【世界のスラム街】チョコレイトの街?アフリカ最大級のスラム「キベラ」

【世界のスラム街】チョコレイトの街?アフリカ最大級のスラム「キベラ」

created by Rinker
インド、フィリピン、ペルー、グアテマラ、エジプト、ケニア、ウガンダ――そのスラムに潜む、希望、貧困、性、子どもと老人、疫病、安寧、犯罪、幸福…。 スラムは富以外のあらゆるものを内包して、まるで生命体のように際限なく成長していく。 世界中のスラム街を鮮烈に撮り下ろした衝撃の写真集。(「紀伊國屋書店」データベースより)

Kenia

超絶格差国家!ケニア

Matador Network/YouTube

ケニアはブラック・アフリカ諸国の中で日本から最も近いアフリカの玄関とも言える国で、そのイメージどおり、豊かな自然が残り、野生生物が多く生息しているのに加え、ナイロビという近代都市を擁しつつ伝統的な文化を守り続ける人達も多く暮らしているという一面もあります。

ケニアの旅行情報/アフリカ旅行の道祖神

ケニア経済は現在、好景気にあるが、インフラと政府のサービスでは、首都ナイロビとそれ以外の地域には巨大な格差がある。北部では、その格差が特に大きいことが実感できる。道路は極めて劣悪で、電話回線も悪く、まともなインフラもない。

【記者コラム】過酷な状況下、尊厳をもって生きる人たち──ケニアの不毛地帯/AFPBB News.2019

ケニアの初等教育は完全無償化されていますが、給食費や制服を支払うお金がなく、学校に通うことのできない子どもたちが少なくありません。

ケニア・ナニュキの貧困地域における小学校での体育ボランティア/立命館大学

 ケニア社会の極端な格差は、世界でも例を見ない。5300万人の人口の0.1%以下が、その他の99.9%よりも多くの富を所有する。

アフリカの大都市、ナイロビの新型コロナ対策 外出禁止令で格差が浮き彫りに/ナショナルジオグラフィック.2020

首都ナイロビの治安

Bangkok Musings/YouTube

大自然のイメージがあるケニアですが、首都のナイロビは大都会。

きっかけは偶然の出会い IT×教育ビジネスでケニアの課題解決(2019年11月02日放送)/UMKテレビ宮崎

ケニアの首都ナイロビは、19世紀末から20世紀初頭にかけてウガンダ鉄道を敷設の際に工事の中継地点として開拓された土地で、わずか1世紀で近代的な大都市へと発展を遂げ、現在は東アフリカを代表する世界都市です。

ナイロビ / ケニア /旅行提案サービスTAVITT
危険な都市

首都ナイロビのダウンタウン周辺の治安は良くありません。「シティー・センター」と呼ばれるナイロビ中心街やウエストランド地区では、白昼堂々と窃盗や武装集団による強盗、麻薬がらみの犯罪が横行しています。そのため、お土産探しや買いものをしに街へ繰り出す際も絶対に油断は禁物です。

【ケニアの治安】ナイロビでも危険地域は回避!情報収集をしておこう/Skyticket.2018

数百のスラムが点在

ナイロビには200ほどのスラムが点在しており、そこで生活する人口は250万とナイロビの総人口の60パーセントを占めます。半分以上の人がスラムで暮らしているのです。それに対しスラムの居住面積はナイロビ全体のたった6パーセントであり、家屋の数は250,000戸。所狭しとトタン屋根の家が折り重なっている状態です。

あなたも知っておいた方がいい、接着剤で空腹と寒さを凌ぐキベラスラムの真実/TABIZINE.2016

ナイロビには、自然発生的に生まれたスラムが100以上存在するが、キベラはそのなかでも最大だ。

アフリカの大都市、ナイロビの新型コロナ対策 外出禁止令で格差が浮き彫りに/ナショナルジオグラフィック.2020
created by Rinker
 「忘れられた子供たち スカベンジャー」「神の子たち」でフィリピンのマニラ近郊にある巨大ゴミ捨て場“スモーキーマウンテン”に暮らす人々をカメラに収めた四ノ宮浩監督が、三たび同地を訪れ、一作目「忘れられた子供たち スカベンジャー」に登場した人々のその後を追ったドキュメンタリー。(「allcinema」データベースより)

Kibera

その規模はアフリカ大陸で2番!!大規模スラム「キベラ」

snapfilmskenya/YouTube

 ケニアのナイロビにあるキベラは、アフリカで2番目、そしてケニア最大のスラム地域だ。

ケニアのスラム街でコロナウイルスを模したヘアスタイルが流行中/ガラパイア.2020
この投稿をInstagramで見る

Disegno(@disegnodaily)がシェアした投稿

隠されたエリア
SMART EDGE MEDIA/YouTube

ナイロビは大都市だから、いくつかの地区に分かれていて、それぞれに特徴のあるタウンを形成している。ガイドブックを見ると「旅行者には危険なダウンタウン」や「治安が悪い商業地区」のことは書いてあるが、キベラ地区の記述はない。観光地図にも表示されていない。

[19] キベラから(1)/TANZANIA & KENYA

キベラスラムは、ケニア政府から認可された場所ではなく、出稼ぎに来た人々が暮らす不当滞在地区という認識がされています。

アフリカ最大級のスラム街、キベラスラムを訪れて 高橋沙織/ALL ABOUT AFRICA.2019
「チョコレイト・シティ」
_Y4A8574

キブラは舗装されていない土地で家々の間は泥で埋まり、また汚れたトタン屋根が並ぶために、その色から「チョコレイト・シティ」とも呼ばれています。

オクトピッゾ 『チョコレイト・シティ』/芽瑠璃堂

100万人以上が生活!?

P1030680

2.35㎢ほどの広さに約800,000人が暮らしています。住人の正確な数は不明ですが、仕事を求めて隣接国から移り住んでくる人々も多く、年々増え続けています。120万人以上が住んでいるとも言われています。

EMでスラム街が変わる/EM GROUP JAPAN

ナイロビ全体の人口が約400万人なので、少なくともナイロビの人口の4分の1もの人がキベラに住んでいることになります。

ナイロビにある巨大スラム ”キベラ”。/世界ほろり旅.2015

東京ドームおよそ50個分ともいわれる広さの場所に、人々がひしめき合うように暮らしている。

シリーズ 最後の巨大市場 アフリカの攻防④富裕層とスラム街…拡大する“貧富の差”/FNNプライムオンライン.2019
この投稿をInstagramで見る

Geo Cities(@geo_cities)がシェアした投稿

キべラを横断する電車

Whitworth Media/YouTube

キベラのスラムは、ナイロビとキスムを結ぶ鉄道の線路沿いに展開しているが、その線路脇にはさまざまな生活用品を売る屋台のような簡単な店が延々と軒を連ねている。廃タイヤからゴム草履、古いブリキから鍋やフライパン、廃材から家具というような、資源をリサイクルして製造・販売する、おもに男性による手仕事もあれば、仕立屋や美容院など女性が活躍する商売など多種多様の仕事場が混在している。

ケニア・ナイロビのスラム街キベラにおけるトイレを中心とした衛生環境と地域社会/水野一晴(京都大)
この投稿をInstagramで見る

マゴソスクールを支える会(@magosojp)がシェアした投稿

この投稿をInstagramで見る

Kibera Hope Academy(@kibera_hope_academy)がシェアした投稿

ルーツは傭兵への褒美

名前は、kibra(ヌビア語:森、ジャングル)に因む。1918年、ヌビアの兵士は第1次世界大戦とそれ以前の戦いの功績への褒美として、ナイロビ近郊の森林に位置する居住地を拝受。

アフリカ/ケニア共和国/KENYA/首都ナイロビ/barsdesign – bians
使用人を同居させるようになり、様々な民族が居住してきた

キベラでの居住を許可されたのは、 退役軍人のヌビアンだけであったが、当時 比較的裕福な生活を送っていた彼らは、家 事手伝いや畑仕事に必要な使用人も同居さ せるようになった(その多くは、ナイロビ とその周辺に居住するケニアの民族キクユ、 メルー、カンバの男子)。使用人が結婚する と、その家族もキベラに居住するようにな り、やがてキベラには、ヌビアンだけでな く、現地のケニア人も次第に居住するよう になっていった(Smedt 2009b)。

ケニアのスラムに暮らす小学校修了者の進学機会─世帯背景からみた障壁─(pp.127-128)/大塲 麻代.広島大学教育開発国際協力研究センター『国際教育協力論集』第 15 巻 第 1 号(2012) 127 ~ 138 頁
次第に不法占拠をする人々が増加

人口 300万人を超す東アフリカ第一の都会ナイロビには 郊外に出稼ぎ民の居住地区がある。その一つは、19 世紀末 にスーダン南部からイギリスが強制連行してきたヌビア 人傭兵のための軍用居留地であったものが、1940 年代以降 からスクウォッター(不法占拠)化し、出稼ぎの町となっ た南部のスラム街、キベラ地区である。キベラは、植民地 政府が計画的なナイロビの都市開発を推進しようとした 際に、抵抗としてヌビア人らはキベラに無許可で長屋をつ くり、ルオなどの出稼ぎ民たちに賃貸したため、キベラの 人口は急増することとなった(現在推定人口約 100万人)。

ケニア・ナイロビのスラム街キベラにおけるトイレを中心とした衛生環境と地域社会/水野一晴(京都大)

多民族が住む巨大なスラム街に変貌

Y1A1237 Nairobi

(前略)ナイロビのキベラは、キクユ、ルオ、ルイヤ、カレンジンを中心とした多民族から構成される地域である。

【2014年度派遣報告】八木達祐「スラムツアーの現在ー観光と住民のコンフリクトを中心にー」/アフリカの潜在力を活用した紛争解決と共生の実現に関する総合的地域研究.京都大学

また、ロンズデールの言葉をひきながらキベラの土着性を論じた慶田によれば、多くのケニア人は自身が移民であることを意識し「先住民」が誰なのかについては曖昧にしており、国内外から集まった帰属が曖昧な人々によってキベラは構成されているという。

【2014年度派遣報告】八木達祐「スラムツアーの現在ー観光と住民のコンフリクトを中心にー」/アフリカの潜在力を活用した紛争解決と共生の実現に関する総合的地域研究.京都大学

長くは生きられない“危険地帯”

Masaya Onishi/YouTube

キベラは東アフリカのケニアに位置する、世界で最も貧しいと言われるスラム街だ。人々の平均寿命は30歳。衣食住さえ、ままならず、病気、暴力、飢えは当たり前の日常。日本に暮らす私たちには、決して想像することの出来ない世界である。

世界最貧困のスラムに暮らす少女。『A Girl’s Life – In Kibera』/CREM.2015

キベラでは強盗のほかにレイプ被害も多い。狙われるのは大抵が狭い路地を歩いている女性で、複数で空き家などに連れ込んで犯してしまうそうだ。

スラム街で一番怖い存在は「犬」という衝撃事実危険地帯ジャーナリストが見た世界の闇/東洋経済オンライン.2020

さらに、レイプされた女の子の母親が、誰がレイプしたかを知っていても、口をつぐみ、泣き寝入りすることが多い。それは、スラムの生活事情に起因する。警察に訴えて逮捕されたとしても、賄賂を払いすぐに出所する。その後、仕返しされる。

Tetea mtoto 〜子どもを守って〜 (キベラスラムでレイプされる子どもたちについての歌)/マゴソスクールを支える会.2020
この投稿をInstagramで見る

Thomas Otieno Bwire(@thomasbwire)がシェアした投稿

この投稿をInstagramで見る

Alex Artz(@don_eklat)がシェアした投稿

過酷すぎる・・・キベラでの暮らし

トタン屋根の小屋がひしめく地だ。雨で土が流された穴を埋めるためか、瓦礫のようなとがった岩石がまかれた道があったり、両脇のみぞに汚水がたまったりと、厳しい暮らしぶりが分かる。

キベラの微笑み/アフリカをさるく.書肆侃侃房.2010

キベラスラムの住人の半分以上が働いておらず、食べるものも十分にありません。犯罪率も高く、ある調査では、3ヵ月以内で犯罪を目撃した住人はなんと98.8%。多くの犯罪組織が裏で活動しています。

「キベラを救いたい!」2人のケニア人青年がA-GOALプロジェクトと協力して地元スラムに食料とマスクを届ける!/Africa Quest.com〜アフリカ専門ニュースメディア〜.2020

電気や水道が引かれている家はほとんどなく、1日の平均世帯所得はおよそ200円以下だ。

「コロナにおびえている暇はない」アフリカ最大級のスラム街は今 写真15点/ナショナルジオグラフィック

いくつかの学校がありますが、失業率が高く、ほとんどの人が、自分の子供の教育に支払うお金の余裕さえないのです。

40ドル寄付することによって、あなたはキベラのスラム(ナイロビ、ケニア)での子供たちの生活を5年間向上させることができます!/EcoZoom エコズーム公式.2015

人々の収入源は様々で、家賃収入で生計を立てる人もいれば、野菜や果物を仕入れて販売する人、マンダージ(揚げパンのようなもの)を作り売る人たちなどがいます。キベラスラムに住んでいても、5つ星のホテルで働いている人もいるそう。キベラスラムへの愛着がある人や、ナイロビで働いていても家賃が高く仕方なくキベラスラムに住んでる人など本当に様々です。

【ケニア】スラム街ツアーに参加して/たびこふれ
この投稿をInstagramで見る

marcelokiwi(@marcelokiwi)がシェアした投稿

スラムの不動産事情

ケニアのナイロビにある世界最大級のスラム街キベラでは、どこの家もトタン屋根で、お世辞にも立派とはいえないのだが、平均家賃が毎月1000円〜3000円だった。これは誰に対して払われているのかというと、上モノ(家屋)を建てたオーナーに対して支払っている。違法であろうと、上モノを建てた人が専有しているのだから、その人のモノであるという考え方なのだ。

スラムの沙汰もマネー次第、です【ケニア編】──犯罪ジャーナリスト、丸山ゴンザレスにとっての「お金」/GQ Japan.2018

溢れかえるゴミ

キベラには、ゴミやくず、ホコリ、チリなどがあふれている。

ピラミッドの底辺への投資と持続可能な開発/国連大学.2011

キベラには、いたるところにごみが散乱しています。これは、近年、急速に増加している先進国からのプラスチック製品の輸入に、国内のゴミ処理機能が追い付いていないことが最も大きな原因のひとつであると考えられています。

スラム街の生活/岡本葵.神奈川学園中学・高等学校

(前略)キベラの場合、市役所が設置したゴミ捨て場が西部の舗装道路沿いに数ヶ所あるだけで、大部分の人がそこまでゴミを運べないことが、ゴミを片付けられない要因となっています。これらのゴミのなかでビニール袋が特に目につきますが、低温で燃やすとダイオキシンが発生し、リサイクル資源としても回収されません。キベラのゴミは、川に捨てられ、大雨が降ると一気に下流に運ばれ、ナイロビダムに堆積しているのです。

「世界環境の日」クリーンアップキャンペーン/AMDAケニア事務所.横森健治.AMDA
この投稿をInstagramで見る

Rebekka Plies(@malenmitlicht)がシェアした投稿

下水道なし!流れる汚水

家庭排水は、家と家の間をそのまま流れ、共同の排水路に流れ込み、腐敗、悪臭、ハエの発生を引き起こし、劣悪な衛生状態になっています。

EMでスラム街が変わる/EM GROUP JAPAN

また、下水溝がむき出しで排水設備が整っていないため、人間や動物の排泄物、その他あらゆる類いの排出物で汚染されている。

ピラミッドの底辺への投資と持続可能な開発/国連大学.2011

貧困と不衛生、それに栄養不良が相まって、多くの病気を引き起こしている。

ピラミッドの底辺への投資と持続可能な開発/国連大学.2011
この投稿をInstagramで見る

Ahmet Eren Uzun(@a.erenuzun)がシェアした投稿

この投稿をInstagramで見る

REIVAJ(@javiwildwild)がシェアした投稿

“アレ”が宙を舞う「トイレ問題」

slumstoriesTV/YouTube

トイレも限られており、20~40世帯に1つのトイレがあるくらいで長屋で共用であり、トイレが無い場合は公衆トイレを有料で使用するため、経済的にも公衆衛生上でも問題があります。

SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」のターゲットとなる「スラム」の実態とは/gooddo

トイレは共同で、そこの汚水は何処へ行っているのかは確認しませんでしたが、想像が頭の中を駆け巡ります。

アサンテナゴヤ/特定非営利活動法人 アフリカ支援
トイレが少ない原因は?

トイレが少ないのはキベラスラムがある岩盤に問題があります。岩盤は固く、トイレを作るためにはここを掘削しなければならないため、家を建てるより建設費がかかることが要因になります。

SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」のターゲットとなる「スラム」の実態とは/gooddo
「フライングトイレ」

キベラには上下水道や電気などの基礎インフラが存在せず、水周り設備が各家庭にありません。トイレがないために、住民は外で用を足すか排泄物をビニール袋などいれて、外に投げ捨てるかしか方法がありません。これが悪名高きキベラの「フライングトイレ」です。

アフリカビジネス事情 スラムのバイオガストイレが企業化?/杉本寛子.アフリカビジネス事情 2013年5月
飲水は貴重……でも問題が

飲み水は、市役所の水道を使いますが、お金のある人がそれぞれ水道管を個人的に引き、それを住人に売っています。

「世界環境の日」クリーンアップキャンペーン/AMDAケニア事務所.横森健治.AMDA

キベラには水道管が敷かれているが、老朽化が進んでおり水道管から漏れた水がコレラなどの病気を引き起こす。川への水汲みに毎日2時間ほどかける人もいるが、その川の水は清潔だとは言い難い。

「安全な水」のための建築アイデア。ケニア発、竹とプラスチックの水道センター/IDEAS FOR GOOD.2020

子供たちの救いの場所「マゴソスクール」

Chiaki Hayakawa/YouTube

過重労働に加え、医療の恩恵を受けられず、30代や40代で亡くなる人が多く、スラムには残された孤児が増え続けています。親をなくしたり、住む場所を失った子どもや、周辺の貧しい大人に売られ労働させられていた子どもたちを救済するために建てられた寺子屋が「マゴソスクール」です。

7/10 ケニア・キベラスラムから命の輝き~希望を生み出すみんなの学校~【名古屋】/国際交流の船旅 NGOピースボート

 ケニアの首都ナイロビの中心から5kmほど離れたアフリカ最大規模のスラム街、キベラスラムにある学校。

聖学院大学が6月27日に特別講演会「ケニアのスラム街で生きる子どもたち」を開催 — 地球のより良い未来について考える/大学プレスセンター – 大学通信の広報支援サービス.2017

マゴソスクールは、孤児、元ストリートチルドレン、労働させられていた子、虐待を受けた子どもたちの駆け込み寺となっている。子どもたちだけではなく、若者も大人も集まる。困った状況にある人たちが共に生きていく場所になっていて、家族のように生活をする人たち(マゴソファミリー)が常時約30人くらいいるという。

はじめましてアフリカケニアの村や首都最大のスラムを訪ねて/monosus.2018

(前略)スラムの貧困者のための職業訓練所(洋裁と大工)と作業所、毎日の朝昼の給食、高校生のための奨学金制度などを運営し、2014年には、障がい児のための特別学級を開設。

聖学院大学が6月27日に特別講演会「ケニアのスラム街で生きる子どもたち」を開催 — 地球のより良い未来について考える/大学プレスセンター – 大学通信の広報支援サービス.2017

幼稚園児から小学8年生までの約600人が通い、ケニア人女性のリリアン・ワガラさん(50)たちが運営しています。リリアンさんの熱意に共感した早川千晶さん(53)たちが支援しているのも特徴です。

アフリカ最大規模のスラムにある学校で弾ける子供たちの笑顔と夢/朝日新聞GLOBE+.2020
この投稿をInstagramで見る

マゴソスクールを支える会(@magosojp)がシェアした投稿

この投稿をInstagramで見る

マゴソスクールを支える会(@magosojp)がシェアした投稿

はじまりは1999年

キベラスラムで生まれ育ったリリアンさんが1999年、スラムの長屋の一室で孤児を集めて始めた寺子屋が、マゴソスクールでした。その後、早川 千晶さんが加わり二人三脚で発展を続け、ケニア、キベラを襲う様々な危機や困難を乗り越えてきました。その度に子どもたちの数が増え、音楽活動、朝昼の給食、ジュンバラワトト、OBOGクラブ、障がい児特別学級など、様々な事業を展開しています。現在は600名を超える子どもたち、卒業生たち、支える大人たちが共に生を営むBig Familyになりました。

マゴソスクールを支える会様へ支援金とノートパソコンを寄付しました/提案型モノづくり企業 原田車両設計.2020
早川千晶さんって?

ケニア在住28年。キベラスラムのマゴソスクール主宰。世界放浪の旅の後ケニアに定住。
ナイロビ最大級のスラム・キベラで、孤児・ストリートチルドレン・貧困児童のための駆け込み寺・マゴソスクール、海岸地方ミリティーニ村にジュンバ・ラ・ワトト(子どもの家)を運営している。
スラム住民の生活向上、マサイ民族のコミュニティと共に行うエコツアー、大自然体験キャンプ、フェアトレード活動、CD制作などを手がけている。
著書に、「アフリカ日和」(旅行人)。 1999年から日本全国各地でアフリカトーク&ライブのツアーを展開している。

早川千晶ブログ/マゴソスクールを支える会
「キベラの状況を知ってほしい」早川千晶さんのツアー

キベラスタディツアーは、キベラスラムで生きている人々が、外の人たちに知ってもらいたいこと、その生活の状況や社会状況、困難な中どのようにして生き抜いているかなど、スラム住民たちが伝え、交流をすることで、お互いの学びの場にしていこうという主旨のもとに行われています。

キベラスラム見学現地ツアー/マゴソスクールを支える会

日程や詳細などは早川さんのFacebookなどに記載されています。値段は人数によって変動するようですが6000ケニアシリング前後。

【ケニア】アフリカ最大規模のスラム「キベラスラム」は想像を絶する世界だった!/世界を旅するガイドブック Photrip フォトリップ

【無慈悲】政府による強制撤去

Thomson Reuters Foundation/YouTube

政府によるキベラスラムの強制撤去が、2017年より始まりました。

アフリカ最大級のスラム街、キベラスラムを訪れて 高橋沙織/ALL ABOUT AFRICA.2019

 中国の援助で建設された、あるいは建設中の高速道路、バイパスがキベラスラムのど真ん中をぶち抜いている。当然そこに暮らしていた住民たちは強制的に排除された。キベラにはナイロビ市の5分の1くらいにあたる、100万を超す人間たちが暮らしている。ルワンダでもそうだったが、成長と発展を急ぐ途上国にとって、強制移転に伴う人権以上に、インフラ整備は緊急の課題ということだ。確かに街中の渋滞は緩和され、車の流れはスムーズ。渋滞から来るビジネス的損失を考えれば、生産性は上がったかもしれない。

ケニアの現場で一帯一路を知る×サファリで大自然を堪能~2019年夏ケニアスタディツアー~【No.1】/「現場へ行こう」.現場体感型アフリカ・スタディーツアー

実はキベラに住めるってことは、低所得層のなかではエリート。最近は政府がスラム街をなくそうと、掘っ建て小屋を壊してマンションを建てているんです。が、立ち退いた低所得者が、そのマンションに住む権利をお金持ちに転売しているんです。

多分一生行か(け)ない!? 世界の危険地帯に潜入/Esquire
マゴソスクールも強制撤去のしるしが……

コロナでこんなに大変な時なのに、こんな時にキベラスラムの強制撤去のしるし付けが来ました。これから2週間以内に強制撤去するとのこと。

【キベラスラム近況 5/21】/マゴソスクールを支える会

助け合いながら力強く生きる住民たち

MADE IN KIBERA/YouTube

土壁にトタン屋根をかぶせただけの崩れかけたような長屋に住みその住 まいには電気も水道もなかった。スラムと は違法の居住区のことで、他にどこにも行 きようのない貧しい人々が空き地に掘っ立 て小屋を建て、そこに次から次へと貧困者 が流れ込んできて、想像を絶するような人口密集度で暮らしている。

ケニア発 ケニアのスラムに生きる/早川千晶

しかし、実際に行ってみると、貧しく、電気も通っていないようなところで明るくがんばっている人たちを見て驚かれます。

「ケニア雑学入門」 企画の意図/アフリカ旅行の道祖神

スラムの貧困者たちは人と人のつながり の輪の中で生きていた。誰かが病気になっ たときや、火事で焼け出されたときは、友人、知人、近所の人々や同じ地方の出身者 などが集まり、なけなしのお金を出し合い、 困っている誰かを助ける。身寄りのないお 年寄りが病に倒れ、寝たきりになったとき、近所の人々がその人に食べ物を届け、体を 洗ってあげている姿を見た。親が病に倒れ た子どもたちを自分の家に連れていき、食事をさせる近所の人々もいた。

ケニア発 ケニアのスラムに生きる/早川千晶
この投稿をInstagramで見る

Kelvin Juma(@kelvinjumaphoto)がシェアした投稿

この投稿をInstagramで見る

FABA.(@forafricans)がシェアした投稿

この投稿をInstagramで見る

Put A Smile On A Childs Face(@putasmileonachildsface)がシェアした投稿

created by Rinker
インド、フィリピン、ペルー、グアテマラ、エジプト、ケニア、ウガンダ――そのスラムに潜む、希望、貧困、性、子どもと老人、疫病、安寧、犯罪、幸福…。 スラムは富以外のあらゆるものを内包して、まるで生命体のように際限なく成長していく。 世界中のスラム街を鮮烈に撮り下ろした衝撃の写真集。(「紀伊國屋書店」データベースより)
Previous post 【世界のスラム街】“富裕層”に全てを奪われた地域「ビジャ31」<後編>
Next post 【世界のスラム街】“反アパルトヘイト運動”の最重要地「ソウェト」 <前編>

当サイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、GoogleやASP等のCookieが使用されています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについてはプライバシーポリシーをご覧ください

X