「アメリカに強大な資本家が誕生」ベアリング危機を救った“J・P・モルガン”【ロスチャイルド陰謀論】

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世界を震撼させた金融危機はなぜ起こったか?次の震源地はどこだ?数々の修羅場を経験した国際金融のプロが、その要因と背景を解き明かす。(「BOOK」データベースより)

J. P.Morga

影響力を増すJ. P. モルガン

John Pierpont Morgan at Harvard

その時代、強者が次々と富を独占していった

(前略)その当時のアメリカはロックフェラーの石油資本をはじめ、産業の工業化が急速に進んだ時期であり、企業が持ち株会社(トラスト)によって独占化を進めていたのである。この現象を「トラスト・バステイング」(Trust Busting)という。

第38回 アメリカの鉄道政策史(12) 米国独占禁止法/岡田清先生の「物流清話」.全国通運連盟.2011

鉄道産業においてこうしたことを行った事業家の筆頭は、J.P.モルガン(J. P.Morgan:1837-1913)である。彼は、ニューヨークのモルガン家を興した人物である。

近代における独占規制の歴史的起源とアメリカ/水野 里香.2010(p.23)
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独占禁止法は事実上効果なし

経済界では、ロックフェラーやカーネギー、モルガンなど大実業家が現れ、独占資本を形成したが、国民の反感うけ反トラスト法が成立した。しかし、これらの法律は独占化を阻止できなかった。

欧米各国の帝国主義(独占資本、ドレフュス事件、ロシア革命、米西戦争など) 受験対策問題 85/レキシントン/マナペディア

世界金融危機「ベアリング危機」

この時代に起こった危機の1つが、1890年の「ベアリング危機」です。

ゴールドの歴史④ 第一次大戦と「金本位制」の崩壊/Strainer.2019
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ベアリング商会って?

後にイギリス最古のマーチャント・バンクと呼ばれるようになるベアリング・ブラザーズは、始祖ジョン・ベアリング(JohnBaring)が、弱冠20歳で500ポンドの資金を携え、イギリス西部の商業都市エグゼター(Exeter)に上陸したことに始まる。それは1717年のことで、彼はドイツからの移民であった。ジョンは土地の有力者ヴォウラー家(Vowler)の娘エリザベスと結婚し、お茶、コーヒー、砂糖、スパイスなどを手広く商うと同時に、4人の息子と1人の娘をもうけた。息子の1人フランシス(Francis)は有能で、1762年ロンドンに進出し、店を構えた。彼はやがて貿易商人たちの資金調達の問題に気付き、手形の引受(acceptance)に乗り出し、成功をおさめた。

ベアリングズの崩壊/田中 文憲(p.2)
アルゼンチンに投資していた

ベアリング商会は、ロスチャイルドなどと並んで屈指の老舗マーチャント・バンカーであり、アルゼンチンの独立以降は長期にわたって政府公債の発行主体を務めることが多かった

第一次世界大戦前のアルゼンチン投資とイギリス農業不況/渡邉英俊.
経済科学論集(Joumalof Economics)第37号,2011年3月,63-82ページ(p.72)

“アルゼンチンのバブル崩壊”これが世界に金融危機を引き起こす!

 英国の資金に依存して経済を回していたアルゼンチンは、巨額の外資流入でバブル的なブームに沸いたが、その後バブルが弾け、アルゼンチンでは外債返済コストが輸出収益の60%に達した。1889年にアルゼンチンの公共事業債の新規発行に失敗したベアリング・ブラザーズは、アルゼンチン債の在庫を大量に抱え、流動性不足から資金繰り倒産の危機に瀕した。この「ベアリング危機」をきっかけに英国起債市場ではパニックが起こった。

ドルはポンドの轍踏むか、19世紀の危機が示唆する危機後の秩序/REUTERS.2008

1890年、革命が起きたことにより一挙に政情は不安定になる。これによってアルゼンチンは利払い不能に陥ってしまい、ベアリング・ブラザーズを破綻の淵に追いやることになってしまったのである。

ベアリングズの崩壊/田中文憲(pp.4-pp5)

タイミングは最悪で、1889年にはイングランド銀行の金準備が900万ポンドまで減少していました。倒産を避けるには、ベアリング家だけで最低400万ポンドが必要。

ゴールドの歴史④ 第一次大戦と「金本位制」の崩壊/Strainer.2019

イギリスはロスチャイルドが助け船

イングランド銀行は、ベアリング家のライバル、ロスチャイルド家に助けを求めます。両社は協力して1500万ポンドを提供。ロシアやフランスからも金を借り、なんとか債権者に負債を返却しました。

ゴールドの歴史④ 第一次大戦と「金本位制」の崩壊/Strainer.2019
「ゴールド(現物の金)がもっとあればこんな事にはならなかった」

信頼性、協調性をそれほど断固として信じていたが、1890年のベアリング危機により、全ての中央銀行は多くの金準備を保有する必要を痛感した。

金本位制をとる国々は無邪気に手を差しのべあった ゴールド94/F-130.note.2020
Gold bar with hundred dollar bills

中央銀行のないアメリカを救ったのが「モルガン」

この危機に英国NMロスチャイルドとJPモルガンが米国30年債6500万ドルを引き受け、この代金を金でデリバリーする事でアメリカは正貨危機を乗り切るという事件がありました。モルガンは中央銀行の代役を務めたわけです。

インベストメント・バンク 1/Porco Rosso Financial Weblog.2010
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さらに強力になっていくモルガンの影響力

ボーア戦争時の1900年、イギリス政府は戦時債券の募集を行います。ロンドンではロスチャイルド、アメリカではモルガンに依頼しました。この時モルガンはロスチャイルドと協調的な態度をとらず独自に高い手数料をイギリスにふっかけましたがイギリスは飲まざるを得ませんでした。(中略)ピアポントはビジネスでは抜け目なく利用しても「ユダヤ人嫌い」である事は公言していました。

インベストメント・バンク 1/Porco Rosso Financial Weblog.2010

 モルガンがアメリカとイギリス双方で力を蓄えるようになると、それまでロンドンで対立していたベアリング商会とロスチャイルド家は共通の敵を見つけたように以前ほどは反目しなくなっていきます。

インベストメント・バンク 1/Porco Rosso Financial Weblog.2010

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