【世界のスラム街】環境に優しい廃棄物管理システム!エジプトのスラム街が世界に誇る驚異のリサイクル率!《マンシェット・ナセル》

世界遺産として知られるカイロの街中には、ゴミがあふれる光景が広がっています。しかし、カイロ郊外のスラム街、マンシェット・ナセル地区では、世界に誇る驚異的なリサイクル率を達成しています。

この地域で実践されている環境に優しい廃棄物管理システムは、カイロ市内のゴミ問題に対する解決策として注目されています。この記事では、マンシェット・ナセルの成功事例を紹介し、世界中の都市で環境に優しい廃棄物管理システムが取り入れられることの重要性について考えていきます。

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スラムを歩いて直視したこれが世界の現実だ!タイ、インド、ケニア、ウガンダ、エジプト…60ヶ国以上を歩いた著者が世界のスラム街に迫る(「BOOK」データベースより)

Manshiyat naser

古代から歴史に名を残す国「エジプト」

Places & People/YouTube

5千年の歴史を持つエジプトは、古代エジプト人が残したロマンあふれる遺跡で知られています。首都カイロはアフリカで最も人口の多い都市であり、アラブ文化圏の中心地です。1979年に「イスラーム都市カイロ」として世界遺産に登録され、2007年に「カイロ歴史地区」に名称変更された地域には、600以上のモスクと1000以上のミナレットが立ち並び、千塔の町とも呼ばれています。

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エジプトはゴミだらけの不衛生な国

しかし、世界的な観光都市であるカイロの街中では、ゴミがあふれる光景が広がっています。道路はゴミで溢れ、観光客は「エジプトはゴミだらけの不衛生な国」という悪い印象を持ち帰ることが多いです。

Downtown Cairo's Decay احتضار وسط البلد
毎日1万5000トン以上のゴミが発生、行政が処理できず

大カイロ都市圏では毎日1万5000トン以上のゴミが出ており、行政が処理できる量を超えています。このため、カイロやエジプト全土でゴミがあふれています。世界遺産であるギザの三大ピラミッド周辺でも、ペットボトルやお菓子の袋などのゴミが散乱しています。

ごみ収集業者Zabbaleen(ザッバリーン)による手選別システム

エジプトの経済成長とともに、人口増加や都市化が進み、都市のゴミ排出量も増加しています。これは、グローバルな都市環境問題の一つとなっています。

エジプトでは、都市ごみの40%が公共の自動車によって収集され、埋立地で資源物が選別されます。有機物はコンポスト化され、エジプト全体で55の堆肥化施設があります。

一方、ゴミの40%は、「ザッバリーン(アラビア語で「ゴミの人」の意)」と呼ばれる人たちが人力で収集し、手選別によって紙、金属、プラスチック、繊維、動物の骨(85%)などが回収されています。また、埋立地での収集ごみの選別もZabbaleenが行っています。

家庭ゴミについても、Zabbaleenによって、月極めの契約を結んでいる各家庭から収集され、馬車で運ばれていますが、この制度は比較的裕福な家庭に限られています。

しかし、このようなシステムでは、ゴミの適切な処理が行われず、都市環境問題が深刻化しています。Zabbaleenの主たる関心は有価物の回収であり、金目のものを回収した後のゴミは適当な路上や空地に捨てられてしまう現状があります。

Street in Cairo

カイロ郊外のゴミの街「マンシェット・ナセル」

カイロ郊外に広がるマンシェット・ナセルは、40年以上前から「ゴミの街」として知られており、ザッバリーンの広大な街に住んでいます。どこを見ても、道路や家の中、ベランダや屋上にゴミが詰め込まれています。トラックやロバで運ばれたゴミが運び込まれ、ほこりや食べ物の匂い、そして特定できない凝縮した匂いが立ちこめています。

Garbage City of Cairo
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カイロの貧困地区、ゴミの中に生きる 

この地区では、ゴミを運ぶトラックやロバ車が行き交い、路上でゴミを分別する人たちが働いています。しかし、この状況は決して新しいものではなく、昔から続いている問題です。

人々はゴミの中で生活し、リサイクルを通じてわずかな生活費を稼いでいます。

環境状態が悪く、インフラや設備も十分に整備されていない貧困にあえぐこの地区には、現在約35万人が暮らしていると言われています。彼らは、住んでいるというより、ゴミの中に埋もれて生活していると言っても過言ではありません。

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マンシェット・ナセルに見るリサイクルの産業化

マンシェット・ナセルは、カイロで毎日排出される約1万7000トンの廃棄物のうち、4000トンが運ばれる地域です。この地域に住む約6万人の人々の大半がゴミ処理に従事し、再処理率は85%に上っています。

だが、同じ様なゴミを生業にするスラム街、フィリピンのスモーキーマウンテンとは大きな違いがあります。

マンシェット・ナセルの住民は、トラックやロバ車を所有し、カイロ中から自らゴミを集め、それを持ち込み、リサイクルすることができます。紙やペットボトルを破砕したり、圧縮したりする機械を備える小さな工場まであります。

驚くべきことに、マンシェット・ナセルの住民は、ゴミの収集・運搬から処理(リサイクル)までの産業を一手に担っています。この地域は、巨大なリサイクルタウンとも言える世界でも珍しい場所です。

National Geographic/YouTube
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ザッバリーンが実践する環境保護の取り組み

「俺たちがいなければカイロはゴミだらけになる」と、アルミ精製を行うザッバリーンは自慢げに胸を張ります。ここに集まるゴミのリサイクル率は70%以上とされ、ペットボトルや古紙、ガラス瓶、家電、車など、ほぼ科学技術に頼らない手作業で再利用品へと生まれ変わります。この町は、世界でも珍しい環境に優しい優れた廃棄物管理システムといえる。

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家族全員が関わるリサイクル産業の労働環境

カイロのザッバリーンは、夜中の12時から昼の12時まで、男性たちが町を回りながらごみを集める厳しい労働を行っています。彼らがごみを持ち帰ると、女性たちはそれを分別します。このような労働環境は、家族全員がごみの収集やリサイクルに関わることを意味しています。

しかし、これによって子供たちにも影響が及びます。公立の学校は午前中しか開いていないため、ザッバリーンの子供たちは小さい頃から働き始め、学校に行く機会が得られません。読み書きができなければ、貧困から抜け出すことが難しくなります。

リサイクルされたごみは、新たな商品として再利用されます。例えば、プラスチックは粉砕されて中国に送られ、ファイバー状に加工された後、エジプトに戻ります。しかし、この地域の住民は政府や企業からの援助が受けられず、長引く不況の影響も受けています。

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平均寿命わずか50歳、彼らがいなければカイロはゴミであふれる

マンシェット・ナセル地区で暮らすザッバリーンの人々は、非常に過酷な環境下で働いており、平均寿命はわずか50歳と言われています。しかし、彼らがこの仕事を行わなければ、カイロの街はゴミであふれかえることになるでしょう。過去に多国籍企業がゴミ収集業に参入しましたが、彼らは街中までゴミを拾いに行かなかったため、カイロのゴミ問題が悪化したとされています。

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強盗集団が地域住民の安全を守る

マンシェット・ナセル地区は、約8万人の人々がゴミ回収で生計を立てている場所であり、ゴミ以外の点では一般的な街と大差ない様子が見られます。

犯罪率も比較的低い傾向がありますが、これはハンガラニーヤと呼ばれる強盗集団が、エリア内でのIS(イスラム国)の活動を排除しているためとされています。

テロ活動が少なく、ハンガラニーヤに対して住民が好意的な理由は、エジプトではスラム街の犯罪よりもISのテロ活動の方がより危険だと認識されているからです。このため、ハンガラニーヤがISを排除していることで、地域住民は安全が守られていると感じているのでしょう。

スラムに暮らすコプト・キリスト教徒とリサイクル

マンシェット・ナセル地区の住民の多くがコプトキリスト教徒であることが、手首や首に小さな十字架のタトゥーという形で表現されています。コプト・キリスト教は古代キリスト教の一派であり、エジプトのキリスト教徒の大部分を占めています。

「コプト」はアラビア語の「Qibt」または「Gibt」に由来し、ギリシャ語で「エジプト」を意味する「Egyptos」から来ています。「Egyptos」は、古代エジプト語で「Hikaptah」(現在のメンフィス)を指す言葉をギリシャ語に訳したものです。

エジプトはイスラム教を主要な宗教とする国の1つですが、人口約9,000万人のうち10-15%、つまり900万人~1,350万人がコプトキリスト教徒です。コプト正教会は、東方諸教会に属するキリスト教の一派で、福音記者の聖マルコによって西暦42年頃に設立されたとされています。

エジプトのキリスト教は、7世紀に到来したイスラム教よりも古い歴史を持ちます。また、キリスト教世界では、ローマ・カトリック、東方正教会、プロテスタントという三大宗派とは異なる独自の立場を持っています。コプトキリスト教徒は、エジプトの宗教的多様性を示す重要な存在であり、その信仰と文化は長い歴史を持っています。

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コプト教徒のザッバリーンが支える

実はザッバリーンを構成しているのは、ほとんどがコプト教徒(エジプト国民の少数派)です。1940年代に上エジプトの農村部からカイロに移住し、ゴミ産業に参入した土地なし農民が多く住んでいます。

もちろん、すべてのコプト教徒がここに住んでいるわけではなく、また、マンシェット・ナセルにはコプト教徒以外の住民もいますが、多くのコプト教徒がこの地域に暮らしていることは確かです。

彼らはゴミのリサイクルを生業とし、ビルの中には住居と倉庫が併設され、廃材やペットボトルがフロアごとに分類されています。一見混沌としたカオスに見える場所ですが、実は秩序があるのです。彼らのリサイクル率は、普通の商業リサイクル業者よりも高いとされています。

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コプト教徒が作り出したカイロの「ゴミの町」

マンシェット・ナセルの歴史は、1920~30年代にエジプト南部のコプト教徒がより良い生活を求めてカイロに移住したことに始まります。

かつてカイロ市はコプト教徒の街でしたが、時代が経つにつれイスラム教徒が多数派となり、コプト教徒は現在のマンシェット・ナセルに追いやられました。

最初は生ゴミを家畜の豚に食べさせていましたが、1970年頃からカイロのゴミを収集し、お金を稼ぐようになりました。コプト教徒はイスラム教を信奉していないため、豚を飼い、豚肉も食べます。なお、カイロにはマンシェット・ナセルのような「ゴミの町」が合計6カ所存在しています。

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「ゴミの町」での養豚とリサイクル

エジプトでの養豚は、ゴミのリサイクルと密接に関係しています。市街地で集めたゴミを分別し、残飯は豚に与えて飼育します。豚は食肉工場に出荷され、分別された残りのゴミはリサイクル業者に出荷されます。コプト教徒のうち約35,000人が、マンシェット・ナセル地区でゴミ処理と養豚で生計を立てており、毎日約2,000台のトラックがゴミを運び込み、約60,000頭の豚が飼育されているとされています。

VOA News/YouTube
宗教的少数派が守り続ける独自の文化と生活習慣

一般的にはあまり知られていませんが、エジプトでも豚肉を食べることができます。コプト教徒は、イスラム教ではタブーとされる豚の飼育を行っています。かつてのカイロでは、豚の飼育が黙認される代わりに、豚の餌となる生ゴミが与えられるようになりました。

宗教的少数派であるコプト教徒は、人口の約10%を占めています。彼らは豚を扱っているため、蔑みを込めて「ザッバリーン(ゴミを集める人々)」と呼ばれることがあります。マンシェット・ナセル地区は、衛生的とは言えない生活環境であり、道路は未舗装のままです。そのため、多くのイスラム教徒はこの地区に入ることを避ける傾向があります。

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ザッバーリンの本業は豚のブリーダー

マンシェット・ナセル地区の住民は、他の街の人々からザッバーリンと呼ばれることがありますが、彼ら自身は自分たちのことを「Zaraeeb」(豚のブリーダー)と呼んでいます。

First 2 Know/YouTube
豚による生ゴミの再利用がもたらす環境・経済効果

ザッバリーンのコプト教徒は、人間が食べ残した生ゴミを豚に与えて飼育していました。これにより、生ゴミがリサイクルされ、環境にも良い影響を与えていました。豚はこの生ゴミを消費し、その後肉として利用されるため、廃棄物の処理と同時に食料資源としても役立っていました。

「豚インフルエンザ」の風評が招いた混乱

2009年に流行したH1N1型インフルエンザウイルスは、「豚インフルエンザ」という名前が付けられましたが、実際にはヒトを介して広がるウイルスであり、豚からの直接的な感染は確認されていませんでした。しかし、その名前のせいでエジプト政府は飼育されている全ての豚を殺処分する措置を取りました。

エジプト全土で25万頭を処分

世界保健機関(World Health Organization、WHO)が、豚から人への感染を示す確証はないと発表していたにもかかわらず、エジプト当局は全土で約25万頭の豚の殺処分を開始してしまった。

エジプト政府によれば、鳥インフルエンザの人への感染例は68件報告され、26人が死亡していましたが、豚インフルエンザの感染は確認されていませんでした。しかし、隣国イスラエルで感染が発表されたことから、エジプト政府は警戒を強めていました。このような経緯があり、飼育されていた豚の殺処分が行われたのです。

コプト教徒に大打撃

エジプトでは、イスラム教徒が多数派を占め、豚肉を食することを禁じています。そのため、養豚業を営むのは、主に少数派のキリスト教系コプト教の信者たちです。

「回収するゴミのほとんどは食い残しの生ゴミ。豚がいなければゴミ処理全体が成立しない」豚の殺処分が行われた際、彼らの生活手段が奪われることを懸念して抗議が起きました。

さらに、一部の信者は、イスラムの教えの押し付けで、宗教差別だとする批判の声を上げた。コプト教徒人口の1割を占める、外国からの移住者も同じく反対の姿勢だった。

政府は補償金の支払いを約束し、コプト教会総司教シェヌーダ3世も宗教対立の激化を懸念し、政府の決定を受け入れるようにとの立場を示しました。

養豚業奪われ、多くの人々がゴミ回収の仕事から離れる

全頭殺処分から約半年後、いくつかのムスリム・コプト教徒間の衝突が見られたものの、事態はほぼ沈静化しました。しかし、養豚業を奪われたゴミの町では、多くのザッバリーンがゴミ回収の仕事から離れました。

豚の撲滅とともに失われたエジプトのゴミ処理の秩序

その結果、カイロ市内は途端に生ゴミがあふれ、異臭が漂うようになりました。一方で、「豚の場所」ではヤギなどが飼育され始めました。豚を飼育していたコプト教徒は、新たな生活の道を模索しながらも、ゴミ処理の状況は変化し続けました。

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ゴミ問題の浮上により再び豚がゴミ処理の役割を担う

現在は再び豚の飼育が始まっています。一向に減らない生ゴミの問題が続く中、再び「豚の場所」が必要とされているからです。政府は、違法としながらも実情を鑑みて黙認せざるを得ない状況となったためです。

豚が再びゴミ処理の役割を担うことで、ゴミ問題の緩和や環境への影響が低減され、コプト教徒にとっては、豚の飼育が再び可能になることで、彼らの生計が改善されることが期待されています。しかし、宗教対立や衛生面の懸念が依然として存在するため、今後の状況に注意が必要です。

政府がゴミ処理を外国企業に委託するもゴミが散乱

マンシェット・ナセル地区は、偏見と時代の荒波にさらされながらも、たくましく生き残ってきました。2003年に政府が欧州企業を招いてごみ処理を委託したことにより、市民が決められた場所までゴミを持ち出し、そのゴミを会社が集めるという新しいシステムが導入されました。これは日本でも行われている方法です。

しかし、市民が新しいシステムに慣れていないため、街はゴミであふれるようになってしまいました。思い思いの場所にゴミを捨てる市民が増えたため、市は意識の高い市民に依頼し、啓蒙運動を展開しました。新しい方法を周知するために努力を続けました。

ザッバリーンの独自のシステムが街を救う

結局、ザッバリーンがカイロ市内のアパートを一軒ずつ回ってゴミを収集する周到さを見せ、欧州企業は撤退しました。このことから、ザッバリーンの独自のシステムが、結果的にカイロのゴミ処理に貢献していることが証明されました。

ゴミの町の子どもたちの未来を拓く「リサイクリングスクール」

かつては一家総出でゴミ収集に従事していたため、学校に行けない子どもが多くいました。しかし、2001年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)などが協力して、「リサイクリングスクール」という学習支援プロジェクトを設立しました。これにより、ザッバリーン地区の子どもたちが教育を受ける機会が増えました。

この取り組みによって、親たちも教育の重要性に気付くようになり、子どもたちが高校や大学に進学するケースが増えています。リサイクリングスクールは、ゴミ収集という困難な状況にある地域の子どもたちに、教育を通じて将来の可能性を広げる重要な役割を果たしています。

TRT World/YouTube

スラム街を越えて、聖サイモン教会と信仰の力

マンシェット・ナセルにあるケープ・カセドラル教会は、聖サイモン・ザ・ターナーを記念して建てられました。座席数15,000を誇り、中東でも最大の教会の一つです。

聖サイモン教会はカイロ市街地から少し離れたムカッタムという地区の丘の上に位置しています。ここへ行くためには、マンシェット・ナセルというスラム街を通らなければなりませんが、イスラム教が国教のエジプトで少数派であるコプト教徒たちにとって、祝日や祭りだけでなく、毎週行われる礼拝にも何千人もの信者が訪れる重要な場所です。

lnspiration/YouTube
正式名称:聖シモンタナー修道院

正式には聖シモンタナー修道院として知られているカイロの洞窟教会は、聖シモン(聖サマーンまたは聖シメオンとも呼ばれる)が行ったと信じられている奇跡に敬意を表しています。

伝説では聖シモンはモカッタム山を動かしたと言われています。

1974年に地元の男性が穴に落ち、そこに自然の大きな洞窟があることが分かりました。長い祈りの時を経て、1991年に岩を砕き、取り除く作業が始まりました。1994年には数千人を収容できる大聖堂が完成し、周辺には修道院や教会が点在しています。これらの建物はすべて石灰岩盤を切り込んで造られています。

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映画「GARBAGE DREAMS」が写したザッバリーンのリサイクル活動とその営み

「Garbage Dreams」は、エジプト系アメリカ人の映画製作者マイイスカンダルが制作・監督したドキュメンタリー映画です。この映画では、ザッバリーンがカイロ市内から毎日6,000トンのゴミを収集し、そのうち80%をリサイクルするという驚くべき活動を描いています。

garbagedreams/YouTube
カリグラフィが彩るエジプトのコミュニティー活性化プロジェクト

エル・シードは、カイロ郊外のマンシーヤ・ナーセルにある50棟の建物にアラビア文字のカリグラフィを描くことで、地域コミュニティの活性化に貢献しました。彼のプロジェクトは、モカッタムの丘の上から見ると、建物に書かれたアラビア文字のカリグラフィーが浮かび上がります。このプロジェクトには、コプト教の教会も含まれており、聖アタナシオスの言葉「陽の光をはっきりと捉えたくば、まず己の目を净めよ」が描かれています。

eL Seed/YouT9be
ザッバーリンへの偏見を破壊するため

エル・シードは、このプロジェクトを通じて、ザッバーリンに対する偏見を打ち壊し、誤った考えを一掃することを望んでいます。

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