフォーマンスが行われ、例えば、日本の伝統芸能である三味線や和太鼓の演奏、日本舞踊、そして現代的な音楽やダンスパフォーマンスも披露されます。
また、祭りの主催者や政府関係者などがステージに登場し、挨拶や祝辞が述べられます。
全米桜祭りのオープニングセレモニーは、日本とアメリカの友好関係や文化交流を祝う場であり、祭りを楽しむ上で欠かせないイベントのひとつになっています。
大人気のファミリーイベント「凧あげ」
期間中には日本の伝統的な遊びの一つ、凧あげのイベントも開催されます。この凧揚げイベントはアメリカの子どもたちや家族連れに人気で、参加者たちが空高く凧を揚げて楽しんでいる様子が見られます
イベント会場では、凧を揚げるための広いスペースが設けられており、参加者たち会場で購入したさまざまな形やデザインの凧を風に乗せて飛ばすことができます。
このイベントを楽しみにしている参加者の中には自分で凧を持ってきている日もいます。
また、凧あげのワークショップが開催されることもあり、子どもたちが自分で凧を作る楽しみを体験できます。
全米桜祭りといえばパレード!」
「全米桜祭りといえばパレード」と言われるほど、このイベントは人気があり、パレード沿道には多くの観客が集まり、楽しい雰囲気で賑わいます。
このパレードは通常、祭りの後半に行われ、ワシントンD.C.のコンスティテューション・アベニュー沿いで開催されます。
パレードでは、さまざまな団体やパフォーマーが登場し、華やかな衣装を身にまとってパフォーマンスを披露します。
日本の伝統的な舞踊や音楽、太鼓演奏、アメリカのマーチングバンドやダンスチーム、マスコットキャラクター、巨大な風船などが登場し、この祭りを大きく盛り上げます。
また、パレードの参加者には、地元の学校やコミュニティグループ、企業、そして日本からの参加者も含まれており、両国の文化交流も促進されています。
ドレスコードはピンク!?「Pink Tieディナー」
全米桜祭りの中では、桜の色であるピンクをテーマにした特別なイベントが開催されます。
それが「Pink Tie(ピンクタイ)ディナー」です。
このイベントは、桜を祝うエレガントなディナーパーティーで、桜の美しさを称え、日米の友好関係や文化交流を祝う場として開催されてます。
参加者は、桜をテーマにしたデコレーションが施された会場にピンクのアクセントを取り入れた服装で参加。豪華な料理が提供され、参加者は食事を楽しみながら、お互いに交流を深めています。
このイベントには、地元の著名人や政治家、企業関係者、日本からのゲストなどが参加し、友好関係を築く上で重要な役割を果たしています。
また、このイベントは、全米桜祭りを支援金を募るイベントでもあり、参加者はチケット代を通じて祭りの運営費に貢献しています。
「桜祭りジャパニーズ・ストリートフェスティバル」
祭りの一環として最大規模の日本文化イベントも同時に開催されます。
それがジャパニーズ・ストリートフェスティバル(Sakura Matsuri・Japanese Street Festival)です。
イベント会場は、大統領就任後のパレードも行われるペンシルバニア・アベニューで、開催中は完全歩行者天国になり、毎年3万5千人を超える来場者で賑わい、多くの人々が日本文化に触れる機会を楽しんでいます。
入場料が必要
この会場に入場するためには、専用ゲートを通る必要があります。入場料は現金のみで$10(約1,100円)ですが、12歳以下のお子様は無料で入場できます。
ゲート付近にはATMが設置されていることもありますが、混雑を避けるためにも事前にウェブでチケットを購入することをおすすめします。
さまざまな文化を紹介!
会場では様々なイベントが開催され、伝統文化からポップカルチャーまで幅広く紹介されています。
設置されたステージでは、書道や剣道のデモンストレーションや、和太鼓、日本舞踊などの伝統パフォーマンスが行われます。
また、アニメコスプレショーや日本のアーティストによるライブ、アメリカで活躍する日本人ダンサーによるダンスパフォーマンスなど、ポップカルチャーを紹介するイベントも人気を集めています。
日本食の屋台やブースが多数出店!
屋台では様々な日本食を楽しむこともできます。
たこ焼き、お好み焼き、焼きそば、カレーライス、ラーメン、焼き鳥、うなぎ丼、イカげそ焼き、みたらし団子、三色団子、和菓子など、まさに日本のお祭りを彷彿とさせるメニューが揃っています。
また、アメリカならではのハンバーガーやケバブなども用意されており、多様な料理を楽しむことができます。
祭りで屋台といえばお酒が飲みたくなるものです。
嬉しいことに、この会場では日本のビールや日本酒を楽しむこともできます。
しかし、前述の通りアメリカでは公共の場でのアルコールの摂取が違法のため、アルコール提供エリアは柵に囲まれており、年齢確認ができるID(パスポートなど)が必要です。
この日のために集まった「コスプレイヤー」
祭りの期間中には、緻密に再現された衣装やアクセサリーを身につけ、メイクやウィッグでアニメや漫画のキャラクターの容姿を再現した多くのコスプレイヤーたちも、この祭りを楽しむために足を運んでいます。
ここの会場では専用のコスプレイベントも開催され、会場に集まったコスプレイヤーは写真撮影をしたり、他のコスプレイヤーや観客と交流を楽しんでいます。
「ゆるキャラ」も登場!
また、日本の地域や企業などが作成したマスコットキャラクターで、愛らしい見た目とユニークな設定で人気を集めている「ゆるキャラ」も登場し、祭りを盛り上げています。
ゆるキャラたちも観客に握手を求められたり、写真撮影を楽しんだりして、イベントを一層楽しいものにします。
フィナーレを飾る美しい花火
祭りの最終日には花火大会も開かれ、毎年多くの人々がこの美しい光景を心待ちにしています。
この花火大会は通常ポトマック川沿いのサウスウェスト・ウォーター・フロント地区で開催されることから「サウスウェスト・ウォーター・フロント花火大会」と呼ばれています。
桜の満開時期に合わせて行われるため、日本でも見ることができない桜の花と花火のコラボレーションという絶景がを見ることができます。
訪れた人々は、河畔や周辺の公園などから、この美しい花火と夜空に映える桜の花を楽しみながら、祭りの最後の余韻に浸り、また来年を楽しみに帰路につきます。
おみやげも買って帰ろう!!
他にも、全米桜祭りの開催期間中は、タイダルベイスン周辺にはたくさんのワゴンが出店しており、お土産選びには最適な場所です。
ワゴンでは、日本の伝統的な工芸品やアクセサリー、絵ハガキ、お菓子などが販売されており、桜祭りの雰囲気に浸りながらショッピングを楽しむことができます。
また、タイダルベイスン周辺の観光名所であるジェファーソン記念堂、フランクリン・デラノ・ルーズベルト記念公園、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・メモリアルなどにも、売店が設置されています。
もっと楽しもう!
さらに、今回紹介したイベントの他にも、桜を楽しむためのウォーキングツアーやランニングイベント、アート展示会など、数多くのイベントが企画、開催され、訪れた観光客を楽しませています。
読者の皆様へ
全米の桜祭りは、日本の伝統とアメリカの多様性が融合した、ユニークで魅力的なイベントで、桜の美しさを背景に、両国の文化が交差するこの祭りは、私たちに新しい文化的な洞察と理解をもたらしてくれます。
ピクニック、伝統芸能、アート展示など、多彩なプログラムを通じて、人々は日本文化の深さとアメリカの開放的な文化を体験できます。
桜の美しさを背景に、多様な文化活動を楽しむことは、日本とアメリカの絆を深める機会にもなります。この素晴らしい文化融合体験に参加し、その魔法のような魅力を体験しましょう!