ドイツ・ハンブルクにある世界最大級のミニチュア都市展示施設「ミニチュア・ワンダーランド」。世界最長のミニチュア鉄道を始め、細部までこだわった仕掛けが数多く施され、交通事故やサッカー試合の再現など、リアルな体験を提供しています。
創設者の兄弟が夢と情熱で作り上げたこの施設は、年間100万人以上の観光客に愛される人気スポットです。また、ミニチュア・ワンダーランドは、ユネスコの世界遺産に登録された倉庫街とともに訪れることができるので、ハンブルク観光を計画中の方には必見の記事です。
Miniatur Wunderland
世界最大の鉄道模型「ミニチュア・ワンダーランド」
ドイツ・ハンブルクにある「ミニチュア・ワンダーランド」は、鉄道ファンやミニチュア愛好家にとって絶対に見逃せないスポットです。
ドイツの超人気観光スポット!
ミニチュア・ワンダーランドは、ドイツで最も人気のある観光地のひとつであり、年間100万人以上が訪れる人気スポットです。この施設は、ハンブルクの歴史的倉庫街(Speicherstadt)にあるため、周辺の観光スポットと組み合わせて訪れることができます。
また、ミニチュア・ワンダーランドは一年中営業しており、週末には最長で18時間営業することもあります。これにより、多くの観光客が訪れ、時間に関係なく楽しむことができる場所となっています。このような特徴から、ミニチュア・ワンダーランドは、幅広い年齢層の観光客に愛される観光スポットとなっています。
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ユネスコの世界遺産、ハンブルクの倉庫街とミニチュア・ワンダーランド
ミニチュア・ワンダーランドが位置する倉庫街は、その歴史的建築物と運河沿いの美しい景観から、ユネスコの世界遺産に登録されています。
ハンブルクの倉庫街(Speicherstadt)は、1883年から1927年にかけて建設された、世界最大の歴史的倉庫群です。ゴシック調のレッドブリック建築が特徴で、運河沿いに立ち並ぶ倉庫は、かつてハンブルクの国際貿易の中心地として栄えました。
2015年にユネスコの世界遺産に登録された倉庫街は、現在ではミニチュア・ワンダーランドをはじめとする文化施設やカフェ、レストランが入居し、観光客に人気のエリアとなっています。ハンブルクの港と隣接していることから、港を眺めるクルーズも楽しめます。
ミニチュア・ワンダーランドと倉庫街を訪れる際には、ユネスコの世界遺産であるハンブルク市庁舎や、ショッピングエリアであるノイエ・ヴァル広場も見逃せません。これらの観光スポットを巡ることで、ハンブルクの歴史と文化をより深く感じることができるでしょう。
世界中の文化と風景を楽しむ巨大ジオラマ展示
敷地面積が6,400㎡(68,000平方フィート)以上、ジオラマの広さは約1,500㎡あり、エリアごとに分かれたジオラマが展示されています。それが、それぞれのエリアごとに独自のテーマや特徴を持っています。
以下に、いくつかの主要なエリアを紹介します。
- ドイツエリア: ハンブルクやベルリンをはじめとするドイツの有名な都市や風景が再現されています。列車や道路、建築物など、ドイツの特徴的な要素が細かく再現されています。
- スイスエリア: スイスのアルプス山脈やユングフラウをはじめとする美しい自然風景が再現されています。また、スイスのチョコレート工場やチーズ製造の様子も見ることができます。
- アメリカエリア: グランドキャニオンやモニュメントバレーなどのアメリカ西部の風景や、ニューヨーク、ラスベガス、サンフランシスコなどの都市が再現されています。
- スカンディナビアエリア: 北欧諸国の風景や文化が紹介されており、氷河やフィヨルド、北欧の漁村などが再現されています。また、神話や伝統に基づくエレメントも取り入れられています。
- イタリアエリア: イタリアの代表的な観光地や風景が紹介されており、ローマのコロッセウムやピサの斜塔、ヴェネツィアの水路などが再現されています。
鉄道ファン必見!緻密で広大な鉄道ジオラマ
鉄道ファンにとって、特に興味深いのが、総延長15キロに及ぶ鉄道線路。1,040台の列車が走り、緻密に作られた駅やトンネル、橋梁が立ち並びます。
現実とファンタジーが融合
リアルな街並みや風景だけでなく、ファンタジーや架空の世界観を再現した展示物も楽しむことができます。例えば、中世の城や魔法の森、神秘的な洞窟などが再現されており、ファンタジー映画や小説の世界を彷彿とさせるような展示が楽しめます。また、架空のキャラクターや動物たちが登場し、それらと共に物語が繰り広げられる様子が再現されています。
リアルな昼と夜、季節、天候を再現する魅力的な演出
20分ごとに昼と夜が入れ替わり、暗くなると照明が灯り、街並みや建物に約250,000個のLEDライトでライトアップされます。この演出により、リアルな夜景が再現され、ミニチュアの住人が暮らす街並みが一層鮮明に浮かび上がります。
また、季節や天候に合わせて、展示物や演出が変化するため、訪れる度に新しい発見があります。例えば、冬には雪が降り積もった風景が展示されたり、夏には緑豊かな景色が広がったりと、それぞれの季節の魅力を楽しむことができます。さらに、天候によって雨が降る演出もあり、よりリアルな世界観を提供しています。
これらの演出のおかげで、ミニチュア・ワンダーランドは、まるで生きているかのようなリアリティを持ち、訪れる人々を魅了しています。
海と船が織りなすリアルな風景、緻密な海洋ジオラマ
ミニチュア・ワンダーランドでは、海や川も再現されており、実際に船が運行しています。海や川には、ヨットや帆船、貨物船など、様々な種類の船が配置されています。これらの船は、リアルな動きで航行し、水面に映る波紋や、船が通過する際の水しぶきなど、細部にわたってリアリティを追求しています。
また、海岸や港、漁村など、海に関する様々な風景が再現されており、細かいディテールにもこだわっています。海岸線には、砂浜や岩場、波打ち際に遊ぶ人々の姿が描かれているほか、港では荷物を積み下ろすクレーンや倉庫、漁港では漁師たちが魚を捌く光景が見られます。
これらのリアルな風景や細かいディテールは、ミニチュア・ワンダーランドの魅力の一部であり、訪れる人々を楽しませています。
空港運行の完全再現
空港も忠実に再現されており、周辺環境や飛行機、空港内外のディテールが精密に描写されています。ターミナルビルや駐機場、滑走路などが緻密に作られており、まるで実際の空港を見ているかのような感覚を味わうことができます。
特筆すべきは、空港の管制システムの再現度の高さです。40機を超える飛行機が、繋留場や搭乗ビルで人や貨物を積み、それぞれが滑走路まで移動した後、離着陸をする様子が、まるで実際の空港のように再現されています。飛行機は滑走路を正確に移動し、離陸や着陸のタイミングも実際の空港運行に似ています。
さらに、管制官が飛行機の誘導や運行を担当するシーンも再現されており、空港のプロセスを正確に描写した見事な展示物となっています。このような細部にわたるリアリティは、ミニチュア・ワンダーランドの魅力を一層引き立てています。
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ミニチュア・ワンダーランドに住む約215,000人の住人
鉄道や建物だけでなく、人々の生活や文化も再現されており、展示物には約215,000人のミニチュア人形が登場します。彼らの名前は「ブンダーランダー」と呼ばれ、実在する人物から名前が取られているこだわりのある作りになっています。
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リアルな模型世界を演出する多彩なアクション
ミニチュア・ワンダーランドでは、展示物に細部までこだわった仕掛けが数多く施されています。訪れた人々は、ボタンを押すだけで様々な演出を楽しむことができます。鐘が鳴ったり、列車が発車したり、船が動き出したりと、多彩なアクションが展開されます。
また、車や人形などが実際に動いたり、警察や消防車、救急車などが出動するシーンも再現され、リアルな模型世界を演出しています。
Miniatur Wunderland/YouTube
リアルな模型世界に息づくユーモアと驚き
空港では飛行機が離着陸する際に映画「スター・ウォーズ」のテーマ曲が流れる仕掛けは、ハリソン・フォードのファルコン宇宙船のヒューヒューという音が聞こえることで、映画ファンには特に喜ばれる演出となっています。
また、時には、大きなミツバチが離着陸するという仕掛けがあります。このようなユーモラスでユニークな演出は、子どもから大人まで楽しめる要素であり、訪れる度に新しい発見があることで、ミニチュア・ワンダーランドは多くの人々に愛され続けています。
さらに、各展示エリアで起こる様々な出来事や、ユーモラスなシーンも用意されており、細部まで楽しむことができます。このような細かい仕掛けにより、訪れた人々は驚きとともに、ミニチュア・ワンダーランドの世界に没頭することができます。
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コンピューター制御されたハイテク都市
交通事故やサッカースタジアムの試合など、さまざまなエピソードが再現されており、音や演出によって訪れる人々にリアルな体験を提供しています。これらの細かい演出は、展示物の魅力をさらに引き立てます。
また、コンピューターで制御された列車が展示されており、総数は700本を超えています。これにより、訪れる人々は、高度な技術が駆使されたミニチュア鉄道を楽しむことができます。
ミニチュア・ワンダーランドの人気は高まり続けており、建物の拡張も進んでいます。手狭になった現在の建物から、隣のビルへの拡張が決まっており、今後さらなる展示物や施設の拡充が期待されます。
ジオラマの中を歩き回り、非現実的な世界に没頭できる新しい体験
2016年にミニチュア・ワンダーランドがGoogle MapsおよびGoogle Street Viewに掲載されたことで、世界中の人々が自宅からでもミニチュア・ワンダーランドの内部を見ることができるようになりました。これにより、同施設の素晴らしい展示物やリアルな演出が、世界中の人々に広く知られることとなり、その魅力がさらに拡散されました。
Google Street Viewでは、実際に歩いているかのようにジオラマの中を歩き回ることができます。これによって、訪れることができない人でも、ミニチュア・ワンダーランドのリアルなミニチュア世界を楽しむことができます。
また、遠くに住んでいる人や、訪問を検討している人にとっても、事前に施設の様子を確認することができるため、非常に便利です。このような取り組みにより、ミニチュア・ワンダーランドは、より多くの人々にその魅力を伝えることができています。
Googleが撮影したミニチュア・ワンダーランドの内部
Googleは、ミニチュア・ワンダーランドのストリートビュー・カメラ撮影のために、地図専門企業のUbilabsと協力しました。このプロジェクトでは、超小型のストリートビュー・カメラが使用されています。
撮影には、ジオラマの再現度を損なわないように、細かい調整が必要でした。Ubilabsによれば、このプロジェクトの準備とテストには2ヶ月がかかり、撮影自体には600時間が必要でした。
撮影されたエリアは、ナフィンゲン、空港、ハンブルク、スカンジナビア、中部ドイツ、バイエルン、スイス、オーストリア、アメリカが含まれています。また、ミニチュア・ワンダーランドのクリエイターは、ミニチュアのストリートビュー・カーも作成したとされていますが、これは撮影には使用されていないとのことです。
このプロジェクトのおかげで、世界中の人々がミニチュア・ワンダーランドの内部をGoogle Street Viewを通して観賞することができるようになりました。
The magical world of Miniatur Wunderland is at your fingertips with #MiniView. https://t.co/guOOdB9kHo pic.twitter.com/uStl2zkRjS
— Google (@Google) January 14, 2016
兄弟が夢と情熱で創り上げた世界最大級のミニチュア都市展示施設
フレデリック・ブラウンとゲリット・ブラウンの兄弟は、ミニチュア・ワンダーランドの創設者であり、2001年にこの素晴らしい施設を開設しました。彼らは、観光客や鉄道ファン、ミニチュア愛好家に楽しんでもらうことを目的に、世界最大級のミニチュア鉄道・ミニチュア都市の展示施設を作り上げました。
当初は、スケールが小さなプロジェクトだったものの、その後急速に規模が拡大し、今では世界中から訪れる観光客に愛される人気スポットとなりました。
全長16.8キロメートルにまで伸び、ギネス世界記録に認定!!
ミニチュア・ワンダーランドは、世界最長のミニチュア鉄道としてギネス世界記録に認定されています。全長は当初15.4キロメートルにも及びましたが、2018年に「モナコ」の新線が追加され、全長はさらに16.8キロメートルに伸びました。この追加により、ミニチュア・ワンダーランドは世界最長のミニチュア鉄道の記録を更新し、その評価を高めることができました。
フレデリック・ブラウンとゲリット・ブラウン兄弟は、さらに展示の充実を図り、新しいセクションの追加や既存の展示の改善に力を入れています。
It’s a small world@google Street View of record-breaking model village Miniatur Wunderland https://t.co/AibF2bxev0 pic.twitter.com/ugbjDOX6Ma
— GuinnessWorldRecords (@GWR) January 17, 2016
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— BILD Hamburg (@BILD_Hamburg) September 11, 2015