世界一のダイヤモンド・シティー「アントワープ」①

世界一のダイヤモンド・シティー「アントワープ」①

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人々はなぜ、これほどまでにダイヤモンドに魅せられるのか? 新資料を基にダイヤモンドの魅力をあらゆる角度から検証する。 そして、光り輝くダイヤモンドが人間の文化にどのような影響を与え、どのような役割を果たしてきたか。現在に至るまでの「ダイヤ モンドと人々」との語られざる歴史を、わかりやすく紐解く一冊。興味深いカラー口絵写真30点余。(「Books」出版書誌データベースより)

Antwerp from Belgium

アントワープ

 ExpediaDE/YouTube

アントワープはベルギーの第二の都市であり、フランダース地方に位置しています。また、オランダ語が公用語となっており、フランス語よりもより広く使われています。同様に、ブルージュやゲントでも、フランダース地方に位置しているため、オランダ語が広く使われています。

アントワープの地名の由来についてはいくつかの説があります。ブラボーの伝説によれば、アントワープの名前は、巨漢のブラボーが巨大な手で投げた切符を受け取ったことから、”hand werpen”(手を投げる)に由来すると言われています。また、別の説では、アントワープの名前は、スカンジナビア語の”antrwif”(水路を通る場所)に由来するとされています。どちらが正しいのかは定かではありませんが、両方の説が伝えられています。

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名作「フランダースの犬」の聖地

日本アニメーション・シアター/YouTube

小説「フランダースの犬」は、1872年にイギリスで出版された児童文学作品であり、アントワープを舞台としています。この小説は世界中で愛され、多くの人々がアントワープを訪れるきっかけとなりました。アントワープには、小説に登場する犬の像があり、また、小説の舞台となった場所や関連施設が残っているため、小説ファンにとっては聖地ともいえる場所となっています。

ユネスコ世界遺産「ノートルダム大聖堂」

UNESCO/YouTube

アントワープのノートルダム大聖堂は、市内を代表する観光スポットのひとつであり、美しいゴシック様式の建築で知られています。この大聖堂は、1352年から1521年の間に建設され、高さ123メートルの塔が特徴的です。内部には、多くの宝物や芸術作品が展示されており、また、大聖堂からは市内を一望できる展望台も設置されています。ノートルダム大聖堂は、アントワープを訪れた際には必見の観光スポットです。

『フランダースの犬』のラストシーンは、アントワープのノートルダム大聖堂が舞台になりました。このシーンは、主人公の少年ニロが愛犬パトラッシュと共に死に向かっていく場面であり、感動的なラストシーンとして知られています。このシーンは、小説のファンにとっては特に印象深いものであり、多くの人々がアントワープを訪れてます。

世界一美しい駅「アントワープ中央駅」
Wanderlust Travel Videos/YouTube

そうですね、アントワープ中央駅は、1905年に開業した駅であり、世界でも有数の美しい駅のひとつとして知られています。駅舎は、ベルギーの建築家ルイ・ド・ラ・クエストによって設計され、ベルギー王立美術アカデミーの教授であるアントワーヌ・ヴァン・ドイノヴェンによって彫刻が施されました。駅舎の外観は、ベルギーのルネサンス様式やゴシック様式などを融合させた美しいデザインであり、内装には高い天井、美しいステンドグラスの窓、大理石の床、そして華麗な装飾が施されています。アントワープ中央駅は、観光客にとっても人気の観光スポットのひとつであり、美しい建築と歴史的価値を持っています。

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世界中の船が集まる!貿易の街として発展!

Skyliner/YouTube

アントワープは、16世紀頃からヨーロッパでも有数の貿易港として発展してきました。当時、アントワープはネーデルラント連邦共和国の一部であり、アントワープ港を通じて多くの商人や船乗りたちが出入りしていました。この時代には、アントワープはヨーロッパでも有数の貿易都市となり、芸術、科学、文学などの分野でも活気がありました。しかし、16世紀後半には、宗教改革の影響や政治的な混乱が起こり、アントワープの繁栄は一時的に途切れることとなりました。それでも、アントワープはその後も貿易港としての地位を維持し、現在でもベルギーを代表する港町として、活気ある街づくりが進められています。

Port of Antwerp/YouTube
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 1975年に放送された、大ヒットテレビシリーズ『フランダースの犬』。それから23年を経て、初の劇場版長編アニメーションとして復活。午乳運びをしてなんとか生計をたてていた少年ネロとそのおじいさん。ある日、二人は金物屋に酷使され、弱りきって野原に捨てられていた労働犬を拾う。その老犬はネロの3日3晩にわたる付きっきりの看病の甲斐あって、無事元気を取り戻した……。それは、後に深い絆で結ばれることになるネロとパトラッシュとの運命的な出会いだった。(「allcinema」データベースより)

Diamond City

世界のダイヤ集まる街

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アントワープとダイヤモンド取引の歴史は深く、16世紀にまでさかのぼります。

アントワープは、その長い歴史と緻密な取引システムから、世界的なダイヤモンド取引の中心地として、今もなお重要な役割を担っています。アントワープのダイヤモンド取引所には、毎日多数のダイヤモンドが取引され、その多くは高品質のものとされています。

世界8割以上が合集まる!

アントワープに集まるダイヤモンドの量は世界中の85%にも上ると言われています。アントワープは、世界的に有名なダイヤモンド取引の中心地であり、その取引高は、一日平均で約2億ドル(約220億円)にも上ると言われています。

また、ダイヤモンド加工技術や品質管理技術の発展も盛んであり、アントワープは、世界的なダイヤモンド産業の発展に貢献しています。

ダイヤモンドストリート

アントワープ中央駅の周辺地域には、”ダイヤモンドストリート”と呼ばれるダイヤモンド関連の企業や業者が多数立ち並んでいます。

この地域は、アントワープ港からの輸入されたダイヤモンドが貯蔵・取引され、加工や販売も行われており、何千ものダイヤモンドディーラー、カッター、ポリッシャーなどの業者がいます。また、多くのダイヤモンド関連企業が本拠地を置き、高度な技術やノウハウを持つ人材が集まっています。

この一帯だけで、年間の取引額がおよそ270億ユーロ(3兆円以上)にも上るという数字も報告されています。

ダイヤモンド博物館「DIVA」

DIVA, Antwerp Home of Diamonds/YouTube

アントワープ中央駅近くには、世界最大規模のダイヤモンド博物館のひとつである「アントワープ・ダイヤモンドセンター」があります。この博物館は、アントワープのダイヤモンド産業や歴史を紹介するとともに、数多くの貴重なダイヤモンドの展示が見られます。

19世紀の研磨工房を再現したエリアがあり、実際の研磨作業を見学することができます。このエリアでは、ダイヤモンドのカッティングやポリッシングの技術を伝統的な方法で行っており、職人の手仕事を見学することができます。また、博物館内には貴重なダイヤモンド・ジュエリーのコレクションもあり、英国王室の王冠のレプリカなどが展示されています。これらの展示は、ダイヤモンドに関する知識を深めるだけでなく、美術品としても楽しむことができます。

さらに、博物館内にはダイヤモンドを扱うショップやブティック、カフェなどもあり、多くの観光客が訪れるスポットのひとつになっています。

世界にあるダイヤの取引所の25%はこの街に存在する!

ANTWERP DIAMOND BOURSE/YouTube

世界のダイヤモンド取引所の中でも、アントワープには4つの取引所が存在しており、世界16か所のダイヤモンド取引所のうち約25%がアントワープに集中しています。

ダイヤの原石の取引所は世界でココだけ!

Antwerpsche Diamantkring/YouTube

ココには原石専門のダイヤモンド取引所である「アントワープ・ダイヤモンド・バース」があります。

原石の多くはロシア、アフリカ諸国、オーストラリア、カナダなどから産出され、サイトホルダーと呼ばれる特定の企業が現地で買い付けを行い、アントワープに取引所に集まってきます。

その後、ダイヤモンドの品質や重量、形状、色などを評価して取引が行われています。

アントワープ・ダイヤモンド・バースは、アントワープが世界的なダイヤモンド産業の中心地として認知されることに大きく貢献しています。この取引所はアントワープにしかない独自の存在であり、ダイヤモンド産業の重要性を証明しています。

研磨・カットされた後に再びアントワープに戻る

一方、ダイヤモンドのカットや研磨は、主にインド、中国、イスラエルなどの研磨地で行われます。研磨済みのダイヤモンドは再びアントワープに戻り、ここで売買が行われます。このように、アントワープはダイヤモンド産業の中心地であり、原石からカットや研磨、販売までの一連のプロセスが集積されています。

ダイヤモンドのあの有名カットはここで生まれた

Rothem Collection/YouTube

そうですね、現在におけるダイヤモンドカットの代名詞とも言える「ラウンド・ブリリアントカット」は、実はアントワープで生まれたものです。1920年代に、ベルギー人のマルセル・トールキエンが、ダイヤモンドを最大限に光り輝かせるためのカットを考案しました。そのカットが後に「ラウンド・ブリリアントカット」と呼ばれ、現在でもダイヤモンドのカットの中で最も人気が高いもののひとつとして広く知られています。

超ハイレベル!アントワープのダイヤモンドカット職人たち

Jewelry Creations/YouTube

この街には、凄腕研磨職人が多く住んでいることでも有名です。

アストラリスダイヤモンドやハート&キューピットの研磨技術を生み出したガビ・S・トルコフスキーやフィリッペンス・ベルトなどは、アントワープのダイヤモンドカッターとして世界的に有名な人物です。彼らの研磨技術によって、より美しく輝くダイヤモンドが生み出され、多くの人々から愛されるようになりました。アントワープには、こうしたダイヤモンドカッターたちが数多く存在しており、ダイヤモンドの品質を高めるための技術開発が続けられています。

アントワープカット
Diamonds and Antwerp/YouTube

18世紀には、アントワープの研磨師たちがダイヤモンドの輝きを最も美しく引き立たせるカット技法を考案し、それが「アントワープカット」と呼ばれるようになりました。このカット技法は、他のカットと比べてダイヤモンドの輝きや輝度が非常に高く、美しさを際立たせることができます。

過去には専門学校も!

アントワープにはかつて、ダイヤモンド研磨の専門学校が存在していました。この学校は、世界中から多くの学生を集め、ダイヤモンドのカットや研磨技術を教えるために設立されました。この学校は、アントワープのダイヤモンド産業の発展に大きく貢献したとされています。現在では、この専門学校はなくなってしまいましたが、アントワープには多くのダイヤモンドのカッターや研磨師が在籍しており、ダイヤモンドの品質を高めるための技術開発が行われています。

この街のダイヤモンドは「宝石の王様」と言われている

アントワープの職人たちは、世界各国から集まった良質なダイヤモンドの原石を独自の高度な技術で研磨することによって、非常に高品質なダイヤモンドを生み出しています。その品質の高さは、世界中で高く評価され、ベルギーのダイヤは「「宝石の王様」と称されるほどです。

この地域は超厳重な監視体制に審査体制でダイヤを守護

Exy Royal Jewellery/YouTube

多くのダイヤモンド関連会社が集まっているため、ダイヤモンドを守るために、パトカーによる護衛や、マシンガンを構えた警備員などが24時間365日体制で警備にあたっています。これは、ダイヤモンドが非常に高価であるため、犯罪者の狙いとなることが多いためです。アントワープのダイヤモンド業界は、その高い警備体制によって、安全な取引が行われていることが保証されています。

ダイヤモンドの全てを取り仕切る機関「Antwerp World Diamond Centre」

AWDC(Antwerp World Diamond Centre)は、ベルギーのアントワープに本部を置くダイヤモンドの貿易と産業を統括する機関です。AWDCは、ダイヤモンドの鑑定、鑑別、取引、教育、輸出、宣伝などに関する活動を行い、アントワープを世界的なダイヤモンドの中心地として位置付けることを目的としています。

ダイヤモンドを取引する際には、AWDCの登録手続きを行い、審査を受ける必要があります。その審査には、法的な規制や倫理規範の遵守、品質管理の実施などが含まれ、AWDCはこれらの基準を厳密に守ることを求めています。AWDCに登録されたダイヤモンド取引業者は、高品質で信頼性の高いダイヤモンドを提供しなければいけません。

このようにAWDCは、世界のダイヤモンド市場において重要な役割を果たしており、アントワープのダイヤモンド産業を支える重要な組織の一つとなっています。

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品質保証「Diamond and Antwerp」

DnA(Diamonds & Antwerp)は、アントワープのダイヤモンド業界が認定するブランドで、品質保証のために導入されたシステムです。DnAブランドを持つダイヤモンドは、AWDCによって厳しい品質基準を満たし、正当な手順で生産され、正直な方法で取引されたものであることが保証されています。

品質の評価・ダイヤモンド研究機関「Hoge Raad voor Diamant」
Ozalith BVBA/YouTube

HRD(Hoge Raad voor Diamant)はダイヤモンドの品質評価や研究開発を行うために設立された、世界最大のダイヤの研究機関でアントワープに本部があり、AWFCによって運営されています。

IDC規則

IDC規則は、HRDが策定し、HRDが所有している規格です。

IDC規則(International Diamond Council Rules)は、世界のダイヤモンド取引におけるルールや基準を定めた国際協定です。2000年に採択され、ベルギーのアントワープで開催された「ワールド・ダイヤモンド・コングレス」で発表されました。この規則に従うことで、ダイヤモンドの品質や価格に関する情報が適切に伝えられ、取引が公正かつ透明に行われるようになっています。現在、世界中の主要なダイヤモンド取引所で採用されています。

HRDは、このIDC規則に基づいてダイヤモンドの格付けを行うことで、国際的に信頼されるダイヤモンドの鑑定を行っています。

偽物は絶対に許さない!厳しい罰則!!

世界的に権威のあるダイヤモンド鑑定書(品質保証書)の発行機関は、GIA(Gemological Institute of America)とHRD(Hoge Raad voor Diamant)が主要なものとなります。これらの鑑定機関が発行する鑑定書には、ダイヤモンドの品質や特徴が記載されており、購入者や業界関係者に信頼性が高く、価値のある情報を提供しています。

ダイヤモンドの取引には鑑定書が非常に重要なため、鑑定書に虚偽の記載があると、法的に厳しい罰則がが科されることがあります。

まさにダイヤモンド街!アントワープ!!

このようにアントワープのダイヤモンド関連産業は、歴史と伝統を受け継ぎながら、最新の技術と専門知識を結集して、常に高品質なダイヤモンドを提供することに注力しています。また、鑑定書によって品質が厳格に管理され、信頼性が高く評価されています。そのため、アントワープのダイヤモンドは世界的な需要が高く、高額で取引されています。

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人々はなぜ、これほどまでにダイヤモンドに魅せられるのか? 新資料を基にダイヤモンドの魅力をあらゆる角度から検証する。 そして、光り輝くダイヤモンドが人間の文化にどのような影響を与え、どのような役割を果たしてきたか。現在に至るまでの「ダイヤ モンドと人々」との語られざる歴史を、わかりやすく紐解く一冊。興味深いカラー口絵写真30点余。(「Books」出版書誌データベースより)
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